【感想・ネタバレ】機械仕掛けの選択 サクラダリセット3のレビュー

あらすじ

「どうして、君は死んだの?」“記憶保持”の浅井ケイ、“リセット”の春埼美空、そして“未来視”の能力を持つ相麻菫の二年前の物語。二年前に死んでしまった少女と、すべての始まりを描く、シリーズ3作目。
※本書は、二〇一〇年九月に角川スニーカー文庫より刊行された『サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN』を修正し、改題したものが底本です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

きっとこの世界の基盤には、不幸と、悲しみがある。重力によって地面に引き寄せられるように。あらゆる人は、生き物は、物体は、悲しみへと向かう力をいつだって受けている。だって、そうでなければなにかが死ぬ必要なんてない。なにかが壊れてしまう必要なんて、ひとつもない。(169ページ)
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綺麗に笑えなくてもいい。それは、仕方がない。人の表情というのは、本質的に歪なものなのだと思う。感情によって歪んだ顔が、表情だ。(296ページ)

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2023年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★★★以下のレビューは書き直すかもしれません。思うところが、沢山ありすぎて、上手く言葉に纏められません。哲学的というか、主人公達の心理が心を打ちます。名作であるのは間違いないと思います。★★★


浅井ケイが中学2年生(シリーズ1,2の2年前)の世界を中心とした作品。
浅井ケイや春埼美空の心理はこれ迄のシリーズではあまりよく分からなかったが、彼らの心理の奥深い部分を描写している。

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2017年07月30日

Posted by ブクログ

これはとても面白かった。 
分かりやすかった。シンプルだった。 
彼と彼女が出会い今に至る物語。 
彼が咲良田に捕らわれるお話。 
満を持して野良猫のような彼女が登場。 
思っていたよりも可愛らしい女の子だった。 
現代に蘇った野良猫。 その目的とは……。

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2017年01月09日

Posted by ブクログ

 このシリーズ、巻数増すごとに面白くなっている。キャラクターが増えて、話が膨らんできている。

 今巻では二年前、浅井ケイが中学二年生のとき、春埼美空に出会ったときと、その出会いに相麻菫がいたことが語られる。


 小学六年生の浅井ケイは電車で咲良田を訪れた。
 魔女から「咲良田はあなたを放さない」との警告があったにも関わらず。

 自らの記憶能力に目覚めたケイは、咲良田の外に出ても能力のことを記憶してしまう。
 そのことに不都合を感じた管理局はケイを咲良田に留め置く決定を下し、ケイもその決定に従うつもりだった。

 気がついたら、時が戻っていた。世界のリセットを初めてケイが認識したのはこのときだった。
 そして小学六年生のケイは、自ら両親と縁を切る選択をする。

 二年後、中学二年生のケイは下駄箱に古風なハートマークのシールが貼られた手紙を読み、放課後の屋上へ向かう。
 そこにいたのが春埼美空、世界リセットの能力を持つ彼女を引き合わせたのは、予知能力の相麻菫だった。

 春埼がリセットをするときのルール、誰かの涙を見たとき。
 公園で涙を流す女の子を見たとき、美空が使ったリセットでケイが動く。

 本当はいるべきではない。
 でも、母親と一緒にいたい。
 
 少女の願いをかなえるためか、美空に感情を吹き込むためか。
 リセット能力と記憶能力を駆使する。
 そして、その先に今後ずっと後悔することがあることを、まだ知らない。


 一巻二巻で何度も語られる、野良猫のように笑う少女。二年前に何があったのか、三人が管理局に逆らった事件が描かれる。

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2016年12月13日

Posted by ブクログ

物語の本筋に触れ始めた3巻。
中学生にしては思考回路が大人びすぎている気がするが、能力があるしまぁよいのだろう。
とにかく、面白い。
早く続きを読もう。

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2021年03月30日

Posted by ブクログ

河野裕の機械仕掛けの選択を読みました。

咲良田を舞台にしたSF、サクラダリセットの3冊目でした。
最大3日時間を戻すことが出来る春﨑美空とリセットを越えても記憶を保持できる浅井ケイとの物語です。

あまり感情の起伏のない性格の春﨑ですが、公園で出会ったクラカワマリとの交流の中で少しずつ自分の感情を持つようになってきます。
この物語の世界観は現実とは異なり、コンピューターの中で構成されている仮想現実の世界のようにも思えてきます。
このシリーズの最後はどのような結末になるのか、楽しみです。

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2019年09月10日

Posted by ブクログ

時間と空間が交錯してストーリーが複雑になってきているけれど、非常に面白い。
善性に関する考察とそれを検証するためのプロセスを、3冊分という長い文章を使って構築しているところも凄い。

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2018年12月10日

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どこまでもどこまでも自分にとって厳しい純粋さ。自分に、言い訳1つ許さない生き方なんて…
器用なようで不器用な優しさに胸が痛い。

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2017年08月29日

Posted by ブクログ

サクラダリセット3冊目。
春埼とケイの出逢い等2年前が中心。
坂上さんの登場や、マリの件。
アニメと交互に見て読んでいるので、まざる。

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2017年07月18日

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ケイの気持ちがかつての僕なら痛いくらいにわかっただろう
中学、高校、あるいは大学時代に読んでいたら、泣いてたかもしれないし、傷ついたかもしれない
僕にとって重要な本になったかもしれない

でも今の僕はケイにそこまで共感できないし、世界に入り込めない

大人になってしまったんだろうな

僕は善人でありたかった、今はわからない
善人だと思うけど、昔より自分が大事だ

ティーンの潔癖さ
あれはもう取り戻せない

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2017年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2018/4 10冊目(通算62冊目)。相麻菫と出会った2年前と現在の話を行ったり来たりしながら、相馬菫の復活を待つという話の流れ。ここまで読んで、1,2巻の流れが相馬菫の復活につながる話の作りには感心させられる。ただ、話のイメージが自分の中でちょっとつかめていない気がするので、ここいらで配信サービスでアニメを見て、イメージを掴みたいと思う。次。

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2018年04月18日

Posted by ブクログ

アニメから入ったので放映が大分進み、ここまでぐらいなら読んでも大丈夫かな、と手に取りました。ナルホド、ここで中学二年生に戻る訳だ。

原作を読む前にアニメから入った自分は相麻菫オシなのですが小説を読むと最初からケイは春埼に惹かれていたんだな、という事がよくわかります。
それにしても女の子を表現するのに野良猫みたいな少女ってヒドイよね(笑)猫みたいな少女、とかならワカル。でも野良猫って…。私のイメージする野良って痩せていて油断が無くていつもオドオドしていて緊張していて汚いって印象なんだけど今どきの人は違うのかなぁ。
対する春埼の描写の美しい事と言ったら!(笑)当事者意識が無く、すべてを自分と同様に捉えるって子が何であんな無感動・無機質になってしまうんだろう?まあ一々反応してたら生きていけないからああなった、という事なのか?ヨクワカラン。

そして一回の成功例であそこまでケイを心酔するって…やっぱりちょっと気持ち悪い…。無条件の肯定ってそれ、思考の否定というか自己の放棄って感じでなんかイヤだなぁと思う自分は今後出てくるウラチさんの方に共感できる人間なのかもしれない。

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2017年09月01日

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シリーズ3冊目。過去の話と現在の話がつながって、アンドロイドは誰か、という問いの答えがようやく分かる。暗喩の表現や、たとえの話がいい。
2017/5/11

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2017年05月11日

Posted by ブクログ

誰にも心の奥底に柔らかくてくすぐったい部分があると思う。それは、思春期や幼少期に思考したこの世界の無情だ。自分は何者なのか、何故人は死ぬのか、どうして世界から哀しみは無くならないのか。それと折り合いを付けることを、大人になる、と言う。

本作を読んで、その柔らかくてくすぐったいものが引きずり出された気がした。純粋な善、偽善に見せかけた善、抗えない命運を持ってしまう哀しみ。それらを背負った中学生のドラマが、作者らしい優しい修辞を持って語られる。これは非現実的な物語だろう。でもいつか自分も夢想した非現実=理想なのだと思う。

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2019年02月25日

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