あらすじ
元料理人の書店主が贈る心あたたまる物語。
古びた商店街にある小さな書店「ふくふく書房」。店を切り盛りするのは元料理人の夏郎とその娘の成、そして看板犬のフクコと猫の大福だ。書店の営業時間は夜八時までだが、閉店後ごくごくたまに、店前に灯りがつき食欲をそそるいい香りが漂い始める――。
同棲中の婚約者の浮気現場を目撃してしまった女性に、女手ひとつで育てあげた娘が巣立ち寂しさを覚える母親。
困りごとを抱える人々が訪れるのは、書店兼食事処という夜の小さな休憩場所。寡黙な店主が作る夜食と娘が作るデザートが、疲れた心を癒やし、明日への元気をくれる。心あたたまる感動の物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
設定と登場人物の背景、そして成と夏郎との関係性。
ほっこりする話からシリアスなシチュエーション、でも締めくくりはすっきりする、昔見た好きだったテレビドラマの様。
こんな優しい世界があったらいい、娘を持つ父全ての人へ贈りたい。
Posted by ブクログ
お初の作家さんでしたが、とても良い作品と出会えました。
悲しい時、起こっている時、情けなくなってる時、色々な事情の人が
このお店で一息ついて、心身共にエネルギーを得て、また踏み出すのが良いですね。
私も仕事などで苛々、落ち込み、落ち着かないなど、そのまま帰る気になれない時に本屋に寄り、文庫の棚を見ながら本を探していると不思議と落ち着いて、穏やかな、気持ちで帰れます。
そこに更に美味しい食事やデザートがあるなんて、幸せすぎる。
こういう店、身近に会ったら通うなぁ…。
読み終わった後に、穏やかで温かいものが残る作品です。
Posted by ブクログ
本にイヌとネコ。これらが合わされば読者は癒やされずにはいられない。この宇宙の真理である。
ま、上記の3つは物語を彩るエッセンスとして大いに活躍はしているものの、根幹に関わるようなものではないのであくまでもおまけ程度として認識してもらえればいい。
でもあるのとないのでは大違いなので、それがある幸せを噛み締めよう。
一話完結の物語で、全部の7つのお話が収録されている。
人生のどん底気分を味わっている各話の主人公が「ふくふく書房」に出会い、癒やされ、自分の気持ちに折り合いをつけるという流れ。
各話結構重たい状況から始まるものの、最終的には前向きな結末を迎えるので、安心して読み進めることができた。
日々の生活や仕事、人間関係に疲れ果てている現代人に必要なのはこういう作品なのではないか?私自身まったくの偶然でこの本を手に取ったのだが、今思えば導かれていたのかもしれない。
私もこういうお店に出会いたいので、夜に町中を徘徊してみようと思います。
Posted by ブクログ
あたたかいお話でした。
書店の奥で開かれる定食屋さん。
本に関係するメニューあり、ごはん処には、導かれるような人がやってきました。
続きがあるのかな〜
読みたい気分になります。
Posted by ブクログ
書店とごはん。どちらも好きなジャンル。どちらかというとご飯の方が強めでした。
こういうところが近所にあると通っちゃうだろうな。癒されたい。
成ちゃんのお母さんはとんでもないけど、お父さんと出会わしてくれたのは感謝だな。
Posted by ブクログ
続編を書いて欲しい(泣)
夏郎と成親子が営む
書店の奥で22時から不定期に営業する食堂で起きる
ちょっと問題を抱える人達を食と物語を綴り、フクコと大福が心を浄化してくれる
しかし親子の辛い過去も
癒されたり、イライラしたり、成頑張れ
夏郎いい男ダァ(泣)
Posted by ブクログ
傷ついたり疲れたりした時にふと出会う、ちょっと変わった食堂が舞台の短編集でした。
似たような設定の物語はいくつか読んだことがあるけれど、一つ一つのお話が今の自分とリンクすることが多く、読み終わったあとはすごく温かい気持ちになれた。いつも思うけど、こういう食堂、私の家の近くにもほしい〜
Posted by ブクログ
一見ファンタジーかな?と思わせ振りな冒頭の文章、秘密の場所のような奥まった場所にあり、ごくたまにしか出会えない非日常的な感じが「これ、面白そう」と期待させる。
読み進めるとじわじわと胃袋と心を刺激する。
期待以上の面白さに心もお腹も満腹感いっぱい。
こんなお店あったらいいなと思う物がぎっしり詰まったお店「ふくふく書房」
店主夏朗は元料理人だけあって定食の味は絶品。
娘の成が作る一風変わったデザートも見逃せない。
看板犬のフクコ、看板猫の大福をなで放題サービスと嬉しいおまけ付き。もふもふしたい。
何といっても料理の描写がリアルでとても美味しそう、食欲をそそる香りまでしてくる。
作家や本に携わった料理が出てくるのも楽しみでワクワクする。
なかでも「坊っちゃんの天麩羅蕎麦」
かき揚げのサクサク感や海老のプリプリ感が読んでて伝わってくると同時に腹の虫が鳴き始めるから大変。
『銀河鉄道の夜』の「鳥捕り」のクッキーも
面白い。
銀河鉄道の夜で鳥捕りが天の川で鳥を捕まえて
押し葉にしたお菓子の鳥の足をちぎってジョバンニにあげるのだけど、あれって鳥なのか、お菓子なのか?どっちなんだろう?と不思議に思ったんだよね。
あと岩手県のお土産で鳥捕りのクッキーとかないのかな?あったら食べたいなぁ。
何故かこの店には悩み事やトラブルを抱えた人ばかりが引き寄せられるように訪れる不思議なお食事処。
このお店には不思議な力があるのかな?
父娘の美味しいご飯と優しさで心があたたまり、フクコと大福の力で癒されていく。
悩み事も現実にありそうな話なので身近に感じられる。
いろいろな意味で止まり木のような休憩場所。
次第に明らかになっていく父娘の過去が衝撃的で切なくなる。
人の痛みが分かる父娘だからこそここへ来た人達の心に寄り添い、美味しいご飯とあたたかい言葉で明日への一歩を踏み出す勇気をあたえてくれる。
単なるお食事の物語ではなく、ヒューマンドラマのようなビターな面もあり面白かった。
夏朗がお食事処始めたきっかけが気になった。
単なる気まぐれではないような…
続編でないかなぁ。