作品一覧 2021/08/31更新 ホワイト・ティース 試し読み フォロー ホワイト・ティース(上下合本) 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> ゼイディー・スミスの作品をすべて見る
ユーザーレビュー ホワイト・ティース(上) ゼイディー・スミス / 小竹由美子 帯で西加奈子さんとブレイディみかこさんが激賞していたので読んでみた。 宗教と世俗との折り合いや人種の違いといった本書のテーマとなる問題はなじみがないが、悩みの果てにトリッキーな行動を取り、自分を曲げないのでちっとも成長しない登場人物たちは、面倒ながらも愛せる。 歴史上は「馬鹿者」「臆病者」と思われて...続きを読むいるマンガル・パンデーをサマードはものすごく信じていて、一冊だけども彼を「独立への基盤」と記載した本もあることが、どんな人間でも誰かは受け入れてくれるということを象徴してるのかな?と思った。 「アーチー、アーチー、アーチー、アーチー」 「ミスター・ヒーロー」 「君はどうもわからん男だなあ、アーチー」 「ミスター・ヒーロー」 といったやり取りや、 「ここで費やされた時間÷ほかの場所で有意義に過ごせたかもしれない時間×楽しさ×マゾヒズム=自分が常連である理由」 などの言い回しが、ザ・海外文学のユーモアという感じでとても好き。 Posted by ブクログ ホワイト・ティース(下) ゼイディー・スミス / 小竹由美子 下巻になると上巻の二人の娘や息子が主人公になる。ジャマイカやベンガルの文化的背景だけでなくイギリスの文化の影響、青春の迷いや欲望、麻薬やアルコールなど様々な小道具で話が進む。何に向かって進むかというかより、どのように物事は展開するのかという微分に重きが置かれているように思えた。20代前半に色んな文化...続きを読む的背景を持つ様々な登場人物の心理をこれほどまでに巧みに描いた筆力に脱帽。 Posted by ブクログ ホワイト・ティース(上) ゼイディー・スミス / 小竹由美子 新聞の書評に載っていたので読んだ。 イギリス人のアーチーとベンガル系のバングラデッシュの物語。 二人は第二次大戦で従軍し友情を育む。 そしてアーチーは若いジャマイカ出身の女性と再か婚し、二人の人生は続く。 50代の男性の心理を20代の女性がかくも巧みに描いたことに驚いた。 下巻にいくとさらに物語は...続きを読む暴走します。 Posted by ブクログ ホワイト・ティース(下) ゼイディー・スミス / 小竹由美子 下巻では、上巻で活躍したアーチー、サマードの子供たちが、誰一人親の望むようには成長せず、関係し合い、主張して、対立する。 本書のキャストが全員そろってもつれこむラストまで、それぞれ全く歩み寄らない。全員とんでもなく生きづらそうではあるものの、人間臭さが魅力的で、多様性について考えさせられる。 最終章...続きを読むのアーチーに、結局人を繋ぐのは、理屈を超えた本能的な、あるいは偶然の結果による、人を助ける行動なのかなあと思う。上巻の冒頭で命を救われたアーチーが、下巻の最後に人の命を救う展開が美しい。 Posted by ブクログ ホワイト・ティース(上) ゼイディー・スミス / 小竹由美子 恐らく世界的な名作。現代をこれほどうまく捉えた小説は少ないだろう。話の内容は若干付いていけないほど混乱しているが、作者の主題がハッキリしているので読んでいて迷わない。読後の印象はサルマンラシュデイの真夜中の子供たちと、かなり似ている。それだけの傑作だと思う。 Posted by ブクログ ゼイディー・スミスのレビューをもっと見る