ゼイディー・スミスのレビュー一覧

  • ホワイト・ティース(上)
    帯で西加奈子さんとブレイディみかこさんが激賞していたので読んでみた。
    宗教と世俗との折り合いや人種の違いといった本書のテーマとなる問題はなじみがないが、悩みの果てにトリッキーな行動を取り、自分を曲げないのでちっとも成長しない登場人物たちは、面倒ながらも愛せる。
    歴史上は「馬鹿者」「臆病者」と思われて...続きを読む
  • ホワイト・ティース(下)
    下巻になると上巻の二人の娘や息子が主人公になる。ジャマイカやベンガルの文化的背景だけでなくイギリスの文化の影響、青春の迷いや欲望、麻薬やアルコールなど様々な小道具で話が進む。何に向かって進むかというかより、どのように物事は展開するのかという微分に重きが置かれているように思えた。20代前半に色んな文化...続きを読む
  • ホワイト・ティース(上)
    新聞の書評に載っていたので読んだ。
    イギリス人のアーチーとベンガル系のバングラデッシュの物語。
    二人は第二次大戦で従軍し友情を育む。
    そしてアーチーは若いジャマイカ出身の女性と再か婚し、二人の人生は続く。
    50代の男性の心理を20代の女性がかくも巧みに描いたことに驚いた。

    下巻にいくとさらに物語は...続きを読む
  • ホワイト・ティース(下)
    下巻では、上巻で活躍したアーチー、サマードの子供たちが、誰一人親の望むようには成長せず、関係し合い、主張して、対立する。
    本書のキャストが全員そろってもつれこむラストまで、それぞれ全く歩み寄らない。全員とんでもなく生きづらそうではあるものの、人間臭さが魅力的で、多様性について考えさせられる。
    最終章...続きを読む
  • ホワイト・ティース(上)
    恐らく世界的な名作。現代をこれほどうまく捉えた小説は少ないだろう。話の内容は若干付いていけないほど混乱しているが、作者の主題がハッキリしているので読んでいて迷わない。読後の印象はサルマンラシュデイの真夜中の子供たちと、かなり似ている。それだけの傑作だと思う。
  • ホワイト・ティース(下)
    恐らく世界的な名作。現代をこれほどうまく捉えた小説は少ないだろう。話の内容は若干付いていけないほど混乱しているが、作者の主題がハッキリしているので読んでいて迷わない。読後の印象はサルマンラシュデイの真夜中の子供たちと、かなり似ている。それだけの傑作だと思う。
  • ホワイト・ティース(下)
    バングラデシュ系移民とロンドン下町育ちの2人のオッサンの数十年にわたる友情を軸に,それぞれの妻(ヒンズー系とジャマイカ系)と息子,娘たち,白人(ユダヤ系)とその家族,イスラム系過激派,過激動物愛護団体が絡み合い,最後に1992年の大晦日に臨界点に達する.
    様々なルーツを持つ人達は決して理解し合ってい...続きを読む
  • ホワイト・ティース(下)
    ここ数年読んだ本の中で、最も置いてけぼりを喰らってしまった作品となりました(苦笑)

    様々な宗教や、科学主義、動物愛護主義などのイデオロギーが話の中に入りまじり、さらには登場人物たちの人種間の断絶、移民、移民2世の人々たちのアイデンティティの揺らぎや、寄る辺なさが登場人物の行動や思考に影響し、物語は...続きを読む
  • ホワイト・ティース(上)
    なんというか……、とにかくカオスだなあ、という印象の強い上巻でした。宗教観や異文化が登場人物の背景にあるのですが、その背景ゆえの思考や行動がなかなかこちらの理解が及ばないというか、ぶっ飛んでいるというか……。

    ただ、それゆえに物語の展開が予想できない上、登場人物の異様な行動にも一種のシュールさが生...続きを読む