あらすじ
俺たちの呪われた運命に、ケリをつけてやる――。日本政府に対するケイたちの痛快な復讐劇が始まった! 外務省襲撃を目撃した記者、貴子は、報道者としてのモラルと、彼らの計画への共感との板ばさみに苦悩。一方ケイと松尾は、移民政策の当時の責任者を人質にし、政府にある要求をつきつける。痛恨の歴史を、スピード感と熱気溢れる極上のドラマに昇華させた、史上初三冠受賞の名作。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
世界観の壮大さ、物語のスピードに乗せられてすいすい読めてしまう程の文才、筆者が読者に伝えたいことが明瞭かつ強いものであること、これが私の好きな本の特徴で、この本は正しくこれを満たすものだと思った。
この本を好きな人にはジェノサイド(高野和明著)、また、桜の国で(須賀しのぶ)を勧めたい。
Posted by ブクログ
ラストがとても軽い感じで終わってしまったのは、少し残念。最初からは、想像できないくらい変わってしまった。物語とは言え、事実に即している部分も多いからこの本を読んで勉強になった。
Posted by ブクログ
すごかった。めちゃめちゃ面白かった。
ケイと松尾の復讐で終わるだけに過ぎず、その後の二人の命がけのそれぞれの戦いがあったり、貴子が成功した後のあっけなさもあり。解説も良かった。
とても面白かったなあ
Posted by ブクログ
後半戦!
前半戦はケイたちが何か企んでいることが分かるのだが、何が行われるのか?どうなるのか?期待MAXのところで終わった。
後半戦は全速力で話が動いていく。
日本政府への復讐劇が始まった。
貴子は外務省襲撃事件の一部始終をレポートした。彼女がレポート出来たのには事情があったのだが、彼女は良心の呵責に苛まれる。
そんな中、さらなる事件が世間を震撼させる。
気持ちは常に犯人側にある私。
犯人側に想定外のことが起こる度にハラハラドキドキが止まらない。
貴子さんの性格もかっこいいのだが、ケイの人となりもどんどん好きになる(*^▽^*)
ただの陽気なスケベヤローだと思っていたのに、なかなか良いとこあるなぁと(*^▽^*)
マツダのセブンでの高速走行も読んでいるだけなのにすっごい臨場感!速度を感じてしまった!
このボリューム感も最高でした!
面白かった!
Posted by ブクログ
日本の移民政策の非をどう追及し、どう復讐を果たすのか? 目が離せない下巻の幕開けです。
段階的に進む復讐劇のスリルに、ハラハラドキドキさせられますが、決して軽さを感じさせないのは、やはり背景に衝撃的な"巨悪の実態"が重く根底部分を支えているからでしょう。
また、著者の筆致も、テーマの重さと疾走感・爽快感の両立が図られている気がします。
下巻の読みどころは、復讐を仕掛ける犯人側・追う警察側・報道するTV局側それぞれの視点の切り替わりと心理描写の緻密さが見事に絡まり、大きなうねりとなって読み手に迫ってくる展開でしょう。
彼らの復讐は、移民一世の直接的な憎悪や怒りとは異質の、二世としての自分にケリをつけ、風化していく世代の足跡を留め、現政府の権威を失墜させ、現国民にも過去を知らしめる行動でした。
繁栄の陰に、裏切られ、運命に翻弄され、ブラジル社会の最底辺へ虚しく堕ち、死んでいった同胞たちへの鎮魂歌と言えます。
それにしても、戦後の民主主義、特に国民主権や基本的人権は何だったんでしょう? 戦後の混乱期であっても、許されるものではありません。
今の時代に生きる私たちの生活は、歴史に埋もれた多くの犠牲の上に成り立っているということを忘れてはいけませんね。
自分と向き合うとは?苦悩しながらも信念を貫くとは?と自問させ、かつ極限状態に身を置いた者にしか解らない自意識・心の叫びに圧倒されました。
昨年、直木賞を受賞した『極楽征夷大将軍』も未読で、今回垣根涼介さん初読み作品として本書の選択は、間違っていませんでした。2004年に、大藪春彦賞・吉川英治文学新人賞・日本推理作家足協会賞を史上初の三冠受賞も当然と思えました。紛れもない傑作、超絶おすすめの過去作品です。
Posted by ブクログ
面白い!おもしろすぎる!
ブラジルを中心とした日系人の苦労、言葉では言い表せない悲哀、日本政府のひどさが描かれているにもかかわらず、登場人物のキャラクター・ストーリー展開のスピード感に圧倒された。文庫上下巻1,000ページ?を一気に読まざるを得ない内容だった。
垣根涼介さん、初めて読んだが1冊で虜になった。
Posted by ブクログ
本のバックボーンは極めてシリアスなのだけど、入念に練られた復讐劇そのものは、最高のエンターテイメントだった。ほぼ一気読み。こんなに面白い本があるのか、という感じだった。
ブラジル棄民日系二世ケイとテレビ局報道部貴子の恋愛は、外務省襲撃事件の犯人とそのスクープ者というありえないような緊張関係の中でのもので、ハラハラしっぱなしだった。
外務省で棄民政策を実行した人の言い訳、自己正当化を読むと、ナチスでホロコースト運行列車を忠実に運営したアドルフ・アイヒマンを思い出した。曰く、「私の罪は従順だったことだ。」
私に命令した人がいる、悪い人がいるとしたらそいつであって自分ではない、と言いたいのだろうけど、自分も命令する側でもあるのだろうから、思考停止としか言いようがない。
私の父は、この南米移民政策に応募しようと思ったことがあるらしい。何歩か間違えば、自分がケイになっていたかというと、流石にそれはないか。
Posted by ブクログ
南米人の野放図で野心にまみれた生き方に刺激を受けた。貧しい環境で育ったからこそ培われたものであると思うので日本人が真似するのは中々難しいが、この本を読むとそのようなメンタルで生きようと思える。
Posted by ブクログ
不穏な雰囲気を残して上巻が終わってしまったので、続きが気になり過ぎてほぼ一気読み。
変わらずの展開の速さですいすいと結末まで。
思い悩んでいるかに見えて潔い。
彼らの潔さにスカッとし、それが手際の良さやこの緻密な計画にも繋がったんだろうな。
山本さんは心苦しい部分もあるけど、松尾のスカッとさは好きだ。
最後の最後までケイの心情が出てこなかったことが、なんだか彼の異質さを表しているような気もした。
Posted by ブクログ
想像を超える展開が続いてドキドキハラハラ。
過去や復讐に取り憑かれていた登場人物たちは自己欺瞞という呪いから解き放たれて自由になる。
結局、その呪いをかけていたのは過去や他者ではなく自分自身だったと気付いた。
政府、外務省、警察に勝ったのではなく、自分に打ち勝ったんだと思った。
自分の生き方の舵は自分でとる、西加奈子さんの『サラバ!』を読んだときと同じことを考えた。
Posted by ブクログ
上巻後半からのスピード感と熱量のまま、一気に駆け抜ける展開。
緊迫する場面が続いているはずなのに、ブラジル的な陽気さというか能天気さがずっとあって、完璧で周到なはずの作戦がフラフラ蛇行している感じがおもしろい。
ラストについても、日本で生まれ育った者ではないな、と思わせる納得のものでした。
Posted by ブクログ
第二次世界大戦後のブラジルへの移民政策についての史実をベースに、移民一世・二世、テレビ局ディレクターなどの人生を絡み合わせた物語がドキュメントタッチで描かれれいる。聞くに耐えない苦しみから主人公たちがそれぞれ、どうやって解放されていくか描かれており、長編にもかかわらずいいペースで読み切ることが出来た。最後がハッピーエンドを思わされる展開になっており後味が良く、気分よく読み終えることが出来たところも★5をつけた理由のひとつ。
Posted by ブクログ
知りたいと思っていた、南米移民の真実。
希望に溢れ南米に行ったはずが日本政府に騙されてたんだ。歴史では習っていない真実。手の届きそうな近代の事実だからこそ考えさせられた。
ストーリーは面白すぎる!
Posted by ブクログ
痛快。良かった。
移民系のお話は初めて。
ゆえに、今までに考えたこともなかった世界を知れた気がして、よかった。
ケイのような男性に出会いたい、貴子のような女性になりたいと、思った今日この頃。
薄い感想しか書き並べられない時点でまだまだである。
Posted by ブクログ
すばらしい作品だった。
国家を相手取り主人公たちの復讐劇が成功して大団円を迎えるということはないだろうなと。
それでも、この上ない終着点に辿り着けたと思う。
意外だったのが、ボスは松尾の活動を了承しているものだと思っていた。
いつも能天気なケイ、終始怒っている貴子、この2人はイマイチ好きになれなかった。
特に貴子は喜怒哀楽が極端で、どーにもこーにも・・・
ハードな世界の物語だったが、エピローグは笑えた。
声を出して笑えた。
作者の趣味なのか、今回も車の描写が濃密。悪く言えばくどい。
車に興味のない人にはどうでもいい行が多すぎる。
・・・だめだ、箇条書きにしかできないくらい、興奮している。
Posted by ブクログ
下巻は一気読みでした。
面白かったです。
なんで映画化されてないのか不思議なくらいスケール感があって、テーマも重い。
THE BOOMの宮沢和史さんが解説で書いていたが、「半島を出よ」に近いですね。
Posted by ブクログ
下巻も面白かったな〜
復讐の話なので重いテーマではあるが、あんまりそれを感じさせないバランスが絶妙。「結局誰も救われない」等、そういう暗い気持ちを引きずらなくて済む。ただし、復讐が成功して爽快という感じもない。
登場人物のそれぞれのキャラが良い味を出して、作品の進行を軽やかにしてくれてる感じ。
初めての作家さんだったので、他の作品も読んでみようかな。
Posted by ブクログ
残念だったのは、思ったよりも計画がしょぼかったことくらい。ただそこを除けば、ストーリー、結末は爽快そのもの。何よりも貴子の存在がその爽快さに華を添えていて良かったです。エピローグのブラジルの風景の描写も好きです!
Posted by ブクログ
戦後の愚策、南米への棄民政策によって人生を狂わされた者達の復讐の話。詳しく知らんかったから勉強になった、読んでよかった!復讐者に肩入れして、先が気になり息をつく間も無く読み切った、圧倒的疾走感と爽快感。
Posted by ブクログ
目がしばしばする( ¯꒳¯ )ᐝ一気に読み切った。
政府への復讐、、
でも人を殺めない。目的はそこでは無い。
綿密な計画が進んで行くスリルさ。
衛藤、松尾、山本、ケイ、それぞれの決意が1つになり信頼を生みここまでやれてしまう。
そんな中でのケイと貴子の計画外の動きがちょっとしたスパイスだけでは無く実は重要なストーリー展開の芯にもなる設定。
ケイと貴子、魅力的やった。
山本、、、切ないなぁ、、、
松尾、どこかで幸せになれたかなぁ、、、
Posted by ブクログ
まあまあ面白かった
最初のエピローグの感じで進んでいくのかと思いきやハードボイルドだった
個人的にはエピローグの方向性のままのほうが好きかな
それにしても信長といい
この作家はちょっといいかも
Posted by ブクログ
主人公に比べたら、自分は恵まれた環境で育ったんだと感じた。自分の仕事の辛さは、主人公に比べたら大した事がない。
それと、ブラジル人の人柄の良さも垣間見る事が出来て、そういう穏やかな所は見習いたいなと思った。
Posted by ブクログ
結果的に、ハッピーエンドで良かった。
衛藤、ケイ、松尾、山本達の願いは、日本政府(外務省)に過去の非を認めさせることだった。
結果として、総理大臣は会見で非を認める発言をした。
+αとして、以下成果もあった。
・日本国民に、過去の政府の過ちを伝える事ができた。
・当時の役人に復讐することもできた
・捕まらず逃亡もできた(山本は亡くなったが)
・日系移民達の裁判に今後有利に働く?
・精神面で自由になった
内容の衝撃は上巻に纏められてた気がするので、下巻での感想は意外にないなぁ。
Posted by ブクログ
ハラハラ、ドキドキのハードボイルド! 先が気になり読む手が止まらない。無知だった日系移民の黒歴史。「知らないということは、それ自体で罪なのだ」の一文が印象的。犯行を応援し、逃げ切って欲しいと思った私は、やっばり寛容さと愛=アモルが不足している日本人なのだろうな。男臭プンプンの表現も多々。銃と車の細か過ぎる構造描写は、斜め読みさせていただきました。
Posted by ブクログ
上下巻の作品って上巻がピークで下巻はそこまで……っていう経験が何度かあるのですが、この作品は上巻の勢いのまま最後まで読めた。
最後まで、この人死んじゃう?生き延びる?捕まる?逃げ通す?これが最後の別れ?また会える?とハラハラしながら読み進められました。
あくまでも作品の主役は復讐する側なので、キレものの警察が登場するのがだいぶ後半って言うのも面白かった。
事件をどう解決するか、はサイドストーリーで事件を通して何を伝えるか、が重要だった。
個人的にはケイ目線の世界も見てみたかったなあ。
衛藤のことや自分の境遇のこと、どう受け止めて生きてきたんだろう。
でもあの飄々としたケイのおかげで、テンポよく読み進められたところもあるのかな。
Posted by ブクログ
面白い本は、一気に読みたくなるものでワイルドソウルも一気に読破してしまいました。クライムサスペ ンス は結末が悲惨なことが多いのですが、ニック・ハーカウェイのエンジェルメイカー (ギャングが世界を救う)のようなエンターテイメント作品でした。彼らの日本政府への復讐はどのようなものだったかぜひ未読の方は体験ください。
Posted by ブクログ
前半が準備で、後半にかけて一気に物語を仕上げていく。大掛かりな計画を画策しているような雰囲気は緊迫感に溢れていた。ただ、実現した結果というのがちょっと拍子抜けな感じがする。誰も悪役を悪役にしきらない感じはこの本のユニークさでもあるし、同時に物足りなさでもあると感じた。
Posted by ブクログ
下巻では、それぞれの過去と向き合う四人の男たちが、自らの意志で生きる道を選ぶ。復讐を終え、移民時代のしがらみから解き放たれた男達が、そこから先の「尊厳」を取り戻す、静かな闘いだ。印象的だったのは、山本と松尾。
山本は逃亡中に意識を失い、半身麻痺のまま病院で目を覚ました彼は、仲間を売ることなく、自ら命を絶つことを選ぶ。その決断は単なる罪滅ぼしではない。過去に縛られ続けた自分からようやく解放され、「自分のために生きた」と言える一瞬の自由を味わいたかったのだ。死の間際にして初めて“自分”を取り戻す姿が、痛ましくも美しい。
そして、本作で最も鮮烈なのが、松尾の結末だ。裏切りを悟った仲間と車に乗り込んだ彼は、首都高を時速300キロで爆走し、そのまま京浜大橋から車ごと空へと跳躍する。法定速度を超えて夜の高速を走るという彼の奇行は、自由を知らずに育った松尾自身の生き方を象徴していた。既定のコースしか走れなかった男が、最後に道を逸れて宙を舞うことで、これまでの自分を破壊し、新たな“自由を手に入れる。解放の物語として鮮烈な印象を残した。 下巻は、理不尽な歴史に翻弄された男たちが、自らの意思で運命に決着をつける物語。 どんな形であれ、彼らの進んだ道には確かな自由があった。