あらすじ
このままでは、我が子を手にかけ、自分も死ぬしかない。歯科医の大澤正樹とその妻、節子は悩んでいた。長男の翔太は中学で不登校に、以後七年間引きこもり続けている。一方、一流企業に勤める姉の由依は、弟のせいで結婚できないと両親に訴える。ついに息子と向き合う決心をした正樹が知った恐ろしい真実とは――。引きこもり、家庭内暴力、不登校、いじめ……現代日本を抉(えぐ)る社会派エンタメ長編。(解説・三浦友和)
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Posted by ブクログ
読みやすくて面白かった!
一般的な小説は
引きこもりを家から出す業者が見つかる→そこからのドラマという展開が多いなか、
引きこもり業者が見つかる→上手くいかない、弁護士を見つける→上手くいかない、と何度も立ちいかなくなるのもリアルさを感じられて良かった。
それぞれの性格も分かりやすくてあぁこういう人いるよなぁという感じ。
それぞれが完璧じゃないのもまたリアルだった。
場面がリアルに想像できたのでいつか映像化しそうな作品。
Posted by ブクログ
歯科医の正樹には、中学生から7年間引きこもっている息子・翔太がいる。中学側にはいじめはなかったと言われたが、実際には酷いいじめがあったことが判明。高井弁護士と一緒に、いじめっ子を相手に7年越しの裁判に挑む。
妻・節子や娘・由依のやり方や考えと合わなかったり、翔太が家の中で暴れたり、正樹が自分を抑えられず翔太に怒鳴ったり、これはもうダメか…と思うことが度々発生する。
それでも、最後は翔太の「裁判を続けたい」という意志の強さもあって見事に勝利する。
正樹がイライラして強い口調になって、節子が「あなたっていつもそう」というやりとりやが度々出てきて、読んでいて気持ちのいいものでは無かったが、すごく人間味があるんだと思った。
翔太が父・正樹の姿を見て、将来に向かって決意をするところが一番の感動ポイント。
Posted by ブクログ
いじめを誰にもいえずに引きこもっていた我が子。このままでは、80代の親が50代の引きこもりの子どもの面倒をみなければならない8050問題が現実になってしまう。この状況を打開するために父親はいじめた人間を相手に裁判で争うことを決心する。
裁判の準備を進めていく中で、子供が受けたいじめの内容を知り、子供のことを何も知らなかったことを悔いる父。今までの失った時間を取り戻すように、息子に語りかける父。
裁判が終わり、報道陣の前で父親が引きこもりの子を持つ親へ向けて発したメッセージが最高。子供と一緒に戦って下さい。子供を信じて、お前を守ってやれるのは世界中でお父さんとお母さんだけなんだと言い続けて下さい。最高にカッコいい父親。
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本のタイトルの8050から、中高年の引きこもりの話かと思っていましたが、青年期の引きこもりから、家族の苦悩と葛藤、当事者との関わりかたに焦点を当てて書かれた内容でした。一気に読むことができました。
Posted by ブクログ
『8050』(はちまる、ごーまる)問題とは、80代の親が50代のひきこもりの子を養うこと。世帯の困窮と孤立で、現代社会の問題となっています。
物語は現実に『8050』というわけではなく、中学時代に壮絶なイジメにあいずっと引きこもり生活を続けている息子を何とかしようと父親が奮闘する。このままでは『8050』になってしまう…その危機を食い止めようとする話だ。
息子の引きこもりの原因は人格を否定するほどのイジメであり、その当時の同級生に対し「復讐したい」という。父親は息子の尊厳のために弁護士に相談し、8年前のいじめを巡る法廷闘争をはじめてゆく…
自分自身を振り返ると、中学時代に気の弱い勉強の不得意な同級生に対して、イジメがあった気がするし、笑いながら少し加担してしまったような記憶がある。その時のいじめられていた子の消息は知らないが、もしかしたら当時のイジメが原因で何かなっていたのかもしれない…
小説でも当時イジメをしていた同級生三人は立派に成人しており、イジメたという記憶さえ曖昧であり、8年前のことを今になって訴えるという親子は周りから変人扱いされる。
それでも息子が立ち直るために、世間からのあざけりに耐えながらも、裁判を進めようとする父。
息子さんのいる父親が読むなら、最後は絶対に泣くと思う…。家族の再生を描く素晴らしい小説でした。
Posted by ブクログ
めっちゃめちゃ、最初から最後までずっと面白かったです。
引き込む力が、強い!!
寝る前にちょっと読もうと思ったら、翔太がガラスを割りながら暴れまくるシーンを読んでしまい、衝撃的で目がギンギンになり全然眠れなくなったしまいました。笑
8050問題というのをこの本がきっかけで知りました。
80代の親が50代の子の面倒を見る…なんかもう、今の日本には実際にたくさんあるんだろうなと思いぞっとした。
Posted by ブクログ
面白くて一気読みしてしまった。
身近にも中学~高校で不登校になる子どもが複数いるが、この本のようにいじめなど必ずしも明白な原因がある訳ではない。
どのように向き合い再生するか、小説といえど勇気付けられる良著だった
Posted by ブクログ
引きこもりをテーマとした作品ということもあり、全体的に暗い雰囲気でした。
その中でも、重くのしかかる現実と正面から向き合おうとする登場人物の姿に心を打たれました。
誰にでも起きる問題として捉え、今後の生活を過ごしていきたい。
Posted by ブクログ
一気に読み進めてしまった。作者の作品世界にすっかり取り込まれてしまったように思う。
翔太が飛び降りた時は最悪の結末を迎えたと思ったが、そこからの翔太の心の持ち直し方、裁判で高井が金井をやり込めていく様の描写に本当に心を掴まれた。いい作品だった。
Posted by ブクログ
母ちゃんにも父ちゃんにも姉ちゃんにもほんまにイライラさせられるけど、これがまたリアリティがあって一気読みだった
イジメって絶対に無くならないけど、した事の責任は絶対に取らせて欲しい
Posted by ブクログ
いちど読み始めたら止まらなくなった。何より主人公の歯科医師の父親の決心と覚悟、同じく子供を持つ親としてその行動力に驚き、私は子供のためにここまで自分に出来るかと自問しながら読み進めた。親の気概が息子へ伝わり、希望が見えた終わりには、色々と考えさせられた一冊。
Posted by ブクログ
引きこもり問題
翔太を囲む全員の気持ちがわかり終始複雑な気持ちだった
父→世間体が気になる、裁判するべき
母→息子を傷つけてまで外に出したくない
姉→力ずくでも外に出したい
まだ引きこもりの子供を持つ年でもないが、実際問題で自分の子供が引きこもった時どうすればいいだろうと考えたとき、正解や一般論がなく困ったので、あらすじから気になっていた。
引きこもり問題はやはり解決が難しく、翔太となかなかコミュニケーションが取れないどころか、母にDVを働く始末。
引きこもりの原因はいじめであることがわかり、途中からどうやって引きこもりを解決するか、からどう裁判で勝つか、みたいな流れに変わっていったが、
解決策として
①引きこもりたくて引きこもる、から引きこもらないといけないに環境を変えてあげる
②一度、死を実感することで自分の人生が全く生を感じるものではなかったと振り返らせる
(力技すぎる。。。)
みたいなことがあるなとおもって少し腑に落ちた。
Posted by ブクログ
こんな感じで引きこもりの人たちが救われたらどんなにいいだろう。完璧なめでたしめでたしではなく、主人公たちのこれからの人生を考えるといいことばかりではないだろうなと思いつつ、それでもなんだかうらやましい。
臭いものにフタをし続けると引きこもりになってしまうのかも。自らを鼓舞しつつ。。
Posted by ブクログ
ラストの展開は気持ちが救われる話になっていてるが、とても身につまされる内容だった。他人は「なぜ深刻になる前にもっと早く子供を家から追い出さない」というかもしれないが、実際は動けなくなっている子供(成人でも)を追い出すことなんてできないのが現実だと想像できた。私には3歳下の妹がいて、おそらく小さいころ学校でいじめに遭っていた。その影響が長いこと彼女を苦しめているのではないかと感じていた。だけども、乗り越えてくれるだろうと楽観的に見ていた自分を悔やむ。いま、幸い彼女は何とか中度うつ病を乗り越えて逞しく遠方で生きている。正直今でもどう接したらよかったのかわからないが、一つこの本を読んで思ったのは、向き合うことを避けるべきではなかったということ。
Posted by ブクログ
引きこもりの子とその親の年齢を意味する8050問題。リアルな社会問題に焦点を当てた冒頭部分については、父や母、姉、そしていじめ被害にあった翔太それぞれの感情に共感できる部分が多々あり、他人事とは思えない救われなさを感じる。最後まで後味の悪い作品かとも思ったが、弁護士の高井との出会いをきっかけに、法廷での加害者との戦いを通じて徐々に気分が晴れる展開となった。いじめの主犯格リクトが追い詰められるシーンは痛快であったと同時に、いじめを主導するようなやつはまさにこういう奴だったなあとしみじみ思った。
Posted by ブクログ
とても読みやすい文章だった。
自分の心に傷を負うと元の状態に戻るには時間がかかるし、実際にこのような思いをしている人はたくさんいるはず。
向き合い続けることも、見捨てずに見守ることも大切だと思った。
Posted by ブクログ
とても読みやすい文章でどんどん読み進めることができました。会話文が多く、適度に情景描写をはさんでくれるので、まるでドラマを見ているような感覚に陥りながら読めました
Posted by ブクログ
題名から、高齢介護や引きこもり関連の話かと思っていたら、いじめや家庭内不和といった様々なテーマを扱ってありました。
はじめ息子だけの問題かと思っていたら、父親の他責傾向といった性格に問題があり、まぁでも大人だって完璧じゃない、皆多少なりともこんなものだよなぁと共感しました。
後半怒涛の展開で読む手を止められませんでした。裁判という一見突飛もない行動を通して、少しずつ成長していく家族に感動しました。
Posted by ブクログ
中学受験をし進学校に入学したもののイジメがきっかけで引きこもりになってしまった息子。かれこれ7年間も引きこもっている。将来を悲観した親が息子のために奮闘する話だ。大事な可愛い息子がこんな状態になってしまうなんて、親なら色んな後悔や葛藤があるだろう。そしてこんな目にあわせた奴らを決して許すことは出来ないであろう。どんなに優秀な他人の子供より我が子がいちばん愛おしいのだから。
内容は衝撃的だが、親なら何とかしてあげたい気持ちはすごくわかる。
悪因悪果。イジメた奴らに言ってやりたい。
Posted by ブクログ
文体に緩急があったので一気に読み終えた。
8050ってなんだろ?と思ってたので、8050問題っていう語句?も初めて知った。
中学のイジメが原因で7年間引きこもりになった弟をめぐる家族間のお話。
ラストは収まるところに収まった、って感じなのかな。
Posted by ブクログ
本当に久しぶりに小説を読んだ。
本屋で、どの本ならば飽きずに読み切れるだろうかとかなり悩んだ。
本棚の1番下に平置きされている本を何冊か手に取り、背表紙を見て、自分が興味のありそうな家族問題っぽいものを選んだ。恥ずかしながら、8050問題が何か知らなかったが、これがアタリだった。面白くて、ちゃんと続きが気になって、読書の楽しさを思い出すことができた。アタリを選べた自分に乾杯!
第一章〜第ニ章を読んで
ちょうど同い年ぐらいであろう、妹に感情移入した。両親にムカついた。甘いと思った。妹は傲慢か?いや、正当な主張をしているだけだ。そう思った。
それだけに、第五章まで読み進め、
たった二人の兄弟なんだよ、死んだら困るよ、と発言した妹には心底びっくりしたし、もっと言えば落胆した。自分と同類だと思っていたから。それを望んで物語を読み進める自分がいたから。ああ、やっぱりお嬢ちゃんなのね、と。そりゃ弟とも、引きこもりになるまでは仲良かったんだもんね、と。納得はしたものの、そうなればこれまでの姉の発言は異常なものだ。弟への感情に一貫性がない。まあ、全ては自分の結婚を成功させる為の事だったと思えば、そんなに異常ではないかもしれない。今なら、娘がおかしくなってしまったと思う両親の気持ちも少しはわかるものだ笑。
この物語の両親は、自分だけは違う、と引きこもりの息子を7年間も見てみぬふりしてきた。引きこもりの家族がもしいたら…なんて、当事者になった時のことを考えるのは、私は嫌だ。はっきり嫌と思える自分がいる。そんなことになりたくないと。まさか自分が、自分の娘息子が、と。数年後の自分はどう考えるだろうか。
Posted by ブクログ
中学でのいじめをきっかけに7年間引きこもりとなった青年とその家族の話。
途中までよくある再生していく話かと思っていたら全く違った。
いじめの描写は読むのが辛かったけど、裁判を起こすと父子で立ち上がったあたりから夢中になって一気に読み進めた。関係が再生してよかった。最終的に家族はバラバラになってしまったけれど、これが大橋家の形なのかなぁ。
私自身、子どもが急に学校に行かない!と言い出したらどうするかな‥と考えさせられた。でも真正面から向き合っていくしかないんだろうな。
Posted by ブクログ
救いのある話でよかった。
第三者目線で見ると、親がもっとこうすればとか
もっと早く踏み切ったらとか親が傲慢だとか色々あるけど、親も人だし感情的にもなるし
でも我が子は大事だし傷ついて欲しくない。
誰よりも近い家族というのは1番話にくい相手かもしれない。
8050問題この本を読むまで関心もなかったけど
少し調べてみようかなと思いました。
Posted by ブクログ
熱が出ている時に読んだ一冊
8050問題
引きこもりになるのにはやっぱり何らかの原因がある
将来自分の子供がそうなったらどうしよう
家から放り出すとか簡単に言う人がいるけど、外での生き方を知らない子供にそんなことできる親いるのか?と言う文には納得
Posted by ブクログ
読む手が止まらなかった。あっという間の500ページ。とはいっても二日間だが。分かりやすい文章で畳みかけてくれる。考えさせられる。いじめ、引きこもり、結婚、就職、様々な問題がこの小説には含まれている。いわば社会の縮図であり、決して他人事ではない。
Posted by ブクログ
いじめからの不登校引きこもりのまま成人を迎えた息子。父の正樹が7年前のいじめを知ることからストーリーが展開していく。
結末がやや駆け足だった感があるが、親は親で悩み、子供は子供で苦しむ姿がしっかりと描かれている。
Posted by ブクログ
家族の描写が生々しかった
妻と姉の行動がひたすらイラついて、全く共感できなかったけど、父親が息子のために頑張る姿は素敵だった
途中、元いじめられっ子が主人公に対して、こっちは辛い過去を乗りこえて頑張ってんのに、そっちは今更裁判とかいつまでも環境にあまえてるな!と怒ってたけど、これはそうだよなあ〜と思った、、