【感想・ネタバレ】ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

人種も貧富の差もごちゃまぜの元底辺中学校に通い始めたぼく。人種差別丸出しの移民の子、アフリカからきたばかりの少女やジェンダーに悩むサッカー小僧。まるで世界の縮図のようなこの学校では、いろいろあって当たり前、みんなぼくの大切な友だちなんだ――。ぼくとパンクな母ちゃんは、ともに考え、ともに悩み、毎日を乗り越えていく。最後はホロリと涙のこぼれる感動のリアルストーリー。(解説・日野剛広)

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アイルランド人の父と日本人の母を持つ「ぼく」が過ごす、英国・ブライトンでの中学校生活の最初の1年半を綴りながら、母である著者が英国だけでなく世界にはびこる社会問題を問う作品。
人種差別的な発言を繰り返す友人とどう付き合っていくのか。今にも擦り切れそうな制服を着ている友人にどうしたら傷つけずに中古の制服を渡せるのか。
様々な出来事や難題を素直に受け止め、悩みながらも自分なりに考えて行動していく姿に感嘆すると同時に自分だったらどうするだろうかと、とても考えさせられた。
多様性とは?共感力とは?アイデンティティとは?
扱っている内容は社会科の教科書のようだが、非常に読みやすく、内容がすっと頭に入ってくるのも本書のよいところ。
グローバルな世の中を生き抜く現代人はぜひ一度読んでみてほしい1冊。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

エンパシーは、小さなことであれば夫婦喧嘩、大きなことなら人種差別のような、いろんな争い、思い込み、決めつけなんかにグラデーションを与えてくれる能力な気がする。

日常の視界を、少し広くしてくれるような1冊でした!

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

息子さんがいろんな出来事に直面しながらも、しなやかに成長し、深く考えながら自分の軸を模索していくところが、母親であるブレイディさんの視点から描かれていて、イギリスでの差別や格差のリアルを垣間見ると同時に子供の持つ柔軟性に驚いた。
正直自分の子供時代を振り返ると、人種の違いや親のルーツなどを深く考えることはなかった。幼いうちから周囲の人たちとの関わりの中で自分という存在について考えを巡らす息子さんの姿に尊敬の念を抱く。
政治や人々の暮らしのこと、私は何も知らないなと改めて思い知らされた。無知であることを受け入れながら、能動的に知ろうとする自分でありたい。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

日本から出たことのない自分にとって、とても学びの多い本だった。
英国に住む著者とその家族、特に息子の学校生活にフォーカスを当てた、エッセイ?ジャンルとしてはノンフィクションらしい。ほぼエッセイ。
息子さんがとても賢くて、中学生とは思えない。
とても理性的で博愛的?というのか、成人している私なんかよりよっぽど大人っぽい。
タイトルのイエローでホワイトでちょっとブルー、この言語感覚は遺伝なのか、すごく詩的でいいなーと思った。
イギリスの教育事情がリアルに描写されているんだけど、日本と違いすぎる。
まじで海外ドラマ。学んでいることも全然違う。
私は日本での教育で、こんなに人種差別やジェンダー差別のことを学んではいない。
講演会とかはあったけど、そのためのガッツリした授業なんか受けたことないし、なんとなくまぁ差別はダメだよねーの雰囲気を持っているだけで、その実態なんかリアルに感じたことなんてない。
海外の子たちとは見てきた景色が違いすぎて、よくこういう社会問題の話題になると「日本は遅れている」という発言をする人たちが一定数いる。今までは世界の全てを見てきて比較してるんか?特定の教育のことだけを指して批判する方が視野が狭いだろう、と思っていた。でも、実際は、日本で実際に目にする社会的問題なんて本当に少数で、いろんな国と隣接しているヨーロッパ諸国に比べたら、そりゃ経験値の差は出るんだな、と思った。

この本の内容は、大体は人種差別問題、貧富の差問題である。
差別ってなんで起こるのか。日本に住んでいるとどちらもあまり経験したことがない(する側もされる側も)から気持ちがわからない。
でもさいきん、インバウンドで外国人の来日が増え、マナートラブルが多発している。
特に日本人は中国人を嫌う傾向にある。マナーが悪い確率が高いらしい。これも人種差別なのかな。
何もしていない人を偏見の目で見ることと、実際に嫌な目にあった経験から偏見の目で見ること、同じ差別でも背景が違いすぎて、前者の気持ちは私は一生わからないだろう。でも後者の気持ちはわかってしまう。
snsで見たのは、「後者は差別でなく区別」という意見。初見の際は「確かに!」と自分のなかのモヤモヤを言語化してもらったようで気持ちが良かった。なぜなら、私も外国人お断りの店の対応には賛成派だったから。でもこの本を読んだ後だと、なんというか、言い聞かせているようにしか感じなくて、別に間違った言動ではないと今でも思うけれど、わざわざ「差別ではなく区別!」という言い換え表現をしているだけで、自分を悪者にしたくないと必死になっているようで、なんかそれはそれで嫌だなと。

この本を読んだ印象は、海外ってまだそんな人種・貧富差別あんの???だった。
日本は遅れてるの意見に反発したい気持ちは、こういうところからもくる。
でも、やっぱりそれも日本は移民も少ないし貧富の差も少ない。それゆえに差別対象者が海外よりも少ないからであって、移民受け入れが進んで行く今後はどうなるのかわからない。
今後の私の立場は、この本の中でいう古式の人間になるわけで、新しい世代との考えのギャップに苛まれることになるのか。そんなときに、この著者みたいに多角的で理性的な話ができるのか、自信はない。
とにかく、そんな状況が来る前にこの本を読めたことは幸運だったと感じた。今の自分でも考えられることはたくさんあるはず。多様性のあり方とか、伝え方とか。


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2025年11月29日

Posted by ブクログ

こういう自分の常識を激しく揺さぶってくる本に出会うのは読書の醍醐味である。

晴れて「子供の本棚にこっそり並べておきたい本リスト入り」である。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

日本人にとって普段触れる機会が少ないであろう人種問題に関する話が盛りだくさんで読み切れるか不安だった。だが、読み始めると面白くてページを捲る手が止まらない。
多様性という言葉は勝手に一人歩きしていると思ってた。だが、私の想像が浅かったと思い知らされる。LGBTQなどの性差別の感覚は浸透して来たが、本書にも登場するような土地や貧富で起きる学校格差、移民問題など日本に住んでいても身近に起こりうるような差別問題について改めて考えるきっかけとなった。
とりわけ私が一番印象強かったのがホームレスに対する冬のボランティア活動だ。ホームレスの対応は国がするものと思い込んでいたが、プレイディみかこさんと息子さんがホームレスの民間支援活動に取り組むシーンがあった。緊急で一時的な活動ということかもしれないが、とはいえ自ら参加しており、息子さんが言った言葉が忘れられない。
「こういうことを言うのは本当に悪いと思うんだけど、でも、匂いに耐えられなくなって鼻で息をするのを止めてたから、息苦しくなっちゃって…」
…偉いと思った。「言ったら悪いと思うんだけど」と最初に言えるのがすごい。男子中学生でホームレスにむけて配慮のある言葉選びができるところが聡明な息子さんだと感じたし、日本の男子中学生でこう言った気遣いのできる言葉を言える子はどのくらいいるのだろうか。これは英国で貧富の格差を感じる生活をしているからこそより身近に考えられる人じゃないと出て来ないんじゃないかなと思う。もちろん日本でも今日食べるご飯に困っている人はたくさんいると思うが、ホームレスや生活保護者に対して侮った態度を取らず心配りのできる言葉をかけられる人は何人いるだろうか。また、自らボランティア活動に身を投じる人はどのくらいいるのだろうか。
私も人間を尊重できる心を持った人間になれるよう自分の身を省みるよう心がけたい。少なくとも今は私の心が貧しいとわかった。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

子どもの何気ない疑問と素直な感情で社会問題について述べており、思いつかないような視点でハッと驚かされる点もある。
自分の知らない世界で起きていることを知れる。
登場人物が話している様子を想像しながら読むとクスッと笑える場面がたくさんあり面白い。
短く区切ってあり読みやすい。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

最後の解説にもあった通り、本書に出会えて良かったと思った。
リアルに中学生が読書感想文で賞を取ったというのも納得。
私もぜひとも学生に勧めたい一冊だと思う。
最近まで多様性多様性とよく言われていたのに何故か今、分断を進めるような風潮になってきていることに、なんとも釈然としない気持ちを抱えている。
んな人がいたっていいじゃない。
日本人であろうが外国人であろうがどこの国の人であろうが人種が混ざっていようが移民だろうが、男性であろうが女性であろうが、どちらでもなかろうが、障害を持っていようがいまいが、同性だろうが異性であろうが。
しかしかくいう私も『無知』のために知らず傷つけていたこともあったわけだ。
次巻もすぐに読もうと思うし、これは何度でも読み返したい。
そして繰り返し考えていきたい。

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

人間の性格や思考回路、人間性はやはり、家庭環境や幼少期の生き方が影響するということを踏まえると、どの部分で成長できるかは教育の中で重要な点になってくるんだろうなと。
やっぱり色んな世界を見聞きし、経験して視野を広げることは大切だよね。ありきたりだけど。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

ブレイディみかこさんの代表作を読みました。
イギリスブライトンに住む彼女の息子の成長を記しています。イギリスにある偏見や格差、学校、コミュニティなどの抱える問題、その受け止め方、対処の仕方など深い洞察で書いてあります。これは本当に日本でも言えることで、たくさんヒントをいただきました。
一つ挙げるなら、シンパシーとエムパシーのことです。
エムパシーとは「自分と違う理念や信念を持つ人や、別にかわいそうだと思えない立場の人々が何を考えているのだろうと想像する力のことだ。」
多様性を認める今、自覚して、こういう能力を学び、鍛えたいと思います。

ところで、ブライトンといえば、プレミアリーグで活躍されてる三苫薫選手の所属チームがありますし、クイーンのブライトンロックという曲もあります。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

シンパシーではなくエンパシーという言葉、知らなかったけど、他を理解するためにとっても大切なこと、優しくて強くて正しい子どもに育ってほしいという思いの前に自分が、私自身がどう考えるか、その伝え方を考えてみることが必要な気がした。学校で学ぶことイコール正しいことではない、多様性を理解する、難しいけれどシンプルなような。この本を読んで感じたこと、言葉で伝えるのは難しい。読んでほしいと思う。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

多様性って良い意味の言葉だと思っていた。良い意味で使用されもするけど、その裏で色々な人の色々な気持ちや意思が交差されているんだなと、とても勉強になった。でも多様性って、、結局難しいなぁ。
英国在住の日本人の著書がアイルランド人の夫とその息子の日々の出来事を、息子の成長を軸に日本にはない人種間の差別や格差をリアルに現状を提示してくる。
読み終わって思うのは、人はどんな言葉に傷つくのかは本当に分からないなーと改めて感じた。ハーフという言葉も、人によっては「ひどい表現」と受け取るなんて考えたこともなかった。私、無自覚過ぎだな、と。
著書である母も、息子も、そして夫も、いい関係だなと思った。この母に、この息子なんだろうな。
次作も気になる。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

海外の方がたくさん日本へ来られています。観光客としてだけでなく、働く仲間やお隣さんにもなる可能性が増えてきました。そんな今、異文化を理解すること、人を理解することに意識を向けることが大事だなと思いました。

貧富の差や異文化理解、差別…など、日本でも、国際化が進めば直面する課題について、前向きな気持ちで知ることができました。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・英国で暮らす話のうまい日本人母ちゃんのエッセイ
・人種差別、LGBTQ、階級のようなテーマについて子供とのエピソードをベースに書かれている
・テーマは硬めだけど書きっぷりがめちゃくちゃカジュアルなおかげですごい読みやすい
・「元底辺学校」「極道児」みたいな呼称が面白い
・多様性について英国では進んでるなとは思いつつ、それを受け入れる大変さも感じてこれが日本でも進めばいいのにとは素直に思えなかった
・休暇の予定を聞いた途端、怒って帰ってしまったアフリカ系の母親の話然り
・地雷が増えてコミュニケーションの難易度が数段上がりそう
・でもそんな世界が当たり前になればコミュニケーションの認知負荷も減るのかな
・息子くんが頭良さそうで思いやりもあって主人公みたいなキャラ

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

面白かったし勉強になった。母ちゃんが息子を一人の人間として扱っているのが素敵。
思えば、社会人になってから価値観・境遇の違う人と関わる機会が大幅に減ったな。気をつけないと。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

大ベストセラーの本書、 遅ればせながらようやく拝読することができた。

皆さんが共感するとおり、自分も感動の嵐だった。
「今はどっちかっていうと、グリーン」
この言葉に辿り着くまでの親子の濃密な時間を読者は堪能するでしょう。

正直「この本をこのまま教科書に採用してください!」が率直な印象、
子育て、教育、人種、格差、虐め、差別、劣等感、妬み、暴力、様々な課題がブレイディさん家族に押し寄せる。
そして何より、中学生の息子さんとみかこさんのコミュニケーションの内容とその深さに圧倒される。
そう、中学生はもう一人の人間としての思考力、洞察力、判断力、そして友人を思いやる優しい気持ちが育まれている。 
そしてみかこさんが息子さんの考えを尊重しながら、導いていく姿勢がとても眩しい。

多くの人種が入り交ざったイギリスだからの話、、ではない
それはきっと近い未来の日本の姿であり、自分たち家族の明日だから、、
他人事ではない物語として受け取ることができる人には宝物になると思う。

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2025年09月18日

QM

購入済み

おもしろい

小中学生くらいの年齢なのに1つのことをこんなに深く、いろいろな角度から考えられて、それを自分の親と正面から話し合うことができる。親も親で子どもを1人の人間として見て尊重し、受け入れ、向き合っているところがすごくよかった。日本に帰省した際、DVDレンタルのお店や酔っ払いおじさんに失礼極まりないことを言われたというお話は胸が痛かった。それぞれ価値観等違うと思うけど日本にそんな露骨に差別的なことを言ったり態度に出る人がいるのか、、、とびっくりもした。

#タメになる

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2024年07月31日

ネタバレ 購入済み

本書の素晴らしさもさることながら、巻末に収録されているときわ書房志津ステーションビル店の日野剛広さんの解説もお勧めです。解説では当時中学2年生だった方が書かれた感想文の一部が紹介されています。その感想文には本書がどんな本で何を学べるのか明確に示されていて、差別や偏見が生まれる理由にも言及されていたので感心しました。日野さんの解説と感想文が収録されている文庫本を購入できてラッキーだったと思いました。

#タメになる

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2021年11月07日

購入済み

現代社会を正しく生きる道しるべ

ブレイディみかこさんと息子さん、御家族と取り巻く社会を綴ったエッセイですが、面白くて為になります。エンパシーを分かりやすく教えてくれる息子の成長とイギリスの教育、保育士の作者の考え。読みやすく、考えさせてくれる良い本でした。続編も楽しみです。

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2021年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お母さんと息子の関係性が素敵。
多様性やアイデンティティ、レイシズム等の問題について、リアルに書かれている。
真面目なだけでなく、エッセイ的な文章で、めちゃくちゃ面白かった。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

4.0
多様性とは何かを考えさせられる本。
息子さんとブレディさんの視野の広い考えが素敵です。
とても自分には考えつかない。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

面白い視点だった。
最初読んだときは前知識0だったため小説かと思っていたがエッセイのような書き味で、ドキュメンタリーだった。
小学生視点の話しかと思っていたが作者視点だった。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

面白かった。エンパシーという言葉を本書で初めて知った。息子さんの日本に対しても英国に対しても帰属意識を感じないという発言はその人達にしか分からない苦悩とかがあるんだなと感じた。
多様性という言葉が出てきてから社会がどんどん複雑化していって生きづらくなってる気がする。

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イギリスに住んでる筆者が、息子を公立の学校に通わせる。そこで差別とか偏見とか貧富の差にぶち当たるんだけど、子供らしい真っ直ぐな受け止め方をしていて、とても素敵だなと思いました。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

英国に暮らす親子の日常について記されたエッセイ。
著者(日本人)、夫(アイルランド人)、その息子の学校生活を通して見える階級社会や人種差別、ジェンダーや貧困問題…作中の著者は淡々と語っているように見えるけど、どれも中々ヘビィな体験だと思う。少なくとも、普通に日本で生活していたら経験することがないようなことがほとんどで。だからこそこの本の内容は衝撃的だった。
年齢のわりにクールでクレバーな息子からの質問、母ちゃんの回答は優しくもありながらも変な誤魔化しがなくリアル。多様性だったり、アイデンティティの問題について特に深く考えずにのほほんと生きている自分に喝。読めてよかった。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

ずっと気になっていて、やっと読んだ本。
早く読めば良かった!いや、あえて今が良いのか?

子どもから大人になる過程。わが子を重ねる。
移民問題。日本も人ごとではないと日に日に感じる。差別と区別。
シンパシーとエンパシー。エンパシーは能力。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

多様性って何?という真髄をついてくる作品。
ティーンやお子さんをもつ親御さんに読んでほしいと強く思う一冊です。

ブレイディさんのお子さんの成長を軸に今の社会を綴っており、イギリスと日本を比較して、それぞれの現状を知ることができる作品でした。
この本を読む前は、イギリスは日本よりも寛容で自由に生きられると思っていましたが、イギリスには日本とは違う、いや根底は繋がっているであろう問題を抱えており、直面する子どもの姿が印象的でした。
そして何より、困難に直面した際に、決して思考することから逃げてはいけないと少年から教わりました。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー とはどういう意味なのか。
世界の矛盾とそんな世界を生きぬく強さに気づくことができる傑作です。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

著者の息子の視点で語られる社会情勢の変化。
日本にいて感じにくいけれど、身近に起きていることを実感させられる。

著者と息子の会話がなんだか心地よい。
対話することで自分の考えや状況を整理できて言語化できると思う。

だからこそ、息子さんがどのように考えて成長していくのかが非常に気になる。
2もあるみたいなので、気が向いたら読んでみたい。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

まるで世界の縮図のような人種差別や格差、LGBTQなどの社会のリアルがとにかく面白い、そしてためになる。グローバルに染まる日本も無関係ではいられない。多様性やジェンダーが広まりつつある今だからこそ刺さる1冊だと感じた。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。⋯⋯罰するのが好きなんだ」

冷静な分析で一番響いた言葉だった。公立の中学校に通っていたときのあのごちゃまぜな感じをなんとなく思い出した。大人になると、なんとなく大きな輪っかでくくったら似ている人たちと仲良くしがちだからこそ、「知ろうとする」ことの大事さは忘れちゃいけないなと思った。2が読みたい

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

「多様性は素晴らしい」…そう信じていても、実際にはぶつかることもある。職場のちょっとした会話から、ニュースで見る国と国の対立まで、「やっぱり難しい」とため息が出ます。

この本は、イギリスの“元底辺”公立中学に通う息子を持つ母(著者)が、教室で繰り広げられる日常をユーモアと観察眼で切り取ったエッセイです。人種、宗教、経済格差、ジェンダー…世界の縮図のような教室で、小さな衝突もあれば、思わず笑ってしまう場面も。個人対個人なら誤解が解け、友情が芽生えるのに、集団同士になると一気に硬直化する――その対比が鋭く胸に残ります。

面白いのは、息子世代が当たり前のように違いを受け入れ、世界を少しずつ“つなぎ直して”いく姿。その自然体の強さに、未来への希望を感じました。

読み終えて、「多様性」は遠い理念じゃなく、隣の席の人に「知ろう」と手を伸ばすことから始まると実感。日本でも格差や貧困が広がる今、この一冊は“自分のまわり”から社会を見つめ直すための小さな羅針盤になると思いました。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

英国に住む作者とその息子さんの話。
息子さんの考え方が小学生とは思えないぐらいしっかりしててすごい。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

息子の聡明さを持つ姿に憧れた。
多様性と言う言葉はいまの社会だとありふれたワードだと思う。その多様性がテーマの作品で、どんなに気にして生きていても相手の脳みそにならない限り地雷を踏んでしまう可能性があるのが人間だと思う。
プラスの言葉が相手にとってはマイナスだったりする。
ただ、そんなことを気にしていたら会話できなくなってくる。だからお互いに自分自身の多様性を自覚して伝え合うことが大切だと思う。
無自覚の多様性は才能だと思っておこう。

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2019年にノンフィクション本大賞を受賞した作品。話題になった頃から気になっていたものの、ようやく読めた。ノンフィクションというかエッセイみたいな感覚で読みやすい。元底辺中学校に通う「ぼく」とその「母ちゃん」たちのイギリス生活からたくさんの問題が見えて考えさせられた。どこでも問題は尽きないが、知ろうとすることや考えることは大事だと思う。理解し尊重するためには知らないとできない。中学生なりに悩み、乗り越える僕も成長しているけど、それを見守る母ちゃんもまた成長しているように感じた。人生は常に勉強だ…!

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2025年09月06日

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