【感想・ネタバレ】ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

人種も貧富の差もごちゃまぜの元底辺中学校に通い始めたぼく。人種差別丸出しの移民の子、アフリカからきたばかりの少女やジェンダーに悩むサッカー小僧。まるで世界の縮図のようなこの学校では、いろいろあって当たり前、みんなぼくの大切な友だちなんだ――。ぼくとパンクな母ちゃんは、ともに考え、ともに悩み、毎日を乗り越えていく。最後はホロリと涙のこぼれる感動のリアルストーリー。(解説・日野剛広)

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アイルランド人の父と日本人の母を持つ「ぼく」が過ごす、英国・ブライトンでの中学校生活の最初の1年半を綴りながら、母である著者が英国だけでなく世界にはびこる社会問題を問う作品。
人種差別的な発言を繰り返す友人とどう付き合っていくのか。今にも擦り切れそうな制服を着ている友人にどうしたら傷つけずに中古の制服を渡せるのか。
様々な出来事や難題を素直に受け止め、悩みながらも自分なりに考えて行動していく姿に感嘆すると同時に自分だったらどうするだろうかと、とても考えさせられた。
多様性とは?共感力とは?アイデンティティとは?
扱っている内容は社会科の教科書のようだが、非常に読みやすく、内容がすっと頭に入ってくるのも本書のよいところ。
グローバルな世の中を生き抜く現代人はぜひ一度読んでみてほしい1冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・英国で暮らす話のうまい日本人母ちゃんのエッセイ
・人種差別、LGBTQ、階級のようなテーマについて子供とのエピソードをベースに書かれている
・テーマは硬めだけど書きっぷりがめちゃくちゃカジュアルなおかげですごい読みやすい
・「元底辺学校」「極道児」みたいな呼称が面白い
・多様性について英国では進んでるなとは思いつつ、それを受け入れる大変さも感じてこれが日本でも進めばいいのにとは素直に思えなかった
・休暇の予定を聞いた途端、怒って帰ってしまったアフリカ系の母親の話然り
・地雷が増えてコミュニケーションの難易度が数段上がりそう
・でもそんな世界が当たり前になればコミュニケーションの認知負荷も減るのかな
・息子くんが頭良さそうで思いやりもあって主人公みたいなキャラ

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2025年09月23日

ネタバレ 購入済み

本書の素晴らしさもさることながら、巻末に収録されているときわ書房志津ステーションビル店の日野剛広さんの解説もお勧めです。解説では当時中学2年生だった方が書かれた感想文の一部が紹介されています。その感想文には本書がどんな本で何を学べるのか明確に示されていて、差別や偏見が生まれる理由にも言及されていたので感心しました。日野さんの解説と感想文が収録されている文庫本を購入できてラッキーだったと思いました。

#タメになる

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2021年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お母さんと息子の関係性が素敵。
多様性やアイデンティティ、レイシズム等の問題について、リアルに書かれている。
真面目なだけでなく、エッセイ的な文章で、めちゃくちゃ面白かった。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イギリスに住んでる筆者が、息子を公立の学校に通わせる。そこで差別とか偏見とか貧富の差にぶち当たるんだけど、子供らしい真っ直ぐな受け止め方をしていて、とても素敵だなと思いました。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。⋯⋯罰するのが好きなんだ」

冷静な分析で一番響いた言葉だった。公立の中学校に通っていたときのあのごちゃまぜな感じをなんとなく思い出した。大人になると、なんとなく大きな輪っかでくくったら似ている人たちと仲良くしがちだからこそ、「知ろうとする」ことの大事さは忘れちゃいけないなと思った。2が読みたい

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2019年にノンフィクション本大賞を受賞した作品。話題になった頃から気になっていたものの、ようやく読めた。ノンフィクションというかエッセイみたいな感覚で読みやすい。元底辺中学校に通う「ぼく」とその「母ちゃん」たちのイギリス生活からたくさんの問題が見えて考えさせられた。どこでも問題は尽きないが、知ろうとすることや考えることは大事だと思う。理解し尊重するためには知らないとできない。中学生なりに悩み、乗り越える僕も成長しているけど、それを見守る母ちゃんもまた成長しているように感じた。人生は常に勉強だ…!

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2025年09月06日

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