小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレずっと読みたかった『十二国記』。
自分の好みから相性は相当高いだろうと期待して、満を持して読み始めた。
ちょっとだけ読むつもりが、あっという間に60ページ。そこからもページをめくる手が止まらず、上巻を一気に読み終えた。
陽子と同じように、読者視点から何がどうなっているのかわからない感情にさせるのが本当に上手い。異世界へ何も知らないまま放り込まれ、何が起きているのかも、誰を信じていいのかもわからない。しかも、ちゃんと怖い要素があって、とことん異世界から突き放される陽子の気持ちを思うとつらい。剣が見せる元の世界の幻影も、陽子を追い詰める演出になっていて、さらに追い込まれる。
何がどうなっているのか知りたくて、先へ先へと読み進めてしまう。ページをめくらせる推進力がすごい。
久しぶりにこんなにのめり込んだ。直近だと『香君』や『天使の囀り』以上だったかもしれない。
待望の作品を満を持して読み始めて、期待以上に夢中になれた。久しぶりに味わった、最高の読書体験だった。下巻もすぐに読みたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表題でもある『爆発物処理班の遭遇したスピン』、量子力学が出てきて「うわー量子力学だー量子もつれだー」と興奮しているうちに話が終わってしまった。これは私が悪い。超が付くほどのド文系のくせに、物理学、特に量子力学が好きすぎて(好きであることと理解していることは全く相関しない)、ちょっとはしゃいだ。
短編集であるが、全編とも何とも言えない恐怖を感じさせる。
『ジェリーウォーカー』は最高に良い。余韻までも怖い。長編とか映像とか…見たい気がするけど冗長になるのかな。
『九三式』は現実か幻覚か曖昧になる。『猿人マグラ』も同じだ。どちらであっても救われない。救われなさの軽重はあるかもしれないけど。
『スマイルヘッズ』『ボイルド・オクトパス』、狂気的・猟奇的で好きだ。いいよなあ…。
『シヴィル・ライツ』『くぎ』もまあ暴力的。手と足がぞわぞわする。
『テスカトリポカ』を読んだときにも思ったが、佐藤究さんの文体が私はすごく好きらしい。 -
Posted by ブクログ
殺人依存症を読み終わったその日のうちに本作も読み終わってしまいました
ページを捲る手が止まらないとはまさにこの事ですね
とんでもない物語でした………
殺人依存症とまた違う視点で考えさせられました
そしてめちゃくちゃ泣きました
性犯罪がいかに残酷で無慈悲なものなのかを改めて実感させるお話でした
1人の人間の尊厳を奪い死と同義になる人生を歩ませるのが性犯罪です
絶対に許されない犯罪なのに、日本の法律では罪の軽い刑罰しか与えられなくて…………
もちろん法治国家において私刑は許されないことでしょう
それでも私は終盤では犯人側の気持ちに同化しました
こんな奴らは生きる価値無しだと思い、彼らの死を願ってしまいました
恐ろしい物語です
私の中にも鬼が住んでいます
それに気付かされました -
Posted by ブクログ
痛いイタスギル
若い頃の痛々しい自分を思い出すような
善良さズルさ小賢しさ自己愛
親がいて環境があって自分が形成される
本当の自分はどこにあるんだろうとか
どこからがオフィシャルで
どこからがプライベートなのかとか
自意識って本当に自分のものなのか...とか
人と比べたり羨んだり孤独を感じたり
そんなことから、この本の人たちも、私たちも
逃れられない
そのうえで何をいつ受け入れて選択していくのか
気が付かせてくれるのは意外な場所や空気や人だったりするところがまた。
いやー良かった
シルバーウィーク中の読書時間に
これ選んでよかったー。
好きな展開じゃないのに後半ですっかり取り込まれてた
今のところ「スロウハイツの神様」が最高に好きだけどこっちの方が辻村さんっぽい作品となっていくのかなぁ
朝井リョウさんのあとがきがまた秀逸
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Posted by ブクログ
ミステリーというには切なすぎる、、、
胸糞悪いやつらが多数でてくるのですが、
親になった今、本当に
追い込まれた時にどんな行動をとれるのか、
と己を顧みさせてくれる場面あり
ミステリーとしても、読み応え充分の
どんでん返しあり
深刻な貧困問題に対する問題提起あり
と、ほんまに文章量に対して、読み応え抜群の一冊でした。
この手のストリーで陥りがちな
どんでん返しというか、伏線回収がくどくて、
逆に最後尻すぼみになる気配を一瞬だけ感じました。が、
もうそんなのどうでも良くなる
ラストというか本筋の切なさ、、、、
綺麗に終わりたいけど、、、
いやぁ、でもやっぱあいつムカつくなぁ笑
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Posted by ブクログ
夫にマチズモって知ってる?と聞くと、知らないとの回答。まあそれはわかる。
男性優位性とか男性優位主義のことだよと説明すると、「そういう男性優位主義の国ってあるの?」と言われた。
えっ???
あなたが生まれ育ったこの国がまさにそうですが…。
ちょっと夫に対して引いてしまいました。
でも、確かに、優遇されている側は、自分がいかに優遇されてるかなんて、考えないもんなー。それがまさに優遇されていることの最たる証拠なんだけど。
だって、右利きが多いこの世の中で、右利きって左利きに比べて優遇されてるなー、なんて考えないし。この向きは左利きの人には使いづらいんじゃないか?なんて考える右利きの人はいない。
だから夫が悪いとかは思わないですが、そうさせている社会は改善すべきだと思います、つまりこの本の著者と同じ意見です。 -
Posted by ブクログ
すごく面白かった。
少し前に読んだ「暗黒の瞬間」という小説を思い出した。
短編小説集だったけれど、10人グループの人間のうち1人だけが性加害に加わっていないという事実があり、10人全員が自分がしていないと証言。
その時、この人がその1人と証拠が出なければ、全員無罪という話だった。
法律という完璧に出来ていると思っていたものが、僅かに、ほんの僅かに隙間があるということを思い知らされた小説だった。
出てくる4人全員が切っても切れない血縁関係が悪いこと、中学生という狭い世界で、周りのみんなが幸せそうに見えることが、良くも悪くも強い結束を作ったんだろうなと思った。
途中で結末に気づいたけれど、良い結末が待っていた。
過去は消せないし、どこの立場に立つかで話は変わってくるけれど、死ぬまで背負い続けた上で、少しでも周りの人間との笑顔があれば良いなと思う。
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