あらすじ
友達だけど、違う生き物
夏休み、俺は片想い中のサブレと夜行バスの旅に出た。彼女が口にした、ちょっと風変わりな目的のために――見知らぬ町で一緒に過ごすうち、そして会話を重ねる度に、サブレをもっと深く知った俺の中に名前のない感情たちが溢れ出てきて……。特別な夏の4日間が教えてくれた、恋だけじゃない、世界の「あと全部」を巡る物語。
『君の膵臓をたべたい』から10年――
住野よる史上、最も不器用で愛おしい恋の物語
言葉にする前の、
この瞬間だけが
永遠ならいいのに。
【登場人物】
めえめえ(瀬戸洋平)
サブレに片想いし、彼女と旅に出る高校生
サブレ(鳩代司)
命のエネルギーに惹かれる、ちょっと気にしすぎな同級生
夏休み、夜行バスに揺られ、僕らは世界の輪郭と、言葉にできない想いの行方をなぞっていく。
単行本 2023年2月 文藝春秋刊
文庫版 2025年9月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
久しぶりに
よるさんの著書を拝読しました
ナンカ面倒クサイお話でしたが
最後の怒涛の面倒くささが効いてくる
読後が素晴らしかったです
暫くおってませんでしたが
ディグリに戻ろうかなあ
住野さん
Posted by ブクログ
かなり長い前半戦で恋愛要素でてこなかったからかなりやきもきしたが、ほんと終わり数ページで救われた自分がいました。こういう関係性もいいなってとてもとても涙がでそうなほどに。ひさしぶりにジャケ買い成功したかな…?
口調とか読み聞かせが学生らしくて最初は戸惑うのかもしれないけど、それも″らしくて″いいかもしれない、愛称とかそれも含めて全部。なんというのかな、カタにはまらないってことなのかな(?)とても新鮮味がありました。
″ありがとう。聞いて。私も、いや違う、私が、一緒にいてほしい。下宿仲間でクラスメイトで恋人で、その全部で、そのどれでもいい。お互いの悪さもひどさもめんどくささも全部連れて。めえめえと一緒にいたいと今、思ってる。それが私の真剣に決めた自由で、放したくない不自由だ″
Posted by ブクログ
最後にめちゃめちゃキュンキュンした。
言葉にする前の気持ち、情景をたくさん想像して、共感できるのがおもしろかった。
旅行からの帰り道、めえめえが突然告白する。サブレはこのタイミングであることにびっくりする。めえめえは、今が好きな気持ちが一番大きかったからと説明し、一旦コンビニに寄る。めえめえは、サブレが「自由になりたい」、「縛られたくない」という気持ちがあるということを察して半ば諦める。が、もう一度自分の気持ちを思い切り伝える。そこでサブレは泣きながら、試すようなことをして申し訳ないと謝り、めえめえとずっと一緒にいたいという気持ち打ち明ける。
そこから寮までの帰り道、めえめえは自分たちが付き合ってるということをちゃんと認識し、お互いに少しからかいあう。寮の前でサブレから夜ご飯を誘い、「手はそこで」とサブレが言い残して、読んでてニヤニヤが止まらなかった。
サブレが考える、人が死んで悲しく思う理由に共感した。
その人がこの世からいなくなることはもちろん悲しいが、それよりその人が生きてる間に出来なかったこと、悔やまれることを想像してそれに同調して悲しくなる。
言葉にする前の、言葉にできないような感情に何度も共感した。お互いその感情を深く考えて伝えようとする姿勢、その関係性が素敵だと思った。
Posted by ブクログ
まさに恋とそれとあと全部でした。
正直高校生の恋愛模様に40過ぎのオッサンが共感している場合ではないのですが、好きな女子とその祖父と自分という微妙な関係性の中で進む物語に、自分の彼女(今の妻)とそのおじいちゃん(今は亡き)と自分の物語を重ねてしまい、途中涙を禁じ得なかったです。
最初はサブレの性格(特徴)がハッキリと述べられないので意味が取りにくい部分があったのですが、
やってもらったことに対してお返ししないと気が済まないような細か過ぎる性格の持ち主であることが分かり、
その性格を熟知しているがゆえに主人公の心の中の逡巡も非常に説明的で細かい描写になっているというところが
途中から分かって妙に納得しました。
とにかく行動の理由とか言葉の意味とか細かいところまで説明してくれる上に矛盾のない形で腑に落ちて
こういう話好きだなと思いました(住野よるさんの作品全般に言えることでありますが)。
そしてラストの後味も素晴らしく、久々に続きが気になって夢中になってページをめくってしまいました。
青春真っ盛りの高校生には是非とも読んで欲しい作品ですね。
Posted by ブクログ
いい意味で平坦に続く物語が
主人公と女の子の日常に溶け込めているようで
読みやすかった。
私と女の子の性格が似ていて、
偶然にも今の彼氏とも主人公が似ていた。
学生時代にあっていたらこんな感じだったのかもしれない。
半分くらいが、死に関連していて
恋とそれとあと全部。のタイトルの解釈が気になるところ。
恋と死とあと全部かなぁ
学生の甘酸っぱい感じと
生死の境を感じるドキドキ感があって
面白く読めた。
Posted by ブクログ
帯の「言葉にする前の、この瞬間だけが永遠ならいいのに」という煽り
誰が考えたんだろう
本書にピッタリ
本書を読みながら
頭の中ではbacknumberの「わたがし」が
かかっていました
Posted by ブクログ
寮に住む高校生たち、めえめえ、サブレの二人が、夏休みに遠くに住むサブレの祖父のところで4日間を過ごす。お互いに憎からず想ってはいるけど、それを言葉にしないまま寮に帰ってくる。単に好き好きって気持ちを一方的に伝えるのではなく、考え考え、好きか嫌いかの二元ではない気持ちを、旅の終わりにやっと確認できた。
「私も、いや違う、私が、一緒にいて欲しい。下宿仲間でクラスメイトで友達で恋人で、その全部で、そのどれでもいい。お互いの悪さもひどさもめんどくささも全部連れて、めえめえと一緒にいたいと今、思っている。それが私の真剣に決めた自由で、離したくない不自由だ。」と言って、隠れて泣きに行ったサブレ。
ラストにサブレからごはんに誘って、「手はその時に」って、なんと可愛いこと。
もう一つ控えたいめえめえの気持ちあったのだけど、印つけてなくて見失った。
Posted by ブクログ
なだらかな坂道を登るように
人を好きになっていくときと
階段を使って一段ずつ
人への想いを高めていくことと
突然落とし穴に落ちるような錯覚とともに
気持ちを高揚させてしまう瞬間・・・
Posted by ブクログ
大好きな住野さんの作品
でも読み終えるのにちょっと時間がかかってしまった
読みやすいし、情景もすっとはいってくる
全て読み終えると、心が温かくなるような
そんな感じ
サブレとめえめえの関係性っていいなーて
でもそこにたどり着くまでになんだかいろんなことを考えさせられすぎてしまった