【感想・ネタバレ】れんげ荘のレビュー

あらすじ

月十万円で、心穏やかに楽しく暮らそう! ――キョウコは、お愛想と夜更かしの日々から解放されるため、有名広告代理店を四十五歳で早期退職し、都内のふるい安アパート「れんげ荘」に引っ越した。そこには、六十歳すぎのおしゃれなクマガイさん、職業“旅人”という外国人好きのコナツさん・・・・・・と個性豊かな人々が暮らしていた。不便さと闘いながら、鳥の声や草の匂いを知り、丁寧に入れたお茶を飲む贅沢さを知る。ささやかな幸せを求める女性を描く長篇小説。(解説・岸本葉子)

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Posted by ブクログ

8月に最新刊出たので、また読み直す。忘れかけた場面も思い出すとほろっと来る。人間不信の仕事場を辞めるのは本当に葛藤だと思うし、お母さんの欲望で家を買いお父さんが働かされて、体裁だけで生きるって、家を出るとか辛かったろう、実際れんげ荘の生活大変で、よく笑うしかない境地に出来たのかな、それも人間性だ。帰り道お母さんとすれ違う無視されたとか、薄い人間のお母さんだな、何度もこれで良いのか考えて吹っ切れて、その繰り返しで。それだけで尊敬する、8桁の預金なんか充分働いた証拠だよ、下北沢も素敵だ

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2024年09月20日

Posted by ブクログ

すんごい面白かった!
なんで今まで読まなかったんだろう
このシリーズ8冊出てるらしいからまとめ買いしようかしら

仕事を辞めて月10万円生活
オンボロアパートで死ぬまで!?
心温まる生活物語

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2024年08月30日

Posted by ブクログ

あなたは、『アパートを探して』訪れた不動産屋さんで『お家賃はいくらぐらいがよろしいですか』と訊かれて幾らと答えるでしょうか?

まあ、これでは前提条件があまりにも少な過ぎますね。一人暮らしなのか家族で住むかによってもそんな答えは大きく変わるでしょうし、住む場所によっても金額は大きく変わります。では、こんな条件をつけたらどうでしょうか?

 ・一人暮らし

 ・都内でも有数の住宅地

昨今の住宅事情は大きく変化しています。例え、ワンルームの部屋であっても十万円近い金額を想定せざるを得ない場合も多いでしょう。しかし、そんな条件にも関わらず『三万円くらいで』と譲らない人がいたとしたら、そこにはどのような物件が提示されるでしょうか?

さてここに、『広告代理店』での仕事に別れを告げ、『ぜーんぶ込みで、三万円』という『ふるーい昔のアパート』に暮らし始めた一人の女性が主人公となる物語があります。『だけどこういっちゃ何だけど、あんたのような人が住めるようなとこじゃないよ』と不動産屋さんでさえおすすめしないアパートが登場するこの作品。そんなアパートのキョーレツな古さに引いてもしまうこの作品。そしてそれは、”月十万円で、心穏やかに楽しく暮らそう!”という言葉の先に、人のひとつの生き方を見る物語です。

『四十五歳になってはじめて実家を出ようと決め』、『都内の北西部の社宅』で『生まれ育った』日々を振り返るのは主人公のササガワキョウコ。『仕事一辺倒の日々を送』るエンジニアの父と、『ずっと専業主婦』で『働いた経験がな』い母、そして『のんびりおっとりした、いかにも坊ちゃんといったタイプ』の兄と暮らしていたキョウコでしたが、『三歳のとき、最寄り駅の反対側』の『閑静な住宅地の中にある建て売り住宅に一家は引っ越し』ました。『当時にしてはお洒落で立派な庭の広い5LDKの家』に暮らし始めたキョウコは『うちってお金持ちなのかも』と考えたりもします。そんなキョウコに『お父さんが働いているおかげで、この家に住めるのよ。これからもがんばって働いてもらわなくちゃ』と『いつも上機嫌で鼻歌まじりに家事をこな』す母は話します。そんな『キョウコはその家から中学、高校、大学と通い』、『都心の広告代理店』に『就職してからも住み続け』ました。一方の父は『休みの日にも』『コンピュータのプログラミングのアルバイト』をはじめます。それは『母がお尻を叩いて、とにかくローンを早めに返済せよと迫ったから』でした。『アルバイトまでしなくちゃならない』父のことをキョウコが詰るも『「あんたたちがもしも不良になったんだったら、お母さんの責任。お金がないのはお父さんの責任」といい放』つ母。それに『こんな大きな家に住む必要なんてないのよ』と言うキョウコに『あんただってこの家に住んで同級生に自慢できたでしょ。いい思いをしたくせに』とも言う母。『キョウコの会社はナンパなんだからしょうがないさ』と言う兄に『ナンパな会社って?』と訊くキョウコ、『地道じゃないっていうこと』と兄は続けます。『世の中はバブル経済まっただなかで』、『交際費は天井知らずだった』という時代。『交際費、資料費は使い放題で、あまりに忙しくて給料を遣う暇もなかった』キョウコは、年々、『そういう生活に疑問を持つようにな』ります。そんな中、『バブル経済が崩壊したのと同時に父が死』にました。『何の楽しみも知らず、ただ家族のために働きづめに働き、ローン完済とほぼ同時に亡くなった』父。そんな『父の遺体にすがり、「お父さんは、ばかよ。どうしてそんなに働かなくちゃならなかったの』と『半狂乱になっ』た母。その一方で『華やかな仕事に嫌気がさし』『月十万円で三十数年間、暮らせるだけの貯金を持って』『すっぱりと会社をやめ』た女性の生活を追うテレビ番組を目にしたキョウコは意志を固めます。『会社をやめ、母と離れる日が近づく』ことを思い『胸踊』らせるキョウコは、『別居していた兄一家が、母も七十歳近くになるので、同居を申し出』たこともあり、『何の未練もなく家を出られる』ようになります。そんなキョウコは『アパートを探してるんですが、駅から多少遠くてもかまいません』、『三万円以下だと助かるんですけど』と引っ越し先を探しはじめます。『その家賃じゃ、ないですよ』と断られ続ける中に、『錆びた不動産屋の看板をみつけ』、中に入ったキョウコ。『三万円ねえ。難しいなあ』とつぶやきながら資料を探し始めた男性は、『ここだとね、三万円だね。ぜーんぶ込みで』と『一枚の図面を取り出し』ます。しかし、『だけどこういっちゃ何だけど、あんたのような人が住めるようなとこじゃないよ』とも言う男は、『ふるーい昔のアパートだからねえ。夏は涼しいかもしんないけど、すきま風は吹くしトイレとシャワー室は共同だね。六畳で押入は一間ついてる。台所は半畳だな』と続けます。『築何年ですか』と訊くキョウコに『何年だっけなあ。古いぞ。うーん、軽く四十年はこえてるね』と返す男。それに『見たいんですけど』と言うキョウコに『え?ここでいいの…本人がいいっていうんだったら、しょうがねえよなあ』と答える男は『よっこらしょと立ち上が』ります。そして、『そこから三分ほどの住宅地の奥の奥にあ』る『れんげ荘』へと案内されたキョウコ。『ここなんだけどさあ』と言う男に『素敵です』と答えるキョウコ。そんなキョウコが『ここがこれからの住まいになる。六畳に小さな台所がついただけの部屋』という『れんげ荘』で『貯金生活者』としての日々を送る姿が描かれていきます。

“キョウコは、お愛想と夜更かしの日々から解放されるため、有名広告代理店を四十五歳で早期退職し、都内のふるい安アパート「れんげ荘」に引っ越した。そこには、六十歳すぎのおしゃれなクマガイさん、職業“旅人”という外国人好きのコナツさん…と個性豊かな人々が暮らしていた。不便さと闘いながら、鳥の声や草の匂いを知り、丁寧に入れたお茶を飲む贅沢さを知る。ささやかな幸せを求める女性を描く長篇小説”と内容紹介にうたわれるこの作品。群ようこさんの代表作の一つであり、このレビュー執筆時点で第8作までシリーズ化もされている人気作です。群ようこさんというと「かもめ食堂」や「パンとスープとネコ日和」など他の作品でも共通するのがゆったりとした時の流れとほっこりするような物語展開です。この「れんげ荘」もその点は同様であり、如何にも群ようこさんにイメージされる安心、安定の物語世界がそこには広がっています。

そんなこの作品の舞台は書名にもなっている「れんげ荘」です。作者の群ようこさんは広告代理店にお勤めでいらしたようですが、この作品の主人公のキョウコも、有名広告代理店に勤めていました。しかし、物語冒頭、そんな仕事を含めたそれまでの生活をバッサリと切り捨てて『四十五歳』で『貯金生活者』の道を選択します。まずは、そんなキョウコの新たな生活拠点となる「れんげ荘」がどんなところかを見てみましょう。

 ● 「れんげ荘」ってどんなアパート?
  ・”築四十年、もしかすると五十年かもしれない木造アパート”
  ・『六畳で押入は一間ついてる。台所は半畳』
  ・『トイレは昔ながらの和式のタイル貼りで、シャワー室は小学校のプール横にあるものを、一畳分持ってきたような代物』、いずれも『共同』
  ・『昔ながらの敷地の広いお屋敷二軒に挟まれ、二階は鬱蒼と樹が生い茂っているなかにまぎれ、いかにも忘れ去られて建っている風情がある』
  ・『薄茶色の外壁には至るところに、黒いスプレーで何やらわからないマークがいたずら書きされていた』
  ・『ぜーんぶ込みで、三万円』

さらに、

  ・『れんげ荘っていっても、れんげは咲かない』

いかがでしょうか?最後の『れんげは咲かない』はどうでもいいことかもしれませんが、それにしても『家賃はいかほど?』、『三万円くらいで』というやり取りの先に紹介されたとしてもなんのかんの理由をつけてとっとと不動産屋を後にする…これが多くの方がとる行動ではないでしょうか?もちろん、いやそんなことはない、面白そう!と目を輝かせる方もいらっしゃるかもしれません。そんなあなたに、こんな補足をしておきましょう。

 『今のれんげ荘の二階には誰も住んでいない。というよりは老朽化しているので、人が二階で動くと床をつきやぶって一階に落ちるのではないかと、大家さんが心配して人に貸すのをやめた』

これは暮らしていて命の危険に関わるのではないかと思える環境だと思います。まさしく、『地震が来たら、一発で潰れるっていう感じがしませんか』という問いに激しく頷きたくもなります。しかし、長らくそこに暮らす住人はこんな風に語ります。

 『まっさきにぺしゃんこになっちゃうかもしれないね。でもそのときにあの部屋にいないかもしれないし、いくら食料を蓄えたシェルターとか、立派な耐震設備や避難場所を家に造ったって、そのとき家にいなければ何の意味もないもん。こればっかりは運としかいいようがないわよ。物事は心配しはじめたらきりがない』。

なるほど。確かに強く言い切られるとそう感じてしまいます。そして、反論も難しいようにも思います。

 『私もそういうふうに人生を達観できるようになりたいです』

そんな風に思うキョウコ。しかし、この「れんげ荘」はそう甘くはありません。『とんでもない数の蚊』や『びっしりとカビが生え』る押入、そして『屋根もあって壁もある建物の室内に、雪が降る』というように、季節を日々体感できるキョーレツな生活環境がキョウコを一年に渡って襲い続けていきます。この辺り、実際にこの作品を手に取っていただいて、じわじわと襲いかかってくるキョーフを是非お楽しみ?いただければと思います。下手なホラー小説を読むより怖いかもしれません(笑)

では、次にそんな「れんげ荘」に暮らす面々をご紹介しましょう。

 ● 「れんげ荘」に暮らす人ってどんな人?
  ・一号室: サイトウ。『華奢な体つきの今風の青年』、『若い男の子のわりには物静か』。別れた彼女のサンダルが捨てられない。『駅近くの路地裏』の小料理屋で働く

  ・二号室: キョウコ。四十五歳

  ・三号室: クマガイミチル。『六十過ぎ』、朝が早い。『日焼けしたつやつや顔』。『ここに何十年も住んでいる』。

  ・物置: コナツ。二十代後半。『髪の毛を頭のてっぺんでお団子にまとめて、赤い玉のついたかんざしを刺した若い女性』。『職業が旅人の外国人好き』
    ※家賃: 八千円

上記した通り二階には誰も住んでいないこともあって、「れんげ荘」に暮らすのはこの四人のみということになります。あくまで同じアパートに住む住人同士という関係性ではありますが、『貯金生活者』のキョウコにとっては日々の暮らしの大半を過ごす場所、まさに生活圏を共にする面々である以上、そこにはそれぞれの暮らしが見えてもきますし繋がりも生まれていきます。特に三号室のクマガイとは、劣悪な環境の「れんげ荘」での日々を乗り切る中で濃い繋がりが生まれていきます。この作品のようにアパートを舞台にした小説は数多あります。辻村深月さん「スロウハイツの神様」、島本理生さん「真綿荘の住人たち」、そして三浦しをんさん「木暮荘物語」などなど。いずれの作品も二階もしくは三階建ての木造アパートという共通点がありますが、それ以上に他の住人たちとの関わり合いの面白さにも魅せられる物語です。そんな中にあってこの群ようこさんの「れんげ荘」は、それまでの生活をリセットしたキョウコの新たな人生の場であるからこそのギャップ感が絶妙な味を醸し出す中に、くすっと笑みが漏れてしまう独特な雰囲気感に包まれる物語が展開していきます。

そんな物語は、『あまりに忙しくて給料を遣う暇もなかった』という『広告代理店』での日常を後にしたキョウコの新たな生活が描かれていきます。

 『れんげ荘で自分は生まれ変わるのだ。おべんちゃらと愛想笑いと化粧と流行ファッションの鋼鉄の鎧にがっちりと包まれた自分は、ここにはいてはならないのだ』。

そんな強い意気込みをもって新しい生活に入ったキョウコですが、どうも勝手が違うことに戸惑いを覚えます。

 『会社に勤めているときは、あれだけやってもやっても終わらない仕事に追いまくられていたのに、今はひとつ事が終わると、次にすることを思いつくまで、ぼーっとしているしかない』。

『仕事に追いまくられ』ることのない、何者にも縛られない日々になかなか慣れられないキョウコ。『緊急にやるべき事柄はひとつもない』という感覚がどうにも掴めないキョウコの新しい日々の描写は、読んでいて新鮮な感情が湧き上がります。かつてのキョウコがどのような忙しさの中に毎日を送っていたかは分かりません。しかし、恐らくは今の私、さてさてもキョウコのかつての側と似たような日々を送っているのだと思います。そう考えれば考えるほどに自分が仕事を辞めた先に待つ日々が朧げながらに見えてもきます。

 『「そうだった、何もしなくていいんだ」と思えるようになった。気を許すとやるべきことがない自分がとても不安になってくる。それが心の九十三パーセントくらいを占めていて、残りの七パーセントをたぐり寄せるのがなかなか難しい』。

次第に新しい生活に慣れていくキョウコ。しかし、それでも『やるべきことがない自分がとても不安にな』ります。普段働いていると、何にも追われることのない日々を夢に見ることさえあります。しかし、本当に『やるべきことがない』という環境に自身が置かれた時、やはりキョウコのような感情が押し寄せるのかもしれない、そんな風にも思いました。そして、そんな感覚をこんな一言が絶妙に説明してくれます。

 『会社にいるときもまじめに仕事をやって、それがいやになって、無職になったときもまじめに無職をやろうとする』。

キョーレツな皮肉とも言える言葉ですが、人は何もしないという状況を贅沢に思う一方で、何もしないという日々を享受することがそう容易いものでないと思わせてもくれます。これはもちろん、それまで生きてきた価値観との戦いでもあるのだと思いますし、頭で分かっていてもそう簡単に割り切れるものでもないのだと思います。物語は、そんなキョウコが「れんげ荘」で日常を送る様が描かれていきます。そこには、忙しさの中に気づけなかった季節の変化や他の人たちの思いの先に見え隠れする思いがあります。そして、そんな物語は、新たな暮らしに少しずつ馴染んでいくキョウコのゆったりとした穏やかな生活を淡々と描いていきます。そこには、キョウコが「れんげ荘」での暮らしを自分のものとしていく、どこまでもほっこりとした物語が描かれていました。

 『ここがこれからの住まいになる。六畳に小さな台所がついただけの部屋』。

『広告代理店』を早期退職し、『ぜーんぶ込みで、三万円』という「れんげ荘」で暮らし始めた主人公のキョウコ。この作品にはそんなキョウコが新しい生活に馴染んでいくまでの日々が淡々と描かれていました。「れんげ荘」のキョーレツさに慄くこの作品。やがて、そんな暮らしに少し憧れる気持ちも湧き上がるこの作品。

あくせくした読書ではなく、まったり、ゆったりとした気持ちの中にのんびりと読んでみたい、独特な雰囲気感に満ち溢れた作品でした。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

読んだのを忘れて再読した。癒されたいと思った時に手を伸ばしてしまうのが群ようこさんだと気が付いた。
月10万円で暮らすと決め、家賃3万円のぼろアパートに済む。憧れのスローライフが始まるかと思ったが、まだまだ迷うことばかり。読んでいて貯金生活にリアリティーもあり、癒されるばかりの話ではないはずだが、何となく癒された。

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2025年03月23日

Posted by ブクログ

自分も今仕事を辞めて無職なので、境遇が似ているところがある。

今まで貯めてきたお金から毎月10万円を生活費として切り崩していく。網戸がないから自分で網を買ってきて貼り付けたり、冬は靴下を二重に履き腰には毛布を巻く。時にはお隣のクマガイさんと物々交換をして素敵な洋服を頂いたり。工夫しながら、周りの人と交流しながら、質素な暮らしの中にも少しの楽しみがあって素敵だなと思った。

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

うん、面白い。
キョウコの感受性は美しいから、本を読んでいても日常の小さな喜びを感じることができた。
でもなかなか生活水準は下げられないよなぁと思いつつ。
お正月の帰省の帰り道、お母さんとすれ違うシーンはリアルで印象深い。母と上手くいかない関係だと、こうなるよね。ちょっぴり寂しい。
お兄ちゃんの家族が素敵。お兄ちゃんもキョウコの味方で常識人。なんとも頼りになる!そして姪のレイナちゃんはなんと良い子なのか。本当に心が温まりました。

また40近くになったら読み返したい。

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2025年01月15日

Posted by ブクログ

ずっと読みたかったシリーズもの

何もしない、という究極の贅沢を自分から進んで手に入れたキョウコはスゴイ!
思っていても行動に起こせる人間は、少数だと思う。
何気ない毎日を淡々と送る、なんて贅沢な!

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2024年08月17日

Posted by ブクログ

群ようこさんの小説を初めて読んだ。彼女の作品はエッセイも含めて、断捨離や終活要素が多く、とても楽しく読める。この作品は何も全て切り捨てろと言っているのではなく、自分自身の軸を持って、必要なことにはお金を使ったり、生活を満たしている。外見でなく内面美人な登場人物がいてぜひ見習いたい。

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2024年06月06日

Posted by ブクログ

大好きなれんげそ荘シリーズの一冊目。
働き盛りを過ぎてから読んだので、衝撃的な内容だった。
資金もなく職をなくした時のことを思い出してちょっと心がグラグラしたけど、心をすり減らしてお金を稼ぐことへの警鐘として忘れられない作品となり、その後の作品も深くはまることになった。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

群さんのエッセイを一気に読んで他のも読んでみたいと、こちらを選ぶ。

今の自分に近い年齢で、仕事を辞め、れんげ荘で隠居の様な生活を始める主人公のキョウコ。

思えば自分が美大生の時、下宿先がこんな感じだったことを思い出し、一つの家にドアで部屋が仕切られ、6畳一間。カビの生える押し入れ、共同トイレ、風呂無しで、風呂は裏の銭湯へ、ベランダもなし、窓を開けるとスナックのカラオケが聞こえ、地面からはどくだみの花の香り…となんだか懐かしくなった。結局4年住んだが後半はほぼ女友達のマンションに入り浸っていた。

過酷な条件の暮らしも、住めば都…とはいかない面もある。だが6畳一間で悶々と青春をすり潰した生活も愛おしい日々だった事を思い出させてくれる一冊だった。

淡々とすすむ日常と同じで読みやすい文章が好き。
第二弾もあるので、続編も読むつもり。

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2025年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分が決断したれんげ荘での暮らしに気が滅入ることがありつつも、人との繋がりによって、柔軟になっていくキョウコ。
当初は会社の人間や母との繋がりがキョウコを苦しめていたが、れんげ荘に関する人々、友人、姪といった、これまた人との繋がりによってキョウコが息を吹き返していって安心した。

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2025年02月20日

Posted by ブクログ

仕事だったりとか、なんだか日々忙しないなと思いはじめると、れんげ荘の世界に触れたくなる。
主人公は45歳で仕事をやめて、実家を離れ貯金を取り崩しながらの月10万円生活。
梅雨はカビ、夏は蚊の大群、冬はすきま風とともに部屋の中にまで入り込む雪との戦い。
そのうえ風呂もトイレも共同。
節約はしているのだけれど慎ましい生活の中でも花を飾り、季節の和菓子でおもてなしをしたり、ケチケチした感じがないのがいいなぁと思う。
岸本葉子さんのあとがきにあった言葉
『そう、生活のスリム化とは、削ぎ落としていくことだけではないのだ。だいじなのは価値観の軸をシンプルにすること。』
流行や人目など他人軸に振り回されるのではなく自分を軸に据えること。

れんげ荘がシリーズ化しているとは知らずに今回再読だったのだけど、続きが何冊かあるようなのでそれを読むことができる楽しみがまた増えました。

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2024年11月07日

Posted by ブクログ

おもしろかった!
ゆったりとした気持ちで入り込める。
とはいえ、キョウコさんにとっては、人生の大きな転換なんよな。

いいなあ。
ほんとにいいなぁ。
この本、大好きだなぁ。
何でこんなに大好きなんだろう。

(って考えてて、解説を読んで、そう!そうなんよ!ってなった。
言語化するって難しい。)

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

羨ましいと思う反面、こんな風に思い切った生活できないだろうなぁという思いもある。
昨今の物価高とか考えると宝くじでも当たらないと真似できない生き方だけど、仕事に疲れてお金貯めてこの道を選んだ主人公を応援したくなる話だった。

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2024年10月12日

Posted by ブクログ

ライトにさくっと読める作品

せっかく高給取りの激務会社員生活とおさらばできたのに、結局根は真面目で仕事モードややらなきゃからなかなか抜け出せないもどかしさ、何もしなくていいことへの罪悪感というか楽しみきれないところは共感

クマガイさんが素敵

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2024年10月08日

Posted by ブクログ

面白かった!こんなふうに過ごす自分を想像できないけど、誰もが一度くらいは考えるのではなかろうか。働かないで貯金だけで、何にもしないで暮らしたい。私は計画性がないから、全くもって貯金生活とは無縁で、日々生活に追われているからこそ、憧れるのかな。一人暮らしの身には家賃は重くのしかかる。トイレ、シャワー共有かー。3万円という金額には惹かれるけれど、実際にはクマガイさんみたいな人が隣人ではないだろうしなぁ。仕事をしないで毎日暮らすって1ヶ月は楽しめそうだけど、それ以上になったら、お金を心配をしてしまうだろうな。貯金があれば違うのか?
いろんなことを想像しながら、キョウコさんと一緒に夏の暑さにまいり、冬の過酷さに身震いし、一輪の花に心癒され、やっぱり憧れは森茉莉さんか、と納得しながら楽しく読みました。

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2024年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

れんげ荘シリーズを途中から読んでしまったので、最初から読み直すことにしました。
第3巻で出てきたクマガイさんが倒れた時の話が載っていたので、これかあ〜と納得。続きも読みます。

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2024年06月29日

Posted by ブクログ

私もキョウコの立場だったらプライドが高くて嫌味ばかり言ってくる母からは離れたいと思うだろう。だけど寒くて、虫の出る「れんげ荘」には住みたくない。何もしなくていい生活は最初のうちはいいかもしれないが、私には退屈に感じてしまうと思う。

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2024年06月05日

匿名

購入済み

極端ではあるけれど

主人公の極端な生活の変化にちゃんとついていけるのか?お金は大丈夫なのか?精神的に病んだりしないのか他人事ながら心配しながら読み進めました。

そして彼女の母親が自分の母親に言動や考え方がとても似ていたことに驚き。大学も就職も地元だったので、途中で会社の近くで一人暮らしを始めた自分に重ね合わせて読みました。主人公のようにそんなに恵まれた会社に就職していなくてよかったのかもしれません。

#ドキドキハラハラ #共感する

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2024年01月17日

Posted by ブクログ

 職場や取引先から母親まで、周囲に気を遣い窮屈な生活を続けることに嫌気が差した女性が、45歳で退職して始めたひとり暮らし。年金を受給できるまでまだ20年ある。その間は、月10万円でつましく暮らすことにした。
 そんな、古くて不便なぼろアパートで奮闘する女性の日々を描いたヒューマンドラマ。シリーズ第1作。
           ◇
 大手広告代理店でバリバリ働き、管理職としてそれなりの給与を得ていたキョウコではあるが、若い頃からずっと自分の生き方に疑問を感じてきた。

 業務の大半を占める接待と、湯水のごとく消費される交際費。金と欲に塗れた世界にあるのは虚飾に満ちた仕事ばかりのように感じるからで、クリエイターでないキョウコには尚更だ。

 そんな、地に足がついていることを実感できない日々に耐えられなくなったキョウコは45歳になったのを機に退職。
 さらに独善的で見栄っぱりな母親との生活に嫌気がさしていたこともあり、家を出て1人暮らしを始めることにした。

 退職金を加えた蓄えだけで一生を送るためには、 ( 年金受給までの20年間の ) 生活費一切を、月10万円で賄う必要がある。
 そんなときに見つけたのが廃墟寸前の木造の安アパート。家賃は管理費等込みで月額3万円。それが「れんげ荘」だ。

 ミニキッチンは付いているものの6畳ひと間。エアコンなし。おまけにトイレ ( しかも和式でペーパーの設置はなし ) ・シャワーは共同。でも自分だけの城は何か楽しい。

 不便でつましいけれど、自由で心豊かなキョウコの新生活が始まった。

       * * * * *
 
 本当の豊かさってなんだろう。そんなことを考えさせてくれる作品でした。

 誰にも束縛されず、自分の身の回りのことは自分できちんとこなして健康的に生きていく。シンプルだけれど、それが何よりの豊かで幸せな生活なんだと、本作を読んで思いました。

 清潔で快適な実家での暮らしに馴染んだ身には、れんげ荘の暮らしは驚きの連続だったでしょう。

 春秋はいいけれど、その他の季節は大変です。

 まず梅雨時。強烈な湿気に始まり、どこからともなく侵入してくるナメクジたち、さらに押入れに大発生するカビ。

 夏には多数の蚊が襲来し、冬には冷たい隙間風とともに雪が吹き込んでくる。

 そんな自然との戦いを、キョウコさんはマメさと工夫でエネルギッシュに乗り切っていきます。しかも楽しそうですらあるのです。

 会社の方針に ( 自分を殺して ) 従い、母親の束縛を ( 躱しきれずに ) 受け入れるというそれまでの生活。そこに費やしていたエネルギーがいかに大きかったかがよくわかる描写でした。

 遠からずやってくるれんげ荘の取り壊しと転居問題や意固地な母親との関係など、読んでいて心配してしまうことはあるけれど、隣人にも恵まれ、 “ 豊かな ” 生活を満喫するキョウコさんの1年は、こちらの心まで豊かにしてくれるようでした。

 住めば都。「青山」は案外身近にあるんだろうなと思いました。

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2023年05月27日

Posted by ブクログ


お友達に勧められて読みました!
仕事かれ離れたくて辞めたのに
なくなってしまうとどうしていいか
わからなくなるのって凄くわかる。
本当にこれでいいのかな??という
不安がやっぱりある...。

けど それにしてもあまりに
ぐぢぐぢし過ぎでは??と
ちょっと思ってしまった笑

続編もあるのかな??
あったら読んでみようと思います!

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

ずっと働き続けて、早期退職をして、
月10万円で暮らすと決めたキョウコさん!

こんな暮らしに憧れつつ、
10万円という予算で囁かな贅沢を楽しみに堅実に暮らす部分は真似したいと思った

読んでみたらシリーズ化されていることを知って
続編も読みたいと思ったꉂꉂ

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

40代にもなって、もし友人に古いアパートに住んで隙間風が、、みたいな話されても、そらそうやろとしか返せないな。

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

読みながら、忙しい毎日の中で見失っているものってやっぱりあるのかな、と感じた。こういう生活に憧れもあるけど、仕事も今の生活も捨てて飛び込むのは難しい!でも、少し自分を振り返ってみる時間をとりたいと思った。続編もあるので、この後キョウコの生活や心境がどう変わっていくのか楽しみ。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

キャラ濃いー母。どこでもいるんだねー。うちもだけど。カビ生える、蚊との戦い、寒さ。辛いなぁ。これからどういう展開になるんだろー楽しみ。

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2025年02月23日

Posted by ブクログ

自分にとって本当に必要な場所は?付き合いたい人は?必要なものは?と問いかけてくるような作品でした。続きがあるのがまた楽しみです。少し昔の小説なのでちょっと古いなという場面はありましたが、新しいものが次々と生み出されて、人とのコミュニケーションの形も変わっていく現代でも通じる話だと思います。

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2025年02月18日

Posted by ブクログ

ばりばり仕事していた頃には気付かないことを、キョウコを通して感じることができた。季節に応じた気候や生き物、周りの人のこと、全てが素敵に感じれる。

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2025年01月21日

Posted by ブクログ

母親のしんどさ、数年前まさにこんな感じだった。ところどころ、声を出して笑えた。もしかしたら一度読んだことがあったかもしれない。

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2024年12月06日

Posted by ブクログ

広告代理店で働き高給取りで45歳、実家暮らしのキョウコが木造ボロアパートに引っ越すはなし

狭いのはいいけど冬のすきま風、夏の暑さ、虫の侵入、湿気は大変そうだなって思った

あと一人暮らしするきっかけになったキョウコの母親が毒親で一緒にいるのしんどそう
本の最後まで分かりあうことなく終わった

森鴎外の娘森茉莉の贅沢貧乏っていう本読んでみたい

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2024年10月16日

Posted by ブクログ

疲れたら、ほんと何もしなくてもいいんだな
それも必要なんだなと思って読んでたら
本当に最後まで働かず、特に趣味もなく、
何もしないで終わった。

続編では何か変化があるのかな。

主人公のお母さんは
主人公に無理解が過ぎるけど
程度の差はあるけど
結構こういう人はいるとおもう。
判断基準が全部近所の人からどう見られるか。
嫌だねぇ。

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2024年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仕事をしない生活なんて、想像がつかないな。家賃月3万のところに住んで月10万円で暮らす。仕事をしないで暮らせるのであればそれもアリなのかな。でも、やっぱり家はゆっくりできるところに住みたいし、欲しいものは買いたい。
そうすると、やっぱり仕事をしなきゃ、ということになるのかな。

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2025年04月01日

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