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Posted by ブクログ
宮城谷版、吉川版、蒼天航路の3シリーズ併読の
「とことん三国志」、先行する宮城谷版の第2巻。
大帝国の長期政権はいかにして腐敗していくか。
マクロの視点では体制は「変わらないこと」で
自壊していくとなる。
ローマ帝国における共和制及び皇帝制の永き閉塞が
その象徴であろう。400年続いた漢帝国も同様だ。
宮城谷はそこにミクロな視点を持ち込む。
漢帝国の体制は内部は変わろうとして
何度も何度も「革命」をするのだ。
皇太后の外戚が暴政を行なえば、宦官が改革を断行する。
その宦官が虐政をすれば、外戚が誅殺を行なう。
すべては「大義」のための革命だ。
しかし、いつの世も、権力の魔力が大義を取り込むのだ。
巨大帝国であるが故、その権力の蜜は甘美であり、
人間の欲がそれを無視し続けることが出来ない。
何度もリフレインされる権力闘争からは
「人間は高潔であり続けることが容易ではない」
という方式が浮かび上がる。
能力のない世襲が生む皇帝支配。
その「長期政権の夢想」という盤上で
皇太后の外戚と宦官の間で繰り返される
革命のオセロゲーム。
革命のたびに、帝国は疲弊し、
皇帝の威信は揺らいでいく。
民衆の心は離れ、帝国以外の信心を求める。
宮城谷のミクロの視点から描かれることで、
太平道の発生理由が明快に示される。
最後に「正義」のための革命の歴史をまとめておこう。
他の三国志では、前史として無視されている貴重な記録だ。
・四代和帝のために宦官・鄭衆が外戚を潰滅
・暗愚な六代安帝の突然の死後を閻皇后の外戚が支配
・閻皇后の外戚による暴政に後の順帝が宦官を主体に革命
・順帝により殊勲の宦官孫程や曹操の祖父である曹騰に
過去最大級の栄誉が与えられる。
宦官が養子をとり、家系を継続させるようになる。
・順帝わずか30歳で崩御し、2歳の沖帝が即位。
しかし沖帝がすぐに崩御し、順帝の血筋は絶える。
さらに第10代質帝も外戚・梁冀によって毒殺される。
・曹騰の推挙で十一代桓帝が即位。
しかし姉妹を皇后にした外戚・梁冀の暴政は続き、
宮城を無視して自宅で政務を行なう。
梁冀が漢帝国を決定的に堕落させる。
・外戚・梁冀の圧政を止めるべく桓帝は宦官・単超や
孫程などが躍進。十常司の前提をつくる。
・桓帝に届けられた宦官の圧政を告発した上書を巡り
第1次党錮事件が起きる。
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