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Posted by ブクログ
西暦208年、赤壁の戦。三国志のハイライトともされるこの水戦に曹操は敗れ、南方攻略の足場を失った。歴史にイフは禁物だとしても、この敗戦がなければ、曹操は存命中に全中華の八割方を支配することができたに違いない。
この時代の正史を書く陳寿も、この史実を吟味しただろう。ここをどう書くかで正史というストーリーの視座が定まる。三国鼎立の始まり、と見るのは我々を慣れ親しんだ史観だが、魏や晋を正統と見るならば、珍しく和同した南方抵抗勢力が報いた一矢、と描いただろう。
曹操は呂布、袁術、袁昭と強敵を破り、天子を保庇し、有用な人材を登用して華北に平和と安定をもたらした。陳寿は羅漢中のような小説家ではなく正史著述者であり、自らは晋の治世下に生きていた訳だから、曹操に始まる魏晋王朝を正統と見なす必然性は十分にあった。赤壁戦を評価するにあたっても、孔明がまだ国すら得てない劉備に三国鼎立の計を説くというのは本来滑稽であり、実は後講釈なんじゃないか、と思えなくもない。しかし陳寿は、三国それぞれに正統性があるなどという中国史上ユニークな立場をとった。それは何故か。
一つは劉備という不思議な人物をどうしても劉邦に重ね合わせたかったから。これは羅漢中的な見方に近いが、もう一つ考えるとすると、魏晋を連続王朝とするのではなく、晋の前に三国時代があったとすることで、魏を相対化できるから。魏晋を一つとすれば曹操と司馬懿と司馬炎を比較する必要があるが、日本史において信長と秀吉と家康のいずれも捨てがたいのとは異なり、どうしても曹操に軍配が上がってしまう。
とまれ、曹操は一代では天下を得ることができなかった。その直接の原因となった赤壁戦で、呉軍では若手が勇躍し、劉備は荊州でようやく地と人望を得た。大きなターニングポイントを経て、歴史は三国時代へと向かう。
Posted by ブクログ
本作は、袁家掃討から、荊州南部攻略までが描かれています。
宮城谷さん版三国志には、知らない人物や評価を見直さないといけない人物がたくさん出てきます。(某ゲーム社の数値と比較してですが。)
私にとっての今回の白眉は、「田ちゅう」と「李典」でした。
(田ちゅうは、初めて知りました(覚えていないだけかも・・・)。 李典は、楽進と張り合う”武一辺倒”かと思っていましたが、 宮城谷三国志では、かなり評価アップされている気がします。)
黄忠が戦う前から劉備寄り(?)なのも、いつもと違う感じで興味深かったです。
言うまでもなく次回に期待です。
※孔明は、今のところ、イメージ通りです。
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