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Posted by ブクログ
劉備とは何者か、第七巻ではその問いかけが重要な意味を持つ。華北にいた頃は呂布や曹操に勝てず、逃げ回ってばかりいた流浪の将にも、荊州では妙な後光が差し始める。赤壁において彼は呉の属将だったのか、それとも同盟者だったのか。この定義はその後の荊州南部と蜀の支配を正当化できるかどうかを判定する上で重要なポイントだが、宮城谷さんは正直に筆を進めていく。その行為は武力侵攻だったかもしれない。しかし、単に武力に勝っていたから地を得たのではない。3日で得られたはずの成都に300日を費やす。そういう姿に、いつの間にか大人の徳が漂っている。劉備の輝きが増す分、大人の態度に徹せない孫権は分が悪い。
南方の王者たちの成長もさることながら、北方の支配者として地歩を固めていく曹操も見逃せない。曹操は西方で、馬超と韓遂の連合軍に負けずに勝つ戦いを演じる。篭の鳥になった天子は無益な抵抗を試みるが、衰微した天子と華北を経営する曹操と、どちらに徳があるのだろうか、という筆者の自問が始まる。彼は魏王に登る。既に60近い曹操が残された生涯でどこまで高みに登るのか、それもまた楽しみだ。
Posted by ブクログ
幸運は受けるだけでも触るだけでも得ることにはならない。何があっても離さない握力が要る。劉備が変わり始め。三国鼎立が形を成し始める時期。非常にドラマティックな時期であるはずなのだが、筆の運びは相変わらず淡々水の如しである。それでいて面白いのはこれまでにない全く新しい三国志だからであろう。英雄たちの理に適った言動は、非常に分かりやすく現代の自分たちの型見本ともなるものであり、純粋に新鮮な感動を覚えた。周瑜、享年36歳。呉は稀代の名将を喪ったことで天下を経略する道を断たれる。同じく享年36歳。龐統士元。劉備にとっても大きな痛手であったに違いない。埋もれていた英傑たちを列伝形式で蘇らせる方式も非常に良かった。
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