駆け出しの建築家・誠と、カフェで働く日菜。雨がきっかけで恋に落ちた二人は、鎌倉の海辺の街で愛にあふれた同棲生活を送っている。家族のいない日菜に「夢の家」を建ててあげたい、そのために建築家として名を上げたいと願う誠だったが、ある雨の日、日菜と一緒にバイク事故で瀕死の重傷を負ってしまう。目を覚ました彼らの前に、“案内人”と名乗る喪服姿の男女が現れる。そして誠と日菜は、二人合わせて二十年の余命を授かり、生き返ることに。しかしそれは、互いの命を奪い合うという、あまりにも苛酷で切ない日々のはじまりだった――。この恋の結末に、涙せずにはいられない。『桜のような僕の恋人』の著者が贈る、胸打つ長編小説。
Posted by ブクログ 2023年05月10日
本を読んで初めて涙に暮れた。
恋愛はお互いを想い合うことで成立する。そんな当たり前なことほど、当たり前にできない。難しいもの。どんなに幸せな日々であっても、些細なきっかけで、相手を恨み、相手を罵りたくなることも出てくるだろう。それは、恋人同士だけでなく、家族や友人全てにおいても。人間だから、感情を持...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月13日
心が痛い。生き返った後の2人のかみ合わなさに、こんなにも人は変わってしまうのか?と。相手の長所が、憎むべきポイントになってしまったり、相手に四六時中イライラしてしまったり…。でも、そんな生き地獄とも言えるような残酷な状況下で、「幸せとは何か?(自分にとっての)」を突き詰めていく様は、こちらも思わず力...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月22日
素敵だけど残酷な物語。
残された人の事を思うと苦しくなる。大切な人に忘れられるのも、忘れたくないのに覚えていられないこともこんなに辛いことだとは思わなかった。
エンさんと明智さんの2人も悲しい。
死んでも生きた証を残すことが出来た人生なら生きてよかったって思えるだろうなぁ。
最後に誠くんの夢が叶って...続きを読む