あらすじ
おいしくて少しほろ苦い、大好評シリーズ!
教養高く美しいが、世間知らずのおばあさまと、
料理のセンス抜群だが内気な17歳の孫娘・佐菜。
世の荒波に放り出されたコンビが、
「出張料理」を仕事に奮闘する、大好評シリーズ。
れんこんの料理で知り合った落語家の与太郎が、兄弟子・二つ目の椿亭八作のことで訪ねてくる。
落語は中途半端でうだつが上がらない、しかも片思い中という八作を誘い、川遊びに行くので
弁当を作ってほしいという。佐菜は早速、八作の落語を聞きにいってみる。
亡くなった姑が作っていたふき味噌の味を再現させたい、と願う若おかみのために奮闘したり、
専太郎と友人たちを喜ばせようと「地獄飯」の品書きをあれこれ考えたり。
忙しくも充実した日々を送る佐菜だが、ある時おばあさまが体調を崩して寝込み、
またかつての友人たちが華やかな娘時代を過ごすのを目の当たりにし、
心細さと不安を感じつつ、落ち込むことも――。
人生の転換点を迎えた佐菜を、ますます応援したくなる、待望の第5巻!
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Posted by ブクログ
今回のお話は五話。
なかでも好きだったのは まず二話目。
日本橋の白妙屋という糸問屋の若おかみは二年前に亡くなった大おかみが毎年作っていた “ふき味噌” を同じ味で作りたいと試してみるが 何度やっても
うまくいかない。 そこで佐菜に依頼がきた。
「お姑さまはそれはすばらしい方でした。おかみとしても、人としても。」
「至らない私ですが、早くお姑さまの代わりにならないといけないのです」
そう語る 生真面目で一生懸命な若おかみには 実家に対する あるわだかまりがあった──。
毎年フキノトウが出始めると “ふき味噌” が食べたいなぁ~ と思う。
買ってきて作ろうかとも思うのだけれど 如何せん決してメインになるおかずではなく、上手に作る自信もないので 毎年迷っているうちに季節が終わってしまう。
今年は いっそフキノトウを買ってきて料理上手な義母に甘えて作ってもらおうか……。 至らない嫁で申し訳ない。 このいい加減さを この若おかみに分けてあげたい。
そして五話目。 ある日 佐菜は佐菜がまだ三益屋のお嬢さんだった頃 家族ぐるみでつきあいのあった富田屋のおかみのところに おでかけ料理人として 天ぷらの揚げ方を指南しに行くことになった。
そこには 以前一緒にお針やお琴のお稽古をした昔馴染みの華やかな娘たちが集まっていた──。
真っ白な足袋の富田屋の娘・舞乃。
佐菜は汚れの目立たない鼠色だ。
着ている着物も 娘たちは友禅の振袖で佐菜は古着。
佐菜はだいぶ遠いところに来てしまったのかもしれない。
でも佐菜には卑屈さのかけらもない。
「だれにも事情があるのだもの。その中で最善を見つけて、幸せになれるよう頑張るしかないじゃない。」
あの人見知りで頼りなげなお嬢さんが強くなったものだ。
今回もよかった。