小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
成瀬からの平安部ということで、同じ高校生ではあるものの、至って平凡で、いじめられてはいないが好かれてはいないと自認する栞が主人公。彼女が、平安に心惹かれる安以加に誘われて平安部を立ち上げる話。
中学とは違うキャラでいきたい、他人がなんでもよく見えてしまう、人の色恋が気になる、親には馬鹿にされそうで学校の話がしにくい…そんな高校生あるあるを、平安部というぶっ飛んだ話ではあるがサラッと書いていて面白かった。普段、高校時代に戻りたいとは思わないが、ここまで自分たちらしい高校時代を作り上げられるならもう一回高校やりたい、と思う人もいるのではないか。
にしても、ちょうど最近「桐島部活」を読んだばかり -
Posted by ブクログ
ネタバレ「白河集団公司」!!!(嗚咽)
徳ちゃんって最後の最後まで本っっ当に義理堅くてなんていい奴なの!!!
私は映画が先、原作が後になったけど、結果的に正解だったと思う!
歌舞伎の繊細な大胆な美しさとか、俳優陣の演技の上手さを堪能するために映画がすごく良かったんだけど、映画化で省かれたたくさんの部分があまりにも良すぎるため、「映画に反映されてなくて残念」の気持ちの方が上回ってしまうと思う。
映画では、俊ぼんが逃げて、喜久雄の元カノと子供作って、結構ぬるっと実家と歌舞伎界に帰ってきたようなイメージだったんだけど、原作では戻ることを決めてから父親に許可もらうために踊るシーンもあったし、腕の中で第一 -
Posted by ブクログ
謙遜もなく、虚勢もなく、20代という年代の疑問なり、葛藤なりを素直に描いていると思った。
学生とは違う、社会人として20年過ごしてきた人とも違う、これからどのようにでも選択できる危うさと自由を持つこの年代の不安げで挑戦的な行動と考えがすごくみずみずしく、まぶしい。
読むのは2度目なのだが、何歳の時に読むと共感できるのか、感動できるのか、嫌な気持ちになるのかは人それぞれだと思うけれど、私は今読んで好きな話と、なんとなく気持ちが沈む話は入れ替わっているような気がした。
何様!何様?といつの間にか経験を積んだと思っていた、人生の荒波を乗り越えてきたと思っていたけれど、それはとても危うくて、自分勝 -
Posted by ブクログ
ネタバレお母さんと自己、自己とライの関係が近しいものなのではないかと気づく部分が面白かった。
自分の幸せを願っている母を疎ましく思ったように、自分もライに疎ましく思われている可能性はないだろうかと。
誰かを救いたい、幸せになってほしいという気持ちは誰もが誰かに抱くのだろうが。それは結果的に相手に負担となっている可能性がある。
「相手を傷つけないようにすることしか出来ないのかもしれない」というようなセリフが印象的だった。
本当にそうだよなぁと思う。
僕らは自己ロマンを他者に投影し、相手を救っているようで、結局は自己のためという利己的な生き物なのではないかと思う。
ライが元カレに共感し、もしかした