小説・文芸の高評価レビュー
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スナック「れもん」も今まで住んでいた場所も失い、生きるためにどんな方法でも金を得なければいけなくなった花は、カード詐欺に手を染め、金に狂い始める。
他には味わえない緊張感とともに読む手が止まらなくなります。
お金のない生活からどうやったら抜け出せるのか、ふつうの人たちがどうしているのかまったくわからないまま、十五歳からの五年間の青春の日々はついに終わりを迎えます。
真実がどこにあるかなんて誰にもわからないし、無理にわからなくてもいいんだ。
彼女たちには選択肢などなく、誰かの人生を一方的に非難することなんてできない。
苦しいけれど、花と黄美子さんとの関係は今となってはハッピーエンドだったのかもし -
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面白かった~!!!
わりと最初はついていけなくて
「これはつかめないタイプの坂木氏か」
と、思ったのに、二章からはぐいぐい引き込まれて一気読み。
お菓子についてのあれこれももちろん面白いけど、高校生の日常(?)…というには深い。
今はやりの(?)言葉で言えば「多様性」が、常に著者には見え隠れするけど、こんな言葉がここまでフューチャーされるよりずっと以前から、著者はこういったテーマを優しくえがくよね…。
すごい、好き。
著者の本は、既読でも時折読み返すのがいいんやろな…。そのときどきで受け取る者がすごく変わりそう。
ひきこもり探偵シリーズを読んだのはたぶん20代やったので、こちらももう一 -
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ネタバレ食糧を乗せたロケットが墜落し、生存が絶望的になるところから下巻はスタート。
<アレス3>のクルーがマークを救うために一切の迷いが無かった部分が特に感動したね。自分たちが死ぬ可能性もあるし、もちろんその時の備えもする。デメリットが分かっていないのではなく、それを理解したうえで救いに行くという選択を行えることの勇気。
色々な問題が起こる今作なんだけど、上巻から共通して”空気圧(気圧差)”が問題のキーとなっている。この点の素晴らしい所は、読者に対して問題を理解させるまでの負担を軽くしてることなんだよな。SFってのはどうしても問題のヤバさを理解してもらうまでのハードルが高いので、その部分を簡略化し -
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前作もそうだがぐっと世界に没入してしまうので
今回も3駅乗り過ごし遅刻
施術シーンは読み手の心拍数が一気にあがり
読むことを止められない
緩急がもはや神レベル
最後はとにかく笑い笑いの締めくくり
とにかく次回作が楽しみで仕方ない
1番好きなページ
「大切なことは、最後まで読んでみることだ。途中でやめたりせず、要約やあらすじにも頼らず、自分の目でその難しい文字を最後まで追いかけること」哲郎は我知らず、懐かしげに岩波文庫に目を細める。
学生時代に読んだ本であるから、二十年近く前に買ったものである。上巻よりも薄い下巻には、鉛筆やボールペンでやみくもに書き込みが入っている。
「もちろん読書にも色 -
購入済み
驚天動地の物語
この物語が書かれたのはなんと昭和35年、大阪夏の陣から家康が死ぬまでの歴史をしっかり押さえたフィクションである。エログロではあるがこれほど大衆エンタメの極致のような面白い小説を初めて読んだ。何しろ頼秀が自害する寸前に真田幸村が配下のくノ一5人に頼秀の子を産ませるように性交させる。そのくノ一と家康に恨みを持った千姫が脱出しそのことを知った家康側の伊賀忍者5人と服部半蔵の忍者衆が豊臣の血筋を絶たんと戦闘を繰り広げる。ともに忍術で相手の性欲を爆発させたりするが、なんと人間の本質に迫った描写だと驚くべき表現である。しかし一番良かったのは今後読む方のため詳しくは書かないが最後のなんともすがすがしい幕のお
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ネタバレ原作では科学的なことが細かく描かれている。科学とは仮説を立てて、実験を繰り返し行う時間と根気が必要な学問だと改めて思った。
グレースは自分で志願してこのプロジェクトに臨んだのではなく、強制的に宇宙船に乗せられた臆病者だったのだと落ち込む。このグレースの設定が人間らしくてとても好きだ。
地球に帰る途中、タウメーバがキセノナイトを通過することに気づき、地球にこのまま帰るか、自分の命を諦めてロッキーを救いに行くかの選択を迫られた時、ロッキーを救いに行ったグレースは臆病者ではない、勇敢な人だった。グレースにとってロッキーはそれ程大切な存在になっていたのだと思う。
前情報なく映画を観て、原作が気になって -
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p111
未来は暗いかもしれないけど卵と牛乳と砂糖はよっぽどのことがない限り世界から消えることはない。あなたはあなたとお母さんのプリンを自分の力でいつだって作れる
p180
けれど今は春彦は彼女が「いらない」といえば、笑ってうなづいただろうと思う。弟はきっと彼女の人の思惑に左右されず自分の意思を貫くところこそを愛していたと、思う。
p247
この子にとって何かを作って食べさせてあげることは好きだよって伝えることなんだなって
p275 でも結局あなたの言葉では何も聞いてなかったんだって、あなたと離れてから気づいたの。
やり直す事など望んでいないし、謝って欲しいとも思っていない。ただ夫婦で -
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なぜ、物語の批評を共感で語るのか。
それは、現代が趣味や志向を肯定しつづけてくれるサービスに触れつづけ確証バイアスを肥大させている時代だからだという。
その著者の分析に大いに賛同し、行く末を思って怖くなった。
いま、読書離れといわれる時代で、物語もよりわかりやすい(共感性をえやすい)ものが売れる時代になってきているように感じる。
他者性が複雑に織りなされた物語は、結局何が言いたいのかわからないとバッサリ切られる時代だ。
そういう人は、AIが要約した文章で事足りるから、とますます本から遠ざかっていく。
本書を読んで感じるのは、文章に織り込まれる人称や、過去形、現在形、二葉亭四迷の「完了形た -
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ネタバレ『プロジェクト・ヘイル・メアリー』映画が良かったので、アンディー・ウィアーの他作品を読み漁ろうの会その1。
筆者のデビュー作にあたる本作だけど、状況はシリアスに、けれど空気は軽く……というポップな作風が読みやすい一因だねー。
火星に取り残されたマークが科学を駆使してサバイバルを行うのもそうなんだけど、地上にいるNASAの人たちが知恵を総動員してマークを救おうといくつも案を上げ実行する部分も好きなんだよなぁ。
「火星でどう生き残るか」「火星からどう救出するか」という一つの問題を双方向から解決していくからこそ、先の展開が読めなくて面白い。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』でもそうだったけど、こ -
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岡崎成道は小6で事故に遭い、同乗していた小1の弟は下半身に大怪我をし父は亡くなった。弟は途中で不登校になり、リハビリも止めていて、車椅子の生活。不運なことに相手が悪く、保障がなかった。成道は家庭の中でヤングケアラーとして弟と、家事を請け負っていた。父は当時珍しかった男性看護師であり、成道は家庭の事情もあり高卒で就職するつもりだったが、特待生の学費免除を知り、家から自転車で通える看護大学に進む決意をする。
とまあ、感動する要素満載で、ご馳走さまって感じなのかな~と思いながら読んだのですが、さすが藤岡陽子さん、素晴らしかったです。苦難、努力、不運…。そしてつかむ未来への道。考えさせながら、追体験さ
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