ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 青天

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    いやあ、最高でした。文句なしで。
    若林さん、トークも面白くて小説も天才的なんて卑怯です。

    わからないけど勝手に、この小説は若林の自叙伝なのか、こういう生き方をしたかったという願望なのか、のどっちかなのかなと想像しながら読んだ。だからどうというわけではないけれど、燃え尽きられなかった主人公が、怠惰な毎日を抜け出し最後の秋に向けて走りだす青春小説。

    倫理の岩崎先生とのやりとりが秀逸で、若林さんらしくて、アリの涙があふれるシーンは泣けた。

    俺もこういう生き方がしたい。今からでも。
    今年最高の小説でした。

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    2026年05月05日
  • 侍女の物語

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    酸味の強い木苺のジャム。もしくはコンフィチュール。
    構造と体制を書くのではなく、あくまでその世界の人間と感情を書いているせいか「侍女」の通る庭の草の匂いまで感じるような生々しさがある。穴だらけの彼女の主観で情報を集め状況を理解していくのは少し苦戦するけれど、その構成も意図したものであるというまとめが好み。最近のSFで何度か見た構成だがこれが元なのかもしれない。

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    2026年05月05日
  • 今日もスープを用意して

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    ネタバレ

    スープを免罪符にするかのような母に育てられた望。母はパートナーを頻繁に変え育児放棄というより子どもに興味がない親の自覚もない、そんな人。そんな生活の中、望はこの親でもずいぶんきちんと育ってきた。けれど結局は不倫相手の子を産み一人で育てる。望は遥を育てることで母親の気持ちを理解するのかな、生い立ちから自分は両親揃ったいわゆる普通の家庭を築こうと思わなかったのかな。読者が期待する結末でないところがリアル。誰にも共感できないけど丁寧に書かれた文章で読みやすい。おすすめ、今後他の作品を読もうと思う。

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    2026年05月05日
  • 黄色い家(下)

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    スナック「れもん」も今まで住んでいた場所も失い、生きるためにどんな方法でも金を得なければいけなくなった花は、カード詐欺に手を染め、金に狂い始める。
    他には味わえない緊張感とともに読む手が止まらなくなります。
    お金のない生活からどうやったら抜け出せるのか、ふつうの人たちがどうしているのかまったくわからないまま、十五歳からの五年間の青春の日々はついに終わりを迎えます。
    真実がどこにあるかなんて誰にもわからないし、無理にわからなくてもいいんだ。
    彼女たちには選択肢などなく、誰かの人生を一方的に非難することなんてできない。
    苦しいけれど、花と黄美子さんとの関係は今となってはハッピーエンドだったのかもし

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    2026年05月05日
  • 今日、地球人をやめる。 「日常」が面白い「物語」になる15の裏ワザ

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    おもしろかった。けど正直難しかった。スピってる話は若干頭に入ってこないところがあって、もう一回読もうというのが正直なところ。2人とも好きな人だし、大事なこと言ってるのは分かる。そんで、これを実装出来たら自分のライフも激変できるような予感はあるので、オズさんの思想を理解したい。もっかい読むぞぅ。
    前向き思想と前向きビジョン。

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    2026年05月05日
  • うまいダッツ

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    面白かった~!!!
    わりと最初はついていけなくて
    「これはつかめないタイプの坂木氏か」
    と、思ったのに、二章からはぐいぐい引き込まれて一気読み。

    お菓子についてのあれこれももちろん面白いけど、高校生の日常(?)…というには深い。

    今はやりの(?)言葉で言えば「多様性」が、常に著者には見え隠れするけど、こんな言葉がここまでフューチャーされるよりずっと以前から、著者はこういったテーマを優しくえがくよね…。

    すごい、好き。

    著者の本は、既読でも時折読み返すのがいいんやろな…。そのときどきで受け取る者がすごく変わりそう。
    ひきこもり探偵シリーズを読んだのはたぶん20代やったので、こちらももう一

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    2026年05月05日
  • 死んだ木村を上演

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    卒業公演を控えた合宿で、美形で優しくて努力家で台本を書いていた木村が自殺した。
    脅迫状で8年ぶりに集まった合宿メンバーと木村の妹があの日を上演して真相を解明していく話が斬新だった。それぞれが抱えていた思いと木村の自殺の真相に納得できた作品

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    2026年05月05日
  • 本を読めなくなった人たち コスパとテキストメディアをめぐる現在形

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    筆者は本書執筆の根底に怒りがあると書いていたが、本文はかなりバランス感覚に優れたフラットな語り口なのでストレスなく読める。問題の整理の仕方も結論も納得できる。特に〈わかりみ〉と〈おもしろみ〉という二項対立分析は面白かった。

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    2026年05月05日
  • かがみの孤城

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    ネタバレ

    不登校の子供たちが鏡の城に集められ、秘密の鍵と部屋を見つけることで願いが叶う、ただし叶えられるのは1人だけ…

    最初はよくあるファンタジー小説ね〜はいはいと思ってたけど、それだけでもなかったかな。
    パラレル…じゃなくて時代超越(って言うのか分からないが)なのは途中から気付いたけど、それ以外の散らしてた伏線もしっかり回収するし、読みやすかった。途中から登場人物たち目を見開きすぎだけど。

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    2026年05月05日
  • 火星の人〔新版〕 下

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    ネタバレ

    食糧を乗せたロケットが墜落し、生存が絶望的になるところから下巻はスタート。

    <アレス3>のクルーがマークを救うために一切の迷いが無かった部分が特に感動したね。自分たちが死ぬ可能性もあるし、もちろんその時の備えもする。デメリットが分かっていないのではなく、それを理解したうえで救いに行くという選択を行えることの勇気。

    色々な問題が起こる今作なんだけど、上巻から共通して”空気圧(気圧差)”が問題のキーとなっている。この点の素晴らしい所は、読者に対して問題を理解させるまでの負担を軽くしてることなんだよな。SFってのはどうしても問題のヤバさを理解してもらうまでのハードルが高いので、その部分を簡略化し

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    2026年05月05日
  • エピクロスの処方箋

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    前作もそうだがぐっと世界に没入してしまうので
    今回も3駅乗り過ごし遅刻

    施術シーンは読み手の心拍数が一気にあがり
    読むことを止められない
    緩急がもはや神レベル

    最後はとにかく笑い笑いの締めくくり
    とにかく次回作が楽しみで仕方ない

    1番好きなページ
    「大切なことは、最後まで読んでみることだ。途中でやめたりせず、要約やあらすじにも頼らず、自分の目でその難しい文字を最後まで追いかけること」哲郎は我知らず、懐かしげに岩波文庫に目を細める。
    学生時代に読んだ本であるから、二十年近く前に買ったものである。上巻よりも薄い下巻には、鉛筆やボールペンでやみくもに書き込みが入っている。
    「もちろん読書にも色

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    2026年05月05日
  • くノ一忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

    購入済み

    驚天動地の物語

    この物語が書かれたのはなんと昭和35年、大阪夏の陣から家康が死ぬまでの歴史をしっかり押さえたフィクションである。エログロではあるがこれほど大衆エンタメの極致のような面白い小説を初めて読んだ。何しろ頼秀が自害する寸前に真田幸村が配下のくノ一5人に頼秀の子を産ませるように性交させる。そのくノ一と家康に恨みを持った千姫が脱出しそのことを知った家康側の伊賀忍者5人と服部半蔵の忍者衆が豊臣の血筋を絶たんと戦闘を繰り広げる。ともに忍術で相手の性欲を爆発させたりするが、なんと人間の本質に迫った描写だと驚くべき表現である。しかし一番良かったのは今後読む方のため詳しくは書かないが最後のなんともすがすがしい幕のお

    #ダーク #シュール #感動する

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    2026年05月05日
  • 汝、星のごとく

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    久々にどっぷり没入した...
    壮絶で、呼吸を忘れる。
    苦しく、必ずしも綺麗じゃないのに(ネグレクトや酒、お金、社会の理不尽がありありと表現されている)、 いやな感じはまったくせず、もはや、きらきらしたものが心に残る気さえするのはなぜだろう。
    こういう類の題材は読み進めるのが苦しくなることが多いのに、すっきりと読めた。
    言葉の表現と瀬戸内の空気感の描写のおかげかな..
    櫂と暁海のふたりの視点から構成されていて、どちらの考えも分かる気がするからかな

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    2026年05月05日
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー 下

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    ネタバレ

    原作では科学的なことが細かく描かれている。科学とは仮説を立てて、実験を繰り返し行う時間と根気が必要な学問だと改めて思った。
    グレースは自分で志願してこのプロジェクトに臨んだのではなく、強制的に宇宙船に乗せられた臆病者だったのだと落ち込む。このグレースの設定が人間らしくてとても好きだ。
    地球に帰る途中、タウメーバがキセノナイトを通過することに気づき、地球にこのまま帰るか、自分の命を諦めてロッキーを救いに行くかの選択を迫られた時、ロッキーを救いに行ったグレースは臆病者ではない、勇敢な人だった。グレースにとってロッキーはそれ程大切な存在になっていたのだと思う。
    前情報なく映画を観て、原作が気になって

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    2026年05月05日
  • カフネ

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    p111
    未来は暗いかもしれないけど卵と牛乳と砂糖はよっぽどのことがない限り世界から消えることはない。あなたはあなたとお母さんのプリンを自分の力でいつだって作れる
    p180
    けれど今は春彦は彼女が「いらない」といえば、笑ってうなづいただろうと思う。弟はきっと彼女の人の思惑に左右されず自分の意思を貫くところこそを愛していたと、思う。
    p247
    この子にとって何かを作って食べさせてあげることは好きだよって伝えることなんだなって

    p275 でも結局あなたの言葉では何も聞いてなかったんだって、あなたと離れてから気づいたの。
    やり直す事など望んでいないし、謝って欲しいとも思っていない。ただ夫婦で

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    2026年05月05日
  • 小説、この小さきもの

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    なぜ、物語の批評を共感で語るのか。

    それは、現代が趣味や志向を肯定しつづけてくれるサービスに触れつづけ確証バイアスを肥大させている時代だからだという。
    その著者の分析に大いに賛同し、行く末を思って怖くなった。

    いま、読書離れといわれる時代で、物語もよりわかりやすい(共感性をえやすい)ものが売れる時代になってきているように感じる。
    他者性が複雑に織りなされた物語は、結局何が言いたいのかわからないとバッサリ切られる時代だ。
    そういう人は、AIが要約した文章で事足りるから、とますます本から遠ざかっていく。

    本書を読んで感じるのは、文章に織り込まれる人称や、過去形、現在形、二葉亭四迷の「完了形た

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    2026年05月05日
  • 火星の人〔新版〕 上

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    ネタバレ

    『プロジェクト・ヘイル・メアリー』映画が良かったので、アンディー・ウィアーの他作品を読み漁ろうの会その1。

    筆者のデビュー作にあたる本作だけど、状況はシリアスに、けれど空気は軽く……というポップな作風が読みやすい一因だねー。

    火星に取り残されたマークが科学を駆使してサバイバルを行うのもそうなんだけど、地上にいるNASAの人たちが知恵を総動員してマークを救おうといくつも案を上げ実行する部分も好きなんだよなぁ。
    「火星でどう生き残るか」「火星からどう救出するか」という一つの問題を双方向から解決していくからこそ、先の展開が読めなくて面白い。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』でもそうだったけど、こ

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    2026年05月05日
  • 生殖記

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    ネタバレ

    読んでいくにつれて、しょうせいかわいいなあと愛らしくなっていきました。人間らしさというか適当に流す感じが面白かった。中でも眉毛としょうせいの、 無言タイムは笑ってしまいました。笑

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    2026年05月05日
  • 青のナースシューズ

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    岡崎成道は小6で事故に遭い、同乗していた小1の弟は下半身に大怪我をし父は亡くなった。弟は途中で不登校になり、リハビリも止めていて、車椅子の生活。不運なことに相手が悪く、保障がなかった。成道は家庭の中でヤングケアラーとして弟と、家事を請け負っていた。父は当時珍しかった男性看護師であり、成道は家庭の事情もあり高卒で就職するつもりだったが、特待生の学費免除を知り、家から自転車で通える看護大学に進む決意をする。
    とまあ、感動する要素満載で、ご馳走さまって感じなのかな~と思いながら読んだのですが、さすが藤岡陽子さん、素晴らしかったです。苦難、努力、不運…。そしてつかむ未来への道。考えさせながら、追体験さ

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    2026年05月05日
  • その復讐、お預かりします

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    自らの復讐をすべく復讐屋の秘書となった主人公が、さまざまな事件を経て・・・。社会で経験する不条理にどう折り合いをつけていくか、復讐屋の手腕はいかに。映像化できそうな面白い作品でした。

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    2026年05月05日