小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ読み終えてまず『熟柿』というタイトルに納得。
熟柿・・・熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと
序盤では晴子伯母さんの大切な柿の木が出てくるが、読み終えてまさしく人生そのものが熟柿なのだということに繋がるのだと感動。
晴子伯母さんのお葬式の帰り道、酔っ払って眠る警察官の夫を助手席に乗せ雨の中轢き逃げをしてしまう主人公かおり。
服役中に出産した息子に会いたくて会いたくて、でも会えなくて転々と働く場所を変え16年。息子の田中拓と同級生の久住呂咲と母親の百合のおかげで再会をする。
後半からのかおりにいきなり会いにきた元夫との会話の中で轢き逃げ当日の夫がついた嘘 -
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思春期ならでは閉塞感、危うさなどその微妙な心理状況を文章でここまで表現することができる言葉の巧みさに驚いた作品でした。良い意味で現代の小説ならではのフレッシュさも持ちつつ、新人とは思えない書きっぷりに脱帽します。
特に面白いなと思った部分は、登場人物は同じなのに一章ごとに登場人物が変わったような、シリーズ物の小説を連続して読んでいる気分になれる、文章のだらけが感じられない読み応えのある所が素晴らしいなと思った。
余談ですが、本のカバーを外して読んで欲しいなと思いました。装丁まで物語の一部、実際の本でないと味わえない良さを改めて感じました。 -
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青春ならではの空気感、華やかなようで危うさもあるその煌めきがまるで星空のように瞬いているそんな印象を受けた小説でした。
特に、貴子と融の視点の書き分けがかなり丁寧だなと思いました。視点が混同せず、貴子視点の話を書ききったら融の視点に移るなどどちらの視点で物語を進めていくかがはっきりとした作品だと思いました。そのため、最終に近づくにつれて視点がくっついていく、各視点が短くなっていく部分も文章に旨みが出て素敵でした。
また、2日間という短い時間をこれだけの文章量で書いたという点に置いても優れている作品だと感じました。普通、2日間の物語をこれだけの文章量で書いてしまうとどこか長々と文章を綴っていると -
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こんなにも重たくて、丁寧で、美しい。本作や『流浪の月』など、凪良ゆうさんの作品はいつもそういった印象だ。元々BLを書かれていたそうだけど、同性愛はつながることができないからこそ言葉がとても多い印象だ。そこから今に至るのかなと思う。ここまで人の感情を丁寧に丁寧に紐解くことができるなんて。
櫂が言うように、きっと凪良さん自身もこの作品を書いていて痛くて痛くて仕方なかったのではないだろうか。それを思うと苦しい。櫂と尚人と同じくクリエイティブな世界に、そして文章を書く世界にいるが、書くという作業ら本当に本当に痛い。どうでもいいWEB記事は痛くない。自分を切り出して書くことこそが痛くて仕方がない。痛い -
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海上自衛隊の特殊部隊創設者という、極限の現場を知る著者が放つ言葉には、机上の空論を排した圧倒的なリアリティがある。
自衛隊および自衛官の憲法上の位置づけが急がれる。日本以外の国が、軍隊と見なしている組織を軍隊ではないと言い張る理由が分からない。解釈の余地がない組織に規定しなければ、自衛官も国のために生命を差し出す気持ちになれないだろう。
※入隊時全隊員に、「私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、知識を養い、政治的活動に関与せず、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め -
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ネタバレ西村賢太の作品を立て続けに2冊読んだので、すぐにピンときた!
小銭をかぞえるの山志名と、苦役列車の日下部、同じ奴がモデルじゃん!!
日雇いのバイト先で出会った九州出身のスポーツマンで学生結婚して郵便局員になった男!名前は違うけど設定が全く同じだ!!
めっちゃ面白いんだけど、なんと私小説らしいので、本当にこんな出来事が起こったと思うとより面白い。
短編の「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」も面白かった。
ギックリ腰の中、受賞するかしないかの連絡を待つ話。変にジンクスやゲン担ぎにこだわり始めてしまうところとか、ギックリ腰でケツが拭けなくて困る話とか、あるあるで面白かった。
苦役列車は肉体労働の日 -
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#ぬすびと
寺地はるな
双葉社
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もう二十年も昔のことーー。
「何を今更?」
そんな風に思うかしら。
でもね、
大人になればわかる。
一年も、十年も変わらない。
鮮明な記憶ほど、
大切な記憶ほど、
時は止まり、昨日のことのように、
いつだって鮮明に覚えているの。
傷も。
宝物も。
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若く無鉄砲だったわたし、鳴海。
美しく慎ましかった奥様、彌栄子。
気難しい性格を持った、その息子の栄輝。
若かりし頃に断絶されてしまった絆。
栄輝から掛かってきた1本の電話を境いに
20年の歳月を経て、再び邂逅する。
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『ぬすびと』『泥棒』
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