あらすじ
『BLUE GIANT』もうひとつの物語。
沢辺雪祈は、言葉を覚えるより先に音を覚えた――。
幼い頃、音が「色」に見えた少年は、やがてジャズの魅力に取り憑かれ、運命の仲間たちと出逢う。目指すは日本一のジャズクラブ「ソーブルー」での10代トリオ単独公演!
ただ真っ直ぐに、ただただ真摯にピアノと向き合い続ける青年は、夢の舞台で磨き上げたソロを響かせ、喝采を博すことができるのか!?
大人気コミックのストーリーディレクターが魂を込めて書き下ろすフルボリューム音楽小説!!
漫画でも映画でも描かれなかった『BLUE GIANT』もうひとつの物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いい色だろ?豆腐にも色は出るんだ。ただ白いわけじゃないんだよ
…音とは、振動です。空気を震わせて、人間の鼓膜を揺らします
…もっと青くなりたいって、強く思ったんです
Posted by ブクログ
ロック、ポップスとは全く異なるジャズの世界で個性の有る若い3人が同じ目標に向かって時にぶつかりながらもひたすら頑張る姿が眩しくて心を打つ内容。
雪祈は長野松本の地で母親がピアノの先生と言う家庭で育ち幼少時ピアノの音を色で捉えて興味を持つも母からの薦めでクラッシックを学ぶにつれ色は失せ音符に変わり、ピアノ教室に通い楽しく弾くユキちゃんとも出逢うも引越で別れる。雪祈はピアノを続け、幼馴染の球児賢太郎と同じ高校に通い、甲子園を目指す体育系賢太郎とピアノの腕を磨く文化系雪祈は友人として互いに影響し合い育つ。ある日母親に連れ出されて東京のジャズバー「SoBlue」に行きジャズに目覚め地元松本のジャズバーに通い、大学はジャズを続ける為、東京に出る。大学でジャズ研に入るも物足りず生活する中でサックス奏者の仙台出身大に出逢い大のサックスに魅了される。大とバンドを組み始めそこに大の紹介で玉田がドラマ-として加わるも玉田は素人で雪祈、大の足を引っ張る。雪祈、大、玉田3人はジャズへの想い、夢を重ね練習に励みいつしか「SoBlue」で演奏したいと目標を持つ。そんな3人が其々刺激し合い夢を追い「SoBlue」のマネジャー平の目に留まりライブに立てる事になる。ライブ前日、雪祈は最後のバイト勤務中事故に合い病院に運ばれ右手が使えない状態になり、ライブの中止を余儀なくされるも大、玉田2人は雪祈の想いも背負い2人でライブを決行し凄い演奏を披露する。雪祈は、病院でどうしてもライブに行きたく父の助けも有り先生同行の元ライブに駆けつける。アンコールの時間に間に合い雪祈は左手のみで大、玉田と苦手だったインプロを克服して音が幼少時代に感じた色に変わってライブを見に来てユキちゃん、賢太郎、平さんを始めとした観客に対して感動的なライブの演者となり3人で夢を叶える。その後、大は世界にサックスに飛び出しインタビューで雪祈を語る場面で終える。
雪祈、大がライバルとしての相乗効果でぶつかり玉田も加わり友情を育み成長しながら夢を掴む内容が眩しかった。後にアニメ映画の「BLUE GIANT」を観るも小説の方が心に染みた。
Posted by ブクログ
映画は何度か見返す程好きな作品。
雪祈視点の物語ということで、途中の挫折がどう描かれてるのかどきどきしながら読みました。
読んでて苦しくなる部分もあったけど、やっぱり豆腐屋の店主の件に心震わされました。
何かに一生懸命になるってとても素敵なことで、
息が出来なくなるような感覚を私も体験できたような気がして、かけがえのない作品の1つになりました。
Posted by ブクログ
やっぱ泣きました。。
雪祈サイドからの物語、漫画を読んでからだったので既知のこともありましたが、違う視点からストーリーが見れる面白さが良かったです。こみあげるアツさ、ブルっと震える感動、文章だけでも「BLUE GIANT」を感じます。
匿名
音楽の表現がすごく素敵で、読むスピードが止まらなかったです。沢山の感情が詰まってました。
ジャズはなんとなくしか知らなかったけれど、素晴らしい音楽なんだとよくわかりました。
Posted by ブクログ
映画見た時、大ではなく雪祈にめちゃめちゃ惹かれてしまって、そんな雪祈主役の小説なんて、感情移入しないわけないよね。
なかなか自分の殻を破れない雪祈の葛藤や、破れて音が色に変わる表現がとても綺麗で、読んでる間カラフルな色と多彩な音が頭の中でずっと響き渡ってた。
ソーブルーでの2人だけの演奏、そこからの3人ラストの演奏の文字の迫力といったら。
映画で流れはわかっていたのに、それでもグッときてしまった。
雪祈は才能ももちろんあったんだけど、やっぱり努力の天才でもあったし、それがあるから胸にくるものがあったんだなとも思う。
また映画であの音と映像たちに触れたくなってしまったなあ。
Posted by ブクログ
ビリー・ジョエルじゃないよ。
「BLUE GIANT」の雪祈視点での物語。
生を受けてから、伝説のライブまで、仲間とともに魂を込めてジャズに突き進む青年、その魂は、ジャズというか、音楽そのもの。
尖っているけど、音楽に対しては素直で真摯な雪祈を魅力的に描いています。そして取り巻く人々もまた然り。
楽器もジャンルも関係なく、人の心を震わせるのはソウルなんだと改めて知ることのできる物語です。
早速映画の方も観てしまいました。
Posted by ブクログ
すごーくよかった!
理論と技術でジャズを弾きこなすピアニスト雪祈が、感情のまま強いテナーサックスを吹く大に出会い、ぶつかり合いながら極みを目指すストーリー。雪祈のクールに隠された必死さ、仲間への独特の接し方。引き込まれて読み終わりたくなかった。ブルージャイアントを知らずに読み始めたけど買いに行き、並行して読みアニメも観て、今更ブームです 笑
Posted by ブクログ
自分の中のアツいものか込み上げてくる本だった。
それこそ、内蔵をさらけ出してそれを叩きつけるかのように。
音楽ってやっぱ、自分の本体だよな、、、としみじみ思ってしまった。
信州は松本出身の天才ピアノ少年、沢辺雪祈がジャズに出会う。そしてとんでもない爆音を出す同い年のサックス吹きの宮本大と単純に大の隣人だっただけのドラム素人玉田とトリオを組んでジャズの憧れ「ソーブルー」で10代で演奏することを目指す激アツストーリーだった。
大と雪折の出会いはトイレ。雪折が隣で用を足す大の手のタコを見て思わず「でかっ」と言ってしまったことがきっかけ。名シーン過ぎて何度でも面白い。
天才ゆえの尊大な態度であり、自分の欠点を赤の他人から指摘されて成長していく過程は20代の頃の自分を見ているようだった。なお私の場合は天才じゃないからタチが悪い。雪折は周りの人を信じられるようになって、ようやく自分の音楽が見つかる。すべてが良い方に行くと思われた…からのラストだった。涙が込み上げてくる。
BLUE GIANTは未履修だったけど十分この世界に引き込まれてしまった。音楽はいい。実にいい。
ジャズも面白そうだ。
Posted by ブクログ
漫画,アニメ映画のノベライズと侮ることなかれ
音楽が聴こえる小説!
左 右 色 登るような旋律 描写が 肉感豊かに描かれています
単音からの盛り上がり
狂ったリズムが噛み合うシーン
単なる音の形容でなく どう音楽が盛り上がるのか ちゃんと分かる
今まで読んだどんな小説 漫画よりも 音楽が 音楽を聴くときの感覚が 豊かに描写されていました
サックス,ドラムやピアノが聞こえるだけでなく,
自分が吹いて・弾いているような
すごい小説!!
Posted by ブクログ
映画『BLUE GIANT』を見た人は絶対読むべき一冊と思いました。
私は原作はまだ読んだことがなく、映画で初めて『BLUE GIANT』という作品に出会いました。
その後にこの小説があることを知り読みました。
読んだ上で私が感じたことは、
①映画の内容をより詳しく知ることができる。
②小説を読んだあとの2回目に見るこの映画は、1回目とは違う視点で映画を見ることができると思いました
③そしてBLUEGIANTという漫画の熱さをより感じられる作品になっている
内容は、ユキノリの視点で描かれた映画のストーリー+ユキノリが上京するまでの話が描かれていました。
とにかく素敵な小説でした。
2024.4月
Posted by ブクログ
やっぱり音楽系作品は頭の中を揺さぶられすぎてダメ。ダメになる。ドラムもサックスも、ピアノもカッコ良すぎる。
『BECK』や『のだめ』が大好きなところに『BLUE GIANT』を教えてもらってすぐにハマった。でも漫画のノベライズを試したのはこれが初めて。そして、どうやら大正解を引き当てた。
雪祈の物語なんだけど、ダイも玉田も出てきてコミックスの層を厚くしている。それどころかこの切なさと感動を胸に、マンガもっぺん読み直しだわ!と思わずにいられない。この世界観から離れがたくなる、もはや毒。
死ぬまでにはジャズやりたいな。玉置浩二が好きだからフォークにしよう、と物置きで埃かぶってるギターが待っている。しかも借り物。チューニング死んでる。
まだしばらくは借りパクしとこう。(買え)
Posted by ブクログ
『BLUE GIANT』をピアニストである雪祈の視点から描いた物語です。
大と玉田という仲間に出会ったことにより、雪祈がどんな思いを抱いていたか。コミックでは完璧に見せようとクールに構えつつも、隠しきれていなかった彼の、ありのままの思いが描かれています。
そう。雪祈も不器用なんですよね。ダサいかもしれないけれど、人間的でとても好き。
ただ、彼の身に起こる不幸を知っていまっているので、そこが近付いてくるのが読んでいてツラかったです。
それでも前を向く勇気を与えてくれたのは、仲間や家族、友人たち。
原作ではいつか、また大と演奏してくれるのではないかと期待しています。
Posted by ブクログ
大には感情移入できないが、雪祈、玉田にはとても惹かれる。
アオイちゃんとの再会とその後のこともなんとなく分かって良かった。ひょっとしたら結婚してたりするのかな…なんて??
Posted by ブクログ
他の方の書評にもあったけれど、ブルージャイアントはかなり非現実的な物語だと思う。主人公の大はは、ある意味ワンピースのルフィで、雪折はその仲間のサンジかゾロだ。完全な少年漫画、冒険漫画だ。
だからリアルな描写やストーリー展開を期待すればツッコミどころが満載なのだけれど、リアルさなど求めずに、単純に熱い想い、爽快感、切なさなどを求めて読んでいけば、しっかりと答えてくれる素敵な作品であることは間違いない。
映画のブルージャイアントを見た時から、私がもっとも興味は惹かれたのは雪折だった。きっとそういう人は多いのだと思う。主人公の大にはない、繊細さや葛藤、悲壮感などが、ファンを捉えて離さないのだと思う。昔、よく少年漫画で、読者による人気キャラクター投票があると、主人公を抑えて一位になってしまうキャラクターがいた。幽遊白書で言う飛影や蔵馬、スラムダンクでいう流川や三井だ。それと同じ系譜に乗るのが雪折なのだろう。(ちなみに、クリリン、ポップ、玉田という、イマイチなんだけど一番美しい成長物語を見せてくれるキャラクター群もいる。ただし彼らは男性ファン中心なのでキャラクター投票のランキングは伸びない)
それにしても、映画のクライマックスで聞いたジャズは素敵だったなあ、また聴きたいなあ、今度妻とブルーノートに行きたいな。
Posted by ブクログ
心が湧き立ち 震える あの瞬間_
この世に音楽があることを
喜び 感謝する あの刹那_
運命の仲間と出会い
目指すは日本一のジャズクラブ
『ソーブルー』での10代トリオ単独公演
JAZZ独特のリズムや旋律を感じながら
ただ真っ直ぐに
ただただ真摯に
楽器に向き合う彼らたちの姿に
胸に込み上げるものが…
ラストは特に…泣きました!
音の粒が色として見えるようだった
ピアノのソロに命を懸けた白と黒の色
サックスが飴色になるほど弾き続けた色
誰よりも努力してドラムを自分の音にした色
観客が歓喜している色
その場で生まれた音楽を楽しんでいる色
そして…
熱烈に何かを追い求めた者にしか得られない
ブルーの世界
演奏中の掛け合いやアイコンタクト
彼らたちの葛藤や演奏に懸ける想い…
真隣で見ているかのような臨場感でした
音楽が大好きな私にとっては
最高な読書時間になりました
Posted by ブクログ
漫画は既読。なので改めて小説で読んでもどうかな?と思ったけど面白かった。絵による迫力とは違い文章による迫力も改めて感じた。もう一回、漫画を読みたくなる一冊でした。
Posted by ブクログ
雪祈の観点からみた、
JASS解散に至るまでの物語。
これ単体で読んでもよーわからんだろうから
漫画と映像を先に学習するべし。
映画思い出して泣きそうになった。
BLUE GIANTファンは必読ですぜ。
Posted by ブクログ
映画「BLUE GIANT」のピアノマン視点のストーリー。音楽小説ってどんな?って読んで見たら、迫力ありました。映画を先に見るのがオススメです。
詳細な心情
漫画では分からなかったユキノリの心情が事細かに書かれており、思った以上に大をリスペクトしてた事、玉田を認めていた事がわかりました。ユキノリの悩みや焦り、傲慢だった自分と向き合い乗り越えていく展開には胸が熱くなりました。ラストのライブシーンは映画と同じでユキノリが最高の演奏をしていましたが、私は漫画の展開の方が好きだったので星4つにしました。
Posted by ブクログ
マンガを読んであったので気になってた本。
ソーブルーにたどり着くまでの雪祈のもがきだったり葛藤だったり成長だったり。
雪祈だけじゃなくて、大や玉田の事ももっと好きになった。
マンガでは読み取る事が出来なかった雪祈の色んな思いや表情を想像出来て、またマンガ読みたい!てなっている。
ジャズって色々あるらしい。全然無知過ぎるけど、かっこいいとは前から思ってたので聴いてみなくては!
まったくまとまらない感想。
でも最後は私もソーブルーのフロアに居ました。違うな、雪祈の真横かな?笑。読んだ人ならわかってくれるのでは!?それほどの臨場感でした。
Posted by ブクログ
読んでないけれど『BLUE GIANT』からのスピンオフ作品。
原作は「音が聞こえる漫画」と評されているようですが、
こちらは「音が見える小説」でした。
子どもの頃に音から色が見えるという共感覚を持っていたピアニスト雪祈の物語。
色の描写は繊細で、鮮やかで、多彩。
雪祈の演奏が神がかってくると、
光彩に包まれているかのような多幸感に満たされる。
美しくて泣けた。
Posted by ブクログ
原作のコミック未読。
アニメも未視聴。
そんな状態で読んでみました。
1人のピアノマンの苦悩が描かれていました。
ずっと苦しそうで辛そうだったけど、そこがとてもリアルで良かった。
終盤もストーリーが予測できて全くその通りになった。
事故をしていなければ、あの演奏はなかったかもしれない。他の2人もあれほどの演奏はできなかったかもしれない。
必然だったと思って良いのかよくわからないが、1人のピアノマンの人生を小説として読めたのは楽しかった。
自分もジャズが好きなので、トリオの演奏聴いてみたくなった。
Posted by ブクログ
雪祈視点の幼少期からソーブルーのライブまでの話。
事故後の流れが劇場版と同じ内容。
あとがき的な登場キャラのインタビューは新しいことが書いてあったのでファンとしては嬉しかった。
ただ反面、文字で迫力のある演奏描写をするのは難しいと思った。
原作、映画を観たことがない人とかで小説が好きな人は微妙かも知れない。
曲の方の「BLUE GIANT」のくだりがちょこちょこ出てきてたので、原作でJASSの3人でBLUE GIANT演奏することないかなーと期待。
Posted by ブクログ
面白かった。けど本編がわかって読んでしまっているから、おそらく何も知らずに読んだ人ほど驚きはない。アニメや漫画以上にインタープレイを文字で描くのは難しいことも感じた。
なんにせよ、ジャズやってる人としては面白いし、これでジャズに興味もってくれる人が増えたら嬉しい。
実際、雪祈のように技術が卓越していても、あるいは卓越しているが故に、自由になれないプレイヤーもいるので、ジャズ的にはあるある。
でも一度色が見えてもいつも見えるとは限らないのもジャズ。それは世界一流のプレイヤーたちでも、高いレベルとはいえ、噛み合った演奏や乗った演奏の時とそうでない演奏があるのは事実なので。
Posted by ブクログ
映画を見て、あまりに雪祈という人間の強さと弱さと美しさに打ちのめされた。彼ほどではないけれども「共感覚」らしきものを持って生きてきた、わたしの世界の鮮やかさはわたしだけのものだけれど、それを旋律に乗せられること、そしてそれを諦めないこと。そういったことの積み重ねで、私たちは稀有な音色を聴くことができ続けているのだと思う。
Posted by ブクログ
映画は見ていません。綺麗なブルーの表紙に惹かれて手に取りました。主人公のピアノマンの苦悩には共感するところがあり、この話の後にどうなったのかがとても気になります。登場人物が総じて個性的で魅力的で善い人達でした。近々映画も見てみようと思います。
Posted by ブクログ
原作ファンとしては最後が期待外れ。 映画版のラストに沿って描かれているのは、
原作ファンとしては期待外れ。
原作のとおりのラスト、雪祈の目線でどういう想いでいたのか、その後の様子を知りたかったな。。。
正直言って小説としてはかなり雑
本作のタイトルは「BLUE GIANTほにゃらら」ではなく「ピアノマン」というタイトルの方を大きく打ち出し、表紙にBLUE GIANTのキャラクターも登場しておらず、まるでこの一冊でちゃんと小説として純粋に楽しめるものかのような見た目になっていますが、実際には漫画既読か映画鑑賞済みでないと意味不明な部分が多いだろうなと思います。そのくらい描写のすっ飛ばしが多いです。「すっ飛ばし」というのは「テンポの良さ」につながるのではないかと思われるかもしれませんが、この小説についてはとてもテンポが良いとは言いがたいです。むしろなんでここの描写にこんなに文字を割いて、ここはこんなに軽いんだろうと思うところが個人的にはかーなーり多いです。特に納得がいかないのは、純粋無垢だった少年雪祈がひねくれ才能主義野郎になるまでの描写がめちゃめちゃ浅いことです。もちろん、大と出会った頃の雪祈は口が悪いだけで根は良い子なんですが、雪祈がなぜあんなに他人を見下すような態度をとるようになったのかについてはもっと丁寧に書いて欲しかったです。原作雪祈が中学高校で同級生にジャズやろうぜって声かけて全然とりあってもらえなかったりしたくだりが無かったのと、逆に原作・映画にはいない雪祈の男友達が追加された結果学生時代の雪祈が孤独では無かったのも、雪祈がなぜ口の悪い男になったのかの理由を弱めているように思います。特に大に対して口臭いじりするのとか、なんでお前急にそんな感じになっちゃったの??って違和感がすごい。また、原作でも映画でも「雪祈はなんで音楽大学じゃない一般大学に進学したんだ?」ということについてとても気になっていたんですが大した理由じゃなくてがっかりでした。また、小説で初めて出た雪祈の父親が、正直BLUE GIANT本編のキャラクターの練り込み具合と比べて設定が浅すぎて悲しいです。雪祈は繊細で良い子ではあるけど『努力してきたが故にプライドの高さ』も持ってるはずなんですが小説雪祈は一貫して自信が無く、わからない、わからないを繰り返しすぎててさすがにこれを原作または映画の雪祈と同じ人物として捉えるには無理があると思います。最後のライブ関係のとこは深掘りされてて良かったと思いますが、全体として原作・映画での設定との乖離があるのと、この小説単体だけで楽しめる内容ではないので個人的にはオススメはしがたいです。