あらすじ
『BLUE GIANT』もうひとつの物語。
沢辺雪祈は、言葉を覚えるより先に音を覚えた――。
幼い頃、音が「色」に見えた少年は、やがてジャズの魅力に取り憑かれ、運命の仲間たちと出逢う。目指すは日本一のジャズクラブ「ソーブルー」での10代トリオ単独公演!
ただ真っ直ぐに、ただただ真摯にピアノと向き合い続ける青年は、夢の舞台で磨き上げたソロを響かせ、喝采を博すことができるのか!?
大人気コミックのストーリーディレクターが魂を込めて書き下ろすフルボリューム音楽小説!!
漫画でも映画でも描かれなかった『BLUE GIANT』もうひとつの物語。
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Posted by ブクログ
いい色だろ?豆腐にも色は出るんだ。ただ白いわけじゃないんだよ
…音とは、振動です。空気を震わせて、人間の鼓膜を揺らします
…もっと青くなりたいって、強く思ったんです
Posted by ブクログ
映画見た時、大ではなく雪祈にめちゃめちゃ惹かれてしまって、そんな雪祈主役の小説なんて、感情移入しないわけないよね。
なかなか自分の殻を破れない雪祈の葛藤や、破れて音が色に変わる表現がとても綺麗で、読んでる間カラフルな色と多彩な音が頭の中でずっと響き渡ってた。
ソーブルーでの2人だけの演奏、そこからの3人ラストの演奏の文字の迫力といったら。
映画で流れはわかっていたのに、それでもグッときてしまった。
雪祈は才能ももちろんあったんだけど、やっぱり努力の天才でもあったし、それがあるから胸にくるものがあったんだなとも思う。
また映画であの音と映像たちに触れたくなってしまったなあ。
Posted by ブクログ
大には感情移入できないが、雪祈、玉田にはとても惹かれる。
アオイちゃんとの再会とその後のこともなんとなく分かって良かった。ひょっとしたら結婚してたりするのかな…なんて??
Posted by ブクログ
原作のコミック未読。
アニメも未視聴。
そんな状態で読んでみました。
1人のピアノマンの苦悩が描かれていました。
ずっと苦しそうで辛そうだったけど、そこがとてもリアルで良かった。
終盤もストーリーが予測できて全くその通りになった。
事故をしていなければ、あの演奏はなかったかもしれない。他の2人もあれほどの演奏はできなかったかもしれない。
必然だったと思って良いのかよくわからないが、1人のピアノマンの人生を小説として読めたのは楽しかった。
自分もジャズが好きなので、トリオの演奏聴いてみたくなった。
Posted by ブクログ
雪祈視点の幼少期からソーブルーのライブまでの話。
事故後の流れが劇場版と同じ内容。
あとがき的な登場キャラのインタビューは新しいことが書いてあったのでファンとしては嬉しかった。
ただ反面、文字で迫力のある演奏描写をするのは難しいと思った。
原作、映画を観たことがない人とかで小説が好きな人は微妙かも知れない。
曲の方の「BLUE GIANT」のくだりがちょこちょこ出てきてたので、原作でJASSの3人でBLUE GIANT演奏することないかなーと期待。
正直言って小説としてはかなり雑
本作のタイトルは「BLUE GIANTほにゃらら」ではなく「ピアノマン」というタイトルの方を大きく打ち出し、表紙にBLUE GIANTのキャラクターも登場しておらず、まるでこの一冊でちゃんと小説として純粋に楽しめるものかのような見た目になっていますが、実際には漫画既読か映画鑑賞済みでないと意味不明な部分が多いだろうなと思います。そのくらい描写のすっ飛ばしが多いです。「すっ飛ばし」というのは「テンポの良さ」につながるのではないかと思われるかもしれませんが、この小説についてはとてもテンポが良いとは言いがたいです。むしろなんでここの描写にこんなに文字を割いて、ここはこんなに軽いんだろうと思うところが個人的にはかーなーり多いです。特に納得がいかないのは、純粋無垢だった少年雪祈がひねくれ才能主義野郎になるまでの描写がめちゃめちゃ浅いことです。もちろん、大と出会った頃の雪祈は口が悪いだけで根は良い子なんですが、雪祈がなぜあんなに他人を見下すような態度をとるようになったのかについてはもっと丁寧に書いて欲しかったです。原作雪祈が中学高校で同級生にジャズやろうぜって声かけて全然とりあってもらえなかったりしたくだりが無かったのと、逆に原作・映画にはいない雪祈の男友達が追加された結果学生時代の雪祈が孤独では無かったのも、雪祈がなぜ口の悪い男になったのかの理由を弱めているように思います。特に大に対して口臭いじりするのとか、なんでお前急にそんな感じになっちゃったの??って違和感がすごい。また、原作でも映画でも「雪祈はなんで音楽大学じゃない一般大学に進学したんだ?」ということについてとても気になっていたんですが大した理由じゃなくてがっかりでした。また、小説で初めて出た雪祈の父親が、正直BLUE GIANT本編のキャラクターの練り込み具合と比べて設定が浅すぎて悲しいです。雪祈は繊細で良い子ではあるけど『努力してきたが故にプライドの高さ』も持ってるはずなんですが小説雪祈は一貫して自信が無く、わからない、わからないを繰り返しすぎててさすがにこれを原作または映画の雪祈と同じ人物として捉えるには無理があると思います。最後のライブ関係のとこは深掘りされてて良かったと思いますが、全体として原作・映画での設定との乖離があるのと、この小説単体だけで楽しめる内容ではないので個人的にはオススメはしがたいです。