ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 南青山骨董通り探偵社

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    ミステリーの定番の探偵物…探偵社の個性的なメンバーの活躍が軽快なテンポで繰り広げられる…流石五十嵐貴久さん!シリーズ物なので続編も楽しめそうです!

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    2025年12月08日
  • 介護者D

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    河崎秋子さんが描く現代劇は
    介護がテーマ。

    教育者だった父。
    昔から覚えがめでたく、今は遠くアメリカで暮らす妹。

    主人公は東京暮らしで推しを見つけたが、
    介護のために北海道に移住する。

    コロナ禍も重なって、
    価値観と価値観が交差し、
    ときに衝突し、ときに混ざり合い、ときに和解を生む。

    決して“できた娘”ではない。
    優等生ではない“評価D”だからこその
    行き詰まりとこれからの物語。

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    2025年12月08日
  • サンセット・パーク(新潮文庫)

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    期待に違わぬ素晴らしい作品でした。リーマンショック後の先の見えない時代を背景に、心が損なわれた主人公と取り巻く人達が、傷ついた心や厳しい生活を抱えながらも互いをいたわりながら日々を懸命に生きていく様は、強い共感を覚え心が癒されます。

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    2025年12月08日
  • 成瀬は天下を取りにいく(新潮文庫)

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    成瀬の獅子奮迅なストーリーかと思いきや(成瀬のストーリーではあるんだが)、島崎あっての成瀬だという事が書かれてる最終話が本当に良かった。あと解説が森見登美彦なのも良い。

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    2025年12月08日
  • 流浪の月

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    とても読みやすかった。

    ロリコン、少女性愛者といった枠でさえもあった方がいいのかもしれない。何も分からないよりは。
    その枠に入っていると実感することで自分の存在を確かめられるから。

    自分の幸せを確認するための他人への優しさは本当の優しさではない。そんなものは要らないのだ。

    人々は各々の理想を押し付けて生きている。
    本作において学んだこと。「事実と真実は違う」

    心の描写が非常に繊細で2章では既に心を掴まれていた。情景が鮮明に浮かんだ。何故か分からないが更紗だけはあまり上手くイメージ出来なかった。

    文の、母の言いなりになっている姿が物語をこれまた生々しくしていた。

    これは間違いなく名作

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    2025年12月08日
  • 言ってはいけない―残酷すぎる真実―

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    スッキリする本でした
    今まで言ってくれなかったことをストレートに言ってくれた感じがして爽快です。

    人種に関わらず全人類は知能に差がない、と言う前提に間違いがあるかもしれないことや子の人格形成に保護者の影響は皆無と言うこと。
    美人とブスの美貌格差を想像するのは容易であるが、それは当然女性にもあるものの男性の方が影響を受けていたという事実。
    「いいこと」は遺伝するが「都合のわるいこと」は遺伝しないという矛盾。
    例えば犯罪、精神疾患など。

    この本は人に話したくなる内容です。
    読んで損はありません。

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    2025年12月08日
  • 夜行

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    ぐるぐると旅をしている。
    否、座っている。
    作家 森見登美彦の力によって日本全国を旅した。
    もちろん脳内での話だが、自分では見た事も考えたことも無いような「画」が流れ込んでくるのだ。アトリエの様相だけでなく匂いや温度まで感じることができる。そして夜行を「視た」私は鳥肌がたった。森見登美彦は読者の中に入って語りかけてくるのである。

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    2025年12月08日
  • 天上の火焔

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    はぁぁぁぁぁ…
    ふぁぁぁぁぁ…
    すごいぃぃぃ…
    心が揺さぶられる作品に出逢ってしまった


    日本六古窯の一つに数えられ、備前焼の町で知られる岡山県備前市伊部
    備前焼の窯元を舞台にした、父子三世代の家族の愛憎と葛藤を描いた物語──


    城は偉大な人間国宝の祖父・路傍に可愛がられて育つ
    だが、孤高の轆轤名人である父・天河からは氷のように冷たく無関心な態度をとられ、その間で悩み苦しみ続ける


    なぜ、そのような歪な親子関係になってしまったのか?

    親と子の関係は天命なのです
    たとえ、それがどのような関係であっても


    天河は城を愛していないわけではなかったのだ
    天河自身も苦しんでいたのだ

    その苦し

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    2025年12月08日
  • 笑うマトリョーシカ

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    めっちゃ面白かった。すごく鳥肌が立って、翔くんが主役のドラマの原作だけど。怖いなぁと思い知らされた本だった。

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    2025年12月08日
  • 四季 夏 Red Summer

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    ネタバレ

    みんな仲良く大集合のご機嫌な一冊。
    なんと言ってもVシリーズが世界で1番すき。
    なんて呑気に読んでいたらそうだ!この年でした。すっかり忘れていた。
    わからないのに全てわかるような。すごい。としか言えない。全てずっと正しくて、だからなのか、としか言えない。優しさと愛情と慈しみを感じた。言葉と行動から。

    最近悶え苦しみながら断捨離をしており、自分には何が必要か考えたらやっぱり森博嗣の作品だという結論に達した。寄り道もいいけどさ。
    別に無理に捨てなくても良いのでは?と言ってくれた友人に拍手。
    プラトンの饗宴は愛読書なのでもうそれだけで鼻血出そう。

    欠点も多いけれど人間くさいキャラクタたちと絡めて

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    2025年12月08日
  • 見えないから、気づく

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    今年のノーベル賞や科学に関するシンポジウムで初めて存じ上げることになり、世の中には凄い方がいるなと思って注目するようになりました。
    書籍を読んで、気の遠くなるような努力と根性を積み重ねてきた方なんだろうなと涙が出そうになりました。
    目が見えて耳も聞こえて今をもって健康である自分は、何だってチャレンジできるじゃん!と己を叱咤激励する気持ちになりました。
    リスペクトする方のうちの1人です!

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    2025年12月08日
  • 金田一耕助ファイル5 犬神家の一族

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    金田一耕介のシリーズの中でも傑作。
    「犬神家」という言葉は聞いたことがあったり、池から突き出した足や不気味な白マスクのイメージはなんとなく見たことがあるかも知れないが、原作を大人になってから真面目に読むと、こんなミステリだったのかと驚いたホラーミステリーの金字塔。
    この時代に、見立て殺人にここまで面白い描写をしたのは流石の一言。もちろん古めかしい表現はあるが、令和の今でも間違いなく楽しめる内容であり、古い、よくわからないという理由で横溝正史の金田一耕介シリーズに手を出していない人がいたら、ぜひ本作から手にとってほしい。

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    2025年12月08日
  • 月夜の島渡り

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    かなり好みのファンタジー作家の恒川光太郎さん。
    7つ全ての話が沖縄を舞台としていて、読んでいて異界に迷い込んでしまったような感覚になりました。
    そして毎度のことですが、恒川光太郎さんの作品はファンタジー要素だけではなく、必ず現実との繋がりがあります。
    (別人の中に魂だけが蘇る主人公が、実際に起きた沖縄での戦争に巻き込まれたり…)
    異世界に浸っていたらいきなり現実に落とし込まれたり、逆に現実から異世界に引きづり込まれたり…
    現実も遠くない位置に”異界”が存在している沖縄に、魅了されっぱなしでした。
    また、一面に広がるサトウキビ畑や亀甲墓、突如現れる「わん」「えー」などの方言など、どこか独特な沖縄

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    2025年12月08日
  • ババヤガの夜

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    ネタバレ

    日本人初のダガー賞受賞作!
    今最も注目を集める本作「ババガヤの夜」
    新道依子は喧嘩の腕っぷしを買われ、関東有数の暴力団「内樹曾」で、不本意ながらも働くこととなる。
    組の会長の愛娘「尚子」の運転手兼ボディーガードをまっとうします。
    冒頭からフルスロットルでバイオレンスなシーンが展開されていきます。
    依子が喧嘩に長けていて、相手の急所を破壊していく姿が微細に描かれていて、読んでいて頭の中でそのまま容易く映像化できました。
    幼い頃から暴力に魅了され、雑草のように生きていた依子。
    守られ続けて育ってきた花嫁修行中の尚子。
    依子と尚子が徐々に距離を縮めていく様は、異世界とも言える環境で生きる二人が普通の

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    2025年12月08日
  • 緋色の囁き 〈新装改訂版〉

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    とても久しぶりの綾辻さんの作品!
    名門•聖真女学園高校に転校した、主人公の冴子。
    とてつもなく厳しい校則があり、破れば教鞭で叩かれたり、”独房”に監禁される…常に異様な空気が漂っている…
    圧倒的存在感を城崎綾をはじめとした生徒達による、統一されたお嬢様口調は、気持ち悪くて読んでいて薄寒くなりました。
    しかも、冴子の記憶は小学生の頃まではっきりとしておらず、過去の自分のことが全くわからないという、”信用できない語り手”状態。
    夢では、かつて巻き込まれた”事件”の断片的なシーンが出てきたり、知らないうちに寝ながら雨の降る外を徘徊したり…
    あらゆる不安でいっぱいにされた状態で、さっそく人が殺される。

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    2025年12月08日
  • かわいそうだね?

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    読者始めたてからずっと気になってきた作家の綿谷りささん!
    オススメの声が多いので、いよいよ読んでみた。
    中編2つが入った本作。
    2つとも傑作でした!
    元カノのアキヨを居候させる話がとてつもなくイライラした笑

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    2025年12月08日
  • ザリガニの鳴くところ

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    ネタバレ

    何度も泣いた。主人公がどうなってしまうのか気になり、ページを捲る手が止まらず1日で読んでしまった。感情が動かされっぱなしのお話。

    テイトが戻ってこなかった時、チェイスの婚約を紙面で知った時、戻ってきたジョディをなかなか受け入れられなかった時、お母さんが亡くなってたと知った時、、他力の幸せに裏切られて、何度も何度も孤独を味合わせられてもなんとか気持ちをやりくりしてるのが可哀想で…カイアが自然の中でたくましく生き抜いているのでそちらに気が向いてしまうのだけど、守られるべき子供が孤独に生きているというのが切なくて、何度も涙が溢れてしまった。

    チェイスに関して、貝殻をずっと付けていてくれたの、本当

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    2025年12月08日
  • 御社のチャラ男

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    先の尖った革靴を履き、中身が薄っぺらいビジネス用語を並べ、いつも言うことがコロコロ変わる男、通称”チャラ男”こと三芳。
    彼の周りの同僚達視点で会社の実情、他の同僚について思うこと、世の中のこと、プライベートなことetc…色んなことが語られていきます。
    年齢、性格バラバラな人物達が沢山出てきますので、強そうに見えて実は結構気にしてるんだ!とか、こういう人って実はこんなこと考えてるんだ!とか新たな発見が読んでいる間ずっとありました。
    こういう人いるよな〜って思うキャラクターがどんどんでてくるので、自分の周りにいる存在する人を当てはめてみて読んでみると、とても楽しめました。
    この作品を読むと、今まで

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    2025年12月08日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    主人公が愛する伯父を失って泣き腫らし、泥酔・嘔吐し、行きずりの娼婦にホテルに連れ込まれた挙句、脚を開く彼女に子守唄を歌ってあげた一幕は感に堪えなかった
    頁を急く衝動と、ずっと終わらなければいいのに、という一抹の寂しさを胸に同居させられた傑作

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    2025年12月08日
  • invert 城塚翡翠倒叙集

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    このミス一位にも輝いた周知の名作ミステリ「medium」。
    今作「invert」では、なんと犯人が最初からわかっている倒叙ミステリ形式からなる三篇!
    (倒叙ミステリとは、古畑任三郎や刑事コロンボシリーズみたいなスタイルのことです)
    城塚翡翠が華麗な推理で、謎を解き明かしていきます。
    犯人は、「幼馴染の社長に恨みを持ち続けていたエンジニア」「学校の盗撮魔から児童を守るため手を下した小学生教諭」「冷酷非情でとにかく頭の切れる強敵殺人鬼」
    翡翠が霊能力なるものを持っていないことは、前作でどんでん返しと共に把握済みでした。
    しかし、今作でもそのトンデモない記憶力と観察眼、そして人心掌握術で、事件を決定

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    2025年12月08日