小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。
当時就活生だった女性が、10年前の大手出版社社員による性的搾取を告発した。現実に日々Twitterで起こりそうなことを克明に色々な立場から分析した思考実験のような話で、どの登場人物の言うこともわかる気がする。
芥川の方は各自のエゴにより出来事が歪められてどれが真実かわからなくなる話だったのに対し、こちらは事実関係には齟齬がないものの、時代の価値観の急激な変化とSNSにより出来事の意味合いが歪められた話だといえそうだ。木戸(50代後半)、長岡(43)、五松(35)、橋山(33?)、横山(28)、安住(23)、越山(17)のそれぞれの世代の立場が際立って面白い。
(被害者 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2週間くらいで読み終わった!
さすが村田さんの小説,今回も面白い。
キーワードとして,呼応,トレース,の2つが挙げられる。
主人公の空子(名前からして空っぽ…)は,他人に呼応し,振る舞いをトレースすることで生きてきたので,自我がなく,感情がない。
ピョコルン,という謎の生物が登場し,後にキーとなる。また,ラロロリン人という,迫害されるべきか否かわからない人種が出てくる。後々,ラロロリン人は完全なる悪として扱われ,下巻へと続く。
結婚すると,女は男に飼われ,家電・性処理道具として消費されることを母を通して気付いた空子は,1人で生きるか葛藤するが,結局結婚する。
大人になると,空子は色々な世界を行 -
Posted by ブクログ
ネタバレ俵万智さん初読みです。知ったきっかけは、あちこちオードリーにゲスト出演された回を見たことです。その番組内で息子さんの子育ての話を生き生きと語られる様子に強く興味が引かれました。それまでSNSや友人からは子育ての大変さについてはよく聞かされていたものの、楽しさについてはあまり聞いたことがなかったので、ポジティブに物事を語ってくれそうな予感を直感的に感じ取ったのだと思います。実際、読んでみるとその直感は的中していました。元来私は前向きすぎる方が苦手ですが、そんな私の心にもスっと入ってきてくれる人柄が滲み出ている本です。
特に印象に残ったのは小倉百人一首の1つの「忘れじの行く末まではかたければ今日 -
Posted by ブクログ
ネタバレ生々しく濃密で、じっとりと重い余韻が残る本。
30歳も歳の離れた男性、しかも全さんみたいな容姿の男性を好きになることは絶対にないから藤子に共感はできない。できないのに、いつのまにか惹かれてやまない様子だったり触れたいって思う瞬間だったり、酔っ払ってクダ巻いてしまったり、捨てられたときの虚無感や絶望感は痛いくらいに刺さってしまって心えぐられた。
全さんのそこはかとない色気や根底にある人間としての温かみ、写真家としての才能。たしかにこういう男性って実際存在しそうだし好きになったら破滅だな…などと思った。
食と性ってよく同一で語られるけど、よりこの作品でそれを感じた。出てくる食べ物が美味しそうで、お -
Posted by ブクログ
ジブリ作品を一つ読んだような気持ちになった。
今感想を書いている自分もそうだけど、今の世の中はネットに頼って生活をしている。人間関係も学校や職場だけでなく、ネットにまで広がりを持ってきている。そんな中で社会から離れて森の中で生活しているまいとおばあちゃんを見て癒されるというか、心が落ち着くというか、まさにジブリみたいな世界観で見た後に気持ちがすぅっと晴れるような感覚になった。この作品の大きなテーマともなる生と死だけど本来生と死は相対的に表現されることが多く、私自身も死んだことがないからそう思ってしまっていた。だけど、この作品は死ぬことで生と近づけることを教えてくれた。それが真実なのかはわからな
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