小説・文芸の高評価レビュー
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とても読みやすかった。
ロリコン、少女性愛者といった枠でさえもあった方がいいのかもしれない。何も分からないよりは。
その枠に入っていると実感することで自分の存在を確かめられるから。
自分の幸せを確認するための他人への優しさは本当の優しさではない。そんなものは要らないのだ。
人々は各々の理想を押し付けて生きている。
本作において学んだこと。「事実と真実は違う」
心の描写が非常に繊細で2章では既に心を掴まれていた。情景が鮮明に浮かんだ。何故か分からないが更紗だけはあまり上手くイメージ出来なかった。
文の、母の言いなりになっている姿が物語をこれまた生々しくしていた。
これは間違いなく名作 -
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はぁぁぁぁぁ…
ふぁぁぁぁぁ…
すごいぃぃぃ…
心が揺さぶられる作品に出逢ってしまった
日本六古窯の一つに数えられ、備前焼の町で知られる岡山県備前市伊部
備前焼の窯元を舞台にした、父子三世代の家族の愛憎と葛藤を描いた物語──
城は偉大な人間国宝の祖父・路傍に可愛がられて育つ
だが、孤高の轆轤名人である父・天河からは氷のように冷たく無関心な態度をとられ、その間で悩み苦しみ続ける
なぜ、そのような歪な親子関係になってしまったのか?
親と子の関係は天命なのです
たとえ、それがどのような関係であっても
天河は城を愛していないわけではなかったのだ
天河自身も苦しんでいたのだ
その苦し -
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ネタバレみんな仲良く大集合のご機嫌な一冊。
なんと言ってもVシリーズが世界で1番すき。
なんて呑気に読んでいたらそうだ!この年でした。すっかり忘れていた。
わからないのに全てわかるような。すごい。としか言えない。全てずっと正しくて、だからなのか、としか言えない。優しさと愛情と慈しみを感じた。言葉と行動から。
最近悶え苦しみながら断捨離をしており、自分には何が必要か考えたらやっぱり森博嗣の作品だという結論に達した。寄り道もいいけどさ。
別に無理に捨てなくても良いのでは?と言ってくれた友人に拍手。
プラトンの饗宴は愛読書なのでもうそれだけで鼻血出そう。
欠点も多いけれど人間くさいキャラクタたちと絡めて -
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かなり好みのファンタジー作家の恒川光太郎さん。
7つ全ての話が沖縄を舞台としていて、読んでいて異界に迷い込んでしまったような感覚になりました。
そして毎度のことですが、恒川光太郎さんの作品はファンタジー要素だけではなく、必ず現実との繋がりがあります。
(別人の中に魂だけが蘇る主人公が、実際に起きた沖縄での戦争に巻き込まれたり…)
異世界に浸っていたらいきなり現実に落とし込まれたり、逆に現実から異世界に引きづり込まれたり…
現実も遠くない位置に”異界”が存在している沖縄に、魅了されっぱなしでした。
また、一面に広がるサトウキビ畑や亀甲墓、突如現れる「わん」「えー」などの方言など、どこか独特な沖縄 -
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ネタバレ日本人初のダガー賞受賞作!
今最も注目を集める本作「ババガヤの夜」
新道依子は喧嘩の腕っぷしを買われ、関東有数の暴力団「内樹曾」で、不本意ながらも働くこととなる。
組の会長の愛娘「尚子」の運転手兼ボディーガードをまっとうします。
冒頭からフルスロットルでバイオレンスなシーンが展開されていきます。
依子が喧嘩に長けていて、相手の急所を破壊していく姿が微細に描かれていて、読んでいて頭の中でそのまま容易く映像化できました。
幼い頃から暴力に魅了され、雑草のように生きていた依子。
守られ続けて育ってきた花嫁修行中の尚子。
依子と尚子が徐々に距離を縮めていく様は、異世界とも言える環境で生きる二人が普通の -
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とても久しぶりの綾辻さんの作品!
名門•聖真女学園高校に転校した、主人公の冴子。
とてつもなく厳しい校則があり、破れば教鞭で叩かれたり、”独房”に監禁される…常に異様な空気が漂っている…
圧倒的存在感を城崎綾をはじめとした生徒達による、統一されたお嬢様口調は、気持ち悪くて読んでいて薄寒くなりました。
しかも、冴子の記憶は小学生の頃まではっきりとしておらず、過去の自分のことが全くわからないという、”信用できない語り手”状態。
夢では、かつて巻き込まれた”事件”の断片的なシーンが出てきたり、知らないうちに寝ながら雨の降る外を徘徊したり…
あらゆる不安でいっぱいにされた状態で、さっそく人が殺される。 -
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ネタバレ何度も泣いた。主人公がどうなってしまうのか気になり、ページを捲る手が止まらず1日で読んでしまった。感情が動かされっぱなしのお話。
テイトが戻ってこなかった時、チェイスの婚約を紙面で知った時、戻ってきたジョディをなかなか受け入れられなかった時、お母さんが亡くなってたと知った時、、他力の幸せに裏切られて、何度も何度も孤独を味合わせられてもなんとか気持ちをやりくりしてるのが可哀想で…カイアが自然の中でたくましく生き抜いているのでそちらに気が向いてしまうのだけど、守られるべき子供が孤独に生きているというのが切なくて、何度も涙が溢れてしまった。
チェイスに関して、貝殻をずっと付けていてくれたの、本当 -
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先の尖った革靴を履き、中身が薄っぺらいビジネス用語を並べ、いつも言うことがコロコロ変わる男、通称”チャラ男”こと三芳。
彼の周りの同僚達視点で会社の実情、他の同僚について思うこと、世の中のこと、プライベートなことetc…色んなことが語られていきます。
年齢、性格バラバラな人物達が沢山出てきますので、強そうに見えて実は結構気にしてるんだ!とか、こういう人って実はこんなこと考えてるんだ!とか新たな発見が読んでいる間ずっとありました。
こういう人いるよな〜って思うキャラクターがどんどんでてくるので、自分の周りにいる存在する人を当てはめてみて読んでみると、とても楽しめました。
この作品を読むと、今まで -
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このミス一位にも輝いた周知の名作ミステリ「medium」。
今作「invert」では、なんと犯人が最初からわかっている倒叙ミステリ形式からなる三篇!
(倒叙ミステリとは、古畑任三郎や刑事コロンボシリーズみたいなスタイルのことです)
城塚翡翠が華麗な推理で、謎を解き明かしていきます。
犯人は、「幼馴染の社長に恨みを持ち続けていたエンジニア」「学校の盗撮魔から児童を守るため手を下した小学生教諭」「冷酷非情でとにかく頭の切れる強敵殺人鬼」
翡翠が霊能力なるものを持っていないことは、前作でどんでん返しと共に把握済みでした。
しかし、今作でもそのトンデモない記憶力と観察眼、そして人心掌握術で、事件を決定