あらすじ
人気作家が腕によりをかけて紡いだ、
24篇の「とっておきのお話」。
生きていくためには
必要ではないかもしれない。
でも、日常を繰り返していくためには
はならないものたち。
喫茶店〈ゴーゴリ〉の甘くないケーキ。
世界の果てのコインランドリーに通うトカゲ男。
映写技師にサンドイッチを届ける夜の配達人。
トランプから抜け出してきたジョーカー。
赤い林檎に囲まれて青いインクをつくる青年。
三人の年老いた泥棒。空から落ちてきた天使。
終わりの風景が見える眼鏡──。
全作品、原稿用紙10枚程度。
寝る前の5分間、この本をめくってみてください。
必ずお気に入りの1篇が見つかるはずです。
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Posted by ブクログ
『おそらく、この星で生きていくために必要なのは「月とコーヒー」ではなく「太陽とパン」の方なのでしょうが、この世から月とコーヒーがなくなってしまったら、なんと味気なくつまらないことでしょう。』
この一文が、この本の良さを体現していると思いました。
Posted by ブクログ
静かな夜に、そっと寄り添ってくるような一冊だった。
大きな出来事があるわけじゃないのに、読んでいると心がじんわりほどけていく。
コーヒーの湯気みたいに、言葉がやわらかく立ちのぼって、
月明かりの下でぼんやり考えごとをしているような感覚になる。
特別じゃない日常がこんなにも豊かに感じられるんだって、
少しだけ自分の毎日も大切にしたくなった。
読んだあと、いつもより丁寧にコーヒーを淹れたくなるし、
夜の時間をゆっくり味わいたくなる本。
Posted by ブクログ
あら、もう終わり?っていうくらいの長さでした。
どのお話も2度読みしていい気分です。
忘れられたものと、世の中の隅の方にいる人たちのお話!
ほんとにその通りですね。
この本大好きです。
Posted by ブクログ
寝る前に一章ずつ読みました。嫌なことがあった夜も、人と遅くまで語らって興奮した夜も、月を眺めながらコーヒーを飲むような静かで物想いにふけるような時間をくれました。おすすめです。
Posted by ブクログ
長らく積読でようやっと読めた。どの話も素敵なのだが、とくに“青いインクの話”とそれにリンクする続き2編が好き。万年筆派、とくにブルーインク愛好家にはたまらないと思う。あと“バナナ会議”も印象に残っている。真面目に議論する猿たち。実際のところは、そこまで食べてないだろうが、それはそれ。
Posted by ブクログ
2026/6/26
こういうショートショートと呼ばれるような作品は、ほとんど読んだことがなかったと思う。
どのお話も不思議な世界観と余韻があって、とっても面白かった。
特に「三人の年老いた泥棒」が一番お気に入り。
最後のシーンの美しさ!
寝る前に少しずつ読んでいたら、あとがきに、そういう読み方を想定して書かれていた。
本当に寝る前にピッタリの作品!
Posted by ブクログ
吉田篤弘さんは、岩波書店「図書」21年8月9月号で、吉田さんなりの「星の王子さま」論を展開していた。それが24年2月に池澤夏樹版「星の王子さま」を読んだキッカケだった(3年間積読した)のだが、実は吉田さんの本自体を読んだのは、これが初めてだ。印象は、「星の王子さま」+「星新一」÷2という感じ。奇しくも「星」が並んだ。星という字は、吉田さんにとても似合う言葉だと思う。
星新一よりも、王子さまみたいに上品でかつ哲学的。でも、そこまで純文学していなくて、エンタメ。
月とコーヒーの間には間(ま)がある
月とコーヒーの間には魔(ま)がある
一編一編の中に(必ずではないけど)「月」と「コーヒー」の「言葉」を入れながら、生活の傍らにあったら嬉しかったり寂しかったりする数々がさりげなく綴られるショート・ショート24編。なんかクセになりそうな本でした。
Posted by ブクログ
『月とコーヒー』のタイトル通り、眠れない夜に
月の下でコーヒーを飲みながら味わいたい短いお話の短編集。
作者の吉田篤弘さんが、本来人間には、月とコーヒーよりも太陽とパンが必要、でも月やコーヒーがなかったら人生は味気ないものになるだろう、ということを書かれており、本当にその通りだなぁと思った。世の中って、生きていく上で無くても生きていける物で溢れているけれど、もしも余計な物がなかったら、ただただ寿命まで生きているだけになってしまう。栄養を摂るだけならサプリでもよいけど、彩りを楽しんだり、調理法を考えて工夫して達成感を味わったりすることで、人生は豊かになるんだろうと、この本から経験の少ない自分なりに考えた。自分にとってやらなくてもよいことも、やってみたら楽しいかも知れないと思った。
Posted by ブクログ
「本屋がなくなるとさ。なんというか、セーターの袖に小さな穴があいちまったみたいな——」
決して生きていくために必須なわけではないけれど、あるとほっとできる。
そんな作品でした!
本が大好きな私にとって、
・ページをひらくことは世界をひらくことでした。
・さみしいもんだよね。本屋がなくなるとさ。なんというか、セーターの袖に小さな穴があいちまったみたいな——
このフレーズは自分の本に対する気持ちも同じ気がしたし、
・重力は偉大だ。どんな人間も平等に地上につなぎとめてくれる
・迷路のごとき路地で迷いながら生きていくことはそんなに悪いことじゃない
このフレーズは生きるのが少し楽になるなと感じました。
他にもたくさん大切にしたいフレーズがありました。
毎日毎日たくさんの大変や生きづらいからそっとコーヒーのように一息つかせてくれる作品でした。
Posted by ブクログ
「月とコーヒー」の3作目を先日読んだけれど、もうちょっと読んでみたくなったので1作目から読むことにした。はたして、3作目よりこの1作目の方が好みのお話が多かった!
優しくて静かに、たんたんと進んでいくところは変わらないが、こちらのほうが食べ物がより際立っているというか、すごく美味しそうに感じる。どれも簡単に作れるような素朴で飾らない食べ物ばかりなんだけど、なんとも食欲をそそる…。
どの話もお話が盛り上がりそうなところでぷつっと終わってしまうので物足りなく感じるのだが、だんだんとこれがくせになってきて、心地よくなるのが不思議。
猿たちがバナナについて語り合う「バナナ会議」、オルゴール修理人と直らないオルゴールの話「鳴らないオルゴール」、熊の父親を名乗る男が営む旗屋に焼売屋が旗を依頼する「熊の父親」、不思議なたまごケーキが受け継がれていく話「二階の虎の絵」あたりが特にお気に入り。
Posted by ブクログ
寝る前に少しずつ読みたくなる短編集。
特に、青いインクのお話が素敵だった。
所々に続編が出てきて、続きが気になる。
想像力を働かせて、世界観をイメージしたり、続きを考えたり、余韻に浸ったり…
心が落ち着く、素敵な本でした。
Posted by ブクログ
あれ、これで終わり?という話ばかりで物足りなく感じた。あとがきに記載されていたが、その先を考えながら寝て欲しいそう。ほっこりの一歩手前みたいな所で終わることが多くもどかしく感じた。
Posted by ブクログ
ザワザワもドキドキも置いて、静かなところに戻ってこれるお話。あとがきにあるとおり、「ここで終わるんだ?」というようなところで区切りがついたり、これから何かが始まりそうだったり。やさしい気持ちになれるので、童話のような語り口調も好きでした。
特に、「隣のごちそう」。「バナナ会議」。「美しい星に還る人」が好きでした。
Posted by ブクログ
吉田さんの文体は本当に灰汁がなくて心地いい。
先が気になるような、気にならないような……その絶妙な曖昧さが、読む人を優しく包み込んでくれる。
寝る前や、休日の公園、カフェのテラスでゆっくり読むのにぴったりな短編集。
静かで、ふんわりしていて、読んでいる間だけ日常が少し柔らかくなるような感覚がある。
あとがきを読んで、改めて吉田さんの感性に憧れた。
こんな風に世界を捉えられたら、きっと毎日がもっと優しくなるのだろうなと思った。
ほんわかしながらも心に染み入る、吉田さんらしい素敵な一冊だった。
Posted by ブクログ
月に見守られ、コーヒーを片手に24の小さな空想の旅へと誘ってくれる短篇たち。物語は開かれたままその幕を閉じることなく流星群のように新しい旅へと向かっていくので、読み終えてそれぞれのその先を自分なりにあれこれ想像していく贅沢な時間が味わえる。
特に大好きだったお話のひとつは「白い星と眠る人の彫刻」。吉田さんとSFの相性の良さがたまらず、静かで哀しく美しい余韻が後を引く傑作。青く晴れ渡った空に突然白い大きな星「サイロン」が現れた。移動性に法則がない流動星のその星は街の上に居座り続け、星の影響でこのままだと住民の体は縮み始め、数日後には80%くらいに縮み、一週間後には3%となり、そして消滅してしまうという。
縮小が始まるまでには個人差があるが、人々はどんどん消滅していき、このままではこの星の人も歴史も全ての時が止まってしまう。遠い未来に自分たちの星へ訪問するであろう生命体に自分たちの足跡を残すため、肖像彫刻師であるハブカは住民のみんなを彫刻として残していく。300年の時を経て発見されるさよならの跡形。滅びに向けたさよならのメッセージは、儚くきらめく宝石のように胸に残る。ラストシーン必見の珠玉の短篇。
他にも、迷路のような路地にある映画館で働く映写技師、黒豆を数え続ける魔法修行中の男、世界の果てのコインランドリー、月の光で出来ているような透明な涙を流す空から落ちてきた天使。
静謐で浮遊感のあるどこかにありそうできっとない街。不思議で開かれた世界は眠る前に1篇ずつ読むのにぴったりのお話揃いです。本を抱えたまま眠りの街で続きが見れたなら、それは月とコーヒーに見守られている証かも。今後の吉田篤弘本・予告編のようでもあり、立ち昇る世界の萌芽に胸が高鳴る。
Posted by ブクログ
あとがきに“1日の終わり、寝しなに読んでもらいたい”という著者の言葉通り、寝る前にぴったりな絵本のような短編集だった。
大人を主人公にした、大人のための、希望が星のように散らばって、孤独を優しく埋めてくれるようなおとぎ話みたいな物語。
食がテーマということで、いろんな美味しそうな食べ物が出てきた。
クリームシチュー、ドーナツ、卵焼き、カレー、サンドイッチ、バナナ、林檎、たまごのケーキ、パンにジャムやマスタード、魔法瓶のコーヒー。
知ってる馴染みのある食べ物でも特別に見えるし、
詳細が語られないあやふやな食べ物も美味しそうで、あれこれ想像を巡らせて食べたくなってしまう。
“好きな詩集をゆっくり繰り返し読んで1日が終わる”なんて描写あって、あ〜それは良い1日だなぁなんて思ったりして、休みの日にぴったりな1冊だった。
あとがきにある、タイトルに込められた意味を是非確認して欲しい。
このタイトルがこの1冊を表すのにぴったりだということがわかるはず。
Posted by ブクログ
少し不思議で温かい二十四の短編集。
あとがきに「一日の終わりの寝しなに読んでいただく短いお話を書きました。先が気になって眠れなくなってしまうお話ではなく、あれ、もうおしまい? この先、この人たちはどうなるのだろう──と思いをめぐらせているうちに、いつのまにか眠っているというのが理想です。」とありますが、吉田篤弘さんの書く世界はほっとして居心地が良くて、なかなか抜け出せず、結果一気読みしてしまいました……。
再読する際は一日一話と決めてゆっくり楽しみたいです。
特に『隣のごちそう』が好きでした。
ちょっと主人公の行動がストーカーじみてるなと思いつつ、この後どうなるのか、何か起きるのかそれとも変わらずこのままなのか、いろいろ考えるのが楽しいです。
Posted by ブクログ
どこかクスッと笑えて心温まる24篇の短編
寝る前に何篇かずつ読むと夜の楽しみになること間違いなしで、一つずつが程よい面白さ。
私は全編を通して、大きく感情が動かされることはなかったけれど、不思議と半日足らずで読破した。
独特な世界観とゆったりと流れる時間が心地よい作品だった。
コーヒー飲みながら読んだらチルいだろうな。
Posted by ブクログ
「食」をテーマのひとつとして連載された短編をまとめたもの。作者は一日の終わりの寝しなに読んでいただくことを想定して、とのことだが、こちらは朝の満員電車の中で30分ぐらい日々読む。
この後、続編が二冊待っている。
Posted by ブクログ
短編集です。とっても短い話で、一つを読むのに10分とかかりません。一つ一つのお話がどこか不思議でふわふわしていて、知らない星の話を聞いているような気分になりました。(星の王子さまのような)
まさに月がきれいな夜にコーヒーと共に読みたい本。素敵な物語の旅へと連れて行ってもらえます。
Posted by ブクログ
タイトルと変わった判形とシックな装丁に惹かれ続編と2冊Get。
序編の喫茶店が舞台の掌編集なのかと思ったら違っていて
寝る前に1編ずつゆっくり読むのに良さそうだなぁと読み進めたら
あとがきにそのまんまのことが書いてあってビックリ。
「アーノルドのいない夜」「青いインク」「冬の少年」「二階の虎の絵」が好み。
Posted by ブクログ
童話や児童書、絵本のような話し口調がそもそも私に合っていないのかも……と思ったけど作中で慣れました!順応できてよかった!
コーヒーを飲んでる時や、夜寝る前に読んでいます。
顎病院
猿
の話良かった!
Posted by ブクログ
月(夜)やコーヒーにまつわる話だったり、そーでもない話の短編集
ひとつひとつの話が短く、文も読みやすかった
それぞれの話で登場人物が出揃いこれから物語が始まりそうってところで話が終わってしまったりして、この後あの人たちはどうなっていくのだろうかと思わずにはいられない
Posted by ブクログ
ちょっと変わった短編物語集。あとがきにあった、「生きてくうえで必要なのは、"太陽とパン"だけど"月とコーヒー"がなくなってしまったら味気ない」がそのとおりだなと思った。"月とコーヒー"を大事に出来る大人でありたい。