小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
怪談であり、ミステリーである。
民俗学的なアプローチもあり、とても面白かった。
収録されているのは、
ハザコ男の怪談
蘆野家の怪談
冷蔵庫婆の怪談
満月館の怪談
の連鎖短編が4篇。
中心となるのは、タイトル通り冷蔵庫婆の怪談なのだが、個人的には蘆野家の怪談が一番面白かった。
いや、面白いと言ったら蘆野に悪いのだけど。
全編の中心となる、探偵役でもある怪談作家・呻木叫子(うめききょうこ、すごい字面だ)のキャラクターが魅力的で良かった。
と思ったら、この本以前にも呻木叫子の物語が出ているというではないか。てことは、本作はシリーズの新作?全然気が付かなかった。
彼女の過去が気になるし、本作がとても面 -
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良書
タイトルのキャッチーさにいい意味で裏切られた、読み応えのある本だった。
表題通り表面的な「なぜ」のメカニズムを分析しているだけのものかと思いきや、労働というものの認識の変遷と、読書という営みの位置付け(人が特定の環境のもとで読書に何を求めるか)の変遷など構造的なところまでちょくちょく切り込んでいて唸らされる。
著者本人が気を抜くとワーカホリック気味になってしまう側の人間であり、自戒的に書いた側面もある、という最後の吐露で親近感が湧き説得力というか、身に迫る切実さを感じた。
随所で他の書籍、文献からの引用が行われており引用先もきっちり書かれているので、これも読んでみようなどと興味の先が広が -
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怪異と日常が混在する世界。
この手のホラー作品は塩梅が非常に難しいと思う。なぜなら、怪異表現が強すぎるとSFに化け、弱すぎるとファンタジーになるからだ。
化け物は人を襲う。それは至極当然のようだけど、挙動の辻褄が合ってしまうのは異例なのであって、大概は襲うことに理由なんてない。ここに理由を持たせるとSF化またはファンタジー化してしまうわけだ。
例えば、祠を壊したから呪われた、というエピソード自体は、掴みどころではあるものの、それはきっかけに過ぎず、化け物がどのような挙動を取るかとの関係がないのがホラーなのである。その証拠に、多くのホラーは、呪われた人がすぐに死ぬわけではなく、関係のない人も含 -
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『死んだ山田と教室』で、鮮烈なデビューを果たした金子玲介の最新小説。今回は、バンドを組む女子高生4人の物語。
こんなに眩しくて、こんなに胸が痛い
小説があるでしょうか…
会話と会話、歌詞と歌詞の間に、まとまりのない感情が挟まる。それは1秒ごとに偏移する感情を漏らすことなくうったえかけてくるようで、効果的な文体。
演奏中の疾走感や興奮がダイレクトに伝わってきて
、主人公瑞葉と一緒に『楽しい!』と思う。感情が音にのまれていくよう。
でもこれはサクセスストーリーではない。瑞葉は眩しい光の中で、その後で、一体何を考え何を思うのか…。眩しくて切なすぎる〜
『光』『ボトルシップ』
歌詞が本文に出 -
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映画の予告から認知をしたため、全てが佐藤二郎で脳内変換される!
それくらい佐藤二郎のインパクトが強かったとも言える。
スズキタゴサク。
心身ともに腐っている人物像が、「怪物」と呼ばれるに相応しい表現だった。
いろんな人がタゴサクに飲み込まれて、自分の中の闇に向き合わざるを得なくなる辺りがリアル。
ちょうど「野良犬の値段」を読み終わった直後の「爆弾」だったので、タゴサクやその周辺における被害者に対する感覚が似ている部分があった。
自分に関係のない余所者は、所詮余所者。
自分の身近な人が助かれば、他の犠牲は致し方ないと割り切れる。
そんな人間の闇を上手く表現していると思った。
犯人は、なる -
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ネタバレ前作に引き続き、とても感動した作品だった。続きということもあり、物語のつながりを感じながら読むことができて、とても面白かった。
特に印象に残ったのは、「一人娘の心得」と「歴史研究の心得」の章。それぞれの人物の想いや選択が丁寧に描かれており、1巻目とまた違う面白さがあって、印象に残った。また、主人公・歩美の成長にも感動し、さらに新しく登場した杏奈もすごく好きになった。はっきりとした性格で、自分の軸を持っているところが魅力的だと思う。
そして、この作品を通して新たな気づきもあった。それは、「必ずしも死者と再会しなくてもよいのではないか」という考え方である。
「死者に会うことは、誰かの死
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