小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
若年教員として非常に考えさせられる一冊でした。
やはりクラス内には一定数のモブと呼ばれる人たちがいますし、その中から抜け出して一軍と呼ばれるグループに片足を突っ込もうとすれば強い拒絶があるのも現場の事実です。教員に懐きやすい生徒とそうでない生徒の差は子供たちの方から寄ってくるか否かによるものだと思っていたので、隅にいる生徒からするとそう写っていない可能性が示唆されただけでも気付きのある内容でした。
これまでは平等ではなく住み分けが最も不幸の少ない解決だと思っていましたが、その辺もう一度考え直してみようと思います。
とはいえ、空気の読めない言動やある程度固まったコミュニティへの割り込みなど、一集団に対して不快感を与えた当時の加害者が、後から被害者として立場を強めることについては納得しきれない部分もあり、答えのない問題に回答を強いられているような感覚でした。
結局何かしらの答えを出すことではなく、パッとしない子にも目を向けて寄り添うことの必要性と、そういった子供にも自我があって主張があり、後から噛みつかれる可能性があるということは肝に銘じて今後過ごすようにしようと思えました。
胃の痛くなる1冊。良い教訓となりました。 -
Posted by ブクログ
死がこういう感じなら、少し怖くないかも。
あたりまえだけど一つ一つのかけがえのない人生があって、自分もそのひとつを生きていることを思い出した。
人生はろうそくといっしょで、火がついたら消えるまで燃えるしかないと、マドンナさんが言ってた言葉が胸に残った。
自分にとって忘れられないおやつは何かなぁ。美味しいお菓子もケーキも山ほど食べてきたはずだけど、受験の日のあとに母が焼いていてくれた素朴なりんごケーキを思い出した。
そばで寝ていた娘をうんと愛おしく感じた。
命があること、毎日ご飯を食べて、歩き、おしゃべりして笑えることは本当に、ありがたいことだ。 -
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ネタバレ多様化する結婚観やカップルのあり方を描いた短編集であり、中でも入籍を目前に控えた男女を描いた「Position Talk」が強く印象に残った。
完璧な男女平等を実現することは難しく、互いが少しずつ妥協や我慢を重ねなければ成り立たない関係性に、現代の結婚が抱える息苦しさを感じた。
劇中で律は「性別を越えて、一人の人間同士として対等に話し合いたい」と主張する。しかし、社会構造そのものが最初から男性に優位に働いている現実がある以上、その理想論自体が律の恵まれた立場からしか語れないものではないか、と疑問を抱いた。
一方で、朱里が抱く結婚後の不安や恐怖は痛いほど理解できる。とはいえ、すべての不安を解消してからでなければ前に進めないというのも現実的には難しい。律は決して無神経なわけではなく、真摯に理解しようとしてくれる良い人であるからこそ、このすれ違いはより根深いと感じる。
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ネタバレ東野圭吾先生の最高傑作に挙げる方、多い中、読み進める中でそれほど❓と感じたんですが、容疑者Xの献身。献身って何❓私の知ってる献身って❓自己犠牲❓でも見返り求めてるのでは無いか❓献身と献身的、、私は献身的な物、献身っぱい的なものしか知らないかも知れません。石神は技師迄殺めたのは同意出来ませんが、靖子代わりに地獄堕ちるのを厭わない。これが献身的では無くて献身なのかも。あーやはり、凄いの読ませて貰いました。東野圭吾先生ありがとうございます。映画でも良いです。日本語、日本人の美しい部分を再確認するためにメディアは再放送すべきと私は想います。
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ネタバレ亡くなった伯父が所有していた島に持ち上がったリゾート開発の話。観光会社や建設会社、不動産会社の人々が視察に行く事になり、そこに姪の里英も同行することに。
一泊二日の島の視察、里英の視点で物語は進みます。
こういうタイプのミステリーは読んだことなくて、この場にいたら従うしかないんだけど、犯人がすっごい指図してくるのがちょっと面白い。
部屋に閉じ込めたり約束守るための細工をしたり、犯人大忙しだろうなぁ。
「こっくりさん」的確認方式もいいアイデアなんだけど、ちょくちょく出てきて「またやってるー!ププ」と思ってしまう。
一回納得したのに覆され(藤原じゃなかった)、もう一回ひっくり返って(里英は知ってた)ヘトヘトになりつつ、綾川さんはまだ何か不穏なところがあるわね〜!と読み終わりました。そう、解説読むまで気が付かなかったんです。
うっわー、コレがみなさん口々に「方舟読んでから読め!」と言ってる理由かぁー!
単行本には解説ないだろうから、文庫で読んでよかったぁ、危なかった。 -
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あえて敬称をつけずに言わせてもらうが、朝井リョウの作品は読んでいて胸が苦しい。
一致しているわけではないが同じ時代を生きてきているからか、社会からの圧力に右往左往し影響を受けまくっている登場人物たちに痛々しいくらい同情してしまう。自分の過去と重なる部分が多い。だから読み進めたくなくなる。
仕事、仕事、仕事の日々は頭の中に全く文章が流れてこなかった。5日間という奇跡のシルバーウィークの後半2日間でようやく読み終えた。精神的に余裕のある時にしか読めない本だ。
生きがい。死にがい。自分は何のために生きているの?なんのために生まれたの?何を残せるの?何も成し遂げてないのに生きていていいの?
自分を見失うたびに、
あいつより劣ってる、あいつのあそこには優れてる。あいつもきっと問題を抱えてるはずだ。人は見せないだけで不幸を抱えてる。
そうやって安心してきた。
でもそれをすればするだけ疲れるだけだ。
じゃあ、人は何を生きがいに生きるのか?
自分のためだけには生きられない私は、誰かのために生きたいし、誰かのありがとうを聞きたくて他人に手を差し伸べる。
人という生き物は難儀だ。
どの世代に生まれても、どの社会に生まれても、誰しもが抱える問題。誰しも繰り返す悩み。この悩みを持っている私は平凡だ。平凡がいい。 -
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作者は食堂のおばちゃんシリーズ作者さん。ほどよい人情モノと美味しいものを書くのが上手で安心して読める。
第1話 金曜日の夜だけビストロジュンは開店する。しかもオーナーシェフの堤浩志に招かれないとその存在には気づかない。メログラーノのスーシェフ小山卯月が手伝いに来てくれる。
70絡みの客安本はミートソースを食べて思い出した。給食で食べた日に母は出て行ったのだ。そして新しいお母さんがきた。
安本は順調に出世したが、妻と後輩にひっくり返された。
第2話 淳の昔馴染みの農家さんと漁業さんが来る。コーンスープ、ナスのパルミジャーノ、アクアパッツァ、トマトソースパスタ、最後は海鮮カレー。蛸入り。
第3話 城戸の総合病院は神経内科と脳外科の両輪でなっていると思っていたが、経営コンサルタントの淳にキッパリ脳外科はお荷物だと言われる。
第4話 ルカは事故で片足を切断した。パリコレに出るはずだった。とても努力した。しかし挫折して死ぬしかないと思っているところに淳と出会う。
第5話 隣の家の夏生ちゃんはできがいい。東大に行った。久しぶりの夏生ちゃんは元気がない。
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Posted by ブクログ
過去のイジメの記憶に苦しむ母親と、現在進行形で進むわが子のイジメ。
と書くと単なるしんどい話に聞こえるかもしれないが、本作はミステリーの要素が強く、息子が二階の教室から飛び降りた理由が謎となっている。元気に見えた息子がなぜ教室のベランダから飛び降りたのか。その理由を追って主人公が四苦八苦する。
とは言え、作者がこの作品で描きたかったのは進行形のわが子の話ではなく、主人公の過去だろう。正直、読むのが辛いエピソードだった。リアルで残酷でヒリヒリする。このリアリティーで描くということは、執筆時の作者の脳内でこの風景が再生されるということだ。
二重にしんどい。小説家には鬱が多いと聞くが、この脳内再生のリピートは拷問に近いと思う。それでもこの作品を完成させた作者に感謝したい。
しんどいけど素晴らしい小説だった。
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