小説・文芸の高評価レビュー
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大好きな綾辻さんの館シリーズ。
順番通りではないけど、この本で6作品目の館シリーズを読んだ。
『人形館の殺人』は異色編で賛否両論あるとのことだったので、どう異色なのか、自分はどう思うのか確かめたかった。
なるほど、これは確かに異色作だ。
今までの館シリーズとは毛色が違う。
ネタバレにならないで唯一言えるのは、クローズドサークルではないということ。
館に誰も閉じ込められてない!
それなのに没頭できて一気読みだった。
人里離れなくても閉ざされてなくても、館シリーズならではの怪しい雰囲気は他の作品と変わらない。
前作とは違うトリックで読者を驚かせよう、楽しませようとしてくれる綾辻さんがやはり好きだ。
どの作品もそれぞれ違う驚きがあるので、自分の中でランキングが付けられない。
全9作しかない館シリーズの未読は、残り3作品になってしまった(;_:)
もうもったいなくて読めないよ。。。
自分をまた本好きにしてくれたのが『十角館の殺人』のあの1行だった。
本でなければ感じられない面白さを思い出させてくれた。
だから館シリーズには特別な思いがある。
現在、館シリーズ最後の作品となる10作目の『双子館の殺人』を執筆中だとか。
これが本当の最後だと思うと寂しくてたまらない。 -
Posted by ブクログ
前作に続いて、今回も“映画”という身近なものを題材にしたモキュメンタリーホラー。
映像の中に何かがおかしいものが映っている。
それを見つけてしまった人たちの目撃情報が集まっていくことで、
少しずつ異変の全貌が見えてくるのですが……
この「本当にそんなことがあったのでは?」と
思わせる作りがやっぱり怖い。
怪異そのものを直接見せつけられるというより、
文章や証言の隙間から「何かいる」と感じさせられるところがよかった。
全部を説明されないからこそ、
自分の頭の中に映像がでてきてしまって、余計に怖くなる。
そしてタイトルにもある「目撃情報を募ります」という形式が、
読者自身まで“目撃者”にされてしまうような感覚。
物語の進み方が、怖く…そしておもしろい… -
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大好きな前田さんの、韓国留学記エッセイ
韓国は近場で日本から行きやすい国で、老若男女行く方が多い印象、一回定番の場所を回った後、この本を読むことで、韓国の印象が変わると思う
書籍内でも言及があるように、アイドルが歴史に基づいた作品を世の中に出したり、韓国のアート業界が盛んであることの背景など、この本を読むと好奇心が高まって、行きたい観光名所が増えるし、韓国の負の遺産なども含めて、行きたい場所、身になる場所を増やしてくれる、好奇心のドアをさらに開けてくれる
著者に関しては、、
彼女の物事の背景をみる、視座に尊敬する、それと好奇心
歴史や文化、言葉、アート、グルメ、
角度の違う切り口から、彼女の言葉で表現される言葉ががすごく貴重だと思って、読んでいたらすーぐ時間がたった
本文で紹介されている映画や書籍にも興味が出た
文章がうまくて、今後の作品も期待しています
異国の地、異地域の歴史と背景を綴る彼女の方法はすごく参考になる
個人的に発見したのは、水面の波がキラキラしていることを指し表す名詞が韓国語にあること「운설」検索すると、画像が出てきて便利この言葉!!!!この画像が好きなので、すっごく嬉しかった -
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ネタバレとてつもなく衝動的な感情を直に受けることになった。今まで自分がスポ根魂と揶揄していた正体が、こんなに綺麗でずっと見ていたくなるようなモノだったとは知らなかった。
そりゃあもう、走るしかなくなるよなぁ……。ハイジさんの強い優しさに、全員のハイジさんに対する感謝に、走への羨望に、何度も泣きそうになった。
終盤のアオタケ全員のモノローグは、ここまでの軌跡の答え合わせだった。みんな思うことが違っても、誰かのために、自分のために走っている現状、この苦しみも何もかも自分だけにしかわからないのに、誰かと走っている確信がある。ここだけ共通していた。それが凄く羨ましいと思えた。別段、「走る」ことに対しての話だけじゃなく、生命活動に必要は無いが、自分という存在を証明する呼吸に似たそれがあること。それを共有できる仲間がいること。強くなれること。 生きるとは、そういうことじゃ無いかと思えた -
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『禁忌の子』の続編にあたる作品。前作同様、城崎が探偵役を担うミステリ。
濃霧と硫化水素に閉じ込められた僻地の病院で起こった殺人事件という、いわゆる嵐の山荘モノではあるが、硫化水素によるタイムリミットと活動範囲が狭まっていくシチュエーションは夕木春央氏の『方舟』を想起させる。ただあちらと違うのは、あくまで病院が舞台であり入院患者の命を守るために医療従事者たちが心身を削り働くというお仕事モノとしての緊張感もあり、ガスの蔓延が進行した中盤以降は手に汗握る展開に。
今作、ミステリとしてはやや平凡な印象でしたが、僻地医療を巡る問題提起は、実際の我が国でも定期的に提起されては黙殺されてきた問題であると感じた。人が住む地域である以上、医療は行き届かなければならないが、その従事者たちを人ではなく駒として扱っていないか。「やりがい」という体のいい幻想で搾取してしまってはいないか。持続可能なものとなっているのか、それとも風前の灯火なのではないか。
医者と一言でいっても、どういう医療をどういう環境でどういう信念で、と考えていくと本当に様々な形があるのだなと思い知らされました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作と同じように、まさしく起承転結の転にあたる巻で、ついに明かされていく暗黒館と浦登家の歴史……まさかの不死性を信じてやまない光よりも闇を愛するダリア信仰が浦登家にはあることが判明しましたね。
しかも、宴の肉はダリアの血肉であったという……カニバリズムものの中でも結構グロい展開……裏しかないとは思ってたけど、なかなか気持ち悪い風習をもつ一族だったことを知り、ちょっとだけ玄児と双子姉妹に嫌悪感を覚えた。
あと玄遙はちょっと酷いかも、ほんとに別に好きでもなかったけど気持ち悪すぎて存在悪としか思えない。どんな経緯があってもやってること酷すぎる。卓蔵が可哀想。
そして事件の方は、蛭山の事件とは全く真逆の状況の事件であったことが最高にミステリー。ほんとに誰が犯人か全くわかんない(この状況で犯人わかった人いるんですかね)
ともかく、今回の話では事件らしい事件は起こらなかったけど、双子姉妹にとんでもない事態が発生……またしても地震、この地震も何かあるんですかね。でも外科手術したあとがあるって描写もあったからこれも裏がありそう。早く続きを読みたくなるような話の引き方はさすがとしか言いようがない……ほんとに気になる終わり方。
若干のボーイズラブ感漂うのはなんとも言えないけど、とにかく次で最後!!
ようやく決着がつくのでしょうか。まだ迷走してる河南くんが不安ではありますけど、四館行きます!! -
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ネタバレとあるイベントの古本交換という企画で手に取った本。
作中に、もし誤植があったとしても気付かないくらいの勢いで読まされる、みたいな記述があるけれど、有川先生の本はまさにそれだと思う。(誤植があるというわけではなくてね。)
最後にドキッとすることが書いてあって、本書の背景に何かがあるのか無いのかは分からないけれど、そういうこと抜きでとりあえず楽しく読めた。
本書のような、若い恋人や夫婦の片方が難病にかかって――みたいなストーリーは、どちらかというと得意ではないので、あらすじを先に読んでいたら読むのを躊躇ったかもしれない。
でも、そこはさすが有川先生というか、ストーリーの好みがどうとか関係なく一気に読まされてしまった。
女性キャラクターが男前なのも、登場人物たちの会話がテンポよくて過不足無いのも、いつもながら、とても好き。
ページ一面にびっしり並んだ同じ言葉は、インパクトがものすごかった。同じ言葉が並んでいるだけなので、情報としてはとても少ないはずなのに、それでも一行ずつしっかり読んでいくと、胸にぐっとくるものがあるから不思議。
これ、パソコンで打った文字とはいえ、作中の設定としては、登場人物たちがコピペではなく一文字ずつ打ったのだろう。実際に有川先生はどうやって書いたんだろうか? -
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▼再読・・・・か、再再読か(笑)。
原りょうさんの、遺作。探偵沢崎シリーズ最終作(別に何も完結していないけど)。
舞台は2010年から2011年で、小説上梓が2018年。
▼とある金融会社と暴力団の繋がりが、殺人に繋がり、私立探偵・沢崎が巻き込まれる・・・・というような段取りなんですが、当然ながらこのシリーズは、
<段取りだけ聞いても全く面白そうに思えない>
<段取り的に言うと、キモなことが意外と分からないまま平気で終わる>
この話も、犯罪の動機とか手段とか、そのあたりはよくわかりません(笑)。
良く分からないまま終わります(笑)。
▼このシリーズの大いなる魅力は、レギュラーの素敵な面々と沢崎のやりとりなんですが、第1作(1988)から、実に設定上22年が経過しています。第1作でチンピラだった男が、中年男になって親の介護をしていたりする。そのあたりの味わいが極上です。一方で、沢崎さんはなんと、いまだに携帯電話を持っていない。スマホではないですよ。携帯を持っていないのです。携帯を持っていない探偵・・・。ただ、沢崎さんにとっては、伝言サービスのおねえさんとのやりとりが必須だから、仕方がない(笑)。
そのあたり、ほとんどもう、大気圏を突破してファンタジーの領域に突入した極上のハードボイルド。スルメか昆布か沢崎か、という味の渋さと奥深さ。3年もすれば、またきっと再読します。なにしろ、ミステリーとしての段取りは物凄く複雑なうえに説明が不足していて、よく訳が分からない。分からないから覚えられない。すぐに忘れるから、再読すると、ほぼ七割がたドキドキして楽しめてしまうのです。
実に小説らしい小説です。大好きです。
ある意味、今、日本人に親しみのある小説家で言うと、村上春樹さんがいちばん近いと思います。村上さんの長編も、「なにがどうして起こったか」なんて、絶対だれも分からないでしょう?きっと書いてる本人も「分って」はいないでしょうから(笑)。
でも、おもしろい。
分かるか分からないかよりも、面白いか面白くないか、ですよね。
▼おおまかな備忘録(ネタバレあります)
・金融会社の支店長・望月という中年男性が、沢崎を訪れ
・赤坂の料亭の女将のなんとかさんの、信用調査を依頼
・ところがそのなんとかさんは死んでいた。妹さんが継いでいた。混乱。
・望月さんに会いに職場に行ったら、強盗と出くわす。さらに、支店長であるはずの望月さんが失踪している。
・さらに、そこで海津という好青年と知り合う。さらに、結局強盗は金庫を開けられなかった。警察が金庫を開けたら、帳簿に無い現金が数億円あった。
・海津青年は、助手っぽくなる。沢崎に、「僕の父親では?」と問う。なんだけど、あちこちでそう言っていることが分かる。実際、父親は分からない。
・望月の別宅のマンションで、暴力団関係の死体が発見される。
・望月の家族への取材などで、潜伏先をさぐる。
・望月はやがて自首してくる。恐らく暴力団の裏資金の洗浄とかしてた。
・だがその望月は、沢崎の依頼人の望月ではなかった。依頼人は「望月の名前を騙った誰か」だった。
・その誰か、が、料亭の女将の線から(だった気がする)とある金持ちに特定される。先代の女将と、悲恋の間柄だった若死にした画家の物語。
・その「誰か」さんが、悪人ではなく、海津青年の実の父親であることが分かる。
・しばらくして、沢崎は新しい西新宿の事務所に転居しているが、2011年3月11日、東日本大震災に襲われる。
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