小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ巻を追うごとにポーとティリーの絆が強くなっている‥!!
ティリーはコミュニケーション能力もアップしてきて、悪口を言われても傷つくのではなくティリー節で言い返すなんて!
「ポーも分からないから」なんて絶妙な?フォローも軽妙♪警察内にも、もっとティリーファンが増えるんじゃないかな?
今回、犯人の動機がイマイチ理解出来なかった。というか、苦しい(こじつけが)
そんな事で?自分は山諦めたのに、妹は妊娠出来て妬んだって事でしょ?
うーん。むしろ、フリンから聞いて検査せずに登頂してしたら、死んでいた可能性もあるんだから、登頂する前に教えてくれてありがとうって、自分なら思うけど。
姉と確執があったのに教えにきてくれたんだよね?
次巻からの、フリンどうなるのか気になる。暫く育休か?
1>>>3>2かな。好きな順は。
圧倒的に動機の説得力が強い。イモレーション・マンは。あそこまでの事をされたら、火あぶりにして殺すかも。火あぶりにも意味があったし。
強い(分かりやすいぐらいの)動機と最後まで犯人が分からないパターンでまた読みたいな。 -
Posted by ブクログ
面白かった!!
哲学と経済、現代社会、ビジネス、世代の移り変わり、時代の変化、流行、、、世の中を複合的に且つ多面的に語られていて、楽しみながらも勉強になった。
世の中のあれもこれも、例えば、ただ夕日を見ることや相方・春日さんの行動までもが、哲学や資本主義の話に結びついていく。
日々の生活で感じる雑多な疑問や違和感が、若林さんによって投げかけられて、國分さんによって学術的に解説・展開されていくのが、なんとも痛快だった。
目的と手段に侵食されない時間と場所、それが「楽しむこと」であり、いまではそれが「贅沢」になっている。
國分さんの著書「暇と退屈の倫理学」も気になった。
若林さんの二拠点生活の話も興味深かった。
私自身も 都市部と田舎両方の暮らしの経験があるので、都会と田舎での経済の違い、資本主義や価値観のズレ、コミュニティの一長一短がよくわかる。
何が良いでも悪いでもないし、正解はないけれど、世界は広いんだ、帳の向こうがあるんだと思うだけで、世の中の見え方も考え方の幅も違ってくる気がする。
対談形式なのでトーク番組のようなエンタメ感ありで、読みやすかった。
テレビでもラジオでも配信系でもいいから、番組として実際に対談している様子もぜひ見聞きしたいと思ってしまった。
また2人の対談の機会や続編があるといいな。 -
Posted by ブクログ
命を区切られた人とその周りの人たちの日々を描いた七編からなる連作短編集。
泣き疲れてしまった…。
“あとがき”を読んで、もともとは独立したお話を集めた短編集になるはずだったものを 重松さんが恩師の急逝をうけて全面的につくり直したことを知った。
どうしても、そうしたかった。と…
「生きること」と「死ぬこと」、「のこされること」と「歩きだすこと」をまっすぐに描いてみたかった。
そう書かれていた。
「生きること」「死ぬこと」「のこされること」「歩きだすこと」……
私はいい歳をしてすぐに泣くけれど、まだ何もわかってないのかもしれない。
いつか わかる時がくるんだろうか…。
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Posted by ブクログ
お金も人間関係も自己肯定感もない、ないない尽くしの主人公・百合(リリー)。
あらすじから自己再生のストーリーであることが読み取れたが、果たして288頁で再生できるのか不安になるほどである。
傷つくことを病的に避けながら生きているリリーだが、社会で生きる以上、人間関係は否が応でも発生する。
大家のばあさんとは毎日顔を合わせ罵り合う関係だ。
しかしばあさんが部屋から出てこなくなった時、心の中での呼び方が「くそばばあ」になるのが実にツンデレである。
そんなばあさんと、ある出会いがリリーを再生への道へといざなう。
リリーの魅力は料理の才もあるが、手を抜いても構わない場面でベストを尽くす、彼女自身も気づいていない「優しさ」のように思う。
頼まれごとをされたり、困っている人を前にすると持ち前の優しさを発揮して他者を救い、最終的には自らの幸せをも掬い上げる。
288頁での再生に成功したのは、世界が温かすぎるせいでも優しすぎるせいでもなく、欲しい物に触れられるよう手を伸ばした結果だろう。 -
Posted by ブクログ
新訳のため主人公の口調が若者らしく軽さがあってとても読みやすいのですが、そんな語り口の中にも内乱の残酷さやその後の混乱などが直接感じられます。
【ロシア人名を覚えるための自己流三原則】
①個人名(洗礼名)+父称+名字
②愛称や名前の縮小がある。
③名前も名字も、男性名と女性名がある。
一人の人間に対していろいろな呼びかけが出てきますが、お互いの立場や親しさにより変わります。
●名前+父称は畏まった呼び方
●名字は一般的な呼び方
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地方地主の息子ピョートル・グリニョーフは少年時代を「どら息子」としての生活を送り、軍務に就いたらペテルブルグで面白おかしく暮らすんだ☆と思っていた。だが16歳になった時、厳しい父アンドレイにより辺境で反乱が多発する地域、オレンブルグ地方のベロゴールスク要塞(架空)に送られる。
世話係として付き添うのは馬丁の老従僕のサヴェーリイチ。
慣れない荒野で彼らは大吹雪に合って遭難しかけたが、たまたま一人旅の男と一緒になったことから乗り切ることができた。ピョートルは旅の男に古外套を与える。
ベロゴールスク要塞の守備隊長はイヴァン・クジミーチ・ミローノフ大尉で、彼の女房ヴァシリーサ・エゴーローヴナはこの辺境の地の守備隊員の肝っ玉母ちゃんといった位置づけで、軍の会議なんかにも参加している。二人の間の一人娘がマーシャ(マリヤ)で、ピョートルは、大人しく恥ずかしがり屋だが感受性が豊かな彼女に恋をする。
この要塞にはピョートルと同年齢のアレクセイ・イヴァーヌイチ・シヴァーブリンがいる。彼は殺人によりこの要塞に左遷されていて、明るく強いんだけど、ピョートルはどこかいけ好かないところを感じている。シヴァーブリンがマーシャを馬鹿にしたことで二人は決闘騒ぎを起こす。どうやらシヴァーブリンはマーシャにいいよっていたけれど断られていて、ピョートルがマーシャに近づくことを阻止したかったらしい。
そんなころベロゴールスク要塞に「亡き皇帝ピョートル三世の名を語るプガチョーフ率いる反乱軍が攻撃してくる」との知らせが入る。
えーっと、一度時代背景確認。
❐ロシア帝国 皇帝、女帝
●1730年から1740年:アンナ・ヨアーロヴナ
●1741年から1961年:女帝エリザヴェータ
●1762年の半年間:ピョートル三世
妻のエカテリーナ派から朝廷クーデターを起こされて殺害される。
●1762年から:エカテリーナ二世
❐反乱
●1741年 バシキール地方の反乱
●1772年 ヤイーク・コサックによるロシア帝国への反乱
●1773年から1775年 プガーチョフの反乱
プガーチョフが、死んだピョートル三世の名前を僭称し、農奴や労働者、地方民族(キルギス人、タタール人など)を率いて反乱を起こした。
そんな時代背景で、次々勃発する反乱軍を抑える辺境要塞を率いるミローノフ大尉とヴァシリーサ・エゴーローヴナ夫妻の素朴な家族経営的軍隊運営、そして戦いになったら覚悟を決める強さと、悲惨な結末が印象的です。
このあとプガチョーフ反乱軍は要塞を攻撃し、多勢に無勢の要塞はあっけなく崩れて警備兵たちは囚われ、プガチョーフに従わない者たちは処刑されていく…。
この翻訳は現代的な読みやすい若者口調であるんだけど、事実を事実として残酷な処刑やら捕虜の身体に見える拷問の痕跡やらを語る…。酷いもんだ、僕の手記を読む君たちよ、思い出してくれ、<最良の、最も確実な変革とは、習俗の改良から生じるものだ。暴力による変動なんて一切いらない。(P108)>
しかしピョートルは処刑を免れた。なんと、要塞に向かう途中の大吹雪で道を共にした旅人がプガーチョフ本人だったのだ!
プガーチョフは、大吹雪で自分に親切にしたピョートルに個人的好意を持ち配下になるように言う。だがピョートルは「僕は貴族として女帝陛下に忠誠を誓っているから、あんたの配下にはなれない。僕のことを思ってくれるならこのまま行かせてほしい」と申し出て、二人は今後敵として出会うかもしれないけど、今後のことは神様の思し召し、ってことで別れる。
その時、マーシャは農夫の娘のフリをして神父に匿われていた。だがさっさと裏切ってプガーチョフの配下に入ったシヴァーブリンはマーシャに「助かりたければ自分の妻になれ!」と迫っていたのだ。
プガーチョフの元から、ロシア帝国軍のいる要塞に合流したピョートルだが、マーシャが強引にシヴァーヴリンの妻にさせられそうだと知って、老従僕サヴェーリイチと共にベロゴールスク要塞に戻る。
あっさり捕まって再度プガーチョフの前に引き出されたピョートルは覚悟を決めて「私の婚約者がシヴァーヴリンの妻にさせられそうだ。ここから連れ出させてほしい」と伝える。
シヴァーヴリンは腹いせ?に「この娘は農夫の娘じゃなくて、要塞のミローノフ大尉の娘だ!」と暴露。
でもプガーチョフは、コソコソしているシヴァーヴリンよりも、正直なピョートルを信じて二人を開放する。
…冒頭のピョートルは「都会で楽しく暮らすぜ☆ ついつい掛けで失っちゃったけど気にしない騎士にない☆」という見通しの甘いどら息子だったけど、道中で行きあった男(プガーチョフ)にお礼を渡すなどの貴族としての礼儀とおおらかさを見せ、マーシャを助けようとしてからは、ロシア帝国と女帝に忠誠を誓った軍人として自主的に行動を起こすようになっている。
しかしこの時点で、題名になっている大尉の娘であるマーシャは控え目すぎてあまり個性がないんだよなあ。(両親処刑され、自分の身も危ないとなったら隠れたり倒れたりするのは当然だけど)
ピョートルは、老従僕サヴェーリイチをマーシャに付き添わせて、自分の両親の屋敷に送らせる。そして自分はプガーチョフの反乱軍との戦いに加わるために要塞に戻った。
戦いはやはり数と統制で有利なロシア帝国軍の勝利に向かっていく。だが行く先々でピョートルは残酷な暴力の痕跡、その後の無秩序な状態を見るのだった。
※※※※最終原稿には残らなかった「省かれた章」がここに加わる。
そこではピョートルが自分の父の領地に行くと、農夫たちはぽがーチョフに同調して反乱に加わり、ピョートルの屋敷は焼き払われ、処刑された土地管理人の死体がぶら下がっている光景を目撃する。
そしてピョートルの両親とマーシャは捕らえられて納屋に閉じ込められていた。そしてぽがーチョフ反乱軍の指揮官はシヴァーヴリンだった!積年の恨みが重なり、ピョートル一家に「降参するか、焼き殺されるか」を迫る!
マーシャは「自分が彼のもとに行って話をする」と言うが、ピョートルの父が「貴族としてそんなことはできん!戦うぞ!」と決意。
これがうまくいき、ピョートルと父がシヴァーヴリン相手に戦っている所に要塞から援軍が間に合い、シヴァーヴリンは捕縛される。
この部分が最終原稿には残らなかった※※※※※※
さて、反乱は鎮圧された。
だがピョートルはプガーチョフの客人であったことからスパイと疑われて裁判にかけられることに。ピョートルを讒言したのは先に捕まっていたシヴァーヴリンだったのだ。
ピョートルは、プガーチョフとの関係は正直に答えたが、マーシャのことは彼女の名誉のために黙秘した。それが疑われてしまう。
知らせを聞いたマーシャは、帝国の宮廷に行き、女帝陛下に直訴すると決意する。
…それまで受け身だった(状況を考えると仕方ないけど)マーシャが決意の行動に!
女帝の女官とうまく知り合うことにも成功。やるじゃん!
マーシャが宮廷の庭を散歩していると優しそうな貴婦人がいて話を聞いてくれた。そして「私から女帝陛下にお伝えしましょう」と協力を申し出てくれる。
…大半の読者が想像した通り、この貴婦人が女帝エカテリーナ御本人でした。
マーシャの訴えが聞いてもらえたのは、両親ミローノフ大尉とヴァシリーサ・エゴーローヴナ夫妻が命懸けで戦い一歩も惹かずに処刑されたことが認められていたからだった。そして田舎の気の良い初老の大尉と女将さんが、「ミローノフ大尉といえば、あの!」と言われるくらいの大人物だった。辺境を守る軍人のことは中央集権でもちゃんと分かってるのね。
さて、あとは大団円へ向かうのみ。
女帝はマーシャの訴えを聞き入れピョートルを放免。
それから割とすぐにプガーチョフは捕らえられ処刑された。その場にいたピョートルとは目と目で通じ合った。
そして間もなくピョートルとマーシャは結婚したのだった。
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プーシキンはプガーチョフの反乱、そもそも戦乱自体には批判の目を向けているだろう。
都合の良い側に就くシヴァーブリン、反乱だと言われれば乗っかって残虐行為に及ぶ農奴たち(だが領主が戻ってくると割とあっさり元に戻る)、そして反乱が収まったあとにピョートルが見た無秩序の国土への嘆き。反乱軍、鎮圧軍が入り乱れるために地方の統制は混乱状態、誰の命令を信じたら良いのかも不明。
<このロシアの反乱、無意味で無慈悲な反乱は、神様、もう二度と見たくありません!(P219)>
しかし小説でのプガーチョフ本人には個人では相手の名誉や友情を認める気っ風の良さを書いているんだよなあ。
「省かれた章」を入れても300ページ程度の中編なのにかなり濃厚だし、スパスパと話が進んで読みやすいし、登場人物たちは印象的、お硬い話だと思っていたら新訳だからかもしれないけどとても読みやすく、その読みやすい口調でありながら戦乱の酷さも書かれていてとても良かったです。
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