ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 熟柿

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    とてもとても丁寧に綴られた、1人の女性の人生譚。たった一瞬の選択の失敗であまりにも大きなものを失ってしまったその後の彼女の歩む道のり。数奇な運命と狂おしいほどの葛藤が混じりあい、時には絶望に苛まれながらも、それでも息子への呼びかけを支えにして生きる日常。過去と現在を行きつ戻りつ、明らかにされないことについての想像を膨らませつつ、とてもゆっくりと読者は主人公に寄り添っていく。だから終盤の邂逅の描写は、小説的というよりも妙にリアルなものであった。単純な感涙では済まされないものであった。最後の最後で、「熟柿」の語感はそれまでの不穏なものから穏当なものへと変化する。もしかしたらこの瞬間を描くためだけに

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    2026年01月01日
  • オーロラが見られなくても

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    ネタバレ

    世界の料理が美味しそうで、どれも食べた事ないから食べてみたい!

    色々な思いを抱えた人達が料理と出会い、前へ向いて歩いていく姿に元気を貰えました。

    お気に入りは表題作の「オーロラが見れなくても」

    大学を中退させられ、祖母の介護をずっとやらされてきた佳奈。祖母が亡くなり、父が亡くなり、ようやく一人になった。兄はいるが、全く介護に手を貸してくれず全て佳奈に丸投げ。
    そんな時、テレビでみた美しい瀧を見るためにアイスランドへと赴く…

    偶然出会った舞台女優・秋月千尋と過ごすうちに、アイスランドでの過ごした時間がキラキラと輝いている様に思えた。千尋の兄と遺産が半分と言う件は私もそう思います。多めに貰

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    2026年01月01日
  • さよならの保険金

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    ネタバレ

    漁師の父が行方不明になった。途方に暮れていると、保険調査員の叔父が現れ、なりゆきでその手伝いをする事になり…

    保険調査の8割が黒ってのが嫌な響きですね。叔父の様に淡々と仕事をするには優しすぎる麻海だったけど、父の死を受け入れられない心の闇を見つけてくれた、元調査対象の沙優の存在に救われた部分あった気がします。

    生命保険が唯一他人に掛ける保険と言う言葉が重かったです。

    続編希望です。

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    2026年01月01日
  • C線上のアリア

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    読み終わるまで「今回はどんなイヤミスなんだろう」とヒヤヒヤさせられる湊さんの作品。
    本作も終わりが読めない中で主人公と同じく真相が気になり、ページを捲る手が止まらなかった。
    読後感は良く、登場人物たちがこの先幸せな結末を迎えられると良いなと率直に思う。
    しかし命の水とは一体なんなんだ?あの水だけは作中通して不思議な存在感を放っている。

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    2026年01月01日
  • 生霊の如き重るもの

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    長編の方が人気の刀城言耶シリーズの短編集。私自身もそうなので、長篇を先に読んだりしてますが、短編も良かったです。
    登場人物や事件がシンプルで読みやすくなっているにもかかわらず、シリーズの良さである二転三転する推理や、程よく残る怪異などの醍醐味はしっかり味あわせてくれます。
    それでも刀城言耶シリーズ未読の方には長編からをおすすめしますが、そもそも長編小説自体が苦手な方はこちらからでも良いと思います。もともと順番通りでなくても影響の少ないシリーズではありますが、特に今作は学生時代にかかわった事件を思い返しているような内容でもあり、最初に読んでも大丈夫かと思います。

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    2026年01月01日
  • 平原の町

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    コーマック・マッカーシーの「平原の町」を読み終える。
    国境三部作「すべての美しい馬」「越境」そして「平原の町」。
    平原の町では、前に2作では交わることのなかったジョン・クレイディとビリー・バーハムがともに出てきて、読み手としてはとてもうれしくもあったが、その結末は辛いものとなる。
    哲学的でかつ人生の憂いを深く感じさせる小説だった。

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    2026年01月01日
  • 変な地図

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    栗原さんが主人公の本作。
    ほぼ全てのページに図があるのでは……と思うくらい
    読みやすくわかりやすい1冊でした。
    ずっとおもしろいな……と思いながら本を地図を見るように読んだ作品かもしれません。
    雨穴さんの風呂敷のたたみ方が本当に大好きなのでこれからも続いて欲しいです。

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    2026年01月01日
  • アルジャーノンに花束を〔新版〕

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    間違いなく名作。
    知能を得ることによって良くも悪くも今まで見えなかったものが見えるようになって、周りの反応も自分の性格も変わっていく。
    登り詰めた先に下降していくのが悲しくて切ない。最後は自分の意思があるうちに決断し、アルジャーノンへの心遣いも残す…という終わり方がしばらく心から離れなかった。

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    2026年01月01日
  • 女王さまの休日 マカン・マラン ボヤージュ

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    シャールが台湾に旅に出て、新しい場所や人に会い、刺激をもらう話。旅は非日常を味わえるけど、日常の愛しさを再確認することにもなる。幸せは手軽でいい。幸せはおおらかで深いものだから、少しだけで十分。幸せは日常に転がっている。
    私もたまには旅に出ながら、日常の幸せをかみしめて生きていこうと思う。今年もいい年にしたい。

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    2026年01月01日
  • 法治の獣

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    2024年をハードSFで締めたので、2025年もと思っていましたが、年明けにずれ込んでしまいました
    なかなかうまくいかないものです

    というわけで日本にもこんなにワクワクさせるハードSFの担い手がいたんだと嬉しくなってしまった春暮康一さんの中編集が2026年の一冊目となりました

    サイエンスの基軸となるのは生物学
    生物学からアプローチするSFも面白いのよ

    表題作の『法治の獣』は、その生物学に法律やイデオロギーの話をミックスさせた上に獬豸という中国の瑞獣まで登場してくるという

    ごちゃごちゃしてると思わせて、一本筋の通った展開

    そして思ったのは、生物ピラミッドの頂点に君臨する人類ですが、その

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    2026年01月01日
  • 魔眼の匣の殺人

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    今村昌弘先生の剣崎比留子シリーズ2作目

    とても面白かったです。ミステリー小説というジャンルに通常ではあり得ないトンデモ展開がプラスされています(前作の屍人荘の殺人を読んだ人にとっては分かるとは思いますが、、)。

    もう最高でした。すごく面白かったです!!
    今村晃弘先生の書く剣崎比瑠子シリーズの、ストーリーや物語の構成、登場人物のキャラクター性、場面、どれも自分の好みに合ってるんだなと実感します。

    予言ものの小説は他にもあると思いますが、予言というものをこういう形で使用して、事件が起きて、いやあ凄いなあと感服です。。予言が存在するからといって、全く萎えません。

    剣崎比留子シリーズはミステリ

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    2026年01月01日
  • 死神の精度

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    めっちゃ好き。
    千葉のキャラがとにかく素敵で、死神から見た人間界はたしかにそうかも、と思える描写やセリフが刺さった。
    ひとつひとつの短編としてもおもしろいし、まとめてひとつの作品としても楽しめるし、私が短編集に求めてるのはこれです!て感じだった。
    一度にロマンスもミステリも味わえてほんと楽しい作品。
    こんな風に第三者の視点でこの世界を捉えてくれると、なんだかあくせくして暮らしてるのもちっぽけに感じて、もっと気楽にゲームみたいに生きても良いんじゃないかと思えるな。

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    2026年01月01日
  • みかづき

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    大河ドラマのようでした。昭和36年の用務員室の主人公吾郎が、千明と出会って塾をつくる。戦後から高度成長期に文部省との確執もありながら、塾を運営していく。その中での、吾郎、千明、子ども達、塾の講師達のドラマが繰り広げられていきます。時系列では1961年から2008年までの半生ですが、前半は吾郎、後半は千明、最後は孫の一郎が主人公としてお話が進みます。
    教育改革や塾の発展と困難、昨今の学習支援といった現実での社会の流れをリアルに反映していて、きっとどこかに実際にある話だと、共感しながら読みました。また戦後の教育史としても学べました。
    お話は未来につながる希望が見えるエンディングでしたが、成績向上の

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    2026年01月01日
  • 探偵小石は恋しない

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    ネタバレ

    山田、上田と呼び合う、この二人の関係性や二人の掛け合いがいい。バディ物ってこうでなくっちゃね。三章まではそれほど大きな謎ではなくわりとすんなり。四章で、「糸屋の娘」の「諸国諸大名のフレーズ」的展開。かと思ったら、五章でそれまでの黒だったオセロが全部白にひっくり返るみたいな爽快感。相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を連想した。ちょいちょい面白いミステリ本が出てきてニヤリとさせられる。『魍魎の匣』がそんなふうに実際的な役立ち方をするなんて!

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    2026年01月01日
  • さよならジャバウォック

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    ネタバレ

    年越し読書。新春1冊目。新聞の書籍紹介コーナーで取り上げられていて、内容が気になっていた。

    読んでみると、スピード感ある展開と最後のどんでん返しで爽快感があった。


    絵馬と破魔矢という登場人物の名前に、お正月感を感じた。読みながら自分の脳内も騙されて混乱していく没入感が味わえた。近未来的なのもほどよいSFを楽しめて面白かった。息子に会いたがる量子に感情移入しながら読めたが、登場人物たちがドライなので、さくさく読み進められた。

    「過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる。」このメッセージが軸となり、薄気味悪い展開ながらも、前向きな雰囲気の小説だった。

    「さよならジャバウォック」は

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    2026年01月01日
  • 猫のお告げは樹の下で

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    7人の悩める人々が神社で出会ったハチワレ模様の猫=ミクジ(左側のお尻に白い星マークがある)にお告げの言葉をタラヨウの葉で一枚もらう。その言葉を参考にしてより良い人生をおくれるようになる短編集。
    一枚目:ニシムキ
    上司佐久間さんに21歳で初めての失恋をした美容師のミハル。ランニング中に神社でミクジに「ニシムキ」という言葉をもらう。母親の妹でフリーのグラフィックデザイナーをしている45歳の時子の新居(こだわりの西向き)に遊びに行き、時子の色んな面を知って親しくなっていき、失恋の痛みも無理に忘れようとせず待とうと考えられるようになる。
    二枚目:チケット
    耕介には手芸店でパートしている美

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    2026年01月01日
  • 氷の致死量

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    読書で年越ししちゃいました。
    情報量が多くて、新しい知識がドンドンと流れ込んできました。そんな中でも、やはり親の影響というのは、こんなにも大きいのかと恐ろしくなりました。最後の最後まで、ドキドキした1冊でした。今年もたくさんの素敵な本に出逢えますように。

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    2026年01月01日
  • ともぐい

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    川﨑秋子は裏切らない、ってこれ直木賞作品やし。
    読み終わりたくない面白さ。
    唯一不満?なのは、熊爪の犬に対する態度。猟師としてそれがプロフェッショナルなのか、と思うが、ここまで賢く主人への忠誠心があり、主人の命令には決して逆らわないどころか、感情まで読んで行動できる犬にもう少し優しくしてやって欲しかった。という願いは、本当の最期に叶うのだけれど。

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    2026年01月01日
  • 俺たちの箱根駅伝 下

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    「箱根駅伝までに読まねば!」と正月休みに入って上下巻一気読み。

    さすが池井戸さん。
    ドラマ化も決まってるだけあってというか『陸王』とかも観てたし、日曜劇場風ドラマが脳内再生されながら読みました。
    感動的なシーンで脳内で勝手に米津玄師さんの『馬と鹿』が流れる始末(これは『ノーサイド・ゲーム』ですけど笑)。

    しかし池井戸作品の嫌なヤツが本当に嫌なヤツだから、これが後半スカッとすると分かっていても胸糞ですね。

    今年の箱根駅伝からは学生連合やCMの入りも意識しながら観戦したいと思います。

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    2026年01月01日
  • ストーンサークルの殺人

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    先に読んだ2作目よりこちらの方が記憶に残るかも。とても面白かった。ワシントンポーシリーズ、読み応えありすぎてハマりそうです。

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    2026年01月01日