あらすじ
「あなたの一票が、首相を決める」
20XX年、第5回首相直接選挙、開幕!
十数年前から日本に取り入れられた直接民主制。
国会は廃止され、議員は20歳以上の国民からランダムに選ばれる。
首相選に立候補するための条件は「日本国籍を持つ30歳以上の人」で、供託金は1億円。
投票するのは全有権者――。
立候補が見込まれる人物は、女性首相を目指す新日本党の政治家、関西を中心に絶大な人気を誇るTVタレント教授、SNS総フォロワー数800万人以上のインフルエンサーなど。
全国民を巻き込んだ“選挙ショー”の結果はいかに。
社会派小説の旗手が提示する、有り得るかもしれない「未来」。
【著者略歴】
堂場瞬一 どうば・しゅんいち
1963年生まれ。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年、野球を題材とした「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。スポーツ小説のほか、警察小説を多く手がける。「ラストライン」シリーズ、「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「警視庁追跡捜査係」シリーズなど、次々と人気シリーズを送り出している。ほかにメディア三部作『警察回りの夏』『蛮政の秋』『社長室の冬』、『弾丸メシ』『幻の旗の下に』『デモクラシー』「ボーダーズ」シリーズなど著書多数。
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Posted by ブクログ
直接民主制が適用され始めた世界線での選挙をめぐる権謀術数。
単純に選挙の内幕を描いたフィクションとして面白いです。後半を読み進むにつれ止まらなくなる面白さです。
ただ、最後のどんでん返しにはもう少し事実確認というか種明かしが欲しかったかな。
それはそれとして、民意を反映させようとすればするほど結局政策を置いて人気者競争で指導者を選んでしまうという書名に沿った皮肉をベースにしていて、ちょっと読み終えてからあれこれ考えちゃいますね。
Posted by ブクログ
上手い!
参議院選挙が間近になったこの時期に読んだことで、国政や選挙のあり方など舞台設定はフィクションでも説得力ある小説だった。
国民による直接選挙での首相選挙を舞台に、現政権の新日本党の候補大曽根麻弥、前政権の民自連の首相候補の岩下安晴、インフルエンサーの城山拓己が有力候補てなる。
物語は候補者を支える新日本党のスタッフ深井珠希と、民自連の選挙局長の田代浩介をメインに話が進むので、選挙スタッフの裏側の視点から描かれるので実に興味深い策謀が繰り広げられる。
物語の帰結も納得できるものであり、堂場瞬一の政治小説の面白さを満喫した。
元首相の宮川英子の暗躍
Posted by ブクログ
最近このような選挙モノの小説が楽しい。まもなく参院選だが実世界でもこういうことが起きてるんだろうか?続編として今回の当選者が首相として奮闘する話も読みたい。
Posted by ブクログ
首相を直接選挙で選ぶ。思考実験小説か。おふざけかと思えば、かなり真面目に考えられ、書かれている。逆に言えばありそうな筋書き。
愚直に真面目にそれなりの戦略で進んだ者が最後は勝つ。
直接民主主義など不可能だから現在の間接民主主義になっている。しかし政治家が腐敗しきって任せられなくなり、IT技術がここまで進んだ今、直接民主主義が可能になったと考えてもいい。それで本当に上手くいくのか、考えさせられる。
Posted by ブクログ
SFっぽいけれど現実に近い設定でどんどん読めた。現実で直接首相選挙になったらどんな人が立候補するんだろうと考えながら読んだ。「デモクラシー」も読んでみたい。
Posted by ブクログ
未来の選挙とか政治とか
難しくて堅苦しくないかなーと
ちょっと懸念していたけれど
首相直接選挙に関わる人々の
悲喜こもごもがテンポ良く
軽快に描かれていて
エンタメとして面白かった。
昔ながらの政治の裏側の
ドロドロした人間関係や
重厚で緊張感がみなぎるような
サスペンスを期待していたら
肩すかしだったかも…
いつか
この人気投票のようなものが
現実になれば
一人ひとりの人間性や意思が試され
重い責任を負うことになるのか。
Posted by ブクログ
総選挙物でそれなりに面白い。あってもおかしくない世界だし、現在近いことが起きている。まあ、それはさておいて、登場人物にもう一つ魅力を感じないのは残念。田代さん、もう一歩かな。珠希さんはちょっとムカつく、残念
Posted by ブクログ
参議院選挙も間近の折、総裁選をテーマの小説を読んでみた。
「政治の世界は一寸先は闇」。面白く読ませていただいた。娯楽小説と見る分には最適。政治の世界の実態を知るにはクエスチョンだが、一気読みした。