ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • あの家に暮らす四人の女

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    杉並区の住宅街にある古びた屋敷。そこには4人の女が住んでいる。家主の牧野鶴代、その娘の佐知、佐知の友人の雪乃、佐知の刺繍教室の生徒である多恵美。4分の2は血が繋がってないのだが、"身内"の一員として今日もワイワイと過ごしているのだった。

    第三者の目から語られる話型に、かなり面白い構成だなぁと思っていたら終盤で正体が明かされて笑ってしまった。佐知は大変な目に遭っているのに笑。善福川のカラスたちの総意の化身である善福丸の突然の登場にも。両者唐突すぎるのだ、ご登場が。小説なのだが、ホームドラマの映像としてありありと想像できる。(実際テレビドラマとして放送されていたらしい)お嬢様

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    2025年12月08日
  • 磁極反転の日(新潮文庫)

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    伊予原さんの本領発揮の本でした。とても面白かったです。こんな地球の一大イベントの時代に当たったらすごいことですね。できれば避けたいですが。少し長めのエピローグも伊予原さんらしいと思いました。

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    2025年12月08日
  • 消滅世界

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    ずっと気持ち悪いのに、妙に安らぐ世界観。ユートピア?ディストピア?わからないけど、私たちの世界と、思ったより近い地続きな世界みたい。世界の仕組みがかわってしまえば、その世界の形に合わせて私たちのほうが変わっていくのか。

    性欲が排泄物になるってすごい発想だと思ったけど、じゃあそもそも何のためにあるものかと問われれば…何だろう…

    でもやっぱり私はおかあさん側の人間です!

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    2025年12月08日
  • 冬期限定ボンボンショコラ事件

    ネタバレ 購入済み

    その後の二人(妄想)

    本編終了から、一年と数ヶ月後。
    晴れて大学生となった小鳩くんは、京都市内でようやく小山内さんを見つけて駆け寄った。
    小山内さんは、同年代くらいの男性と一緒だった。

    小鳩 「小山内さん、ようやく見つけたよ」
    小山内「小鳩くん、紹介するね。こちらが私の最善のカレ…」
    小鳩 「…(会わない間に何が起こった)…(>_<)…」

    とは、ならないか…。

    #エモい #胸キュン #ダーク

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    2025年12月08日
  • 失われた貌

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    ネタバレ

    警察組織の警官の物語であるものの、まるで本格推理の探偵ものの構成で面白かった。ミステリ的な機微は家族関係にも及んでいる。初読みの作家さんだけど気に入ったので今後フォローしていきたい。血液型の予備知識がある人は引っ掛かりがあるので、気づきやすいかも。素直なストーリーで面白く読ませて高評価だけど、帯の煽りはちょっとやりすぎかなという感じ。最近、ハヤカワ新刊を中心に帯のあおりに騙されそうになる。今回もそんな注意が必要かも。

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    2025年12月08日
  • カフェーの帰り道

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    東京上野の場末、お客は近所の年寄がメインの、流行らないけど細々続くカフェー西行。そこで銘仙の着物の上に白いフリルエプロンを着て働く女給たち。彼女達を主人公に、大正末期から大戦後までの場末の風情を描いた連作短編。
    物語の中で何か特別な事件が起こるわけでもなく、大きな変動に揉まれた時代の片隅の風情~カフェ、女給、夢二、エレベーターガール、戦争、そして終戦後の再生~を情緒豊かに、繊細に描いて見せます。変動の片隅がたまらなく愛おしく感じられる物語。嶋津さん上手いな。
    『この世界の片隅で』に近い印象かな。お勧めです。

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    2025年12月08日
  • 買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて

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    お買い物に行くためバスに揺られながら、この本を読んだ瞬間が忘れられない。
    ワクワクして、自分にとっての大事な一品を探したくなる。

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    2025年12月08日
  • 有頂天家族

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    京都を舞台に狸たちが天狗と人間どもに翻弄されつつ繰り広げる頭目争いのお話。天狗は天狗なれどもうぬぼれが強く我が儘で、狸は根が暢気で単純で阿呆で、人間はずるくちゃっかりしてしたたか。狸鍋にされて人間に喰われてしまうかという実は恐ろしい話なのに、狸たちの狸柄に救われ楽しく愉快に読めます。下鴨家の家族愛が麗しく、読後感はとても穏やか。シェイクスピア劇のテーマのような兄弟同士の権力争いや仇敵同士の二世の恋愛や普遍的なテーマが散りばめられていてとてもよく出来たお話でした。大変面白かったです。

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    2025年12月08日
  • 九つの、物語

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    ネタバレ

    これはね、もう大好き。何回も読んでる。禎文式トマトスパゲッティがあまりにも美味しそうだから今度一緒に作ろって彼氏に提案しちゃった♡。香月くん絶対私のタイプの顔してるんだろうなあ。本が好きな男の子だーいすき!最後は泣ける。切なくて、美味しそうで、人間味があってとても好き。ほんとに小説っていうより、人の人生の一部分を見てるみたいですごく面白い。好き

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    2025年12月08日
  • か「」く「」し「」ご「」と「(新潮文庫)

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    きちんと読むとヅカの印象が映画と変わった。おちゃらけて見えるのにしっかり周囲をみられている部分とか、だけど周囲を優先しすぎて自分の気持ちだけが見えてないところなどが魅力的で愛おしくなった。

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    2025年12月08日
  • マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ

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    ドラァグクイーンのシャールさんの言葉ひとつひとつが優しい。彼はきっと辛いこと、悲しいことが沢山あったのだと思う。だからこそこんなにも人に寄り添える。私もそんな風になりたいと思う。なれるかどうかは分からないけど、なりたいと思う心はずっと持っていたい。

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    2025年12月08日
  • 逆ソクラテス

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    それぞれの短編の結末が心をスカッと、あるいはじーんとさせてくれる。それぞれの子供の未来には心がほっこりさせられて、宣伝通り、爽快な読後感がある。短編も全く世界が乖離しているわけでも、子供達が皆同じ時代を生きているわけでもなく、つながりを考察するのもなかなか楽しい。とてもよい作品。

    逆ソクラテス:野球。犯罪者の息子。大人の先入観に立ち向かう、子供たちの姿が爽快な読後感を生んでくれる。「先入観は敵」、「僕は、そうは、思わない」響く言葉を得られた。
    スロウではない(磯憲):リレー。いじめっこの変貌。いじめに関する自分の中の先入観にハッとさせられる。そんな世界線もあるのかと思い知らされた。
    非オプテ

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    2025年12月08日
  • SPEED スピード

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    世間に蔓延るドラッグを追いかけているうちに、自分自身もガッツリはまっていってしまうノンフィクション作品です。
    正にミイラ取りがミイラになる話ですが、ドラッグに興味がなくても、キマッってるときの描写も面白く、スラスラ読めます。自分は健康志向が強いですし、死への恐怖を感じるのでドラッグは一切やりませんし、この本を読んで影響を受けて興味を持つこともありません。
    ただ、ドラッグから抜け出せないジャンキーの気持ちは少しだけわかりました。
    自分はコーヒー中毒です。

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    2025年12月08日
  • ジプシーにようこそ! 旅バカOL、会社卒業を決めた旅

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    たかのてるこさんOL旅シリーズの、最後にして最高の締めとなった一冊だった。

    月経に胃もたれと不調を極めている最中に、些細な出来事で自分の存在価値がゼロになった気がして酷く落ち込んだ。心が痛んで動揺する私と、俯瞰から見ている冷静な私がいた。

    たかのさんから元気を分けてもらいたくて、そんな時に読み進めたくなる本だ。

    高野さんと同じく、比較的若い頃からジプシーへの憧れが強くあった私は「今このとき」がすべての彼らに憧れているんだなということが明確になった。

    ジプシーから「自分らしく生き残れ!」と教わった、たかのさんも私もまた地球を旅するジプシーなんだと心にかかる雲が晴れていく。

    背負ってきた

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    2025年12月08日
  • プラチナデータ

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    ネタバレ

    世界観にのめり込んであっという間に読み終えたと言う感じ。東野圭吾、さすがの構成力と、ちゃんとあっとさせられる結末だった。読後感は良かった。他人の言葉を借りるならば、『人情推理もの』が彼の持ち味らしいが、なるほどなと感じた。
    月並みだが、遺伝子情報って重大な機密データで容易に扱うべきものではないのだなと。人間皆平等というのは綺麗事だよなと気づかされもする作品。
    映画と比較すると断然小説。映画は設定だけ使った別の作品だった、感情の動きが少なすぎる、アクションに振りすぎ。神楽が、スズランの存在によって、自分自身の生き方を考え直していく過程も人間味があっていい。全てはDNAで決まる考え方から、過程が大

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    2025年12月08日
  • なんで死体がスタジオに!?

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    ゴシップなんて9割が………そのくらいの目を持ってくれよみんな

    これは本当にそうだと思うし、
    そう言うことを拡散して何になると、誰が喜ぶ?と常々思ってきたけど
    余計それを思う。
    本当の話だったら勝手に悲しめば良いんだ、だってそのほとんどが会ったことのない友達でも家族でもない人の話なんだから。
    こんな悪い人の企みかもしれないんだから。

    すごく面白かった。
    終わってから朝奈のところを上から読んで、なるほどーーー!!!

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    2025年12月08日
  • らんたん(新潮文庫)

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    面白い!こんなパワフルで魅力的な女性が戦前にいたとは!!日本の女子教育を大きく前進させた偉大な功労者。その人柄と生き方はとても魅力的!

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    2025年12月08日
  • ウロボロスの環

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    運命の渦に巻き込まれていくかの様な、思いもかけない場所へと流れていく人々を、ハラハラしながら見ているようでした。
    後半は、自分も泣きそうになりながら活字を追っていました。

    久しぶりに「読んだーっ!」という感覚を味わいました。長編でしたしね。
    小池真理子さん、凄い。

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    2025年12月08日
  • アキラとあきら 上

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    ★5
    面白かった。
    富豪の経営者のもとに生まれた階堂彬と、
    潰れて町工場のもとに生まれ夜逃げを経験した山崎アキラ。
    2人のアキラは同じ大学で学び、同じ銀行に就職する。展開自体は面白いが、上巻だとアキラとあきらの接点が薄いので、そこは下巻に期待。

    上巻の終わりはバブル崩壊前の不穏な気配。この後バブルが崩壊して主人公を信じなかったものは財産を失い、信じたものは大失敗は免れるかと思うとわくわくしちゃうね。

    バブル崩壊の時の好景気がずっと続くと思われている感じを見ていると、自分の投資信託が問題ないか不安になる。

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    2025年12月08日
  • 52ヘルツのクジラたち【特典付き】

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    こんなにも心を揺さぶられる
    涙が出た作品は初めてかもしれない。
    私にも自分が辛かった時に誰にも届かない声を受け止めてくれる人がいたことを改めて思い出した。

    私も大切な人のそんな声を受け止められる人でありたいな。

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    2025年12月08日