あらすじ
あらゆる格闘技大会で勝ち続け「不敗神話」を作り上げる凱。それでも満たされない虚しさに豪遊を繰り返す彼の肉体はいつしか蝕まれる。一方、弟子の格闘技トーナメントへの参戦を許した英治郎は、マスコミに「常勝軍団の総帥」と祭り上げられる。理想とは正反対の現実に苦悩する彼は、いまや頂上を極める凱と対決し、その事態に終止符を打つことを決断する。両者激突。果たしてその結末は。感動の完結!〈解説・夢枕獏〉
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Posted by ブクログ
今野敏『虎の道 龍の門 (下) 新装版』中公文庫。
二人の格闘家を主人公にした長編格闘小説の上巻。2006年に中公文庫から上中下巻の三分冊で刊行された同名作品を上下巻にまとめ、再刊。
納得のいく、感動の結末。非常に面白かった。南雲凱と麻生英治郎の正反対の二人が全力で激突したらどうなるのか。プロレスが勝つのか、それとも伝統派空手が勝つのか……
極貧の中、騙されてシベリアに渡り、過酷な肉体労働を課せられた南雲凱はあくまでも金のために闘いの舞台に上る。一方、恵まれた環境で育ち、空手道を極めようと本来の琉球空手の型の理解に努める麻生英治郎は迷いながらも着実に頂点へと近付いていく……そして、南雲凱と麻生英治郎の二人の格闘家は培ってきた技と力を互いにぶつけることに……
本作では、K-1、UFC、UMF、グレイシー柔術、極真空手、ブロレス、シュートなどなど様々な格闘技の中で一番強い格闘技は、一番強いのは誰なのかという疑問へのひとつの答えが描かれる。
本体価格720円
★★★★★