【感想・ネタバレ】カラフルのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

心の中を爽やかな風が吹き抜ける。

前作の『金環日蝕』同様、本作もひったくりの場面から物語はスタートする。

本作の軸となる人物は、車いすユーザーの少女・渡辺六花と怪我がきっかけで陸上を辞めた荒谷伊澄。

同じ高校、同じクラスの新入生となった二人。
気が強い六花と、そんな六花にたじろぐ伊澄の関係が変化していく様子から目が離せない。

青春小説でありながら、人が社会で共生していく為に必要、かつ不可欠な事を伝えてくれる。
自分を大切にしつつ他者の気持ちをわかろうと努力する事、想像する事。

皆が心掛ける事で世界はカラフルに彩られる。

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2024年03月20日

Posted by ブクログ

最初から最後まで一気に読めて面白かった!!!
自分のあり方を改めて考えさせられることもあり、
青春の甘酸っぱい感じも好きでした。

ミュージカル好きだけど、
歌やセリフひとつひとつの意味や情景をじっくり考えたりした事がなかったので次見るとき聴く時はこの本のことを思い出して観ようと思った。

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

久しぶり青春もので、フフフと思ってよんでいたが、クラスみんなで本音を言うシーンは、私もごく普通に思ってしまってたことだと感じた部分が多かった。

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

分かるわ〜、伊澄、分かるわ〜

はい、『金環日蝕』がめちゃめちゃ面白かったので、他にも読もうと思っていた阿部曉子さんですが、そのうちそのうちにと思ってるうちに一年がたち、さてさてさんのレビューで新刊が出てるのを知りました
季節の移り変わりって早いものです

さてさてさんの評価も高かったので早速読みましたよ!

さてさて、『カラフル』って題名には二つのメタファーが込められてると感じました(覚えた言葉すぐ使いたがる星人)

ひとつはもちろん世の中には(文字通り)色々な人がいるってことですよね

で、その色々な人の中に障がいを持った人もいるっつー話です
そしてこれはこの物語の重要なテーマなんですが、おいちゃんこちらの方はちょっと置いときます
こっちはこっちでちゃんと向き合っていくべきなんですが、今それどころじゃないんで一旦置いときます
必ず戻って来ますから!(嘘だな)

はい、もうひとつの『カラフル』のメタファーね
『カラフル』に込められたわいが感じる意味ね

そりゃあーた恋に落ちた瞬間のことでしょーが!!!
もう興奮してビックリマーク3つも使っちゃったわよ!
恋に落ちた瞬間世界がカラフルになるでしょーが!
そんなん常識でしょーが!

キュンだわー

じゃ、そういうことで(置きっぱなし)

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

夢を追い続けられなくなった伊澄と車イスユーザー六花を中心とした青春ストーリー。
高校生達の会話でこんなにも色々考えさせられると思っていなかった。また、読みやすくあっという間に読み終わっちゃいました。
ストレートに交わされる会話が心に響いた。ユーモアたっぷりの会話も良かった。
そして登場人物皆、魅力的でした。この人、微妙なのかな?と思ったら違う面では素敵だったり、成長していたり。
目の前にいる人の気持ちを想像して、その誰かに自分の力を少しでも貸せるように成長していけたらなっと思えた1冊でした❗
駅員の長谷川さんの言葉も素敵だった。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

昨年読んだ「金環日蝕」が意外と面白かった阿部暁子氏の最新作。本書も期待以上に面白かった。

「金環日蝕」は社会派ミステリだったが、本書は高校生が主役の青春小説。車いすユーザーの少女・渡辺六花と夢を追い続けられなくなった少年・荒谷伊澄を主役に据え、障がい者と健常者の関わり方や障がい者から見た公共インフラや学校行事のリアルとその是非を問う社会的テーマも内包。

「障がいを個性とは言わないで」
「本当は誰にも迷惑なんてかけたくない」
六花も友人達も本音でぶつかり合う。ぶつかり合いは軋轢を生むリスクがある一方で、互いを理解する気づきにもなる。特に六花とのやりとりを通して、伊澄がポジティブ思考へ移り変わっていくのが印象的。
《精いっぱいの力と誠意を尽くすことは、たとえ骨に食いこむ痛みを負うことになっても、きっと何かを残す》うんうん、わかる。

何をもって差別というのか?考えさせられたし、多様な相手の立場に立って物事を考える大切さを改めて学んだ。
心に残ったセンテンスもちらほら。登場人物も読者も前向きな気持ちになれる名言だ。
《神様は扉を閉める時、別のどこかで窓を開けてくださる》
《過去のことを思い返してもそれはもう絶対修正できないし、まだ来てもない未来のことを考えても絶対にそこに手は届かない。今からの一秒間だけが自分でどうにかできるものだ》

私は世代的に駅員の長谷川や家事代行の町子目線で読んだが、主人公ら青春真っ盛りの高校生達が織りなすやりとりが時に面映く、甘酸っぱさもあってよきかな。六花と伊澄の率直な会話のキャッチボールは直球勝負で気持ち良い。脇を固める友人達も個性派揃いでキャラクター造形も巧み。映像化しても映えそう。

文章で言えば、比喩表現も素晴らしかった。
《カッターできれいに切り抜いたような鮮明な言葉を紡ぐ》
《彼女の虹彩は赤みを含んだ薄茶で、氷をたくさん入れたグラスに注がれた上等な紅茶のような色をしている》
こういったセンスあふれる言い回しは、情景が目に浮かぶし、心地よい読後感にも寄与する。

おそらく老若男女問わず多くの読者のハートに響く小説だろう。ちょっと気が早いけど、来年の本屋大賞にノミネートされるのではなかろうかと勝手に予測。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

最初の出会いから衝撃的。
何かを感じる予感…それは良い意味での。

高校の入学式の日、駅のホームでひったくり犯を足止めしようとした車いすユーザーの渡辺六花とそれに気づき走り出した荒谷伊澄。

中学時代は走る事に全てを賭けていた伊澄が、足の故障で推薦高校も取り消しになり、自暴自棄の状態のなかで、気の進まない高校生活になるだろうなと…
だが、中学2年で病気のため車いすユーザーとなった六花の存在が出会った日から気になりだして…。

彼女と接するうちに閉ざしていた心の扉が開いたようで、徐々に自分の思いにふたをすることがなくなる。


車いすユーザーだということで、学校行事は制限されるのかという問題。

物事を問題なく進めるために、誰かが犠牲になっていることを『仕方ない』で済ませようとすることが差別ではないか、という意見。
大人が自信満々に言うことでも間違っていることが往々にしてあること。
情報があふれるこの世の中で、それについて自分はどんな立場を取るか、どう行動するのか、あるいは何をしないのか、自分で考えて選択しなければならない。

何気ない言葉で傷つき、傷つけてしまうこともあって、それでも意見を言ったり、聞いたりすることで改善していけば何かが変わるはず…だと。

挫折を知ったものは、その後どうするかでそれ以降の生き方も大きく変わるだろうと思う。

単に高校生の恋バナというよりもそれ以上に若者たちの夢と希望を応援したくなるような物語だった。



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2024年04月30日

Posted by ブクログ

登場人物の言葉がストレートに響いて、とっても清々しい読後感。
障がいや差別という重たいテーマだけど、それぞれの立場での考えや思いを、みんながしっかり考えてそれを相手に伝えていて、すごくいい。
個人的には
「障がいというジャンルでくくるのではなく、前にいる人がどう思っているか聞いて、話して、よく考える」という伊澄の言葉が心に残った。
知らず知らずのうちに先入観で人を見てしまうことはあるけど、ちゃんとその人と対話して理解するって大事なことだなと改めて思った。
好きな映画「サウンドオブミュージック」から引用された言葉通り、新しい窓が開いてよかった!

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやー!青春だ!
これは良い本を読んだ!中高生の教材にしたらいいのでは?
読んでいて、気づかせれることがとても多かった。
強くみえていた六花にも当然、悩んで苦しんでどうにもならい時期があり、母親ともこじれてしまってそれでも自分を意見を意思を伝えようとする姿に泣けた。
母親に思いを伝えたときは泣いてしまった。
荒谷がまた良い。
六花がどー考えてるのか、何をすべきか、クラスメイトに対してもきちんと向き合ってすごい。
想いが通じて良かった!
担任の矢地が最初どうかなと思ったけど、いい先生でよかった!
おすすめ!!

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2024年04月16日

Posted by ブクログ

言葉にするのは照れるけれど、青春、恋、友情、悩み、迷い……全てがかけがえのない経験。何もかもがカラフル。爽やかな読後感。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

「カラフル」と言ったら、自分が小中学生時代に森絵都さんの「カラフル」にハマりましたが…!
こちらの「カラフル」も、伊澄と立花の視野が広がり、だんだんとまさにカラフルになっていってとても面白かったです。

車いすユーザーの気持ちや状況を、まっすぐと立花に向かい合って理解しようとする伊澄の姿勢はなかなか真似ができなくてかっこよかった。
分からないから避けるのではなくて、
きちんと向き合って、分からないことを分かろうとする。
そんな、当たり前だけどとても大切なことを改めて教えてくれる本でした。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

 森絵都さんの『カラフル』もよかったのですが、本作も青春小説に深みを与えた秀作と感じました。大人はもちろん、多くの中高生におすすめです。

 本作の中心人物は、車いすユーザーの渡辺六花と怪我がきっかけで陸上を辞めた荒谷伊澄。ある出来事がきっかけで、高校入学式の朝に出会い、さらに偶然にも同じ高校の同級生になります。

 障がいがありながら言葉が明晰で勝気な六花、誰とも競わない、何も目指さない、本気にならないと決めている伊澄。そんな伊澄は六花にたじろぎながら、2人の関係が変化していきます。でも、本書の肝は淡い恋心ではなく(いや、それもある!)、伊澄の再生、人が社会で共生していくために何が必要かを考え、成長する高校生たちの姿です。

 他者の気持ちを理解しようと想像し、努力すること。そして、わかり合えない状況から始まり、コミュニケーションをとり認め合うことで、周囲の人や世界の見え方や感じ方が変わる、そんな世界はカラフルなんだよと、著者のメッセージが伝わります。

 少々終盤が道徳っぽい印象ですが、行き違いや衝突があっても、互いに良好な議論ができていることで、成長につながっていますね。現実社会ではなかなかこうはいかないでしょうが、合意形成が成立する望ましい人間関係があってこそと思います。

 人間は、悪意がなくても人を傷つけてしまうこともあり得る厄介な生きものなのだと自覚し、自分の当たり前や言葉を内省したいと思える作品でした。

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2024年05月07日

Posted by ブクログ

クラスのみんなで差別について話し合うところは、すごく勉強になりました。
『物事が問題なく進むために、誰かが犠牲になっていることを【仕方ない】で済ませようとするのが差別なんじゃないか』
差別って何だろう?言語化するのは難しいなと思っていましたが、こういうことなんだなと。
子どもにもこの本は勧めようと思います。大人が読んでも良い本ですが、青春要素も強いので、学生が読んでも楽しいと思うので…

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

高校一年生、ボーイミーツガール的な青春物ではあるが、例えばこの小説の場合は車椅子だけれど、こういうハンデがある場合社会は決して優しくないことと普通にみんなが生きていける社会に目を向けさせてくれる物語。そういった差別を真面目に考える高校生たちがまぶしかった。

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

本の雑誌の「北これ」コーナーで、首が太い吉田伸子さんが紹介しているのをみて、慌ててポチった。
大きな本屋の平積み台と縁がなくなると、こういう見逃しも増えてくる。

まぁ、確かに、北上次郎(というより目黒さん)が存命であれば、随喜の涙を流して絶賛していただろうな、とは思う。
けど、「パラ・スター」と比べちゃうと、満点とまではいかないかな。

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2024年04月19日

Posted by ブクログ

病気で車椅子生活になった六花と、あるケガが原因で陸上を諦めた伊澄。お互いの第一印象は最悪だったけれど、車椅子ユーザーの目線をちゃんと受け止めてくれる伊澄の真っ直ぐな心がとても格好良かったです。

変に作り物めいた描写じゃなく、車椅子ユーザーへの戸惑いや、ちょっとした抵抗感なんかも等身大の高校生って感じでそれがリアルでした。

視界がカラフルになる、キラキラした感じが爽快でした。

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2024年04月15日

Posted by ブクログ

怪我により陸上の夢を諦めた高校生の伊澄と、病気によって車椅子ユーザーになった六花。同級生の二人が交流の中で車椅子ユーザーであることや、それを見る周りの目、六花が何を望んでいるのか。そういうことが語られていくけれど、高校生の青春小説としての要素がしっかりとあって、脇を固める人物たちも個性が様々だから重くなりすぎずに展開されていく。車椅子に乗る六花の思うことと、六花に接する人たちの思うことの間にあるものに対してそれぞれが正直に話し合っていく場面に考えさせられる。

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2024年04月09日

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