無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※こちらの作品はブックライブ for Android、ブックライブ PLUS for Android、ブラウザビューアではダウンロードおよびオフラインでの閲覧ができません。
Posted by ブクログ
面白かったです。野崎まどさんの作品は「タイタン」ではじめて読みましたが、さかのぼってこちらの本も読んでみました。満足しています。
まず舞台が良い。1000年以上の歴史を持つ古都京都を舞台にSFを書くというギャップ。本書の設定として、2081年、世界は超情報化社会になっていて、人造の脳葉「電子葉」の移植が義務化されている世界が描かれています。つまり人間の情報処理能力が格段にあがっているわけですが、それに加えて、国民1人ずつの「情報格」なるものが設定されているという設定も興味深い(いわゆる情報格差社会)。
レベル0から3が一般市民で、最高レベル6は内閣総理大臣などごく少数の人間にわりあてられていますが、情報格が高いほど、アクセスできる情報が多く、他人にさらされる情報が少ない。反対にレベル0は生活保護者などが該当し、アクセスできる情報はほとんどないが、自身の情報はほぼすべて他人にさらされているという設定。そのようななか、情報庁で働く主人公が恩師のつくったコードをきっかけにある少女に出会うという物語ですが、タイトルにもあるように「知るとはどういうことか」を問うている本とも言えます。あらゆるものがデータ化され、それを処理する超高性能プロセッサーが脳内に埋め込まれているとしたら、「知っている/知らない」の差は、意図的・制度的に作られた情報格というゲートウェイの差だけになるのでしょうか?「すべてを知る」とは何を意味しているのかを考えさせられます。舞台設定、ストーリー、登場人物すべてがあわさって読後感がとてもよい作品でした。
Posted by ブクログ
野崎まど小説作品は初。アニメ『バビロン』の衝撃を受け観終わった後すぐに購入していたが他の読書に気を取られ積読。しかし、読み始めると止まらず久々の一気読みに陥る。
テーマは攻殻機動隊とかにも見られる、IT技術を脳に搭載して爆発的に扱える知識量が増大しているという世界。ではあるが、物語の幅とそのディテールが半端ない。縦横無尽に話題は移ろい、仏教の悟りからイザナギとイザナミの古代神話、果てはエデンの園までとその情報量の洪水で知的好奇心への刺激がいい。
そんな中にも一貫したテーマである知ること=生きることというへと収束させていくこの手腕。圧巻のストーリーテーラーです。ゾクっとする、手に汗握る、ふふって心が温かくなる、などなど感情が常に揺さぶられる作品です。
ラストの結び方もほんとに素敵。
SFなので理論的な難しい設定はあるけれど、発売当時よりも現代のほうがさらにこの作品の世界に近づいている実感があるからか、そこまで理解できないってことはなかったな。その感触に少し末恐ろしさはよぎるのですが。
ネットで何でも分かる時代だから
主人公が生きる時代では、人類は脳にもう1つの演算装置である『電子葉』の装着が義務づけられており、ネットの情報がまさにSF的に、日常的に展開される。人々は仮想レイヤーを街に表示させながら歩くことができる……そんな時代だからこそ、主人公の恩師の残した一人の少女が証明するのだ。何でもすぐに調べられて、『知っている』と『調べる』のタイムラグがないそんな時代に。
それでも人間は、見て聞いて触って知るのだと。
本文は大きく分けて2部構成である。
1つは主人公が少女に出会うまでの、万能情報社会。
1つは出会ってからの、新しい階梯へ進む少女との、万能だと感じていたはずの情報化社会について。
我々はネットを通じて様々なことを知る。
しかしうすうす気づいては居ないだろうか?
『本当に知りたいことはネットにはないのではないか』と。
漠然と抱き続けてきた感傷をこの本は刺激する。
知識と知恵と体験と経験とはそれぞれ何もかも違う。
そんな思いを抱いているなら、ぜひこの本を読むべきだ。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※こちらの作品はブックライブ for Android、ブックライブ PLUS for Android、ブラウザビューアではダウンロードおよびオフラインでの閲覧ができません。
小説・文芸
小説・文芸