【感想・ネタバレ】あの子の殺人計画のレビュー

あらすじ

「あたしって虐待されてるの?」
アリバイトリックに新境地!あなたは絶対に見破れない。

椎名きさらは小学五年生。母子家庭で窮乏している上に
親から〈水責めの刑〉で厳しく躾けられていた。
ある時、保健室の遊馬先生や転校生の翔太らに指摘され、
自分が虐待されているのではないかと気づき始める……。

一方、JR川崎駅近くの路上で、大手風俗店のオーナー・遠山が
刺し殺された。県警本部捜査一課の真壁は所轄の捜査員・宝生と組んで
聞き込みに当たり、かつて遠山の店で働いていた椎名綺羅に疑念を抱く。だが事件当夜、彼女は娘のきさらと一緒に自宅にいたという
アリバイがあった。真壁は生活安全課に所属しながら数々の事件を
解決に導いた女性捜査員・仲田蛍の力を借りて、椎名母娘の実像に迫る。

前作『希望が死んだ夜に』の「こどもの貧困」に続き、
「こどもの虐待」をテーマに〈仲田・真壁コンビ〉の活躍を描く
社会派と本格が融合した傑作ミステリー。

芦沢央 推薦!
「構造的であるからこそ、そこにおさまらないものが浮かび上がる
衝撃の先にあるものを描こうとしている小説だと思った」

※この電子書籍は2020年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

自分勝手で能天気な母、虐待を受けながらそれが当たり前と思い貧困に耐える娘、自分は恵まれた環境で育ったから不幸な人の役に立ちたい刑事、スタッフに感謝されてる風俗店オーナー。読んでて辛くなる実情としっかりしたミステリー展開のこのシリーズはやっぱりおもしろい。良かった。

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2025年07月31日

Posted by ブクログ

貧困と虐待がテーマのミステリー。
テーマは置いておいてミステリーとしてはよくあるトリックというか書き方で、同じような話は見たことある気がするけれど普通に騙されてしまった。
あんまりミステリーとして考えすぎずに素直に読むのがおすすめ。

面白いという表現で良いのか微妙だけど、読んでいて続きはかなり気になるし一気に読んでしまうし、一人一人のキャラクターも立っているし普通に話として面白い。
個人的には虐待とか貧困とかは問題なのは分かっているけど、あくまでフィクションとして捉えながら読み、良いものを読んだという感覚。
重めの話が苦手は人は微妙なのかな?
とにかく読んでいて頭がぐにゃぐにゃになる感覚があって初めての読み応えだった。

この話は実は2作目だったということに途中で気づいたので、1作目のほうも早めに読みます!

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

「希望が死んだ夜に」の続編です。
今作もかなりの衝撃を受けました。
小学生という幼い子供にとって母親は全てで、それ以上のものがないというなか、躾だと信じていた虐待。胸が締め付けられます。
そしてミステリとしてのトリックも…
印象深い作品でした。

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2025年04月17日

Posted by ブクログ

「希望が死んだ夜に」がとても印象的だったのでシリーズ第二弾の本書も読んでみた。
読み始めからスーッとストーリーに吸い込まれあっという間に引き込まれていった。
ストーリーの根底にある貧困と虐待。
面白かった…とは言いにくい内容だが、テーマ、展開、テンポ感、魅了されるだけのものがあったと思う。
ラストの真実では「おーっ!そういうこと?」が何度か到来。
ミステリーを読む時、ストーリーの先読みや推理をせずに読むので、単純に「そういうこと?そーなんだ!」と驚かされることも多々(^^;

第三弾も読みたい!

貧困、虐待…負の連鎖に心が痛む。
どうすれば解決できるのか…真実が苦しい。
どうにもできない真実が痛い。

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2024年12月23日

匿名

購入済み

「希望の死んだ夜に」のシリーズだと知り興味を持ちました。今回も虐待の酷さに胸が痛みました。虐待されている子供は学校でもイジメの対象になる事が多く学校と家どちらにも逃げ場がなく本当に酷い環境にある事が書かれてあり真に迫ってます。また、逃げ場がない子供に悪い大人が目をつける。その通りだと思うストーリーでした。物語に出てくる刑事さん達みたいな大人がもっといたら救われる子供達が少しでも増える。希望と願望です。

#泣ける #切ない #共感する

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2024年12月19日

Posted by ブクログ

話の展開がテーマにうまく嵌っており、犯人が本音を吐き出すシーンがかなり心にきました。
この作家さんの本は初めて読んだが、本作はシリーズ化もされているようなので、集めてみたいと思います。

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2024年12月09日

Posted by ブクログ

仲田シリーズ

「希望が死んだ夜に」がよかったので、
すぐに購入

前作同様、貧困の問題が根底にあるが、
ストーリーの描き方が上手い!

途中まで仲田さんは出てこないが、
それでも十分に面白い

仲田さんが登場してからは
物語が一気に進んでいく

こんな事か繋がっているんだぁと
伏線回収も見事です。

仲田さんシリーズと言ってますが、
本書が初めてでも十分に楽しめます。

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2024年06月03日

Posted by ブクログ

ネグレクトを受けている少女と警察官の二つの視点で描かれている作品として読み進めていましたが、後半で事実が判明してからは秀逸だった。
虐待が虐待をよぶというが、それを受けてきた人は自分はやらないと思っても経験としてある以上、何かをきっかけに起こしてしまうのかもしれない。
自分の周りにはいないと思っていても、実は身近なところであるかもしれない、家庭内で起こるからこそ深刻な問題だと思った。

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

3.9
このシリーズは、トリックとかがどうでも良くなるくらいストーリーが良い!そして今回も。

このシリーズ、本当に好きだなあ。

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2024年12月17日

Posted by ブクログ

結末に向かう部分はちょっと物語感強かったなあとは思ったけど全体的にはハラハラドキドキとして読みやすい本だった、「希望が死んだ夜に」の後の話となっているからかちょいちょい前回のネタが出てきてるのも面白かった
経済的・環境的に恵まれた人ほどこの人の本を読んでみてほしい、多少フィクションぽさはあれど自分の感じている「普通」がどれだけありがたいかを考えてみてほしいと思った

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2024年08月08日

Posted by ブクログ

帯に芦沢央推薦‼︎と書かれていたので買って見しました。
読みやすくて構造的なのが良かったです。
なるほど…ってなりました。

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2024年01月13日

Posted by ブクログ

ミステリーとしても素晴らしかったですが、きさらにとても共感できすぎてフラッシュバックで苦しみました。虐待の描写は白けてしまう小説も多いですが、こちらは割とリアルな内容だと感じました。またラストもとても良かったです。

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2023年11月17日

Posted by ブクログ

風俗店の女性経営者が殺害された。
容疑者は元風俗嬢。アリバイは虐待を受ける娘の証言。最後、二つの時代が入り乱れて、犯罪が証明される。殺害の理由が残酷でせつない。

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2023年11月16日

Posted by ブクログ

読み始めは、混同してしまったが、読み返して納得。切なさや現実世界なのにどこか非現在感もあり、ラストのセリフにこめられた意味は、まさに現在を生きる私達に向けられたものだと感じました。

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2023年10月10日

Posted by ブクログ

「希望が死んだ夜に」の余韻が抜けないまま、
文庫発売を知り、発売日当日に書店で購入しました。
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あらすじより
母子家庭で育つ小学五年生の椎名きさらは、
母親から罵倒され、食事を抜かれても
躾だと信じていた。
周囲から「虐待だ」と指摘されるまでは。
方、神奈川県警の真壁は
風俗店オーナーの刺殺事件を捜査。
きさらの母親を疑うが、
娘と一緒にいたというアリバイを崩せない。
行き詰った真壁は、
少年事件が特異な仲田に協力を仰ぎ――。
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今作も、登場する警察官は真壁と仲田。
自身も片親で貧しいながらも自身で道を切り拓いていった真壁。
加害者、被害者の少年少女たちに寄り添う事で事件を解決に導く仲田。

私自身も両親がとても大好きで、
共働きの期間もあり、
なかなか一緒に過ごせなかった時間もありましたが、
愛情を持って育ててもらったと思っています。

だからこそ、
きさらのような子が、
どこかにいるかもしれない、
今日も震えながら耐えているかもしれない、
と思うと、胸が痛みました。
信じてた母親への感情が変わる瞬間、
これは虐待、ネグレクトなのかと気づく瞬間。
驚きと恐怖のきさらの目が。

隣の家で本書のようなことが行われていたとしても、
たぶんわからないです。
ドアとコンクリート一枚しか隔ててないのに、
物音や悲鳴がなければわからない。
そう思うと、何とも言えない気持ちになりました。

なんとか抜け出そうとする子どもを搾取する卑しい大人。
天祢さんの描く世界は、
本当に存在しそうで、
だからこそ余計に辛くて怖い。

あの時あなたがいたら、
一緒に戦ってくれたら、
ここから連れ出してくれたら、
タラレバがどんどん溢れてきます。
読んでて痛くて辛くて悲しいのに、
読む手を止められない。
天祢さんの作品、すごいです。

ほとんど呼吸せず読み終わり、
(読んでて集中すると呼吸が浅くなるんです。苦笑)
疲労と興奮と余韻がぐるぐるした頭のまま表紙を見ると、
空をバックに逆光の少女。あなたは誰?きさら?

でも、絶望して諦めてはいけない。
真壁と仲田がそう思わせてくれます。

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2023年09月18日

Posted by ブクログ

子供にとって、親はとても大きく無くてはならない存在。
そんな信じて疑わなかった母の愛は偽物だった。
周りから言われる言葉を必死に違うと思っていても、一度疑えば次々と疑いが出てくる。

読めば読むほど不思議な感覚が出てくる。
最後に全てが繋がる。

繋がった瞬間に違和感の正体、人の脆さと誰かを信じたいと言う気持ちと憎意にトリハダでした。


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2025年11月19日

Posted by ブクログ

貧困と児童虐待がテーマとなる重めの物語。
母親と子供、交互に視点が変わり、虐待する母親の考え、それでも母親を信じる子供の気持ち、どちらも描いている。重い物語に心がザワツキ辛い。
あの子の殺人計画は成就するのかしないのか、読んでその目で確かめて下さい。

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2025年03月08日

Posted by ブクログ

物語に引き込まれる感じで読みやすくドキドキしながら読んだ。切ない…苦しさがずっとありました。最後の方が「え?」って感じで糸がもつれたようにになりましたねー。

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2025年01月20日

Posted by ブクログ

起承転までは良かったのに、結がいきなりの変化球の上にややこしくてトーンダウン。ややこしくてちょっと興醒め。
これは2回読まないと消化できない系。

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

2人の視点で2つの話が進んでいく、
意地悪な言い方をするとよくある構成なんだなと
油断していたら、
後半1/3くらいのところで急にえっそっち?と
思わせる仕掛けがあり思わず読破してしまった。

そしてなんとも言えないやりきれなさが残る(いい意味で)。
天祢涼さんが本作シリーズで
社会に問いかける相対的貧困と虐待問題は
悲しくやるせない連鎖を生み出し、断ち切れない。

それにしても私がこの問題に触れても、なんて他人事、なんて綺麗事、、、。悲しくなる。


このお話は
虐待を受けている小学生の女の子の視点と、
ある事件を追う刑事の視点で描かれている。
小学生の女の子の方の視点は、
考え方は子供らしくあどけないのに、
それを全部言語化してしまえてる点に
(視点人物なのだから当たり前ではあるが)
なんだか読者の存在を意識しすぎてるように感じてしまい、少し違和感があった

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2024年04月06日

Posted by ブクログ

きさらと真壁の視点がメインで物語が進んでおり、読みやすくスラスラと進めていたら、まさかの展開。え?なになに?そうだったの!…と、途中頭の中の整理が必要になった。依存、支配、裏切りといった人間の弱さがつめこまれており、苦しくなりながらも共感している自分もいた。

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2023年12月01日

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