あらすじ
「あたしって虐待されてるの?」
アリバイトリックに新境地!あなたは絶対に見破れない。
椎名きさらは小学五年生。母子家庭で窮乏している上に
親から〈水責めの刑〉で厳しく躾けられていた。
ある時、保健室の遊馬先生や転校生の翔太らに指摘され、
自分が虐待されているのではないかと気づき始める……。
一方、JR川崎駅近くの路上で、大手風俗店のオーナー・遠山が
刺し殺された。県警本部捜査一課の真壁は所轄の捜査員・宝生と組んで
聞き込みに当たり、かつて遠山の店で働いていた椎名綺羅に疑念を抱く。だが事件当夜、彼女は娘のきさらと一緒に自宅にいたという
アリバイがあった。真壁は生活安全課に所属しながら数々の事件を
解決に導いた女性捜査員・仲田蛍の力を借りて、椎名母娘の実像に迫る。
前作『希望が死んだ夜に』の「こどもの貧困」に続き、
「こどもの虐待」をテーマに〈仲田・真壁コンビ〉の活躍を描く
社会派と本格が融合した傑作ミステリー。
芦沢央 推薦!
「構造的であるからこそ、そこにおさまらないものが浮かび上がる
衝撃の先にあるものを描こうとしている小説だと思った」
※この電子書籍は2020年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
何を読むか悩んだが、天音さんの「仲田シリーズ」を読んでいなかったなと思い、これに決めた。
300ページくらいの長編で、読みやすそうなので新年一発目はサクッと読もう!と思い、選書。
確かに一瞬で読み終わったが、新年早々とんでもなくものを読んでしまった笑
テーマは「虐待」
母の虐待から逃れるため、”きさら”という児童が殺人計画を企てます。
•酷いことをされているのは頭ではわかっているのに、母の事を嫌いたくない感情が邪魔して、自分のための躾だと思い込み耐え忍ぶきさらがとにかく可哀想。
•題材からして軽い話ではないのは分かっていましたが、描写と事件の真実が重量級過ぎて!それにしても300ページとは思えないほどくらいました笑
•子に対する虐待は決して他人事ではなく、たとえ生活が安定していたり豊かであっても、追い込まれた精神状態になると誰だって犯してしまう可能性があるんだなと、ヒヤッとさせられます。
幼少期に、弱き親により劣悪な生活を強いられた子は、のちに「ひどい大人」となる確率は自ずと上がってしまうという、負のスパイラルが現実にも存在するんだぞと、物語をとおして天音さんからのメッセージを感じました。
•どんでん返しが来ると思って読んでいなかったので、母も娘も「きさら」であることや、「きさらパート」が全てかつて母きさらの幼少期の過去パートであったこと、刑事の宝生がかつての”翔太”だとわかった時は、本当にびっくりしてページを捲る手が一度止まりました笑
Posted by ブクログ
辛〜〜い!!!!!!!
きさらちゃんと翔太の関係性がとても好きだった故に、苦しいものがあります。どうして虐待の連鎖は途切れないのか、どうして虐待を受けた子供が大人になってからも苦しまなくてはならないのか。
かつてお笑い芸人のぐんぴぃさんが「暴力を受けて育った子供は選択肢の中に殴るが出てしまう」と仰っていたと思うのですが、それを思い出し本作を読みながらずっと頭にぐんぴぃさんの言葉と顔がチラチラしていました。
きさらちゃんがラストに叫んだ言葉はきっと、あの頃のきさらちゃんがずっと今も心の中にいて苦しんでいる証なんだろうなと思うとやり切れません。
やっぱり天祢涼先生大好き、めちゃくちゃ良かったです。
Posted by ブクログ
読み終わりました。重いテーマだったなぁ。
でもこれは現実にも恐らく沢山起こっていることだろうなぁとも思いました。
追い詰められたらどうなるか、自分にだって起こりうる、と考えて色々はっとさせられました。
でも自分がそんな人を助けられるかと考えた時できないだろうな。とも思った。