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Posted by ブクログ
山崎豊子、、人生88年の中でこのレベルの小説を何作品も執筆していることが信じられない。すごい。
山崎豊子小説は、沈まぬ太陽、大地の子に続いて3作目。江口洋介のイメージが強かったけど、主役の財前五郎を演じたのは唐沢寿明だったのね!
白い巨塔では、教授選挙、医事裁判、学術会議選挙、と、普通ならそれ単体でテーマになるであろう大きな出来事が息つく暇なく次々と展開されるため、読む手が止まらない。その長編の中で、初期に描いた登場人物の行動を、動機や伏線としてその後展開されていく仕掛けのおかげで、キャラクターの価値観や背景をすんなり理解しながら読み進めることができる。
面白いなと思ったのは、主人公が「イヤなやつ」側であること!主人公を善とした勧善懲悪物語が主流な中で、主人公を懲悪したい気持ちになる小説は貴重では。ただ、主人公も完全なる悪ではなく、「白い巨塔」がそうせしめているというのがポイントよね〜。
ラストシーンは悪として描かれてきた主人公を取り巻く「医療」に関わる人々の根源的な欲求に触れて、涙なしには読めない。終わった瞬間、心の中でスタンディングオーベーションの小説でした。
Posted by ブクログ
白い巨塔の最終巻です。
沈まぬ太陽に続き、2作目にこちらを読みました。
山崎豊子作品の人生の複雑に絡み合った思惑を堪能できました。
読者にも寄り添った結末なんだろうなと、沈まぬ太陽よりは後味が良かったです。
前巻では、財前側の弁護士が証人の夫を賄賂で丸め込もうとしたところで、証人になることを躊躇していた元看護婦長が出廷する流れになり話後終わった。
今回も財前は選挙と裁判を掛け持ちして戦うことになるが、度重なる心労に、柳原医師に責任を押し付ける発言をしてしまうことで、新たな証拠を引き出すことになる。
裁判は異議と正当な理由があれば、最高で3回まで行えることを知った上でどのような結末になるのか気になって読み進めてしまいました。
財前が昏睡してしまう場面では、昏睡した財前の口から出た言葉が、どのような意味だったのか、昏睡する前の財前が、腕を認めていた里見に頼ったことや、どうすることもできないから本人には伝えなかったことなど、佐々木氏の心労を経験する。
そんな中、財前から大河内に宛てた手紙に色々な思いがあっただろう中に医学の為に財前が選んだ選択を是非読んで確かめてほしいです。
この本が書かれたのが、一度3巻までで完結していて、読者や世論が4,5巻を執筆するきっかけとなったと知って驚きました。その驚きも含め、山崎豊子の作品を楽しめました。
Posted by ブクログ
完読!!傑作ですよ!
この作品が描かれたのは昭和中期。癌という病が一般的にまだ不治の病として恐れられており、医学もまだ未発達で現代のような緩和治療がない時代。大学病院の在り方として研究の学会発表とあらゆる症例のレポートがメインとなり、少なからずとも患者の扱いが現代とは異なり、悪い言い方をすれば研究材料だったのだろう。本書裁判における国が捉える『医師』の定義付けとしては『人の命を扱う重要な立場故に可能な限りの手段を用い治療努力をすべき』といった医療現場への警笛。そして、日進月歩である医療現場への尊重がある中での医師の立場と責任感の追求。医師である前に一人の人間であることを忘れるなかれ、といった現代医療にも近しい考えがこの頃はまだ不定着だったのだろう。人は皆考え方が違うし仕事への向き合い方も違う。求めているものも同じではない。財前と里見、正反対の二人が共通して持っていたものはお互いの仕事に対する信頼だけである。何だか寂しい気もするが、全てにおいて分かり合えることなんて絶対にないもんね。もっと上手くやれれば良かったのにね。地位や名誉に溺れないような人でありたいですね。
Posted by ブクログ
読んだ本 白い巨塔5 山崎豊子 20250518
後書き読んだら、やっぱり4巻以降は続編だった。しかも、財前勝訴への批判の声から続けたとのこと。やっぱりな。正直、裁判の行方としては、色々あったとしてもあんな難しい手術をして誤診って言われたら堪んないだろうって思ってしまう。そこだけで言うと、3巻で終わってた方がリアルだった気がします。
と言いつつ、夢中で読んじゃいましたね。今日だけで300ページ。財前の破滅を描いて溜飲を下げるってだけじゃこうはならないんだと思う。そもそも財前の独善も医者としてのプライド、人の命を救うってところから始まってて、それも難しければ難しいほど悦に入るってのは、悪じゃないんだよね。
そして、権力におぼれた人たちも、その根源に医師としての生命へのリスペクトが描かれてて、決して善人になったわけではないけど、底流にあるものにほっとしました。
次は「華麗なる一族」だな!
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