【感想・ネタバレ】車輪の下のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年04月07日

悲しく苦しい少年の心理描写が繊細に緻密に書かれていて、心が痛みました。
愛溢れる子ども時代を送ることの大切さを実感しました。

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Posted by ブクログ 2024年02月22日

ハンスの透き通ったうつくしさがこころに残る。入学試験では二番で入れるほど余裕があるのにすごく緊張しているところが自分と重なりすぎて胸がぎゅっとなった。神学校での学問、文化や芸術なども初めて知る部分が多くとても楽しかった。ハイルナーとの鮮やかな友情にときめきました。

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Posted by ブクログ 2024年02月07日

【概要書き殴り】
聡明で幼気な少年を、豊かな自然の生活から引き離し、功名心に駆り立てることで神学校に送り込んだ大人達。規則まみれで高慢な神学校の教師達。
道半ばで心を病み郷里に帰った少年と親しく交渉する者もない。
年上の娘の気まぐれに恋心を翻弄され、御し難い青年への過渡期に苦しむ。
誰よりも優秀だっ...続きを読むた少年は、結局は同級生達の誰よりも遅く見習い工になった。
務め人の快い苦労と仲間との交流、酒やタバコの大人の街遊びにも参加した挙句、酔いだけが原因か、川に流され物言わぬ体に成り果てる。

【感想書き殴り】
ヘッセの自伝的小説であり、周囲の大人達へのルサンチマンや少年の傷つきやすい心の機微を描き出した物語は、あえてこの本を大人になって読むような若者である自分には共感を与えた。
いっそのこと自分も川に落ちたい気持ちすら湧く。
しかしヘッセは物語の主人公とは違い、自らに使うピストルを2度も買うような危機まで経験するも、持ち直して大人になっていく。(訳者解説より)
ヘッセにとっての詩作、小説書きのように、自分にとっての人生の取り組みは何であろうか。日々をブルシットな仕事に費やし、酒とタバコに気を紛らわせる人生だが、気が向いた時に本を読み自分と向き合う作業はせめて続けていきたい。
教育の車輪に強く轢かれはしたが、通り過ぎた車は振り返ることはない。傷と知識とを残された自分は足で進むしかない。

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Posted by ブクログ 2023年09月29日

この本は学生の頃に一旦手に取ったものの挫折した本です。 
読んで名作だなぁと感じました。
一人の青年が優秀で難関の神学校にも合格し将来有望だったのが、あるきっかけで崩れてしまった。
多感な青年期がうまく描かれている。ハンス青年に共感できる面も多々ありました。青年が自然を愛し、博愛主義の優しい心の持ち...続きを読む主であるので最後が悲しく感じる。こうゆう結末にならないと周りは反省しないのかも。



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Posted by ブクログ 2023年09月24日

大好きな本の一つ まず風景描写がとても良い 主人公ハンスの苦しんでいる姿が昔の自分を見ているような気持ちになる 学生時代に読んだ時と、受験を終えてから読むのはかなり感じ方が違うなあと思った 上手く言語化できないけど、懐かしい気持ちになる本

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Posted by ブクログ 2023年04月09日

ハンスのような勤勉な努力家がアカデミックになろうとするとハイルナーのような天才との差に落胆してしまうことはあるだろう。一見ハンスの方が社会で上手くやっていけそうに思えるが実際ハイルナーが成功する。かといってアカデミーの世界から離れるのは困難で、結局、元からアカデミーとは無縁の人々と同じように生きてい...続きを読むくことも難しい(できるのかもしれないが)。ハンスにとって死は救いであるように感じた。

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Posted by ブクログ 2023年03月23日

辛かった。主人公のハンスが最後死んでしまうような話だったとは。特に最後ハンスの死に顔が「ほとんど朗らかにさえ見えた」p259 とあってより悲しくなった。
ヘッセのほぼ自伝小説ということだが、小説と現実の大きな違いは母親の存在の有無ということにひかれた。ハンスは心の救いがなかったために自滅という最期を...続きを読むとげるがヘッセは母親のおかげで立ち直れた。
受験後に読んだから受験勉強の辛さはよくわかったが、ハンスは私よりもっと勉強して常に頭痛がするようになり、休暇期間も勉強し続けていたため、その苦しさは計り知れなかっただろうと思った。規則ばかりで芸術や自由を無視する風潮は良くないのだろう

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Posted by ブクログ 2024年03月25日

自分も大学受験で思い詰めてハンスと同じような心情になり、神学校をやめさせられた後に希死念慮を抱く様子には過去の失敗した自分を重ねました
あまりにも描写が以前の自分の状況に酷似していて読んでいてこの部分は辛かったです
ですがかえって今も生きている私について考えさせられました
毎日の幸せを噛み締めて生き...続きを読むようと思います
星4つにしたのは先述した部分が理解できる人にはしんどすぎるからです

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Posted by ブクログ 2024年02月28日

「教育」とは。
もちろん時代背景も国民性も異なるので一概に言えるものではないが、その本質は変わらないはず。

多感な少年期に、抑圧の中で己の個性の芽を摘まれる事が彼らの人生に与える影響は、大人の想像を遥かに超える。

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Posted by ブクログ 2024年02月25日


「車輪」は何か?
受験教育の重積、子供を子供として抑圧する偏見。
怪物に似たもの。

優秀な学徒でもあり、神秘に憧れる詩人でもあったヘッセの二面性。

子ども心の繊細さ。
大人にはわからない、恐るべき子どもたち。

詩であり絵画。

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Posted by ブクログ 2024年01月16日

少年時代特有の非常に敏感な感性と、その繊細さゆえに感じ取ることができる特別な美しさや、時には残酷さ。
そういったものがふんだんに描かれていて、読みながら不思議と懐かしさのような感情を想起させられた。
がらんとした秋の静かな昼下がりのような、少しの哀愁と心地の良い気持ちをもらたしてくれる素敵な作品でし...続きを読むた。

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Posted by ブクログ 2024年01月03日

解説によると、ドイツでは8位だが日本では1番読まれているヘッセ作品らしい。親の「手ぬかり」が招く惨事、教育システムを車輪に見立てたヘッセの警句。衝撃のラスト。

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Posted by ブクログ 2023年11月25日

あまりにも学校生活ががんじがらめで窮屈そうな息子を見ていて、少しでも彼を理解したいと思い、読んでみました。
率直に言うと、すんなり読める本ではなかったです。
感情を読み解くだけで理解できるものではなかった。
読んでる途中も、読み終わった後も、「うーーむ。これはどうやって読んでいけばいいのかわからない...続きを読む」というのが感想でした。(途中で挫折しそうになった)

しかし、巻末の解説を読み、一晩考えたら理解できました。
読む順番として正しいのかわからないけど、「解説→車輪の下」の順に読むと背景描写が理解できて、この小説の面白さがわかると思います。(ヘッセの人生をある程度理解している人はいきなり作品を読んでもいいと思う)
車輪の下はヘッセの幼少期を自伝的な小説に仕立て上げたという事で、ヘッセの幼少期を知っているか、が肝になります。
作中にはハンス(主人公)とハイルナー(神学校で出会う友達)が登場するのですが、この二人を合わせたものが幼少期のヘッセとなります。
(これが分からないと、本当につまらない小説なのです)
ハンスは勉学に励む人格、ハイルナーは詩をこよなく愛する人格であると。
これを解説で知って、実はこの小説はすごいのでは?と思いなおしました。(名作というだけある)
分身を別の人間で表現するってすごくないですか?
ハンスとハイルナーは別々の道を歩んでいきますが、それぞれの人生はヘッセの人生でもあるのです。
これ、表現の発明だと思うのですが、私だけでしょうか??

個人的には「車輪の下」よりもヘッセ自身の人生の方がぶっ飛んでて面白いと思いました。現実は小説より奇なり、とはこういうことを言うのでしょう。

ヘッセの他の作品も読んでみたくなりました。

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Posted by ブクログ 2023年09月30日

20世紀初頭に書かれた筆者の自伝的作品。神童と呼ばれ、進められるがままに勉学に明け暮れたハンス少年、その後の神学校での出会いと別れ、地元に戻ってからの性の目覚めと労働の喜び。自らの人格形成を客観的に見つめ物語に昇華させる才能に畏怖の念すら覚える凄まじい作品だった。第二章、ハンスが釣りに行くシーンの描...続きを読む写がとてもいい。川の水の音や、光の音、魚の引きを感じられるようだった。ここまで詳細に釣りを描くなんて、ヘッセの他にはヘミングウェイしか知らない。その後神学校に入り詩人オットー・ハルトナーと出会う。彼の存在は大きい。才能があり枠にはまらない彼との友情と別れが自分を見つめ直すきっかけになるが、その結果半ば廃人のようになり退学を余儀なくされる。地元に帰り機械工に就職したハンスは労働により人間性を取り戻す。最後は切ないが、作者とハンスの決別という印象を受けた。

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Posted by ブクログ 2023年07月22日

繊細で切ない小説だった。
場面、心理描写が美しく物語の世界に引き込まれた。

自分が正しいと信じ追い求めていたモノが実はそこまで大切なものではなく全てが虚偽だったのではないかとこれまでのことを疑うハンスに胸が痛んだ。

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Posted by ブクログ 2023年07月03日

ハンスの儚い人生が悲しく美しい。
学業で自信や優越感をもちそれを武器に生きていくのかと思いきや、人間らしい感情によって居場所を失い、友人もいなくなり、誰にも理解されず苦しむ。もうがんばらなくていいけど、故郷で生きるためには再びがんばらなければならない。
2年間の遅れがありながらも機械工の見習いとなり...続きを読む、頑張るが緊張の糸が解かれたのか、願っていた死へと向かう。あの湖で死んだ同級生もこのような感情だったのだろうか。
恋、友情、若さゆえの苦しさを思い出す。

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Posted by ブクログ 2023年05月14日

成績(数字)や周囲の期待にとらわれて、自分を見失うところはわかる
何が幸せなのだろうか。。
風景描写が素敵

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Posted by ブクログ 2023年05月05日

人生は「こんなはずじゃなかった」の繰り返しであり、読者は読者なりの「こんなはずじゃなかった」を生きている中でこの小説に巡り会って、ヘルマン・ヘッセの「こんなはずじゃなかった」に共感したり、落ち込んだり、打ちのめされたりするのだろう。
しかし、ヘッセは惨めでボロボロでヨロヨロで辛くて辛くて堪らない経験...続きを読むをしても、それでも生きていたからこの小説を書き上げることができたのだ。それこそ最も重要なことなのではないか。

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Posted by ブクログ 2023年05月04日

理想と現実のギャップですな
自分の理想を叶えるために日々を邁進していたのに、皮肉にもその理想は自分が求めていたことと違ったというわけだね
そんなギャップに戸惑い、人に支えられながらやってきたけど、その人もいなくなって、女や遊びを覚え、自分が最終的に何を目指していたかわからなくなってしまう

これは対...続きを読む岸の火事ではない
我々にも往々にして起こりうることだ
ハンスはどうすれば悲劇を回避できたのだろうか
理想を諦めればよかったのだろうか
それがバンズを救うとするならば、諦める、ということの概念を問う物語でもあると感じた

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Posted by ブクログ 2023年03月01日

まずまずの読み応えだった。ヘッセはもともと詩人気質らしいが、それが顕著に出ている。文章が詩的で難読な箇所もあるが、ストーリー自体は純文学と同じような感じがして味わい深かった。また読みたい作品。

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Posted by ブクログ 2023年02月26日

予備知識なく読み始めたので、ハッピーエンドで終わる話なのか、そうでないのか、ハラハラしながら読んだ。

結果的に、周囲の期待に押しつぶされてしまうハンスであるが、自分はそれを救えただろうか?と自問するも、その自信はない。

きっと自分を正当化して、神学校の校長のように振る舞うのではないだろうか。父親...続きを読むもハンスを救えず、実際にヘッセを救ったのが母親だったというのはなんとなく理解できる気がした。

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Posted by ブクログ 2024年04月18日

人生って残酷だね。
どれだけ賢くてもいつ何が起こるかは分からない。
毎日だらけていたって幸せな人生を送る人だっているのに報われないな。

かなり古い作品なだけあって読んでて多少の抵抗はあったということで、評価は3にしておこう。

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Posted by ブクログ 2024年01月22日

多感で傷つきやすい少年、ハンスの短い青春。
ヘッセの自伝的小説らしいが、小説としてより自然の描写にそのすごさを感じた。これは川端康成の雪国にも感じたことで、現代人には内容はピンと来ない部分が多いが、逆に今はない自然豊かな空気により癒しを感じるのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2024年01月17日

一文一文に詩的な表現が含まれるので理解と想像をフル活用させて読むと非常に疲れるが、その分少年を取り巻く環境を感覚的に読み取れる。
最後、こうした形でこの世を去るハンスを救われたと思ってしまうことに何とも言えない虚しさを感じた。

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Posted by ブクログ 2023年12月06日

前半はハンスが神学校に入学するまでの過程や入ってからの先生や仲間たちの交流や勉強が中心で
少し重苦しく気晴れしない内容に感じた。
エンマとの出会いから物語が人間味が出てき出してそこからの機械工見習いや職人との交流が面白かったがクライマックスが予想外で悲しく思ったがハンスにとってはどうだったんだろうと...続きを読むいう
疑問が残りました。
人間、学問も大事だと思うが、子供の頃などの感性が敏感な時期は特に色んな形で自然に触れたり
友情や恋愛を経験するのが大切なんだと感じました。

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Posted by ブクログ 2023年11月23日

 ノーベル文学賞受賞作家ヘルマン・ヘッセの代表作。日本では一番読まれている印象だが、解説に拠ると本国独逸ではヘッセ作品の中では第八位らしい。

 神童ハンス・ギーベンラートが幼少期のスパルタ的教育を経て晴れて入学した神学校での生活とそこでの挫折及びその後。

 ハンスが神学校に入学するまでは何て退屈...続きを読むな小説だろうと思った。叢で飛蝗を捕まえて釣りに興じるシーンなど、何の必要があるのかと首を傾げたものだが、読み進めるにつれて作中で殆ど唯一ハンス少年が心から主体的な生を楽しんでいる場面だったと解る。

 確かにハンスには天稟があった。然しそれゆえに施された教育の数々は必ずしもハンスの望んだものでは無かった。彼は常に頭痛に悩まされながら血の滲むような努力をしていた。それは彼にとって苦役以外の何物でも無かっただろう。

 子供の才能を伸ばすのは、大人たちにとって喜ばしいことかも知れない。だがそれは本来自由である筈の子供を抑圧することに他ならない。『荘子』にある断鶴続鳧とは正にこのことを謂うのであろう。

 ヘッセ自身も同じような少年時代を経験したことから、本作は作者の自伝的小説とも言われる。先の『荘子』ではないが、後に仏教に出会い東洋思想に傾倒したのも頷ける。

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Posted by ブクログ 2023年11月17日

純粋無垢だった少年が大人からの抑圧により精神が不安定になり、崩壊していく物語。始まりは、神学校に入る為の受験勉強。父親、教師、その他大人の重すぎる期待に応え、神学校に入学するも少年の心は報われることなく孤独に苛まれていく。いっときの淡い恋や、幼少期の楽しかった記憶、親しき友人などの力でなんとか精神を...続きを読む維持し日常を送っていたが、そんな不安定な生活は長くは続かなかった。最終的に少年ハンスは意図せず亡くなってしまうが、この物語では死が少年にとっての一番の救済であるような気がして切ない。

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Posted by ブクログ 2023年10月07日

10年前くらいに買って、当時は最後まで読めず。年をとったら読むとすらすら読めました。

あらすじとしては将来有望な若者がまわりの環境に流されてどんどん堕落してしまうお話。

これってよくある話だと思うんです。小さい頃は夢も希望もあって、将来も嘱望されていたけど、気づいたら凡庸な人生で終わってしまう、...続きを読む何者にもなれなかった的な。どちらかというと何かつぶされるよりも、上には上がいる現実を知ってつぶされるパターンのほうが多いですが。

ハンス(主人公)の場合、彼のつぶしたのは家庭と学校(先生)になります。(実は友人のハイルナーかもしれないけど、それはおいといて)なのでメッセージとしては、家庭と学校は本質的にに大事なものかは何かをもうちょっと考えて教育せいってことになるのかなと思いました。

将来を見据えた勉強よりも、なくしちゃいけない大事なことはたくさんあるはずです。

個人的に好きなシーンは学校をやめたハンスが昔好きだことをやったりするけど、昔のように楽しさを感じなくなっているシーンです。自分もこれ、なくなったら本当に終わりかなと思ってます。実際ハンスのような過激な経験をしなくてもわりと起こりうる現象なんですよね。例えば昔好きだった音楽やゲームって昔ほど熱中したり感動しなくなったりしますよね。これって結構危険なことなんだと思いました。いかにして自分としての余白を持って、そこを疑いの余地のないもので埋められるというのは精神活動の上で非常に大切なことなのかなと思いました。

最後はバッドエンドですが、ハッピーエンドよりも共感できるのでとてもいいですね。問いや考えることもより多くなります。

あとは風景描写はもちろん、物語の間にある解説/語り的なところは考察がすごく深くて圧倒的でした。そういう意味でも素晴らしい小説です。

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Posted by ブクログ 2023年04月09日

神学校生活において、ある生徒が亡くなった際に、教師というのはなぜ生前は生徒を罵り、無下に扱うのに、亡くなると尊いもののように扱うのかというような事が書いてあり、深く共感した。

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Posted by ブクログ 2023年10月17日

色々な要素が詰まった青春小説。子供の気持ちを省みることなく勉強させる大人たち、誰にも理解されないと感じることで至る孤独と虚無、一歩外の世界に出て出会う新しいタイプの人間(友達)、勉強ができることによる身の丈以上のプライドとそれとは対照的な力仕事をしてる人たちの自然な振る舞い、小さい頃の友達とのまった...続きを読むく気兼ねすることのない関係、つい逃げ出したくなってしまうような慣れない恋愛、等々、時代は違えど今に通じる青春小説の傑作(まではもう一歩かな)。

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