【感想・ネタバレ】車輪の下のレビュー

あらすじ

ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする……。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説。

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Posted by ブクログ

1章の1行1行が 全く 噛み砕けず自分に入ってこないので、挫折しかけました。
なんと、それをチャッピーに相談したところ
読みすすめるヒントをたくさんくれました。
1章はヘッセがあえて、退屈に見えるような色のない世界を文章化しているみたいです。期待からの
プレッシャー、州試験へのプレッシャー
その重圧があるからこそ、ハンスには
美しい川も山も感じなかったんですね。
そして、難しければ朝読5分でいいと、
1章2章は朝読 集中にしました。
すると、 なんと3章からは
かなり引き込まれ、ハンスのお母さんの気持ちになり読みました。
後悔、やり直しがきかない
結末は、社会や環境に対する 唯一の悲しくも最大の仕返しだったのかな。

詩人であるヘッセだからこそ、
景色を人々の心情も含めた見え方として
描いた文章など
かなり圧巻でした。

難しい本は 脳の筋トレと同じ
とか、 長く語り継がれてきた本には力があり魂が宿るとか

言われていますが、
たまには
こういう本も 自分にとって
大切だなと思いました。

読んだ方、コメントお待ちしてます

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2026年07月15日

Posted by ブクログ

感情のあまりに緻密な描写に驚いた。
自分自身も勤勉で優等生だったので、ハンスの気持ちだったり行動だったりがよく分かった。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 とても心に沁みた作品だった。森の中や川の情景描写がとても綺麗でうっとりとした。私は特にりんごの収穫の時の描写が好きだ。
 ハンスは片親のため母親の愛情を受けることなく、父親を含む誰にも心を開くことが出来ずにいたと思う。そして子供らしい少年時代を過ごすことが出来ずにいた。そんな中、唯一心を開いていた親友との別れによってハンスは精神を病んでしまったのだと思う。そんなハンスも恋をすることで青年へと成長していく。しかし環境が変化しても自己矛盾や苦しさを持ち続けた結果、最後を迎えてしまったのだと考えた。
 現代においてもこのような子供はいるのではないだろうか。受験戦争で子供の時から子供らしい生活を送ることが出来ず、精神を病んでしまうような子供達だ。そして一度の失敗で周りの視線が怖くなってしまったり、周りに馴染めなくなってしまう子供も多いのではと思った。
 そんな現代だからこそ、この作品は不安を感じる若者に刺さる作品だと思う。

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2026年02月27日

Posted by ブクログ

中学生ぶり?の再読。
教育に押し潰され、哀しい運命を辿る少年の話。
ハンスを救える大人はいなかったのか… 大人たちの言動が子どもにプレッシャーを与え追い詰めてしまうこともある。教育に携わる身となった今、この本とまた出会えてよかった。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

とても面白かった。
ヘッセには他の作品には見られないギラギラとした魅力がある。
大人たちが期待などの善意(残酷な名誉心)によって主人公が苦悩に陥ってゆく?描写が印象に残った。
また読みたい

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

「読書は役にたたなかった。」

かつて偏差値70を超えてた私、
本作の主人公と自分を勝手に重ね合わせるという愚行に走った末、見事に撃沈、感傷の海の藻屑と化す(…)
太宰の「大人とは、裏切られた青年の姿である」という格言が思い起こされる

殺傷能力が高すぎる傑作

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

内容自体は重たい。成功した著者の自叙伝らしいから、色んな深い意味がある。自分自身を全く性格の違う2人に分けていたり、人生こうなっていたかも、という思いもあったのだろう。悩む気持ち、解放された安心、改めての絶望感、少年から青年になるころの危うい心の動き、立ちはだかる世間、期待、許せないプライド、周りへに嫉妬、大人になってからでも思い出させられた。文章がうまい。古い訳だろうけど、分かるわーとなっている。もう読まないかもしれないけど。人間の性格、本性を描ききったと思う。少年の心は危ういね。

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

季節の移り変わりがりんごの状態でわかるのが可愛い。あの子と出会ったのは収穫の時期、ほろ苦く思い出すのはりんご酒ができたばかりの時期。

登場人物の名前すぐ忘れちゃうけど、キャラクターの色がうまいこと書き分けられていて名前わからない状態でも誰が誰かなんとなくわかって感動した。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

## ひとことまとめ

模範少年ハンスの苦しみと、美しい自然

## 感想

周りの大人の期待に翻弄されて、頑張りすぎて壊れてしまうハンス。
大人もハンスも含めて、こういう人は今も、むしろ今の方が増えているかもな、と思う。
競争はますます激しくなり、人は疲弊し、しかし世の中では争いは絶えない。
誰かに勝つこと、しかもそれが自分でなく自分の子どもを勝たせて悦に入ることが、どれだけの人を幸せにするのか。
少なからず、自分の子は幸せではないのではないか。
人には、その時々にしかできないことがある。
それをしっかり楽しみ味わうことを怠ると、後からは取り返せないことが多い。
自分の子どもには過度な期待を背負わせずに、のびのびと、自分の頭で考え、体で経験し、生きていってほしいと思う。

## 引用と感想

### プライドを守りたいこども

> ハンスが先生たちの誇りとなり、自分でもいくらか思い上がってきてから、フライク親方は彼をしばしばおかしそうにながめ、へこましてやろうと努めた。しかし、そのため少年の心は、せっかく好意をもって導いてやろうとする人から遠のいてしまった。それはハンスが少年らしいいじっぱりの盛んな年ごろで、自信を傷つけられることに対して敏感だったからである。いまも彼はおじさんの話を聞きながら歩いていたが、このおとなが自分をどんな心づかいと親切心とをもって見おろしていてくれるかを知らずにいた。(p14)

感想
多感な時期は、大人から正論を言われたりしても反発してしまうもの。
私自身、今思えば恥ずかしいくらい大人を恨んで憎んでいた。
大人になったいま、そんな風にして子どもに対して親切心のつもりで接することがあるが、受け取る子どもの側の気持ちを考えなければいけない。

### 額の小さなしわ

> あおざめた少年の顔はやせた肩の上に倒れ、細い両腕はぐったりとのばされた。彼は着物を着たまま寝入ってしまった。母親のようにやさしいまどろみの手が、たかぶった少年の心臓の微しい鼓動を静め、美しい額の小さいしわを消した。(p19)

感想
試験前の重圧からか、遊ぶ時間を削って勉学に明け暮れたこども時代を思い出したり、昔飼っていたウサギの小屋を壊したり、父に対してそっけない態度を取るハンス。
ハンスのように厳しい受験競争で戦うこどもたちは今もたくさんいるのだろう。
本当なら楽しく友だちと遊んでいたはずの時間を一人部屋で勉強に費やし、それでも望む結果が出るとは限らない。
受験前夜、そんなハンスが眠るときの「美しい小さな額のしわを消した」という、厳しい重圧からの苦しみを表すしわが消えることで眠りの世界に落ちていく描写が美しい。

### 失った美しい時を二倍にして取り戻す

> どんなに長いあいだこうしたいろいろのものを、彼は見ずにすごしたことだろう。彼はおおきく呼吸をした。失った美しい時をいま、二倍にして取り返し、なんの屈託も不安もなく、もう一度小さい少年に返ろうとするかのように。(p41)

感想
試験に受かり、束の間の休暇を楽しむハンス。
情景描写が素晴らしくて目に浮かぶ。
どれだけ試験勉強が辛かったのかと想像する。

### 教育について

> 自然に造られたままの人間は、計ることのできない、見通しのきかない、不穏なあるものである。それは、未知の山から流れ落ちて来る流であり、道も秩序もない原始林である。原始林が切り透かされ、整理され、力でもって制御されねばならないように、学校も生れたままの人間を打ち砕き打ち負かし、力でもって制御しなければならない。学校の使命は、お上によって是とされた原則に従って、自然のままの人間を、社会の有用な一員とし、やがて兵営の周到な訓練によってりっぱに最後の仕上げをされるはずのいろいろな性質を呼びさますことである。(p59)

感想
教育について熱く語られる。
「自然のままの人間を、社会の有用な一員とする」
今は多様性や個性を重んじると主張する学校が多いが、そうは言っても画一的な授業がいまだに行われているし、試験によって点数をつけて差を明確にしている。
結局は、社会に役立つ人間を育てることを是とする教育だ。

### 精神的な制服

> 人間というものはなんとまちまちなものであろう。また人間のおいたった環境や境遇もどんなにまちまちなことであろう。それを政府は生徒たちについて、一種の精神的な制服、あるいははっぴによって合法的に根本的に等しくしてしまう。(p70)

感想
人間はそれぞれ違うのに、教育などの仕組みによって画一的にされてしまうことを「精神的な制服」と言っている。
怖いけど、言い回しが面白い。

### 天才は浮いてしまう

> しかもいつもながら、ほかならぬ学校の先生に憎まれたもの、たびたび罰せられたもの、脱走したもの、追い出されたものが、のちにわれわれの国民の宝を富ますものとなるのである。しかし、内心の反抗のうちにみずからをすりへらして、破滅するものも少なくないーその数がどのくらいあるか、だれが知ろう?(p119)

感想
教育は生徒に対して画一的に知識を詰め込むやり方が多いが、一握りの天才は、そんな環境の中で浮いてしまう。
しかし、そんな世間から浮いてしまう天才が、世間を変えるような発明をするのもまた事実。
天才たちを殺さないように守ることは難しい。

### 友だちだから

> 「だって彼はぼくの友だちなんですから。簡単に見捨てることはできません」(p123)

感想
校長から「ハイルナーは天才だが悪影響を及ぼすから付き合うな」と言われたハンスの返しの言葉。
一度失った友人関係だからこそ、決意を感じる。
こういうのって、今も昔もドラマや映画で見るよなあと思った。
大人から見れば不合理なことも、こどもの世界では必死で切実な現実だ。

### 強いことを示したい

> とどのつまり、どこに行くかは問題でなかった。少なくとも今夜は憎らしい修道院を飛び出し、自分の意志は命令や禁止より強いことを校長に示してやったのだ。(p140)

感想
規則に縛られないことを示すために修道院を飛び出して野宿するハイルナー。
似たようなことを学生時代の友人がやったことがあり、共感した。

### もろい美しい少年の心を踏みにじる、大人の名誉心

> たぶん例の思いやりのある助教師を除いては、細い少年の顔に浮ぶとほうにくれた微笑の裏に、滅びゆく魂が悩みおぼれようとしておびえながら絶望的に周囲を見まわしているのを見る者はなかった。学校と父親や二、三の教師の残酷な名誉心とが、傷つきやすい子どものあどけなく彼らの前にひろげられた魂を、なんのいたわりもなく踏みにじることによって、このもろい美しい少年をここまで連れて来てしまったことを、だれも考えなかった。なぜ彼は最も感じやすい危険な少年時代に毎日夜中まで勉強しなければならなかったのか。なぜ彼から飼いウサギを取り上げてしまったのか。なぜラテン語学校で故意に彼を友だちから遠ざけてしまったのか。なぜ魚釣りをしたり、ぶらぶら遊んだりするのをとめたのか。なぜ心身をすりへらすようなくだらない名誉心の空虚な低級な理想をつぎこんだのか。なぜ試験のあとでさえも、当然休むべき休暇を彼に与えなかったのか。(p144)

感想
この本を通底する「教育」についての、何となく核となる部分と思える文章。
大人の名誉心を満たすために犠牲になる子どもがいる。
子どもには、そのときにしかできないことがある。

### 死に場所を定めたら

> いろいろな準備と大丈夫だという気持ちとは、彼の心によい影響を及ぼした。宿命の枝の下に腰をおろしていると、例の圧迫が去って、ほとんど喜ばしい快感に見舞われる時間をすごすことができた。父親も容態のよくなったのに気づいた。自分の最後がまもなく確実にやって来るということが原因になっている気分を、父親が喜んでいるのを、ハンスは皮肉な満足をもってながめた。(p152)

感想
森の中に死に場所を見つけるハンス。
するとハンスは「終わり」が決まったことで、少しずつ元気を取り戻していく。
人間が不安になるのは、「先行きの不透明さ」なのかもしれないなとここを読んで思う。

### 一本の木

> 一本の木は頭を摘まれると、根の近くに好んで新しい芽を出すものである。それと同様に、青春のころに病みそこなわれた魂は、その当初と夢多い幼い日の春らしい時代に帰ることがよくある。そこに新しい希望を発見し、断ち切られた生命の糸を新たにつなぐことができるかのように。根元にはえた芽は水分豊かに急速に成長はするけれど、それは外見にすぎず、それがふたたび木になることはない。(p156)

感想
勉強や競争を強いられた幼年時代を取り戻すような行動を取るハンス。
大人が無理に子ども時代に抑圧を加えて何かを強いたとしても、いつか別の形でそのとき抑えられたものが芽を出すことがあるということをヘッセは言いたいのかと思う。
しかし「それは再び木になることはない」とも言う。
子ども時代にできることは、その時に楽しんでおかないといけない。

### 世界の見え方が変わる

> なにもかも不思議に変って美しく心をはずませるようになった。絞りかすで太ったスズメがそうぞうしく空をかすめて飛んだ。空がこんなに高く美しくほれぼれと青かったことはまだなかった。川と水面がこんなに青く青緑色でたのしそうにしていたことはなかった。せきがこんなにまぶしいほど白くあわだっていたことはなかった。なにもかもが、新しく描かれたきれいな絵が透きとおる新しいガラスのうしろに立っているように見えた。なにもかもが大きな祝祭の始まりを待っているように見えた。(p177)

感想
エンマという女性と接して恋をして、世界の見え方がガラッと変わるハンス。
少し前まで死を覚悟していたのに、少しのきっかけで世界の見え方が大きく変わる。
人が世界をどう捉えるかは考え方次第だと思う。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

有名な小説で10代の頃からタイトルは知っていましたが、40代で初めて読んでみると予想外の内容にびっくりしました。子供から遊びやゆとりを強制的勉強により奪うことへの警鐘。時を経た現代においてもいまだ通じるものがあります。ドイツのシュバルツバルトに行ってみたい。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終わったあとに、考えれば考えるほどじわじわと面白味が増す作品。教員は、優秀なものを生み出した「自分」に酔いしれるような生き物である、ぜひこの世にいる全教員の見解を聞いてみたい。
ハイルナー、教員の皮肉的存在な地位で、ずっと己を貫き通すような人間だったから、特に学校を出たあとも周囲の目なんてそこまで気にせず生きていったんだろうと思う。満足に好きなことを、詩を書いて。一方反対の地位にいるハンスは車輪の下で押し潰されるような違和感を抱えながらも従い続けて、競争に勝つために学習にばかり目を向けて、自分の好きな釣りや幼少期楽しかったこと、ふと思い出すももうほとんどそんなものは殺してし何が楽しくて何が目的で生きている、鬱状態?ハイルナーがそこにいてくれればハンスの最期は違ったんだろうなと思う。一緒にいてくれたら、一緒に車輪を押しのけて大きな声で叫び窮屈な地獄からは逃亡することができたんだろう。ハンスには必要だったハイルナーが、1人でできてしまったことなんだけども。誰か1人でも真の理解者に出会えていたらよかったな。真面目に頑張ったって何も報われないね。
あとはとにかく文章の美しさがそこらじゅうに散らばっていた。育った場所、見てきたものでこうも美しい言葉が紡げるのか。

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

麒麟児が普遍的な思春期を際立たせて、その正確さから自身の思春期を掘り起こされた。物語の儚さも美しかった。

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2025年03月26日

Posted by ブクログ

ハンスの透き通ったうつくしさがこころに残る。入学試験では二番で入れるほど余裕があるのにすごく緊張しているところが自分と重なりすぎて胸がぎゅっとなった。神学校での学問、文化や芸術なども初めて知る部分が多くとても楽しかった。ハイルナーとの鮮やかな友情にときめきました。

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2026年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公が勉強に押しつぶされて田舎に帰ってきたとき、美しい自然の描写があって、それは世間の評価とは関係なく存在しているという部分がとても心に残った。

今の社会にある苦悩とかなり似ていて意外だった。

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2026年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「トーマの心臓」からの流れで読んでみた。

前半は読むのが結構苦しかった。
町からたった一人神学校を受験するということで、その合否はもちろん、一挙手一投足が周りの人に監視されてるような状況が辛すぎる。

神学校時代もハイルナーぐらいしか親しい友達ができなくて、勉強に押し潰されるような毎日は苦しそうだった。
ただ、もっと生徒間での足の引っ張り合いみたいのがあると思っていたらそういうのはほとんどなかったので、それはよかった。

自分はどちらかと言うと高学歴に入る部類だけど、もちろん町一番の天才でもなかったし、親をはじめとする大人たちからそんなに重いプレッシャーを受けたとは感じていないので、それが本当に幸福なことだと思った。

つい最近子どもの教育について実生活で話題に上がったのでいろいろと考えさせられることがあった。
大人として一回は本作を読んでおくべきですねぇ。

個人的には神学校を脱出してから、第6章からが面白かったかな。
学校から解放されてからの方が、自然とか周りのものの美しさを思う存分噛み締めているように感じた。
特にりんごを絞る場面は臨場感があって、すぐにでもりんごジュースを飲みたいと思わせる魔力があった。
読んだ日にすぐ買った。もちろん果汁100%。

恋模様もよかった。
挫折して、当初の計画通りの人生じゃなくなってもいいじゃん、これも幸せじゃないか、と思い始めた矢先に、そんな…!!
結末は知らなかったのでびっくりしてしまった。

でもなんか不思議と後味悪い感じではなかったな。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

青少年の危うさ。地元の田園風景や学校の周りの自然描写はみずみずしくて、牧歌的で、読んでいてヨーロッパの田舎に憧れる気持ちになった。
けど中身はなかなか沈鬱な感じ。自叙伝っぽい要素も多いとのことで、ヘッセさんかなり根に持ってらっしゃるんだろうなと想いを馳せながら読んだ。

地元の時点で、そもそも事件後の休暇中は魚釣りやりたいって本人が言ってるのに、休暇を勉強に費やさせるなよ...。牧師さんや校長のようなタイプの人たちは、それが本当に本人のためだと盲信してるからタチが悪い。
進学後については、これまでの無理や我慢がたたったのもあるだろうし、自身の能力の限界にぶちあたったのもあるだろうし、これまでの禁欲的な努力によって築き上げてきた価値観に対して、ハイルナーの叙情的な世界の一端に触れたことで根底からひっくり返されたこともあるのだろう。

いずれ、自分の子供に対しては、能力を伸ばしてやりたい気持ちは持ちつつも、本人のピュアなこころに無理強いをさせないようにしたいと思う。けど本人の気持ちは本人にしかわからない。対話していこう。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

友達の教え子(高校生)からの推薦図書です

なるほど、高校生に刺さりそうな内容ではあったけれど、
自分が高校生の頃はヘッセなんてちっとも知らなかったな…と反省

大人と子供のあわいに生じるもやもやした気持ちを
すごく丁寧に描写されていて、これは学生時代に読みたかったな、と感じました

「学校の教師は自分の組に、ひとりの天才を持つより、住人の折り紙つきのとんまを持ちたがるものである」なんて斜に構えた高校生時代の自分なら大歓喜するような一文でしょう笑

また、自然の描写も素晴らしく、ヨーロッパの田舎の生活なんて一ミリも知らないのに、どこか懐かしく、匂いまで感じるような文章がよかったです
リンゴジュース絞りの場面は、ページの向こうからりんごのさわやかなにおいが立ち上ってくるかのようでした

ヘッセ自身も自殺願望があったことを別の本で知っており、今回この作品を読んで、主人公ハンスにはそうしたヘッセの人生の多くが投影されているのだろうな、とも感じました。鬱屈した気持ち、憂鬱な気持ちの描写がうますぎます笑

大人になってから読むのもいいけれど、学生にこそ読んでほしいと思います!(明るい気持ちには全くならないけれど)

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2026年04月28日

Posted by ブクログ

再読/ヘルマンヘッセは1946年ノーベル文学賞受賞。20世紀前半のドイツ文学を代表する作家である。1962年85歳没。1906年『車輪の下』は日本で最も有名なヘッセ作品であり、周囲の期待を一身に背負った少年の希望と挫折を描いた小説である。このお話しのラストが予想の斜め上をいく、突然の幕引きに驚いた。

受験戦争で精神的に疲弊した若者たちが世にあふれ、状況を改善しようと2002年度から「ゆとり教育」が実施された。結果は学力低下と学校外での学習格差が問題視されることになり、2010年度で終了する運びとなる。受験戦争を勝ち抜くことは手段にすぎず、目的を見失えば人生は味気ない。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

全七章に亘って、ハンス・ギーベンラートの柔く脆い青年期を綴る。

周囲より少し勉強ができてしまったために過度な期待を背負い、踏ん張りが利かなくなったったとき雪崩のようにすべてがうまくゆかなくなる。

冷たく静かに川を流れるハンス。
吐き気も恥も悩みも取り去られた、ハンス。

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2025年09月18日

Posted by ブクログ

神童の主人公が来る日も来る日も勉強を重ねて、合格した先にあるのもまた勉強を重ねる日々。自分がやりたいなと思ったことを心の中にしまい、やるべきことや求められていることに注力していく中で出会う、愛情や死の形、暴力や非行の形は彼の人生の中で「自分とはどのような存在であるのだろうか、何者であるのだろうか」という問い直しを与える。
最後の方に彼が語る神童であったのに気づけば周りから遅れていたというところはどのような形であれ、色々な読み手の人生の思い直しにも一石を捧げるものであると感じた。
働く喜び、人の役に立つ喜び、人を愛する喜び、最終に近づくほどに彼の中に少しずつ湧き立った感情は心の底から生まれた自分自身の本当の感情であるとするならば、我々も生きていく中でそのような「生きている、生きていく」という感情を心のどこかに大切にしておいた方が良いのだなと思った。
人に求められることが多い現代社会、自分らしさとはと問い直す現代社会。ただ自分らしさと自分勝手は違う。その社会、共同体の中で自分の喜びを表せるものやこと、人との出会いを大切にその中で自分なりの「生きている、生きていく」を自分の言葉で、自分の姿で、自分の行動で誇りを持って生きるための一歩を毎日踏み締めて生きたいと感じた。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

『車輪の下』。中学時代からずっと本棚に並んでいたのに手にとらなかったヘッセの小説。
私も、「受験戦争」という言葉や「偏差値」という言葉が世間を騒がせていた時代に青少年時代を過ごした。片田舎で育ち、中学、高校、大学受験を経験したからハンスの境遇には少し近い。都会への憧れはあったものの自然の中で育った環境や思い出を否定することはなかった。
主人公ハンスは、周囲の期待を一身に背負い、神学校というエリート養成機関で過酷な競争にさらされ、精神的に追い詰められていった。学校を追われた友の影響を受け、成績も心も落ちていった。
エリート意識の揺らぎが思春期の揺れと重なり、繊細なハンスはどんどん病んでいく。
社会の車輪の下に圧し潰されないで。そんな叫びは届かない。
子育てを終え、孫育てをしている今だからこそ読んでよかったかもしれない。大人がさまざまなものさしを与えることができたら、きっと子ども達は救われる。

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

ヘッセの若い頃の作品です。
実体験をもとに描かれているようですが、当時の時代の雰囲気を知ることができます。
子供の教育について、一石を投じた作品で、現代にも通ずるものがあります。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

薄いのに読み応えがあった
昔読んだ気がしたけど全然覚えてなかった
なんというか、一章ずつ授業とかで読んで、みんなで話し合って噛み砕きたくなるような内容。
メインストーリーとサイドストーリーが絡み合いすぎて、なんなら、サイドストーリーをたくさん繋げた話のように感じる。主人公は1人なんだけどね。
賢い真面目な少年がこうなるなんて面白いよな。少年時代の詰め込み勉強や、学校のあり方の弊害だ。ハイルナーと話してみたかった。

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

 ヘッセの『車輪の下』が突きつける最大の問題は、教育制度が〈子ども〉を「人格ある一個人」として認めず、都合のよい記号へ還元してしまう点にある。多くの物語が〈従順な優等生〉か〈反抗児〉に子ども像を二分するなか、ヘッセはハンスを欲望と不安、優越感と傷つきやすさを併せ持つ等身大の存在として描いた。川辺で魚を眺める彼は順位や身分を忘れ、五感で世界を確かめるが、神学校合格直後にはまだ机に向かう同級生を見下し、成績表が貼り出されるたび密かに胸を張りながら怯える。この二面性こそ、人が成長過程で抱える本音と矛盾そのものだ。

 その揺らぎを歪めたのが寄宿制神学校という装置である。生活の隅々まで統制された環境で、教師は成績を「神の恩寵」、落伍を「怠惰への罰」と説き、子どもに〈点取り競争=生きる価値〉を刷り込む。こうして自己肯定は序列依存となり、ハンスの優越感も傲慢というより制度が植えつけた防衛機制にすぎなくなる。

 やがて選ばれたはずの彼は孤立と成績低下で「落伍者」へ転落し、親友ハイルナーの自由さが自分の抑圧を照射する鏡となる。帰郷しても故郷の川は色を失い、安息の場所が機能しなくなる。酒場での放逸や父との沈黙は、静かに積み上がった疲弊が臨界点を越えたサインだった。

 最後にハンスは川へ沈む。意図的な自死でも足を滑らせた事故でも、彼を押し流したのは「一律の教育という大河」である。創造性と感受性を守る余地のない仕組みは、弱さを抱える個を受け止められない。ハンスの死は、彼自身の弱さではなく “弱さを許さない制度” の罪を告発する結末だ。父親や教師が「得意=やるべきこと」と混同し、子の価値観を想像できなかったことも悲劇を深めた。メンタルヘルスの治療が拠り所を奪った環境を変えなければ難しいのと同じく、制度が変わらねば第二第三のハンスは生まれ続ける。ヘッセはこの物語で、近代教育が強いる「個人犠牲」を鋭く暴き、私たちに〈その子を、その人を、枠ではなく顔を上げて見る〉ことの必要を突きつけている。

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

純粋に読んで良かった思った。
というか自分が1番悩んで苦しい時に読みたかった。救いにはならなかっただろうけど、多分寄り添ってくれただろうから。
私も未だ車輪の下から抜け出せず溺れている。

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2025年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の受験時代を思い出して辛くなった。
我々は明るくも安牌とも言い切れない不確かな未来と引き換えに、命を削っていたのかもしれない。

受験で心を病んでしまって日常生活がままならなくなり、かえって未来の可能性を狭めることになってしまった子供というのは今も昔もたくさんいるだろうから、最後主人公が死んだのはその比喩なのかなと思った

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

難しい 
ヘルマンヘッセの文章、綺麗で良いなーと思った
もう少し時間の余裕のある時に読み返して、感想を書きたい

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幼い頃から親や周囲の期待に応えようと猛勉強するハンス。神学校に合格した後も同級生に負けじと勉強に明け暮れ疲弊していく。思春期になり周囲との人間関係に馴染めず自分の感情や意思との葛藤。挫折を味わい何度も命を絶とうとするが勇気が出ない。苦しいハンスの生き方を気の毒に思う。ハンスの精神が押し潰される程の重圧を作ったのは、親・地域(郷里の人々)・神学校(先生•同級生)…。重圧という車輪の下で、誰にも気がつかれず潰されてしまったハンス。個人的には、子どもに携わる専門職についているため教育に対する意識と責任を考えさせられた。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

中学生のころに読んだはずであるが、いまいち内容を覚えておらずあらためて読むことにした。

著者のヘルマン・ヘッセは1946年のノーベル文学賞受賞者で、車輪の下は1905年の発表作品だ。

ヘッセの自伝的な作品とされるが、内容は結構ぐさりとくるものであった。

神学校入学からのその後の寮生活は暗澹たるシーンが続き、生々しい心理描写が綴られていいく。

自分は一気に読めず、数日に分けてこのあたりを読み進めた。

主人公の少年の置かれた環境は、逃げ場がなく、空気があるのに窒息してしまうようなものであったと思う。

そして、周囲の大人たちこそが、この作品のもう一つのキーになってくる。

架空の主人公なのに、とても憐みの感情を抱いてしまうのは、このあたりの演出がなされているからだろうか。

エンターテイメントではなく、一つのドキュメンタリーを観たような感覚を得た作品であった。

また読む機会があるかもしれない。

そんな「本棚の端の方にいて、背表紙はよく目に入るが、数年に一度手に取る本」的位置づけな作品である。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

中盤までは優秀な人間が落ちぶれて行くまでの話かと思って読んでいたけど、これは少年の危うさ(特に知能が高くて繊細な)と大人の罪がテーマだったんだろうな。ラストはちょっと意表をつかれた。

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2025年04月01日

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