大切なことが数えきれないほどたくさん詰まっている!
・私たちがファンタージエンは虚偽だと思うことで人間界も含めた2つの世界は救えなくなる。
・人間は虚偽に支配されやすく、そのために生き物の命がむごい形で利用されてしまう。
・虚無の吸引力はすごくて、狂って飛び込んでしまいたくなるけど、アトレイユは自分
...続きを読むの足で一歩ずつゆっくり遠ざかる。
・フッフールは幸福を信じて進むからこそたくさんのピンチを切り抜けられる。
・善悪・美醜・自分が耐えられること耐えられないこと、すべて区別しない幼心の君の強さと美しさ。
・自信がなくて重要なことに対して踏み出せないとしても、既にその渦中におり、逃げ出す道はない。
・解決のためには、遠回りに見えるその道筋こそが必要で、唯一の方法。
・憂いの沼でもひかりを持っていれば守られて、何も感じずにいられる。
・憂いに飲み込まれて死ぬしかなくなってもなお、アルタクスはアトレイユを巻き込まず感謝して送り出す。
・歌うからこそ伝わる言葉がある。
・人狼が意地悪なのは、自分の世界がなくて、他の人にはあると思っているから。
・はてしない物語が古老の手で はてしなくなった時の、ゾッとする感覚。
……他にもまだまだたくさん。私の小さい手にはいっぱいで流れ落ちてしまって、受け取りきれていないほどの量だった。
できるだけ若いうちに読んでおきたい本だと思う。少しひねくれたり世界にがっかりしたりし始めながらも、柔軟な思考を持っているうちに。
でも、大人の今読めたことにも大きな意義がある気がする。今だってそういう素直な気持ちは自分の中からなくなったわけじゃない。人狼の話が特に印象的で、頭を殴られたような気分だった。
私も大人になってわかったつもりになって決めつけて、色んなことを見失っているんじゃないか。すべての常識が常識じゃないファンタージエンと私の生きている世界がもしも同じだとしたら、当たり前じゃないことを当たり前と思ってしまっていないか。
あるいは、モーラのようにすべては空虚の中の戯れで何もかもどうでもいいと言ってしまう時でも、本当はそう思っていないんじゃないか。
アトレイユ達のように突き進む力が自分にもあることを忘れてしまっているのではないか。
これからも繰り返し読みたい。
この世界観をより深く受け取るため、本物の『はてしない物語』と同じ装丁のものを手元に置いておきたいな!それでできれば孫の代まで受け継いでほしい。
まだ上巻だけだけど、既に自分にとって大切な物語になった。