佐藤真理子のレビュー一覧
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ネタバレいじめられっ子の主人公が本の中の世界を救い、大切なものを見つけて現実世界に戻る物語
この本の異質さ、素晴らしさは、主人公が強力な力を手にして世界を救った後に、大切なものを失い、取り戻すパートにあると思う
太っていてかっこよくもなく、いじめられている現実から、本の中の世界ではたくましくかっこいい姿に変身し、世界を救う、そんな物語の中に入ったら、元の世界に戻りたくなくなる、誰しもそんな気持ちには共感できるのではないだろうか
しかし、逃げ出したくなる現実の中にこそ、本当に大切なものがある
現実世界で自分の物語に向き合うとする主人公の決意は、子どもだけでなく大人になった私にも力を与えてくれた
自分が -
Posted by ブクログ
ネタバレ会社の同僚と、エンデの話になった。私にとってエンデは、小5の頃に出会って夢中になって読み漁った思い出のある作家であるけれど、大人になって『モモ』を読み返して以来、疎遠になっていた作家でもあった。同僚が『はてしない物語』を絶賛している話を聞きながら、子供の頃、自分もバスチアンのように物置で本を開きながら本の世界に入って冒険できたらどんなにいいだろうと憧れたことを思い出し、本棚から久しぶりに引っ張り出して25年ぶりに読んでみた。
上巻はとても楽しくワクワクしながら頁をめくっていたのだが、下巻になって、読み進めるのが苦しくなった。バスチアンの姿に、自分自身を重ねてしまったのだ。誰かに認められたい、人 -
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ネタバレファンタージエンに行ったバスチーユの物語。危うさを感じながらバスチーユの物語を読み進める。バスチーユの考えや判断がだんだん良くない方に傾いている不穏さが満ちてくる。スターウォーズのアナキンがシスに堕ちてしまうところに似て、苦しい。どうしてこうなってしまったんだろうと思ってももう戻れないところに来ている。しかも多くのことを忘れてしまっている。どうやって人間の世界に戻れるのかわからない。わからないままにどこへ向かえばいいのか、何をなせばいいのか、投げてしまいたくなるような世界。バスチーユとともに旅を続けるアトレーユとフッフールが最後は助けてくれるが、やや呆気なさも。あの辛い辛い辛いトンネル部分が面
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なんと初出は1979。私が読んだのは1988年13歳、以来の再読、きっかけをくれた息子に感謝の大感動でした。これは、、、、記憶は前半のアトレーユがバスチアンを探索するところまでしかなかったけど、後半のバスチアンの冒険こそが主題なんだなと。ダークサイドに落ちて支配者になろうとし、叛乱を起こされて(しかもアトレーユ軍との戦い!)とか本当にマジな話で驚きながらの後半でした。そしてラストは、、、大人、特に息子の父となって読めて本当に良かった、死ぬまでに再読出来て良かったと心から思いました。願わくば、本物の『はてしない物語』、ハードカバーで読みたかった!
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Posted by ブクログ
本作の冒頭で、主人公の少年・バスチアンが「はてしない物語」をじっと見つめたときの彼のつぶやきは、本が好きな人なら誰でも一度は感じたことがあると思う。こんなに夢中になれる世界が、両手に収まるサイズに綴じられた「本」のなかに広がっているなんてすごいことだ。
物語の舞台となるファンタジーエン国を救うために選ばれた少年・アトレーユが、国をおかす「虚無」の原因をつきとめるべく、勇気と誠実な心をもって冒険をする。不思議であふれるファンタジーエンの景色や生き物が生き生きと、正体不明の虚無がじわりと迫る恐怖とともに描かれ、それを読み手であるバスチアンを通して私たちも物語の世界を体験する。
物語の世界と読み -
Posted by ブクログ
ネタバレ『物語は新しくても大昔のことを語ることができるのです。過去は、物語と共に成立するのです。』
『望みって、どこから起こってくるんだろう?望みって、いったいなんなんだろう?』
ファンタージエン国で過ごす中で、
人のため、自分のため、望みを叶えながら、
自分を失っていくバスチアン。
シュラムッフェンのことば。
『おれたちゃ命令がほしいのさ!指図してもらいたいのさ。強制してもらいたいのさ。禁止してもらいたいのさ!おれたちゃ、なんか意味のある生き方をしたいのさ!』
自分で考えるより、指示されたこと、良いと言われることををきちんとやっていると思えること、あるいはしてはいけないと言われることをしてい