佐藤真理子のレビュー一覧

  • はてしない物語 上

    Posted by ブクログ

    物語をつむぐ力、それがあれば何も怖くないよ。

    エンデは装丁にまで力を入れて、本の中に入ってしまう物語を作った。確かに、これは読書好きの人には宝物になる物語。読むという行為は、同時に生み出す行為。文字で書かれた物語を、自分で膨らませていく、その楽しさを知った人は、もう二度と離れられないだろう。

    主人公バスチアンは、コンプレックスだらけで、いじめられていて、父とは少し距離ができている。ある日、古本屋で見つけた本を手に学校の物置に逃げ込む。もうどうしようもなくなって、というのはよくわかる。そのときに本があれば、それを読んでいるうちに、とにかく読んでいる間だけは物語に入り込めるので、次第に他のこと

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    2015年07月18日