佐藤真理子のレビュー一覧

  • はてしない物語 上

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    ネタバレ

    「虚無」によって終末を迎えるファンタージェンの世界を救う方法を、少年アトレーユが探す物語。読者は読書好きな少年バスチアンと一緒に、アトレーユのその「はてしない物語」を、手に汗かきながら見守るのだ。

    文庫版でも刊行は20年以上前で、今読むと訳が少し重いというか、児童文学にしては固い印象を受けるんだけど、それがまたファンタージェンの「特別さ」の味付けになっていて良いんだよね。

    いやあ、好きだよフッフール!いつも陽気な、幸いの竜。アトレーユに恩義を感じ、途中で仲間になるフッフール。どうかこの物語の最後まで、無事でいて欲しい。

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    2024年07月16日
  • はてしない物語 下

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    ネタバレ

    好評と不評のレビューが極端なのを見て改めて感心。
    ミヒャエル・エンデに生み出されし古典であり、駄作ではないのに、無条件でいいものともされない不思議。
    読者と同じ土俵まで降りてきて、読者と本で取っ組み合いをし始める感じですよね。美しい世界のファンタジーのはずなのに、気軽には読み切らせてくれません。上下巻読み切るのに結局3日かかってしまいました。上巻は半日、下巻が2日半。

    ファンタジー物で明確な悪役を作らず、勧善懲悪でなく話をまとめ上げた作品を他に知らず、ああ、これが空想の世界の現実、とノンフィクションを見る気持ちです。空想によって救われる生き物は空想によって苦しみ、欲しいと空想するものは毒であ

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    2024年06月11日
  • はてしない物語 上

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    大きなハードカバーで読んで以来約30年振りに読んだが、ほとんど覚えていなかった。上下巻という区切り方としては最高だと思う。引き続きここからが本番となる下巻がとても楽しみ。

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    2024年05月28日
  • はてしない物語 上

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    ネタバレ

    大切なことが数えきれないほどたくさん詰まっている!
    ・私たちがファンタージエンは虚偽だと思うことで人間界も含めた2つの世界は救えなくなる。
    ・人間は虚偽に支配されやすく、そのために生き物の命がむごい形で利用されてしまう。
    ・虚無の吸引力はすごくて、狂って飛び込んでしまいたくなるけど、アトレイユは自分の足で一歩ずつゆっくり遠ざかる。
    ・フッフールは幸福を信じて進むからこそたくさんのピンチを切り抜けられる。
    ・善悪・美醜・自分が耐えられること耐えられないこと、すべて区別しない幼心の君の強さと美しさ。
    ・自信がなくて重要なことに対して踏み出せないとしても、既にその渦中におり、逃げ出す道はない。
    ・解

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    2023年08月26日
  • はてしない物語 上

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    エンデの「モモ」を読んだ時、見えないものだけど大切なものを感じたんだけど、このはてしない物語も同じ。あるけどないもの、聴こえるけど、見えないもの、たくさんのそんなものに囲まれて、ファンタージェン国は出来ている。アトレーユの冒険で見事に、バスタチアンが本の世界に入ってきた。ワクワクドキドキが止まらないファンタジーの世界。バスタチアンとお父さんの関係ってきっとよくなるんだよね

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    2023年02月27日
  • はてしない物語 下

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     大人になってから読み終えましたが、夢中になって読み終えました。万物の創生者になった主人公。しかし、代わりに自分自身を徐々に失い、物語に侵食される様に、どのような終わりを迎えるのか気になりながら読んでいました。
     結果、とある結末で物語を終えたのですが、自分は自分でいいということ。そして、何より自分自身を愛することの難しさと大切さを。この物語から教わりました。出会えてよかったです。

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    2023年02月20日
  • はてしない物語 上

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    映画が好きで、そこから本に入る。
    映画では描ききれなかったストーリーや描写に引き込まれた。下巻を読むのが楽しみ。

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    2022年08月28日
  • はてしない物語 上

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    ネタバレ

    「本を読んだ」という感覚をこれほど鮮明に覚えている本は他にない。
    おそらく、これほどの厚みの本格的な本を読んだのが初めてだったのだろう。
    本の中に入り込むという設定も相まって、今でもこの本を見かけると不思議な感覚を覚える。

    しかも何故か父が、当時飼っていた犬の名前に本の中の主人公の名前「バスチアン・バルタザールブックス」を採用した。

    映画のファルコンの姿など、いろいろな意味で忘れられない一冊。

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    2022年08月03日
  • はてしない物語 下

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    はてしない物語を貸した学生から感想とともに返ってきた。「まず、本を貸していただき本当にありがとうございました。たくさんの感想がありますがやはり本の概念を壊すという言葉がピッタリの本であり、自分の世界観を変える素敵な物語であったと感じております。そしてお借りさせていただいた本なのですが、長い間お借りしてしまいすみません。前に読み終えていたものの返すタイミングを逃してしまいました」。要するにはてしなかった。

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    2023年02月01日
  • はてしない物語 上

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    はてしない物語読んだ。これはすごい。物語についての物語であり読書についての読書であり人間についての人間であり冒険についての冒険でありフィクションについてのフィクションであり、本についての本であった。上も下もよかった。じつはこの少年文庫本でなくエンデの全集本で読んだ。色分けされた印刷。最高だ。

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    2022年04月08日
  • はてしない物語 下

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    ネタバレ

    原作を読むのをキッカケに、久々に映画を観た。
    それで初めて、映画の題材になったのは上巻のみで、下巻のほとんどは知らないストーリーだと分かった。
    上巻と下巻はガラリと印象が変わる。上巻がアトレーユの物語なら下巻はバスチアンの物語だ。
    バスチアンがアウリンによって万能の力を手にし、望むものは何でも叶えられる代わりに、人間世界に居た頃の記憶を一つずつ失っていく。
    自分の力に溺れ、次第に傲慢で気性が荒くなっていく。対して、本当に大切なものには盲目になっていく様は、なにもファンタジーの世界だからではなく、私達現実世界にも言える事だと思う。
    バスチアンの様な人間の多くがやがて辿り着く、「元帝王たちの都」の

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    2022年01月09日
  • はてしない物語 上

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    なにが「はてしない」のか。
    その答えが最後に明かされハッとする。
    子供の頃映画が好きでよく観ていたけどストーリーをすっかり忘れてしまっていた。(登場人物や断片的なシーンの数々は記憶にあるけど、どんな話だったか問われると説明出来ない!)
    読み進めていくと、ああ確かにそんな展開だった!と思い出し楽しくなる。
    後編。バスチアンはファンタージエンを救うことが出きるのか。記憶まっさらなので楽しみである。

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    2021年12月17日
  • はてしない物語 上

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    読んだことがなかったので今更だけれど。
    これ、本当に児童書なの?ファンタジーエンの世界観最高すぎでは。現実とファンタジーの境目が分からなくなってくるあたり、小さい子は理解できるのか…?所詮児童書と侮ることなかれ。むしろ大人の方が引き込まれるかも。下巻が楽しみ。

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    2021年09月23日
  • はてしない物語 上

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    児童書でありながら、全く学生の時に触れてこなかったです。今読んでみると、簡単な様で複雑に構成を練られている話に翻弄され、惹き込まれてしまいました。児童書は大人が読んでも教訓が判る様になっていると思います。難しい翻訳の様な気もしますが日本の子供達が本の世界に入り込んで想像力を膨らませる事が出来る、夢が詰まった本です。
    日本のベストセラー小説よりも役に立ちそうな感じです。

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    2021年09月18日
  • はてしない物語 上

    購入済み

    何度読んでも素晴らしい

    中学生の頃に読んで大好きになった本。
    初めて読んだ時は、自分が物語の主人公になった気持ちでワクワクしながら読んだのを覚えています。
    また大人になって改めて読んでみても、やはりワクワクは変わらない。そして、子供の頃と違った視点で読めるのも面白さの1つに加わりました。
    物語を読み進めている内に映画も観たくなり合わせて観てみました。映画を観たあとに本を再開して読むと背景や登場人物が更にハッキリして読み進め安かったです。両方とも素晴らしい作品です。

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    2021年03月26日
  • はてしない物語 上

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    映画化もされたエンデの名作。本を読む少年とその本の内容と、二重の構造になっています。永遠のファンタジーですね。

    確固とした夢の世界が無いために、人間は戦争をはじめるという論理。揺さぶられました。虚言・妄想がファンタージェンの国(確かな夢の国)を滅亡へ向かわせ、さらにそのことが人間世界の退廃にも影響を及ぼすという悪循環。真っ当な夢・空想を失うと、想像力が妄想や虚言の方面へ助長し、その逆もまたしかりという話。太い芯の通ったファンタジー小説。

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    2025年04月14日
  • はてしない物語 下

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    実はまだ読んでいなかった名作。やっと読みました。

    昔、映画で見た時中盤までは面白くわくわくしながら見たのですが、ラストがどうしても納得できずモヤモヤ感が残ったのです。バスチアンの役割が腑に落ちなかったんですね。
    そうしたらば、映画は原作の序盤部分しか映像化せず無理矢理終らせていたことが判明。なるほど本当の物語、バスチアンの物語はこれから始まるところだったのかと納得。

    壮大な物語の中で主人公が出会う人々にもまた物語があることを示唆する「けれどもこれはまた別の物語」という一文に、物語世界のはてしない広がりを感じます。そのことが最終段階で意味を帯びてくることにも驚嘆させられます。いやもう本当に物

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    2023年10月28日
  • はてしない物語 下

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    ネタバレ

    モモが面白かったからはてしない物語を手に取った。
    少年が物語の世界に入って望みを叶えていくところは少し飽きてしまった。
    途中で、少年は望みは有限であることに気がつき、元の世界になんとか戻ることができたのだけど、「あるがままの自分で良い」という心根に変わっていた。
    トータルでは面白かった。でもちょっと長かったかな…

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    2025年11月22日
  • はてしない物語 下

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    ネタバレ

    下巻は冒険からクライマックスのような盛り上がり。「行け行けバスチアン」とわくわくしながら読み進めるのですが、すぐに解決めでたしめでたしとはなりません。
    ああバスチアン、そっか…となりますが
    アトレーユの奮闘のおかげもあり、バスチアン大成長。
    ラストはちゃんと本返しに行けて私は安心した。それからまた胸アツな展開があって、最後にまだやってくれるんか!となりました。

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    2025年09月19日
  • はてしない物語 上

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    ネタバレ

    いじめっ子は追ってくるし土砂降りだし、冒頭から踏んだり蹴ったりのバスチアンにはすぐ感情移入してました。
    逃げ込んだ書店でただならぬ雰囲気の本を見つけ、どうしても欲しくなるバスチアン。まさか持ってっちゃうとは思わなかったけど、これは下巻の回収がステキでした。
    上巻は、アトレーユの冒険を見守るバスチアンがほほえましくて、どんどん本の世界にのめり込む姿もよかった。
    結果、ホントにのめり込んでしまったバスチアン。「自分なら救える!」と本に入っていく過程は、とても好きな場面です。

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    2025年09月21日