佐藤真理子のレビュー一覧
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なんと初出は1979。私が読んだのは1988年13歳、以来の再読、きっかけをくれた息子に感謝の大感動でした。これは、、、、記憶は前半のアトレーユがバスチアンを探索するところまでしかなかったけど、後半のバスチアンの冒険こそが主題なんだなと。ダークサイドに落ちて支配者になろうとし、叛乱を起こされて(しかもアトレーユ軍との戦い!)とか本当にマジな話で驚きながらの後半でした。そしてラストは、、、大人、特に息子の父となって読めて本当に良かった、死ぬまでに再読出来て良かったと心から思いました。願わくば、本物の『はてしない物語』、ハードカバーで読みたかった!
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本作の冒頭で、主人公の少年・バスチアンが「はてしない物語」をじっと見つめたときの彼のつぶやきは、本が好きな人なら誰でも一度は感じたことがあると思う。こんなに夢中になれる世界が、両手に収まるサイズに綴じられた「本」のなかに広がっているなんてすごいことだ。
物語の舞台となるファンタジーエン国を救うために選ばれた少年・アトレーユが、国をおかす「虚無」の原因をつきとめるべく、勇気と誠実な心をもって冒険をする。不思議であふれるファンタジーエンの景色や生き物が生き生きと、正体不明の虚無がじわりと迫る恐怖とともに描かれ、それを読み手であるバスチアンを通して私たちも物語の世界を体験する。
物語の世界と読み手の世界が交互に語られ、導かれるようにして世界が重なっていく上巻ラストの描写がどきどきぞわぞわする。一刻も早く下巻が読みたい。 -
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ネタバレ『物語は新しくても大昔のことを語ることができるのです。過去は、物語と共に成立するのです。』
『望みって、どこから起こってくるんだろう?望みって、いったいなんなんだろう?』
ファンタージエン国で過ごす中で、
人のため、自分のため、望みを叶えながら、
自分を失っていくバスチアン。
シュラムッフェンのことば。
『おれたちゃ命令がほしいのさ!指図してもらいたいのさ。強制してもらいたいのさ。禁止してもらいたいのさ!おれたちゃ、なんか意味のある生き方をしたいのさ!』
自分で考えるより、指示されたこと、良いと言われることををきちんとやっていると思えること、あるいはしてはいけないと言われることをしていないことの方が、楽なのかもしれないな。自分の生き方を、『正しいかどうか』という外からの見方で測れるから。
自分で考え選んで生きていくことって、
自己責任が伴うからつらいことでもあるし、
だからこそ自由で、とても幸せなことでもあるんだなぁと気付かされる。
バスチアンが全て失ってから気づいた
心からの願い。
あるがままに愛されたい。
誰かを愛したい。
これが少年文庫か...。
多分、大人になってから読んだ方が深く読み取れるけれど、子供の時に読んでいたら、大人になっても心に残ってる一冊になっていたと思う。ちょっとくやしい。笑 -
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いじめられっ子のバスチアンは、いじめっ子たちから逃げるために飛び込んだ古本屋で一冊の本と出会う。本の中では勇者アトレーユが国を救うために旅を続けていたが……→
子供の頃にテレビで見た「ネバーエンディングストーリー」の原作だろうな?という気軽な感じで手に取ったんだけど……全然ちがーう!!あの映画は上巻にオリジナルエンディングをつなげた感じ?みたいで、物語としては序章やんってなった。
たぶん、これは下巻が本番。上巻は王道の冒険ファンタジーで
下巻がガチのガチなんよ(何が?と言われるとわからんが笑)
私はもうね、アイゥオーラおばさまと出会えただけでね、この物語を読んでよかったって思えたよ。おばさまの言葉は泣く!!人生後半戦の大人に響くぅぅぅー!!
児童書なんだけど、大人が読むともっと良いよこの物語は。ヤバい。 -
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本の中の世界、ファンタージエン国に飛び込んだバスチアン。彼は、望みが叶うメダル「アウリン」を用いることで大切なものを失いながら、やがて自分が真に欲することー「真の意志」ーを見つけていく。
だれかを愛することができるということが生きる悦びであり、それこそがこの世界をよくしていくものなのだというメッセージが伝わってくるクライマックスがすばらしかった。
だれかを愛することができたら、バスチアンのように、あるがままの自分でありたい、もうほかのものにはなりたくないと思えるようになる。生きていく悦びを感じることができる。自分はきっと、少し前までは「?」だったと思うけど、愛している妻や息子がいる今はなんとなくわかるような気がする。愛することができるということを、かけがえのないことだと噛みしめながら生きていくことができたらいいな。
バスチアンは、愛をうけたことで誰かを愛したいと思うようになった。だから、その誰かが愛をうけることで、また他のだれかを愛したいという思いが芽生えるというふうに、愛は果てしなくつながっていくんだと思う。
幼なごころの君のおしるし「アウリン」をもったことによって、バスチアンがさまざまな「望み」を叶えていく。人間は本当にさまざまな望みをもっているけど、それらの多くは表面的な望みで、叶えると何かが失われてしまうようなものだということに、バスチアンの姿を通して気づいていけるというところも面白かった。 -
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バスチアンは、本を盗んだ。その本「はてしない物語」が、自分を魅きつけて放そうとしなかったからだ。バスチアンは、学校の物置部屋に隠れ、本を読み始める。それは、ファンタージエン国の危機を救うために選ばれたアトレーユの冒険の話だった。バスチアンは、「はてしない物語」に没頭して胸を躍らせながらも、物語とそれを読んでいる自分が、奇妙にシンクロし始めていることに気づいていく。
「はてしない物語」の場面と、物置部屋でその物語を読んでいるバスチアンの場面が入れ替わりながら描かれていく。近くの塔の時計が打つ音でバスチアンは「現実」に引き戻されるのだけれど、読み手もそこで同じように「現実」に引き戻されている感覚になる。
その「現実」の場面で物語を読むバスチアンの心の動きが語られるから、すごくいい。本が大好きなバスチアンが、どのように物語を楽しんでいるのか、その様子が手に取るようにわかるから。アトレーユと自分の共通点を見つけて嬉しくなっていたり、彼の窮地で叫んだり、馬の死に泣いたり……。物語の登場人物たちに心を寄せながら読んでいるバスチアンの様子が面白い。同時に、物語を読むバスチアンの姿を自分が読んでいるという入れ子構造の奇妙な感覚にも浸れる。
本を読んでいるバスチアンの叫び声を、本の中の世界のアトレーユたちが聞いたのではないかと思わされるあたりから、「現実」と「物語」で二分されていた世界が融合し始める不思議がぐっと増して、すごく引き込まれた。そこからは、バスチアンとファンタージエン国の関係性についての「予感」が「確信」に変わっていく楽しさを存分に味わうことができた。
すごい世界観だなー。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ好評と不評のレビューが極端なのを見て改めて感心。
ミヒャエル・エンデに生み出されし古典であり、駄作ではないのに、無条件でいいものともされない不思議。
読者と同じ土俵まで降りてきて、読者と本で取っ組み合いをし始める感じですよね。美しい世界のファンタジーのはずなのに、気軽には読み切らせてくれません。上下巻読み切るのに結局3日かかってしまいました。上巻は半日、下巻が2日半。
ファンタジー物で明確な悪役を作らず、勧善懲悪でなく話をまとめ上げた作品を他に知らず、ああ、これが空想の世界の現実、とノンフィクションを見る気持ちです。空想によって救われる生き物は空想によって苦しみ、欲しいと空想するものは毒であり、真に自分に必要なものは暗闇で土を掘り続ける苦行からしか見つけられない。そんな話がどうして面白いでしょう。でも真実なんだよなあ。
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購入済み
何度読んでも素晴らしい
中学生の頃に読んで大好きになった本。
初めて読んだ時は、自分が物語の主人公になった気持ちでワクワクしながら読んだのを覚えています。
また大人になって改めて読んでみても、やはりワクワクは変わらない。そして、子供の頃と違った視点で読めるのも面白さの1つに加わりました。
物語を読み進めている内に映画も観たくなり合わせて観てみました。映画を観たあとに本を再開して読むと背景や登場人物が更にハッキリして読み進め安かったです。両方とも素晴らしい作品です。 -
Posted by ブクログ
実はまだ読んでいなかった名作。やっと読みました。
昔、映画で見た時中盤までは面白くわくわくしながら見たのですが、ラストがどうしても納得できずモヤモヤ感が残ったのです。バスチアンの役割が腑に落ちなかったんですね。
そうしたらば、映画は原作の序盤部分しか映像化せず無理矢理終らせていたことが判明。なるほど本当の物語、バスチアンの物語はこれから始まるところだったのかと納得。
壮大な物語の中で主人公が出会う人々にもまた物語があることを示唆する「けれどもこれはまた別の物語」という一文に、物語世界のはてしない広がりを感じます。そのことが最終段階で意味を帯びてくることにも驚嘆させられます。いやもう本当に物語の面白さを堪能できます。
バスチアンの心の動きも丁寧に描写されているので成長物語としての魅力も味わえます。途中すごく嫌な奴になっちゃうのですが、成長にはそういう部分も必要なんでしょうね。自分の嫌な部分に対面することも。
そうかと言って説教臭くなく基本どきどきわくわくの物語だというのが一番の魅力なんでしょうけどね。 -
Posted by ブクログ
※上下巻同じ内容です。
エンデの著作に触れる機会がなかったのだが、歳をとって『モモ』を読む機会があり、そこからこの『はてしない物語』を手に取ることになった。
上巻は現実の世界と物語の世界に分かれ、並行して進んでいくが、物語が進むにつれて、だんだんとその境界が薄れてゆく。
下巻では、本の中に入り込んだ主人公が欲に溺れていきながらも、最後には温かな気持ちにさせてくれる。各章の内容を意識したイラストも良く、より物語に没頭させてくれた。
そして、上田真而子さんのあとがきに、「子どもが読めば子どもなりに楽しめるし、大人が読めば何かはっと気づかされるという物語になっているのだと思う。」とあったが、まさにそのように感じた。
実際、子どもの頃にこの本に出会えていれば、どう楽しんだのだろうか。大人になった今だからこそ、下巻の内容の濃さに自分の人生を重ねながら、「大切な何か」を忘れているのではないかと思わされることもあった。
「四十にして惑わず」は遠に過ぎ去っており、不惑どころか惑惑惑まみれであるが、それでも何かのきっかけで、ふと読み直したくなる小説でもある。
最後に、映画化された作品が『ネバーエンディング・ストーリー』だと今さら知った。
きっと、エンデの愛読者の方々には驚かれるんだろうな……。 -
Posted by ブクログ
※上下巻同じ内容です。
エンデの著作に触れる機会がなかったのだが、歳をとって『モモ』を読む機会があり、そこからこの『はてしない物語』を手に取ることになった。
上巻は現実の世界と物語の世界に分かれ、並行して進んでいくが、物語が進むにつれて、だんだんとその境界が薄れてゆく。
下巻では、本の中に入り込んだ主人公が欲に溺れていきながらも、最後には温かな気持ちにさせてくれる。各章の内容を意識したイラストも良く、より物語に没頭させてくれた。
そして、上田真而子さんのあとがきに、「子どもが読めば子どもなりに楽しめるし、大人が読めば何かはっと気づかされるという物語になっているのだと思う。」とあったが、まさにそのように感じた。
実際、子どもの頃にこの本に出会えていれば、どう楽しんだのだろうか。大人になった今だからこそ、下巻の内容の濃さに自分の人生を重ねながら、「大切な何か」を忘れているのではないかと思わされることもあった。
「四十にして惑わず」は遠に過ぎ去っており、不惑どころか惑惑惑まみれであるが、それでも何かのきっかけで、ふと読み直したくなる小説でもある。
最後に、映画化された作品が『ネバーエンディング・ストーリー』だと今さら知った。
きっと、エンデの愛読者の方々には驚かれるんだろうな……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻で、バスチアンが「はてしない物語」の中に入って旅をするんだ、と予想を立てつつ下巻に。
概ね間違ってはなかった。バスチアンが「はてしない物語」の中に入り、幼ごころの君に新しい名前を与え、アウリンというおしるしをもらってファンタージエン国を旅していく。
その中で、アトレーユとも出会い……というところまでは王道的だった。
ただ、ここからが名著だと思うのが、バスチアンがどんどん独裁者化していく。
バスチアンに感情移入しながら読ませるような構造になっているので、ここで自分自身がどんどんエゴイスティックになっていくような感覚でかなり読むのが辛い。
美しくなりたい、強くなりたい、賢くなりたい、みんなに自分の存在をすごいと知らしめたい……。
誰でもそんな感情を持つとは思うけど、バスチアンにとっての不幸は、その願いを叶えてしまうアウリンがあり願いを叶えてもらえることだった。
少しずつ記憶をなくし、そのことに気も留めないバスチアンはアトレーユを剣で傷つけてしまう。
下巻後半の元の世界に戻ろうとするまでのところが良かった。
これまでの望みはある意味では「愛されたい」というものだし、もっと言えば「ありのままの自分が愛されたい」。
だけど最後の望みは「誰かを愛したい」というものだったところがエンデからのメッセージを感じた。
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Posted by ブクログ
小学校低学年のときに、寝る前に毎晩少しずつ親に読み聞かせてもらって、毎晩夢中になって話にのめり込んで、とっても大好きになった本。
この本を手に取ると、小さい頃の幸せな記憶が湧いてくる。
物語の中に入る、という冒険を主人公と一緒になってできる。
とてもわくわくする読書体験が出来る。これぞ読書の原体験だと思う。
その一方で、大人になってから読むと一層感じるのが現実世界へのメタファーがたくさん散りばめられていること。
想像力を失った世界や人間の姿が、私たちが生きる現実社会と重なって見える。
ただ楽しいだけの本じゃなくて、子どもから大人まで繰り返し読むことで、新しい世界を何度も見せてくれる。
自分の子供にも読み聞かせたいと思う。本当に素晴らしい本。