【感想・ネタバレ】影踏亭の怪談のレビュー

あらすじ

僕の姉は怪談作家だ。本名にちなんだ呻木叫子というふざけた筆名で、専攻していた民俗学でのフィールドワークの経験を生かしたルポルタージュ形式の作品を発表している。ある日姉の自宅を訪ねた僕は、密室の中で両瞼を己の髪で縫い合わされて昏睡する姉を発見する。この常識を超えた怪事件は、彼女が取材中だった旅館〈影踏亭〉に出没する霊と関連しているのか? 姉を救う手掛かりを求めて宿へ調査に出向くことにした僕は、宿泊当夜に密室で起きた殺人事件の容疑者となってしまい……第17回ミステリーズ!新人賞受賞作ほか、全4編を収録。/【目次】影踏亭の怪談/朧トンネルの怪談/ドロドロ坂の怪談/冷凍メロンの怪談/解説=朝宮運河

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Posted by ブクログ

久しぶりにホラーを堪能しました。近年稀に見る面白さに、私は本書を誰かに紹介したくてうずうずしています。怪談話には、不可解で、奇妙な出来事がつきもので、日常的にはあり得ない珍事が起こったりするものです。本書は、それが幽霊や祟りの仕業で片付けるのではなく、謎解きをしているところが多いのです。おそらく、著者の心中には、結局いろんな悪さするのは生きている人間であり、悪霊とか祟りはそれぞれの土地の歴史伝承である、というものがあるのではないかなぁ。でも、怪談なので、不可解な出来事も残され、恐怖を掻き立ててくれます。
著者の他の作品も読みたくなりました。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

いきなりの猛暑がやってきたので怪談を読みたくなり手をだす。

「影踏亭の怪談」「朧トンネルの怪談」「ドロドロ坂の怪談」「冷凍メロンの怪談」が収録されてます。

怪談でもあり本格ミステリー!!

怖いままでは終わらなく最後はスッキリと解決……そして…最後にまたゾクゾク。

2作目も楽しめそう。


ひ〜

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2025年07月01日

Posted by ブクログ

怪談作家・呻木叫子。民俗学の知見を生かし、ルポ形式の実話怪談を著している。叫子や叫子の周りの家族・友人たちが見舞われたのは、密室に関連した怪談だった。
連作短編集。

表題作「影踏亭の怪談」
叫子が自宅で拘束されて、瞼が髪で縫い付けられているところを弟が発見する。ラストが驚きだった。いつの間にそんなことに…。
「朧トンネルの怪談」
入り口付近を撮影していた…ということにはこんな抜け道があるんだな。
いくら好きな人のためとはいえ、そこまで出来るのか。
「ドロドロ坂の怪談」
色々な怪異が混じった怪談という感じがした。お化け?幽霊?は、誰を探しているのだろう。
「冷凍メロンの怪談」
叫子がまた事件に。今度は、冷凍メロンが頭を直撃して昏倒。大変。
冷凍メロン事件の端緒ともなる事件も見えてくる。
叫子が昏倒した事件自体の真相はあっさりしたものだったが、他の事件の関連が不気味。ラストも怖い。

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2024年08月09日

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ホラーとミステリが融合した傑作短編集。「ホラー」パートの奇妙な現象は心をざわつかせ、「ミステリ」の解決編パートは「ホラー」パートの怪奇な現象の謎が氷解するカタルシスが得られる。特に標題作『影踏亭の怪談』と最終話『冷凍メロンの怪談』はラストの衝撃が大きかった。ミステリ・ホラーファン必読の一冊。

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2024年06月08日

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ネタバレ

怪談に加えて論理の積み重ねが心地よい読後。影踏亭の怪談 横溝正史のような舞台設定ながら、取材記事を交互に構成して物語の重層化を図っている。解決したようなしていないようなもどかしい読後感。結局こうべの言い伝えはなんだったのか。朧トンネルの怪異やドロドロ坂のようなどこにでもあるような話(田舎でもあった)、最後の伏線回収に若干の謎を残すあたり、読み応えありました。現実と原稿が交互に綾をなし、それがさらに恐怖と衝撃をもたらしている。

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2025年10月05日

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読み始めはあれ?と思い、読み進むうちにこれどうなの?ホラーなの?ミステリーなの?と感じ、ラスト思い切り怖がらせてもらいました

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2025年08月06日

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怪談作家呻木叫子さんが出会った怪事件、関係者視点と原稿視点とで真相に迫っていく、というお話(?)。

ホラー&ミステリーで次第に真相へ近づき、しかし説明できない不可思議も残るといったお話が4つ。最後にはあっと驚く怖い結末でございましたなぁ。

最初の事件があまりに衝撃的で、とんでもないことなのに何故かそうでもなさそうなあっさり感が気になってしまいましたかなぁ。

最後はすべてつなげてくるかぁ、そうなってしまったかぁ、流石だなぁ、となりました。
#お前誰だよ

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2025年05月06日

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このホラーとミステリがいい感じに融合しているの好き。
そして短編集ながら、最後に今までの話との関連性見えてくるのもいいな。

弟くん…まさかの出番1作だけとは…

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2025年04月15日

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ネタバレ

ホラー小説かと思ってたら、ミステリー要素もガッツリ入っていて面白かった。怪異は起こるのだけど、人を殺めるのは人。怪談作家の主人公、「呻木叫子」(もちろんペンネーム。本名は梅木杏子)が、怪異と人の謎を解き明かしていく。
短編が少しずつ繋がっていて、積み残された謎の真相が後の話でわかったりする。上手い。

びっくりしたのは、最初に語り手として登場した杏子の弟が、1話目で殺されてしまったこと。杏子が追っていた事件の真相に肉薄した為、口を塞がれたのだ。そしてもっとびっくりしたのは、杏子が弟の死にさほどダメージを受けていない事。普通なら、自分のせいで、と自己嫌悪に陥いるところだ。怪異や犯罪に対する洞察力はすごいのに、この人はちょっと何か、欠けている部分があるように思える‥。

3話目の「ドロドロ坂の怪談」は、子どもが犠牲になり読んでいて辛かった。なんとなく、杏子が無事に見つけてくれると思っていたので。この話では、控えめながら杏子の悲しみが伝わってきて、なんだかホッとしてしまった。

最終話「冷凍メロンの怪談」、ふざけたタイトルとは裏腹に、かなりコワイ。最後の場面で杏子が大変なことになってるけど‥2作目もあるそうなので、無事なんでしょう。早く続きを読まねば!

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2025年03月28日

Posted by ブクログ

めっちゃちゃんと本格ミステリーで、めっちゃちゃんと怪談でした。モキュメンタリ―に近い感じなのかな?表題作がデビュー作だそうで、それに連なる作品がちょっとずつ手を変え品を変え続く。こういうのにありがちな特化したキャラもいなくて正統派。たぶん主人公が一番やばい人なんだろうなぁ…

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2025年02月13日

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怪異は実在している。怪異現象もたくさん起こる。しかし殺人事件は人によるもの。
怪異とミステリーが混在している世界観が面白く、そして恐ろしい。話自体は割と淡々と進んでいくのに、思わず声が漏れるほど怖かった。ホラー好きにもミステリー好きにもお勧め。

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2024年11月24日

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怪談×ミステリーがパラで進む。4章の短編で構成されていて、最後の章での回収はお見事。活字で表現されて自分の想像力と相まった時に、こんなに怖いのかと驚いた。殊更に、最後の1ページビクッとした。

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2024年10月20日

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ホラーが苦手な人でもミステリー要素があるため読みやすい作品。
最後の冷凍メロンの怪談はタイトルで拍子抜けしたけど、割りと最後までしっかり楽しめました。

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2024年10月18日

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YouTube【ほんタメ】で紹介されていた作品。怖いもの見たさで読みましたが、単純に怖いだけでなく、ミステリー要素もある作品で、ついつい読んでしまいました。ただ怖い作品ではあるので、読む人を選ぶ作品かなと思います

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2024年10月09日

Posted by ブクログ

久しぶりにかなり良い本に出会った。
ホラーというか怪異や超常現象と本格ミステリーの融合。融合?ではなく、怪談作家の呻木のルポ形式な語りと事件が同時並行的に行ったり来たりして大変良い作品。4篇の短編集になってるが、4作目の後半で…いやぁすごいね。

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2024年09月29日

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感想
グロテスクでシュールな恐怖。だけれど確かにミステリーの風味。怨念を抱くのは死んだ人間も生きた人間も同じ。どう実現するか。それが違い。

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2024年09月24日

Posted by ブクログ

ルポタージュ形式で綴られる実話怪談風ミステリ。
特に『影踏邸の怪談』から『朧トンネルの怪談』へ繋がる展開で衝撃を受けた。こうきたか!
そして「最強の幽霊屋敷」同様、最後の最後まで油断できない。
このラスト、好みです!!
あれ?この文章、矛盾してない?と思わせる矛盾した手法(らしい)でいっそう気味の悪さを増幅させる。
おもしろかったです。

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2024年09月16日

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ホラー(非現実的)とミステリー(現実的)のどちらも両立させながらちゃんと融合できててとても良かった。

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2024年09月03日

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4.2点
こっわ!おもろ!
ミステリーとホラー(怪談系)が絶妙な塩梅でミックスされており、ミステリーファンもホラーファンも、どっちも満足させてくれる最&高!な作品でした!

ラストの衝撃と鳥肌をみんなにも感じて欲しい!

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2024年08月16日

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主人公のルポと取材時の状況などを交互に読んでいくような作品。
ホラー(怪談)とミステリーを掛け合わせた短編集。
ホラー(怪談)としてゾクゾクするような作品でありながら、ミステリーとしての側面も持ち合わせていて面白い作品。
最後の終わり方もまたこの作品のホラー(怪談)とミステリーの部分を表しているのではないかと感じた。

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2024年08月07日

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ネタバレ

怪談とミステリのマリアージュ!

この手のミステリにおける”怪談”の取り扱いは大体「幽霊の正体見たり枯れ尾花」となることが多いが、この作品はきちんと怪談とミステリが同居している。
怪談もミステリも大好きなのでこれは1粒で2度おいしい。
オムニバス短編かと思いきや、最終的につながって大きなミステリもある点も素晴らしい。
Audibleで聞いたのがまたぞっとできてよかった。
呻木叫子、シリーズ化してほしかったなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

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2024年02月15日

Posted by ブクログ

妙にリアルでとても実話怪談らしく、錯覚してしまう。じわじわくる怖さがなんとも不気味な描写。トリックを解き明かす「呻木叫子」素晴らしい洞察力。最後終わり方が衝撃的だった·····。

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2024年01月20日

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僕の姉は怪談作家だ。「呻木叫子」という筆名で、民俗学の知見を活かしたルポ形式の作品を発表している。
ある日、その姉が自宅で異様な姿で昏睡しているのを発見した僕は、彼女が霊現象を取材していた旅館<K亭>との関連を疑い調査に赴くが……。


第十七回ミステリーズ!新人賞受賞作収録のホラー×ミステリ連作短編集です。
登場人物の1人から見た事件部分と、怪談作家の呻木叫子が書いたルポの原稿の2面から1つの話が読める形式になっていて、それぞれ少しだけ違う視界がリアリティがあって面白い。

ただ単にホラー、ミステリというのではなく、事件の謎解き部分はしっかりとあったうえで怪異としての恐怖も残すバランスが良い感じ。
ラストのページはぞわっとしました。

作者さんご本人も研究者として妖怪や幽霊に関する研究を行っているそうで、自身の幽霊論に関する著作を、作中でこういった論文が存在して~と登場人物に説明させているのも遊び心があって良かったです。
その本も読んでみたいな。

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2024年01月07日

Posted by ブクログ

実話怪談作家、呻木叫子のルポルタージュ形式の作品を軸にしたホラーミステリー短編集。

宿泊者が不気味な体験をする旅館、首のない女の幽霊が出るというトンネル、泥に塗れたお化けが上り下りする坂道、不可解な状況の事件について他人に話すと次は自分が犠牲者になるという都市伝説。

ホラーだと思って読み始めたら、きちんと論理的に解決するミステリーだった。ただ、どの事件もホラー部分によって引き起こされた感もあって完全に事件の全容を証明しきれない薄寒さが残るのがいい。
最終話、ほんのり不気味さを残しながらも人為的な事件の真相はきっちり解決させたあとの最後のページが怖すぎ…好き…

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2023年12月14日

ネタバレ 購入済み

最後も好き

いっけんなんのつながりもないようなエピソードたちが繋がっている、それがわかったときなんだかわくっとしました。
最後の結末もいいですね、ホラー色強くて。これだけ怖い体験してきたんだからこの女性は大丈夫!みたいな自信があったのでちょっと悲しかったですが。

#怖い

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2023年08月24日

Posted by ブクログ

ホラー苦手族なんだけども、ほんタメでたくみさんが紹介していたので、ミステリ要素に期待して読破。
読みやすくてホラー描写もキツすぎず、面白かった…!
最後はこわくて涙目になったけど笑

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

怪談作家・呻木叫子の活躍を描く連作短編集。
表題作は叫子が自宅で瞼を髪の毛で閉じ合わされて昏睡状態で発見された事件を彼女の弟が調べてゆくという話だが、意外なオチに驚いた。どの作品も派手な怖さはなく、事件のほとんどに人為的な解決が提示されつつもじんわりとホラー要素があるという構成で面白かった。続編もあるようなので読んでみたい。

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2024年10月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実録系のホラー作家がフィールドワークの最中に、その曰くのある怪談を下敷きにしたような事件があってその裏に・・・みたいな。
その事件そのものはコテコテの密室殺人だったりでミステリ好きとしてはほっこり。そしてどの事件も肝心の部分ははっきりせずに怪異の存在をほのめかして・・・というよくあるつくりと思ったら連作短編で最終話でああああああああああああ
というそういう。
なかなかに面白かったです。主人公である呻木叫子がなんとも不気味に感じました。一話で弟亡くなっても全然心動かされることもなく。終始、人となりがよくわからなくて・・・密室殺人の謎解きとかは短編だけにさらっと軽めですねえ。

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2024年10月18日

Posted by ブクログ

2024-10-05
1作目だけ読んだらやはり気になるもので、つい。
期待通り、連作を通じての仕掛けがあって良き。その大仕掛けがやっぱり怖い。
手触り的には雨穴作に近いけれど、ミステリの部分はこちらの方が骨太。
惜しむらくは2作目のみ大仕掛けとの絡みが薄いことかな

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2024年10月05日

Posted by ブクログ

ミステリとホラーの融合の塩梅がよい。またあることは解決するが多くのことは「怪異なので理解できません」とあっさり手放されるのが実話怪談を読んでるなぁという気分にさせて実話怪談好きにもおもしろく読めた。ただ時々、同シーン内で視点主が一部分だけ変わる、という視点の混同が見られたので少し気持ちが途切れるところがある。

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2024年07月20日

Posted by ブクログ

怖い話が読みたくなって(わたしは時々そういう衝動に駆られるのだが)手に取った一冊。

怪談ルポライターの呻木叫子が、自宅で意識不明の状態で発見された。
姉と連絡が取れないことを不審に思い、一人暮らしの姉を訪ねた弟が見つけたのだ。
そのときの彼女の様子というのが、想像すると本当に恐ろしくて、よくその後普通に生活できるなと思うくらい異様だったから、初っ端から怖くなってしまった。

殺人事件が起こる4つの話はすべて、小説の部分と呻木叫子が執筆した記事の2部構成だ。小説の部分では実名で語られる登場人物が、記事の中ではイニシャルになっているので、そこの部分が多少読みづらく感じたが、リアル感が増すし、こういうのってなかなか珍しいんじゃないかと思う。

この本は単なるホラーじゃない。
ミステリーの要素が多分に含まれる。
そこが、いい意味で裏切られた!とニヤリとするか、なんか謎解きがややこしくて読みづらいなあと思うか、評価の分かれるところかもしれない。
わたしは後者のほう。
最後の終わり方は視覚的にもドキッとしたけど、でも実はなんとなくそんな予感もあったんだ。

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2023年11月17日

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