あらすじ
息子の不登校に悩むパート主婦の「私」。洗顔料を使ったら、祖母が降霊してしまった。掃除道具と洗顔料と生家の思い出を携え、越冬する。第41回太宰治賞受賞。
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Posted by ブクログ
ダイスキな作品です♡
面白かったです♡
ネクロマンシーというのは降霊術のことのようで、フェイスウォッシュをテストするために手につけて洗い、白く綺麗になった手を見て「おばあちゃん!」と叫んでしまったことから、あることが始まります。
白くて綺麗な手をしていた祖母を思い出して、「おばあちゃんの手みたい」と言いたかっただけなのに、感動してつい大きな声でおばあちゃんを呼ぶように言ってしまったことがキッカケになりました。
主人公は、後々、降霊術について本で調べます。そして、それが起こる条件が身の廻りにあったことに気付くのでした。
他にもいろいろなことがいろいろと附合する(分かりにくいですよね、スミマセン)ことが主人公目線で語られます。
作者の栗原知子さんは詩人でもあるそうで、お話の組み立て方や出来事を切り取る切り口の感性、比喩を含めた言葉の用い方が、とても詩人らしい(のかな?)と思いました。
淡々と語られる佇まいもわたし好みでした♡
太宰治賞の受賞作品だということですが、芥川賞にもノミネートされたら良いなと思いました。(対象期間に合うかどうかは分かりませんが)
主人公や登場人物(おばあちゃん含む)が愛おしくなる作品でした。
みのりんオススメの作品です♡
〔作品紹介〕
第41回太宰治賞受賞作
息子の不登校に悩む四十代の「私」。美容品を扱う店でテスターを使用したその日から、祖母の霊を降ろせるようになってしまった。掃除に打ち込む「私」の傍らで、もの言わぬ祖母は何をどう感覚しているのか。重曹と洗顔料と生家の思い出を携えて、パート主婦が越冬する。
人生の踊り場で来し方を振り返り、自分なりのやり方で自らの生を肯定する第41回太宰治賞受賞作と、書き下ろし「森と百式――みっちゃん(43)の場合」を収録。
「当人にとっては切実な体験が、少しのおかしみとペーソスを伴って描出される。そのいちいちの言葉の選び方に、ものを書く人らしい丁寧さを感じて、わたしはこの作品を推した。」 ――中島京子
Posted by ブクログ
フェイスウォッシュ・ネクロマンシー
不思議な、うまく意味をつかめない物語だけど、そういう小説は結構好み
一生懸命理解しようとするけど、ほぼ間違いなく理解できない
トラック走でいうと、いつも2周遅れくらいで追いかけている感じ
それでもハロー・グッドバイのエンディングとともに上っていく祖母のところは、この小説のためにこの歌が存在していたと思えるくらいとてもいい感じだった
森と百式
10周遅れかな
Posted by ブクログ
表題作も共感できる内容だったが、森と百式の方により共感した。主人公が小学生の頃に娘に諭して返ってきた言葉が胸に刺さる。
人は皆違うし孤独なのだと‥当たり前ながらに思う。
しかしこうも感じる、大層な神もちっぽけな神も許容される、そんなことを考える余地がある日常生活を送れる日本はまだまだいい国なんだなと。
Posted by ブクログ
「美容品で身体を洗うと祖母の霊が見える」という今までにない斬新な設定が面白かった。
祖母は一体、何を伝えたいのか。特に生者(家族)に何を伝えるでもなく、漂っているだけで目的が分からない。しかも、主人公にしか見えてないようだし。
しかし、霊体でも「いてくれる」だけで心が穏やかになるのなら、私も主人公と同様、何度も祖母を降霊(?)させてしまうかもしれない。
優しそうだけれど祖母の霊については分かってくれなさそうな夫と、不登校だけど特に荒れているわけではない息子。家族関係も問題ないように思えるし、なんならこのままでも良いんじゃないかと思った。
物語は淡々と進行し、いつの間にか家族は良い方向へ変化していく。
最後、祖母の霊は姿を消し、そのとき初めて祖母の目的も分かる。
不思議な、静かな余韻が残った。
Posted by ブクログ
中編1、短編1
表題作の主人公の物に動じないというか飄々としているところがいい。学校に行ったり行かなかったりする中学生の息子、手の甲をきれいにすると現れた祖母の霊などへの関わり方が好ましかった。