【感想・ネタバレ】平場の月のレビュー

あらすじ

須藤が死んだと聞かされたのは、小学校中学校と同窓の安西からだ。須藤と同じパート先だったウミちゃんから聞いたのだという。青砥は離婚して戻った地元で、再会したときのことを思い出す。検査で行った病院の売店に彼女はいた。中学時代、「太い」感じのする女子だった。50年生き、二人は再会し、これからの人生にお互いが存在することを感じていた。第32回山本周五郎賞受賞の大人のリアルな恋愛小説。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

アラフィフの私にとっては、とても考えさせられたり、突き刺さるところが多い小説でした。

私のパートナーとのこれからのあり方について、とっても考えることが多いものでした。とてもありがたかったです。

映画を映画館で見たかったなぁ…

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

『平場の月』かぁ。
タイトルが秀逸だなぁ。
大人の恋愛小説という意識で読んだのですが、それだけでは言い切れないものが多く盛り込まれていたように思います。
中学生の時に出会った青砥(君)と須藤(さん)。
自分自身のことを振り返ると、中学生の頃から頭の中はあまり変わっていないように思います。今現在の中学生を見ると、随分と幼いように見えたりするのですが、結局、自分もその幼い感じを基礎に持ちつつ年齢を重ねてきたんだろうな、人格や人間関係などこのくらいの時にある程度出来上がっているのだろうなと。
本書でも年齢を重ねて地元に戻ってきた青砥と須藤と、周りの元同級生たちが、基本的に変わらない人格と人間関係をもう一度やり直す感じです。
青砥が言うところの“ぬるっとした目”で他人のことを決めつけてくる知り合いとか、いるよねーいるいる、って感じで読んでるだけで疲れちゃいました。地元に住み続けるというのはある程度覚悟がいることなんだな、と思ったりしました。
まぁ、そんなことはいいとして、青砥と須藤の恋愛ですよね。お互い、色々人生経験積んでからの恋愛。もっと素直になればいいのにとか、もっと甘えていいのにとか思ったりもするけれど、できないのもよく分かる。やはり若い頃とは違う心の動きがあるのですよね。(さらには、中学生の頃に出来上がっている人格がある!)それに、読者は初めから須藤のやがて訪れる死を知っているわけで、物悲しさと共にページを捲ることになります。
これは是非とも映画も観てみたくなりました。

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

やられた。
これはもう、全オトナが読んでください。

不器用な2人の不器用なセリフにグッとくる。
大人になればなるだけ次の恋には慎重で、失敗してきた分、優しくもなれる。

会わない、は優しさだったんだろうか。
その意見を尊重するのは愛だったのだろうか。
一歩踏み込めよ、でもその勇気が出ない、のもわかる。オトナだから。

一生背負う青砥の後悔がいつか軽くなりますように。

0
2025年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画を見てから読みました。読んでみて、映画が原作にとても忠実だったことがわかりました。

不器用としか思えない須藤の行動には本当に気を揉みましたが、きっと青砥はそういう行動をするから須藤のことを好きになったんだろうなと思ってなんとか納得させてます。

それにしても切ない。

0
2025年12月20日

Posted by ブクログ

この本ヤバい刺さる
どちらの気持ちも分かるなぁ
担当した人たちや、自分に照らし合わせてしまう
映画化するのですね。読んでから知りました

0
2025年12月07日

Posted by ブクログ

映画と合わせて読ませていただきました。
どんな選択をしたら正解だったのか分からないけど、それを青砥のように何度も考えてしまいました。
映画は最後の星野源さんの「いきどまり」でそこで終わると監督が仰っていたのですが、まさにそうでした。曲が流れた瞬間、感情が溢れてきました。

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

映画の予告を見て読んだ。
結末はわかっているのに良かった。
「大人の恋愛はいいな」と思えるような年齢に自分もなったのかな。
「マチネの終わりに」を読み直したくなった。

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

映画化していたことで知ったので読んでみた。
なんとも言えない気持ちになった。若者の恋愛話よりも、50代の恋愛の方がグッとくるものがある。

かつては50代になって恋愛なんてと思っていたが、年齢を経るごとに人間はそんなに変わらないし、誰かを求めてしまうんだろうなと思うようになった。

須藤の強がってしまうところや青砥のもっと頼ってくれたらみたいなどうしようもないエゴが、何とも言えない気持ちになる。

別に大した感動ストーリーがあるわけでもないが、それがかえって良い。平場の月というタイトルは、言い得て妙だなと。

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

50代の男女模様を描く本作は、自分にとって将来の想像をするきっかけになりました。
たまたま再会して家で宅飲みをする関係にまでなるものの、ずっときらきらすることなくむしろ少しどろっとした恋愛なのかもしれない。
でもそれが、朝倉さんの表現にかかればなんと美しいことでしょう。じっくり読んでいく読書体験が心地よかったです。

0
2025年12月26日

Posted by ブクログ

平場=特定の形式にとらわれない、自由な場や空間。
登場人物が互助会的というように、主要2人は同志のような関係性。派手では無いけど、そこがいい。
月=月並みという意味も込められているのだろう。
独身で、両親も亡くした先の未来に何が待っているのだろう。不安だ。

0
2025年12月24日

Posted by ブクログ

中年の恋の話。中学生のとき、お互い好きだったのに、付き合えなかった二人。ひょんなことから50代になってから巡り会う。
人生やり直しがきくのなら・・・
切ない。ジンとくる話だった。

0
2025年12月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

聞き慣れない「平場」という言葉の意味が観終わった後に効いてくる作品であった。
青砥、須藤は、まさに一般的な中年の男女で中学の同窓であった。
それぞれに人生の辛酸を経験して再会した時から始まった不器用な二人の関係がいじらしくもあり、歯がゆかった。
最後は悲しい結末とはなったが、青砥の愛を感じながらも天へ召された須藤。須藤への想いをぶつけながらも思うようにいかず、約束を待ちながらも彼女の死を後日知った青砥。
それぞれ相手の事を考えた上での行動であっただろうが、あまりに切ない結末となった。
でも、二人が過ごした時間はお互いにとって「宝物」であったと私は信じたい。

0
2025年12月21日

Posted by ブクログ

『よむよむかたる』から5ヶ月ぶりの、朝倉かすみさん。
映画の予告で知りつつも、ラジオで星野源さんの歌う映画の主題歌で観に行きたいと思い、原作を読みたいと思いました。

地元で再会した須藤と青砥。お互い中年の50代での恋愛。中年世代でもある自分だが、こういった恋愛は憧れる。が、須藤の我の強さ、青砥の自分の気持ちを表に出すことのできないもどかしさが目についた(それがお互いの繊細な気持ちが緻密に描かれている)。

特に過去の出来事(家族関係・結婚・離婚・恋愛)が性格を生成されていくこと、お互いの気持ちを紡ぎ合うことの難しさを痛感する部分。そして自分の体の変化や家族のことなどと課題が広がっていき、心がざわつくことが増えていってると思った。
それを表現する須藤の言う言葉には、そういった部分が見え隠れしてて胸が痛い。

いきなり不幸から始まる物語ではあるものの、青砥の須藤に対する思いが強く純愛そのもの。だけど儚くもある物語だった。★は4.5。

映画観に行けばよかった…。

0
2025年12月21日

Posted by ブクログ

お互いの想う気持ちがあったとしても、それを受け入れたり表現したりする仕方は、人それぞれなのがある意味切ないなと思ったのが個人的ハイライト

映画を観て、原作があることを知り、拝読。
映画から入ったため、ストーリーは大方理解した上で読みました。映画にはない場面もあり、なるほどと思いながら読むといった具合でした。

恋愛ものですが、なにか大きな展開があるわけでもない。でも、確かに2人の中に芽生えていく気持ちの様が読んでいてドキドキしました。いくつになっても、誰かを想う気持ちが芽生えるのは至極当然であり、それを年齢等で理由づけて否定する方がダサいのかもと感じました。

0
2025年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

切ない。こんなにも好いている人に、もう一度も会えなくなってしまうとしたら、私はどうなるんだろう。2人の生活の描写は、若い頃の恋愛とは違う、穏やかな中にも愛の溢れる日々だった。映画を見る前に原作が読みたくて読んでみた。これがどう映像化されるかが楽しみだ。

0
2025年12月16日

Posted by ブクログ

映画の予告をたまたま見てから読んだからかもしれないが、本なのに映像が浮かぶ。ページを捲る手がなかなか止められない。

0
2025年12月16日

Posted by ブクログ

悲しい結末を見せられてから物語が始まる。中学校のときにちょっと好きだった者同士が、それぞれの事情を抱えて、五十を過ぎて再会する。何気なくはない日常を、何気なく語る大人の純愛小説。

0
2025年12月15日

Posted by ブクログ

映画を観たのちにしみじみとした余韻が続き、原作にも手を伸ばしました。
自分の親ほどの年齢の二人のやりとりがリアルで、もどかしくて、少しキュンとしてしまう。当事者にとっては一大事でも世間的にはよくあることで片付けられてしまうような出来事。自分と地続きの人たちの話でした。

0
2025年12月15日

Posted by ブクログ

映画よりもリアルに東京近郊で暮らす埼玉の民を描いていたし、エンディングは小説のほうが好みだった。
地元で育ち、老いぼれていく人たちが平場で終わらない日常をにいかに生きていくのか。
人生も後半戦の自分にあらためて問うてみる。

0
2025年12月15日

Posted by ブクログ

同級生と不健康自慢で盛り上がっているうちはまだまだ健康なのだろう。しかし、年を重ねていくと、確かに終わりを感じ始め、深刻なことは話題にしなくなる。50代の主人公は恋をし、ヒロインは主人公を愛しており、二人の想いは成就していた。しかし、自分の恋を優先したとき、愛ある故に悲恋に終わる。残り時間を知ったとき、自分はどうするだろうか。

0
2025年12月13日

Posted by ブクログ

50歳の男女の恋愛小説で映画化もされたと聞いて読んでみた。恋愛小説はあまり読まないがこれは良かった。一緒にデパートに行ってご飯食べるとか、大切な人とただ一緒に過ごすことの大切さが身に染みる。結末が最初からわかっているので途中は読んでいて辛かった

0
2025年12月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中年の恋愛物語。でもいきなり亡くなった場面から始まるから悲恋なのはわかっていた。
もうこの小説だけで十分泣けたから映画は見に行かない。
何でこんなにもどかしい2人なんだ!とすら思ったけど、そこがリアルなのかも。
しばらく悲恋のお話は読まない。

0
2025年12月09日

Posted by ブクログ

須藤は太いという意味がわかってきた。もっと青砥を頼って一緒にいたら、、でも須藤はそういうタイプの人ではなかったんだね。青砥は辛いだろうな。。映画も観たくなった。

0
2025年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画見た翌日に本買って読み始めた。映画で泣けなかったので、本なら変わるのかなと。
結論としては泣けなかったのだけど、感じたことをメモ。

須藤の死から始まってて、青砥目線で死に至るまでの出来事を回想していく構成。
映画の答え合わせをしながら読めたので、すんなり頭に入って来た。映像を脳内で再生しながら読むのっていいね。
映画で描ききれなかったそこにいたる感情が読めて、合点がいったと言うか。なるほどとなった。
ストーマのあたりとか本は詳細に書かれていて、須藤の背景を感じることができた。

大人になればなるほど、自分だけじゃなくて周りの目とか、相手のことばかり考えてしまう。空回りしてしまう。
そんな不器用で大人の悲しい恋物語なのだけど、お互いが通じ合っているところを見ると二人にとっては希望のある話だったなあと。

0
2025年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第一章で須藤が亡くなったことが分かっていたのに、最終章でなぜかまさか、死んでないよね?会えるよね?と願うかのように読み進めていた。
情景描写がリアルでひきこまれていった。読み終えた今、2人の幸せを切に祈りたくなる。夢みたいなことという言葉がピッタリだったな。

0
2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おじさんミーツおばさん。

おばさんの方は病魔に蝕まれ、少しずつ損なわれていく。それでも己の信念を最後まで貫いて、無機質にそして強く、″太く″死んでいく。そんなふうにするべきじゃないのに。

おじさんの方はただただ優しく、大人で、何も考えていない。何も考えていないうちに、まわりの大切な人が死んでいく。そんなふうであるべきじゃなかったのに。

須藤。
「あわせる顔がないんだよ」じゃねえ。
どんな顔だってよかったんだよ。会えよ。
自分だって会いたいだろうに、なんで勝手に死んでんだよ。

青砥。
気づけよ。
検査の結果はしつこく聞けよ。
結婚はゴリ押ししろよ。
1年てなんだよ。そんなには待てないんだよ。人も命も。


文章は決して上手くはない。作家としては下手な部類に入るかもしれない。

それでも登場人物たちに文句を言いたくなるくらい、しっかりと感情を掴まれてしまった。


そして時折ハッとするような光るフレーズを放ってくる。いくつかを書き留めて本稿を終わる。

89P
「だが、どの頬も肌理細かで、なのに風にさらされたような野趣があった」
野趣という言葉に頼ってしまった感はあるが、美しい表現。


105P
「分は希望だ。ないと収まりが悪い。」
ないと収まりが悪い、の部分に、もしかしたらゼロなのかもという、人生の経験値から来る静かな諦念と、それでも1分でも希望があるなら全力でそれに向かおうとする覚悟を感じる。


145P
「遠浅の海でちゃぷちゃぷとあそぶような笑みをひらかせ、横の髪を耳にかけなおした。風が出ていた。」
遠浅の海〜の表現は抜群に上手い。この一瞬の須藤の気持ちをこれ以上なく的確に切り取っている。
そして 風が出てきた の一文ですぐに現実に引き戻し、その落差でやりきれなさを表現している。

170P
「ふたつの藁の束を絡み合わせて丈夫な縄にしたような、そんな手応えが青砥にあった。たぶん愛情というやつだ。」
50代の恋愛ってこういうものかもしれない。
決してまっすぐなものではないし、ただ感情だけでつながるのではなく、打算や状況や既成事実なんかがぐるぐると絡んでできあがる。

0
2025年11月09日

匿名

ネタバレ 購入済み

胸が切なく

平場の月、映画化決定の数秒の予告ムービーを見て。映画公開前に読みたくなった作品。読みながら、キャストや数秒の予告ムービーから演じてる俳優と重ね合わせて読むのも、これもまた良く。より、作品の切なさが移入出来た気がします。あと少し早かったら、それともこのタイミングで正解なのか。辿ってきた運命とは、切っても切れない自分の道なのだなと改めて感じる作品でした。

#切ない #感動する #じれったい

0
2025年09月20日

Posted by ブクログ

…で?となってしまった。男女お互いちゃんと言うべきことを言えばいいのに、伝えずに永遠にお別れしてしまう的な恋愛小説が私は好きでないのだなとふと気づかされる。こういう展開て、ロマンチックなのではなく、登場人物たちが恋愛偏差値低いだけやん(非合理的で賢くないだけやん)と思ってしまい。。

0
2025年12月19日

Posted by ブクログ

また実写化を契機に。というか、その映画主題歌の星野源のいきどまりがよかったので、どんなものかと原作にあたってみた。
大人の恋愛、といえばキレイなモノのように感じてしまうが、ストーマのあたりが読むのが精神的に辛くなってしまった。解説にて患者からすればあくまで日常、という話があったが、これを想像できていなかった。ストーマのことは知っていた。けど、その生活になること、その生活がどんなものかというところにまったく意識が向いておらず、実際に描写を目の当たりにして、自分が辛くなってしまった。年をとること、患うこと、失うこと、それらにいかに無頓着に過ごしていたか。

0
2025年12月14日

Posted by ブクログ

映画公開のお知らせをきっかけに、
本屋さんで見かけて購入しました。
もう恋愛小説は自分の年齢には
合わないかな…と思っていたけれど、
久しぶりに一気読みしてしまうほど
心に沁みる物語でした。

若くもなく、お年寄りでもない
50歳の二人が育むのは、
情熱よりも静かな寄り添い。
お互いの孤独をそっと包むような関係に、
じわじわと胸が温かくなり。
病と向き合う彼女に、青砥が淡々と
寄り添う姿もとても印象的でした。

冒頭で結末が示されているからこそ、
二人が重ねた時間の尊さが
より深く心に残りました。
読み終わった後の余韻が…。
それにしても切ないなぁ

0
2025年12月07日

Posted by ブクログ

決して静かな話ではないけれど、静かに進んでいくように感じられてよかった。
と言いきれないので☆3。あらすじと最初の章で須藤の最期がわかってしまい、そこに幸せのにおいがしないから。これを「大人の恋」というなら、大人の恋はとても悲しい。須藤には生きて欲しかった。
でも、解説の中江有里は「本書は悲恋に終わるが、幸運に見舞われた二人の奇跡でもある」と言っている。そうなのかも。
(中江有里の解説がよかった。)

0
2025年12月06日

「小説」ランキング