あらすじ
それは「未来」へ繋がる小さな一歩――「みんなが我慢しなくていい方法を、ちょっとずつ探していこう」。作家・森沢明夫さん推薦! ある家族を中心に紡がれる、感動のデビュー小説。
作家・森沢明夫さん推薦!
人生の長く暗いトンネルも、そこから抜け出した世界の明るさも、すべては「出会い」が織りなす美しい奇跡であることを信じさせてくれる物語でした。
[内容紹介]
「あの日、私を救ってくれてありがとう」
現日スポーツの記者・直生は、栄神タイガースの抑えのエース・宮城峻太朗に絶大な信頼を置かれている。ある日彼は、宮城がフリーエージェント権を行使して、メジャーへ挑戦することを内々に知らされる。その挑戦を喜ぶと同時に、少しだけ羨ましく思う直生。いつか自分も独立して海外で取材がしたい……彼には二人の娘がいるのだが、次女の奏が自閉スペクトラム症で、子育てを妻の栞に任せきりだった。そんな中、奏が怪我をして入院することに。緊張の糸が切れたように崩れ落ちる栞を前に、直生は何一つ声をかけることができない。深まる溝、先の見えない未来。後悔の中、彼は思う。そもそも自分は、なぜ、この仕事を選んだのか……すると、中学時代に出会った先輩・佐々倉美琴の姿が脳裏に浮かんできた。
いま、小さな再生の物語(ドラマ)が幕を開ける。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
何かを選択したら、それが自分にとってベストなシナリオだったとあとからちゃんと思えるように、自分で人生を紡いでいく
我慢することって、愛情表現じゃない。自分が自分らしく生きていないと、結局まわりを傷つける。
最後、直生は琴美に会えなかった
間に合わなかった
Posted by ブクログ
スポーツ新聞記者月ヶ瀬直生を中心として、その家族や人生で関わった人たちをめぐる物語。
いろんな要素を詰め込みすぎて、それぞれはちょっと浅くなってしまっているような印象はあったが、人とのつながりのまさに「ぬくもり」を感じさせてくれる読後感の良い小説だった。
Posted by ブクログ
ラジオで静岡出身の作家さんと聞き、読んでみました。
はっきり伝えないでモヤモヤしたまま離れて行ってしまうもどかしさ、学生の頃はそんなもんですよね。
美しい記憶は、現実の生活が上手く行かないとより輝いてしまう。最後は、家庭が壊れずにいい方向にに行きそうで安堵しました。
人生、諦めた事があってもそれは自分の決断ですよね。
Posted by ブクログ
静岡書店大賞受賞。
みんなが我慢しない方法をちょっとずつ探していこう。
新聞記者、独立したい直生、自閉症の娘に付きっきりで、もう一度仕事したい妻、メジャーに行きたい宮城、直生に学生時代救われた、末期癌の美琴。
我慢して今を生きているが、みんなどこかで誰かに助けられて、繋がっていた。
じんわり、暖かくなるストーリー。
Posted by ブクログ
登場人物が抱えるそれぞれの心の迷いや葛藤。
友人の助言を受けて、結局は自分らしく生きることが、自分以外の人にとっても大切だということを知る。
切なさありつつ、ほんのり心も温まる物語でした。
身近な静岡の地名が出てきて親近感が湧きました。
Posted by ブクログ
ジャーナリストの佐々倉美琴とスポーツ新聞社のライター月ヶ瀬直生。同じ中学の先輩と後輩で、お互い知り合い以上の感情を持っていたのだけれど、、縁とタイミングだなあ…と改めて思う。
中学生の美琴の思いが切ない。どうすることもできなかったのもよくわかるけれど…。直生から「かっこよくいてほしい」と言われた美琴はその後の人生しんどくなかったのかな。栞には「我慢するな」って言ったのに。直生の成長なのか、そういう対象なのか、、今ひとつわからなかった。
静岡書店大賞受賞作。良く知った地名がたくさん出てきたのが楽しかった。
Posted by ブクログ
森沢さんが帯の文を書かれていたので手に取りました
我慢するということは、相手を思いやっているようで実はそうじゃない
そんなことを、今までにも感じたことがあります
自分が我慢をさせている、そういうことに負い目や引け目を感じてしまうんですよね
自分のせいで、と思うことで言いたいことがどんどん言えなくなっていくのは悲しいことだと思います
傷つけるかもしれないし、勇気がいることだとも思うけれど
たまには本音をぶつけ合える、そんな関係が築けるのならそれは素晴らしいことなんだと思えます