【感想・ネタバレ】ファースト クラッシュのレビュー

あらすじ

初恋、それは身も心も砕くもの
父が引き取った少年が、高見澤家に波紋を呼ぶ。三姉妹も母も心をかき乱されて――。現代最高の女性作家が贈る芳醇な恋愛小説。

※この電子書籍は2019年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

はじめての山田詠美さん。
力強い文体と恐ろしく細かい描写に、江國香織さんが好きそうな感じだなぁと思った(泣かない子供の作中で紹介されていた作家さんが山田さん)。
とっても女性らしい作品で、こんなに感情を分析でき、文章にできる力量に乾杯したい。文学の力を実感した。
この作品は本当に「女」っぽい。

子、よかったね。

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

久々も久々に山田詠美さんの作品。
10代に出会った頃の衝撃を思い出した。
いつも衝撃と言葉と文学、そして恋という感情を教えてくれる。
そう、恋愛のど真ん中なのに、けして恋愛だけではないのが山田詠美さんだった。
かっこよくて大人な大人を教えてくれる。
20代でも、もっと読んでおけば良かったなぁ。

説も良かったので、文庫で読んで良かった。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

裕福な家庭の3姉妹の元に突然現れた父の愛人の息子・力。
力に魅了される3姉妹とその母。

全く違う性格の女達が1人の男性に惹かれていく様子がそれぞれの視点から描かれている。
これが恋だとは認めていないものの、詩に出会って恋だと気づく瞬間がこれまで読んだ恋愛小説とは違う感じだった。

ラストは意外な結末で、予想外にキュンとできてよかった。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

久々の山田詠美。エイミー。僕は勉強ができない、は何度も読んだ。ほかにも、瑞々しくて本能に忠実でちょっと大人な恋の話を、若い頃はドギマギしながら読んだ。綺麗なだけじゃない人と人との関わりの中で生まれる感情、登場人物のそういった感情や考えを、赤裸々にあっけらかんと語るその文章は健在。

ファーストクラッシュとは、初恋のこと。物語は、資産家の三姉妹が住む家族のもとに、父親の愛人の息子が引き取られてやってきた当時の日々を、三姉妹それぞれの一人称で語られる3章からなる話。彼女たちのファーストクラッシュの相手は全員、そのもらい子の男の子。だけれどもそこは山田詠美、甘酸っぱくてウフフな初恋ではない。三人三様の初恋模様が面白い。大人の読者からしたら、姉妹の目に映る母親の心の内や苦しみにも思いを馳せると思う。

なおこれらの物語は、おとなになった三姉妹の回想という形をとってるのも良い。姉妹の一人称による観察や出来事の描写から、その少年はどんな気持ちでどんなおとなになっていったかを、読者はものすごく想像する。掻き立てられる。そうこうしてるうちに迎える全編のエンディング…ほぅ。大人って、どんな人だって、子供のころの延長線上にいるんだよねぇ。わりと好きなエンディング。

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2025年06月21日

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初恋という熱病におかされるのは一度しかないのは幸福であるのと同時に女であることからは逃れられないことだと

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2024年02月11日

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父の愛人の子に恋してしまった三姉妹の物語

父の愛人が亡くなって引き取られてきた男の子、新堂力(リキ)

裕福な家庭に暮らす高見澤家の三姉妹
長女の麗子は「お嬢様気質」
しかしその振る舞いは空回りしているように見える

次女の咲也は読書家で斜に構えるひねくれ者

三女の薫子は天真爛漫
力とは犬仲間のように思っている

そんな三姉妹の三者三様の恋模様とその表現

そして母親による力への攻撃


もの凄く歪んだ愛の形なのか?
三姉妹の誰もがそれぞれの方法で力に執着している

麗子が空回りしているのはわかる

これ系の物語の主人公として咲也が一番適切なんでしょうけど
色々と拗らせすぎてるからなぁ
でも、一番力の事をわかっていたのは咲也なのではなかろうか?
だからこそ一緒にはいられないわけだけれどもね

すったもんだの末に中年になってから薫子とくっつくというのが一番意外な結末だったな
薫子、うーん薫子かぁ……
ないわけではないけど、憐れんだという意味では三人とも同じなんですけどね
執着し続けた年月の重さか?

そんな意味で、母親エンドというルートも有りな気がするんだけどね

家族の中で唯一憐れまなかったから王子様という理屈
この辺が文学的な発想だよなーと思う

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2023年08月28日

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再読。ハードカバーの時、一回読んでた。
何度読んでも、父親の愛人の子として高見沢家に引き取られ、みなしごとして憐れみをかけられながら、成長するリキの魅力的なことといったら、そりゃあ家中の女性たち、母、長女の麗子、次女の咲也、三女の薫子、お手伝いのタカさんまでも、それぞれのアプローチの仕方で近づき、振り回されていく。
リキは憐れみよりも憎しみ罵倒されたほうがまだ良かったんだね。
それが高見沢家では唯一、母のだったんね。
ラストは犬同士の薫子との結ばれる感じで終わる。
中年に近い歳になってるふたりだけど、それだけに年月が必要だったんだね。
ファースト・クラッシュは初恋の意。
初恋は砕けるものだから?

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2022年12月27日

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姉妹三人
それぞれが語り手
憐れみ方、優しさ、恋の落ち方、
物事の捉え方、残酷さ
三者三様
面白かった。
リキの視点のストーリーも見てみたい
とも一瞬思ったけれど、とても辛いなとも思い。。。
最後は
想像し難いが
悲しみ苦しみ絶望、そしておそらくの喜びを
自分なりの解釈で、涙がでました。

山田詠美さん、初めて読みました。
恋愛における、喜び、もやもや、悲しみ
とてもよく言葉に乗せられていて
するする読み進められました。
他にも山田詠美作品、読んでみたいと思います。

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2025年02月09日

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居た堪れない気持ちになった箇所が何度かあり、途中読むのを止めようかと思ったくらい。でも、このエンディングは嫌いじゃない。

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2024年05月28日

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直接的な心的描写が面白かった。
でも、本当にこんな考えする人いる?という気持ちが強く、感情移入が一切出来ず、あまり引き込まれなかった。

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2023年09月18日

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初恋を3者の視点から描いた本作でしたが、初恋の描き方が凄く印象的でした。

初恋はしばしば小説のテーマになりがちですが、この作品では恋を知らなかった人が、心のモヤモヤを初恋であると認識した瞬間を実にドラマティックに表現しているように感じました。

物語の内容については、3者の個性的な性格も相まって、ユーモラスな印象が強かったですが、今時こんな人たちいる?っていう印象もまた強かったです。

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2023年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。やはり山田詠美さんの恋愛小説は独特で、心を描いているのに肉体的、身体を描いているのに精神的。初恋の手に負えないモヤモヤした揺れが三姉妹の(あるいは母親の)それぞれに描き分けられているのがすごい。

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2022年11月18日

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