あらすじ
ヘイスティングズは親友ポアロの招待で懐かしきスタイルズ荘を訪れた。老いて病床にある名探偵は、過去に起きた何のつながりもなさそうな五件の殺人事件を示す。その影に真犯人Xが存在する。しかもそのXはここ、スタイルズ荘にいるというのだ……全盛期に執筆され長らく封印されてきた衝撃の問題作。
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Posted by ブクログ
老いて痛々しいまでに衰えてしまったポアロ、妻を亡くし娘を理解しきれないヘースティングスの様子が悲しい。ポアロが最後に追う謎の犯人「X」。ポアロ最初の事件の現場であるスタイルズ荘が最後の事件の現場になるのがまた悲しさを・・・。今までののポアロ・シリーズとは違いすぎる雰囲気で読み終わった後ちょっと立ち直るのに時間がかかる。
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【ポアロ】
ポアロ最終話。もうすごかった…。
こんなに予想を超えてくるとは…。
言葉にならない。
この本を読み終わって完全にアガサ・クリスティにはまってしまった。
もう本当に読んで良かった!
これから読む人にもぜひ情報ゼロで読んで欲しい。だから何を書いてもネタバレになりそうで怖い。
読み始めから最終話の雰囲気が漂っていて、今までと全然違う。どうして小説なのにこんな不穏な雰囲気が出せるのか。Audibleのナーレターさんも良かった。
100年もの年月を超えて国も違うのに、こんな気持ちにさせてくれるなんて、やっぱりさすが世界のミステリー女王だ。
アガサ・クリスティのことをもっと知りたくなった。一体どんな人なのか、アガサ関連の本も読みたい。
まだまだ未読のポアロシリーズがたくさんあるので嬉しい。はまってしまったのでAudibleのライブラリーが全部ポアロになってしまった(^^)
次は『五匹の子豚』を読もう。楽しみ。
Audibleにて。
★10
Posted by ブクログ
クリスティーのガイド本で興味を持って読んでみました!
確かに、ポアロ・シリーズでも最上位の極上のミステリー、でしょう。
ポアロ最後の事件は穏やかですが独特な緊張感を維持しつつ進んでいきます。あの人がXか、いやコイツも怪しい…。
衝撃的なラストまで、一気に読みたい気持ちを抑えつつ、ワクワクしながら毎日少しずつ読み進めて。
残念ながら最後の事件は終了してしまいましたが、まだまだ元気なポアロが登場する読んでいない作品が残っていますので、どれから読もうか楽しみです。
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34か月間でポアロシリーズ読破!ヘイスティングスがポアロに呼ばれ一路スタイルズ荘へ。衰弱したポアロとの対面、いきなり「ここで大変な事件が起きるかもしれない」とポアロ。しかも犯人の目途は立っている。が、ヘイスティングスに真相は告げず。ヘイスティングスに犯人捜しを頼む。納得いかないが彼なりに慎重に住人と会話する。そこで医師の妻が自殺、別夫婦の妻への誤射、ヘイスティングスの殺人未遂、愛鳥家が拳銃自殺、ついにポアロが病死。複雑な真相はポアロの手記で明かされる。ポアロの幕引きは切なくも格好良かった。そうきたか~⑤
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子ども時代から20代にかけてさんざんクリスティーを読んだものだがこうして久々に再読してみると改めてクオリティの高さに感服した。また読み返してみようかな…
アガサ・クリスティー作品といえば、読んだことはないけどトリックだけは知ってるといういわゆるネタバレ率が高いことで有名で、恐らくは世界中で一番ネタバレされている作者と言っても過言ではないでしょう。本作もポワロ最後の事件ということで、色々なところでネタバレされていますが、ただ単純な犯人当てでもないので、犯人の名前だけ分かっても読後の衝撃度はそれほど損なわれないという内容ですので、そういった理由で読むのを躊躇されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ読んでもらいたい作品です。この作品は発表こそクリスティーの晩年である1975年ですが、実際に執筆されたのは1943年ということで、出版をそこまで待ったのはネタがポワロ最後の事件だからという、なんとも遠大なネタフリというかクリスティーならではの完璧主義に驚かされます。そこまでこだわっているだけあって、内容は並みいる他の有名作品と比べても勝るとも劣らないほどの傑作で、それまでのアリバイ崩しや密室トリックといった推理小説のお約束を全部ひっくり返してしまうような、ある意味クリスティーの真骨頂とも言える作品なのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
読んで欲しい。できればポアロシリーズを数冊読んでから。
【読みやすさ】10
【衝撃】7
【推し度】100
【引き込まれ度】100
【ポアロ大好き感】10000
Posted by ブクログ
エルキュールポアロ最後の事件に相応しい内容だった。
これを読んでしまったらポアロとお別れするようで、中々読まずにいたが、大変面白かった。
最後のポアロの決断には賛否両論あるかと思うが、彼の悪を許さない強い気持ちと、これから犠牲者を出さないために、禁断の手を用いたその覚悟に、私は拍手を送りたい。
Posted by ブクログ
再読。
というか、もう5回目くらい。
好きな本は 何度でも
読み返します。
ミステリ好きになったきっかけは
小学5年生の頃
学校の図書室で たまたま手に取った
クリスティの『ABC殺人事件』
だったのですが
都合のいいことに
クリスティの作品に関しては
定期的に 犯人を忘れてしまうので
もう 何十回も
全作品を 読み直しています。
"ポアロ最後の事件"と
銘打たれた この『カーテン』。
まず タイトルが秀逸。
読み終えた後に ずっしりと
胸に迫ります。
相棒である
人の良いヘイスティングズ大尉と
ポアロの最初の出会いが
『スタイルズ荘の怪事件』。
そのスタイルズ荘に
年老いて病を抱えたポアロが
戻ってきました。
いったい 何のために?
まだ起きていない 殺人事件のために。
罪を犯す者の『人間性』を
常に見つめ続けてきた
ポアロが 最後に対峙する"悪"。
まだ 発生していない
殺人事件の犯人を
どのように 裁くのかー。
どんな事件でも
コミカルな持ち味を忘れなかった
ポアロが
この作品では かなり
ハードボイルドです。
そして 人生の晩秋を迎えた
ポアロとヘイスティングズ大尉の
ほろ苦い心象風景も
この年齢になったからでしょうかー
染みます。
出来れば
ポアロとヘイスティングズの作品を
いくつか読んだ後の方が
より一層 その関係性を
楽しめると思います。
Posted by ブクログ
やっとここまで来たか…という感慨に浸りながら読んだポアロシリーズ最終作。
数年かけて読み続けていたので、思い入れもひとしお。
年月と共に名探偵も老いて弱っていくけれど、その分作品の深みが増しているように思える。
事件の全容についてはある程度予想できた。
では、この最後の事件を彼はどう締め括るのか。
スタイルズ荘に始まり、スタイルズ荘に終わる。
良い幕引きではないでしょうか。
Posted by ブクログ
読もう読もうと思っていて、ようやく読めた、ポアロ最後を飾る納得の一冊‼️クリスティにはいつも驚かされるが(私の中では、「アクロイド殺し」等)、こちらも驚きを隠せない展開。この時代に読んでも、全く色褪せない傑作。
Posted by ブクログ
ポワロシリーズの最終作。最終作だからこその結末ですが… うーん、悲しいですね。
事件が起こるまでが長く、ずーっと不穏な空気が漂ってるのと、ポワロが年老いてるので少し読み進めるのが辛かったです。
Posted by ブクログ
エルキュール・ポアロ最後の事件。舞台はポアロ初登場となったスタイルズ荘。ここから伝説が始まり、そして終わる。衝撃的な結末で幕を閉じる。アガサ・クリスティが創造した名探偵ポアロは今までもそしてこれからも人々の記憶に刻み込まれるだろう。
Posted by ブクログ
ポアロ最後の作品と言う事でなかなか手が出せなかった。でもクリスティには裏切られた事はない。今作も読み入ってしまった。人の心理や憎悪を巧みに煽った犯罪。ミステリーの標準がクリスティって分かる気がする。
Posted by ブクログ
解説に、「長らく封印されていた衝撃の問題作」とあったので気になって手に取った作品でした。
確かに他のポアロシリーズとは一線を画した作品で、衝撃的でした!!
賛否は色々ありそうですが、それも含めて楽しめる作品です!!
Posted by ブクログ
ポアロ
とうとうポアロ最後の事件。久しぶりにヘイスティングズに会えたのは嬉しいけどやっぱり寂しい。私はヘイスティングスと同じでポアロに呆れられるほど今回も分からなかった。生き残ったみなさんに幸あれ。
とにかくラストはびっくりするとともに寂しい気持ちでいっぱいになったけれど、私にはまだ読みかけの「ヘラクレスの冒険」がある!
Posted by ブクログ
あのポアロが犯罪に手を染めるの、寂しい感じ。でもテーマとしては面白かったな。どれだけ計算してても、他人の心を操るのがこんなにうまくいくものかと思ったけど、法に触れずに他人を引きずり込む悪の存在をありありと感じた。多くの人は他人の発言に少なからず影響を受けるし、相手が善良そうに見えればなおさらだと思う。特に、何か運命的なものを感じたら直感ですぐに行動するタイプだと、仕組まれた悪意に気付かずに罪を犯してしまいそう。
ポアロとXの戦いはどっちが勝ったと言えるのだろう?結果的に先にXが死んだから、一見ポアロが勝ったように見える。だが、人の心理を操って犯罪へ導き、人の生死を左右するのがXの目的なら、ポアロが殺人をするということはXの思うツボではないか。ヘイスティングスが唆されたことをポアロは指摘していたが、ポアロも唆されたことになるのではないか。
ちょっと疑念は残るけど、筋書きの意外性とか、人物描写の面白さはやはりあって、楽しく読めた。結構好きな方の作品。
「どこまでも暗い日も明日になれば過去のこと」っていう言葉は私も好き。
Posted by ブクログ
ポアロ最後の事件である。書名が謎ときには有効ではない不思議。病気のために体の自由を失ったポアロ。友人・ヘイスティングズをスタイルズ荘へ呼び寄せ、凶悪な殺人鬼を追い詰め、捕まえようとするが、安楽椅子探偵とは少し趣向が違う面白さがある。ポアロの死後、ヘイスティングズに残した手記が、なんと生き生き(?)していたことか。……しかし、なぜ友人は名探偵ポアロシリーズのなかで『ナイルに死す』と本書を貸してくれたのか? それが最大の謎だ(笑)
Posted by ブクログ
読み終わった後の何とも言えなさ
切ないというか悲しいというか胸にぽっかり穴があいたような喪失感がしばらく続いた
気軽には読み返せない、ポアロに一言声をかけたくなるような作品
これを読んだ後には他のポアロシリーズを読んで心を満たしたくなる
しかしそれでもポアロが好きだなぁと感じた作品
Posted by ブクログ
再読。いくつかポアロ物を読んでから読まないと、ちょっと良さがわかりづらいんじゃないかと思う。シニカルな部分もあるし、ジュディスの安楽死容認発言も気になる。老いや伴侶を失う寂寥、夫婦関係への洞察など、ここまで年月が経たないとここまで書けないだろうなというところに、筆者と登場人物の経年と円熟を感じる。そして遠回しな反戦も読み取れるように思う。
苦い。そう、ジンセイって多かれ少なかれこんなふうに苦いものだよね。苦いものを抱えて生きていくものだよね。
Posted by ブクログ
日本帰国中にBS放送で見て読みたいと思った作品。ポアロ最後の事件と、クリスティーが自ら幕引きをしました。この作品が執筆されたのが1940年代で発表は1975年。事件は、犯人Xが直接手を下すわけではないので、不確定の要素が加わればどうなったか?と思いますが、そこは非常に頭の良いXの緻密な計算の上で行われたということで、スルー。全編にポアロとヘイスティングの信頼と愛情に満ちた関係があふれています。
Posted by ブクログ
あー…ポワロ…となります。
シリーズ最終作と言われており、終わるなら読みたくない!と買った後もしばらく寝かせていた(じゃあなぜ買った)のですが、意を決して読みました。
細かく見たら、「こじつけでは?」「つじつま合わない」という部分があるかもしれません。しかし、それを上回る驚きがあったからいいのです。毎回毎回すごいなあと思わされます。
特に今回は、驚きすぎてある一文を何回も読み返しました。
一通りシリーズを読んだ後に読みましょう。
Posted by ブクログ
ポアロ最後の事件。年老いたポアロは懐かしいスタイル荘に泊まっていて、ヘイスティングズ大尉を招く。そこでポアロから、宿泊者である殺人者Xの事を聞くが、それが誰であるかを明かしてくれない。物語はアガサのいつものように、魅力的な登場人物と明瞭な展開で進む。しかし年老いたポアロには力も若さも無く、灰色の頭脳だけが頼り。人生の寂寥感と空しく重苦しい雰囲気を感じた。
Posted by ブクログ
この話は個人的にアガサの
そして誰もいなくなったを彷彿させるものがあった
殺人犯を立証できない犯人はわかっているが
それを立証できない事件というのは推理小説では必ず取り上げられる話だと思う
今回は最初と同じ舞台スタイルズ荘で事件が起こるというストーリーになっている
さすがクリスティー最初と最期の舞台を同じ場所にするというのがさすがのセンスだと感じる
ただ最初の時と違って随分とキャラクターも様変わりしていた
ヘスティングスはすでに妻を亡くしていて子供たちも自立している
ただ1人の娘であるジュディスを除いて
ポアロに関しては死期がもうそこまで迫っている状態でありベットで寝たきりの状態
それでも彼の灰色の脳細胞だけは昔と変わらないと彼自身自負していた
今回のストーリーは答えをいってしまうと
殺人者はエルキュールポアロだ。彼が自ら殺人を犯してしまう
これだけでも興味が湧いてくる人と絶対に読みたくない人と別れるだろうけれど
一つ言えるのはポアロが殺した相手こそどうにもできない犯罪者だったということ
犯罪そのものを自分から誘発はするが手はくださない
だから絶対に逮捕されない
そしてヘスティングスは相変わらずのポンコツぶりだけれどそれに拍車がかかっていた
ポアロは誰が殺人者かヒントを与えていたのに
そこに気が付かなかった
それがかれの美徳なところだとポアロもほめてはいたけれど
最期のポアロに手記は泣ける
最期の最後までかれは友人を思って逝った
きっと若い時に一緒に過ごした時間が本当に彼にとって幸せだったのだろうと思えた
それは小説というよりドラマでデビットスーシェさんが長年演じたポアロから私が感じたことだ
小説もいいけれどぜひドラマも見て欲しい
そうすることでよりこのカーテンという作品に思いを寄せることができると思う
Posted by ブクログ
「犯人」だけ覚えていたので
他の部分は新鮮に感じながらの再読。
年を取ったポアロが療養しているのは
ゲストハウスとなったスタイルズ荘。
呼び出されてやってきたヘイスティングズは
ここに殺人を教唆する稀代の悪人Xがいて
新たな事件が起きる可能性を知らされる。
車椅子になって身動きの取れないポアロのため
住人や近隣の関係者に話を聞こうとするが
その中には彼の最愛の末娘も含まれていた…。
人の善いヘイスティングズさえ
自分の愛する人間が絡むと
一線を越えそうになってしまう。
人間の弱い部分を操る今回の犯人は
平然と近くに暮らしていそうで怖い。
そう考えると『スタイルズ荘』の
ある意味わかりやすい犯人像の対極だね。
最後の最後にヘイスティングズと
一緒に捜査をする話が読めて良かった。
文句を言いあったり
ちょっとイライラしあったりしつつも
ポアロさんが一番信頼しているのは
ヘイスティングズだから。
そばにいてくれて良かった。
Posted by ブクログ
「これが私の最後の事件となるでしょう。そして、これまでで最も興味深い事件となるでしょう。なにしろこれまでで最も興味深い人物が犯人なのですから」
ポアロシリーズ最終話にしてアガサ・クリスティーの遺作。
あのポアロも老齢と病によりすっかり痩せこけて車椅子生活に。
けれど事件の真犯人に立ち向かう情熱が消えることはない。長年の友・ヘイスティングズと共に次々にに起こる難事件の謎を解き明かす。
これまでのシリーズと違い、全体的に物哀しさが漂う。いつもとは違うポアロの様子に終始ざわざわさせられた。
仲間であるはずのヘイスティングズを翻弄したりたきつけたり、と手の内をなかなか明かさないポアロの言動により、ますます物語全体が不穏な空気に包まれていく。
そしてこのラスト。ポアロの人生最後の事件は淋しい余韻がずっと残るものだった。もっと別の方法はなかったのだろうか、とポアロの最後の決断には悔やんでも悔やみきれない。
「殺人者になる素質は誰にでもある」
ポアロの遺言のようなこの言葉を胸に刻む。
山田正紀さんの解説にもグッときた。
Posted by ブクログ
ポアロ最後の事件であるせいか、他の話とは雰囲気が違うという印象を感じた。そもそも作中で起きていることもなんだかややこしく、実は裏でこういうことがあったのだ、と真実を語られても、すっきりした気分にはなれなかった。個人的には名探偵と犯人の在り方に色々と思うところがあるので、この解決方法は賛否両論あるのではないかと思っている。ただ、ポアロはヘイスティングズのために動いた一面もあると考えると、一概に悪いとは言えない気持ちにもなる。
Posted by ブクログ
ポアロとヘイスティングの出会ったスタイルズ荘が再び舞台となり、今度はポアロの招待でヘイスティングがやってくる。執筆は1943年なので舞台はその頃だ。ヘイスティングの妻は亡くなっており子供4人は独立して1人暮らしになっている。
過去に起きた5件の殺人事件は犯人が確定されていたが実は本当の犯人は別にいて、今このスタイルズ荘で第6の殺人が起きようとしていて、本当の犯人はまたもや別人を犯人に仕立て上げようとしているというのだ。
奇抜なストーリー、しかしポワロ最後の事件として書かれているだけあって重い解決がなされる。
1975発表(執筆は1943年)
2011.10.15発行
Posted by ブクログ
ポアロの最期と聞いて、読んでみました。
犯人X、なるほど、なかなか尻尾を掴ませない「悪党」ですね。彼の罪は殺人教唆、殺人幇助になるのでしょうか。直接手を下さない犯人って、ある意味怖い存在ではあります。ただ、捕まえることができないからといって、あんなやり方で解決するのはいただけないなぁ。なんだか、腑に落ちない。心にもやっとしたものが残りました。