あらすじ
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
森見ワールドに惹き込まれた!
今晩夜の街に繰り出してきます!
小難しい言葉遣いで書かれているのに、疲れずに没頭して読める。
挿絵はひとつもないのに、登場人物たちの姿がありありと脳裏に浮かび、映像になっていた。
Posted by ブクログ
なぜか夏が来たら読みたくなる1冊。
(電気ブランが飲んでみたいのかも知れません)
読書って本当に面白いのだなと思わせてくれた1冊。
至極丁寧な言い回しのなかに隠れているユーモアさがたまらない。(例「恥を知れ!!しかるのち死ね
!!」「詭弁踊り」「おともだちパンチ」「ハッピーエンドだ!!誰もが赤面すること請け合いだ!!」等など)
文庫の最後には、羽海野チカさんの解説&絵もあり、非常に良しです。
羽海野チカさんのお言葉をそのままにお借りすると、「この作品が「甘酸っぱく」「愛おしい」のであります」
Posted by ブクログ
読者諸賢におかれては、まずこの奇妙な経緯について語ることをお許しいただきたい。事の始まりは、私が人工知能とやらに「仰々しく、格式高い文体の小説を一つ教えてくれ」と問いかけたことにある。返ってきた答えこそ、この『夜は短し歩けよ乙女』なる一冊であった。後日、書店の片隅でこの書物と相見えた時、私はすでにその文体への興味を抑えられず、ページを開く運命にあったのである。
まず驚かされたのは——いや、驚かされたなどという生易しい言葉では足りぬ。一人称の小説でありながら、語り手が「読者諸賢におかれては」などと、こちらに直接語りかけてくるその構成である。これほど珍妙にして大胆な語りの形式を、私はかつて目にしたことがない。
さらに興味深いのは、物語の中の先輩——すなわち主人公——が、黒髪の乙女に近づくことすらままならぬという、まことに気の毒な有り様であるにもかかわらず、語りの場においては「ここからは彼女に語って頂くとしよう」などと、まるで司会者の如く悠然とバトンを渡してしまう点である。そして黒髪の乙女もまた、語りの場では先輩の心情をすべて知った上で振る舞っているのだ。
現実における関係性と、語りにおける関係性——この二つの間に生じる微妙なズレこそが、なんとも形容しがたい浮遊感を生み出している。私はこの感覚に、いたく心を掴まれてしまった。
とはいえ、正直に申し上げねばなるまい。序盤においては、この独特のノリと文体に慣れるまでに、いささか苦労を強いられた。しかし第三章あたりから、次第にこの語りの呼吸というものが掴めてきて、読み終えた時には「ええい、もう終わってしまったのか」と、名残惜しさすら覚えるほどであった。
語彙は古風にして、抽象的な言い回しも数多く、読み進めるには相応の時間を要した。恥を忍んで申せば、世に「難解」と謳われる海外SF——『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』や『幼年期の終わり』——のほうが、よほどすんなりと読めたくらいである。
(聞くところによれば、角川つばさ文庫版では、すべての漢字にふりがなが振られているとのことだ。我が如く、漢字の読みに自信を持てぬ者にとっては、そちらの版こそが賢明な選択であったかもしれぬ。)
それでもなお、この作品にしか存在しない、語りの構造と文体の妙味というものは、読み終えてからもじわじわと胸の奥に残り続けるのである。
これはまさに、一読の価値ある珠玉の一冊と——そう、私は声を大にして断言したい所存である。
Posted by ブクログ
面白かったーーーーー!!!!大好きな本だ!!
月曜に新宿東口映画祭で観に行くので予習してみた。ひたすらうさぎの穴に落ち続けていくような不思議な世界観で、魑魅魍魎をずんずん進む少女にメロメロになったーーー
とにかく言葉選びが気持ちよくて、これが森見登美彦か、、、!となった。もっと早く読めばよかった。
この当たりの言葉好きすぎる。
諸君、異論はあるか。あればことごとく却下だ。P,123-4
恥を知れ!しかるのち死ね!p147
学園祭とは青春の押し売り叩き売り、いわば青春闇市なり!p154
私は、国家と己の将来を分け隔てなく憂えながら日々を送り、ひたすら思索に耽って魂を練る男だ。154
まるでドミノ倒しのように新しい朝が広がるのを我々は見た。
人事を尽くして天命を待て。p314
。その陽だまりの中で、先輩は頰材をついて、なんだかお昼寝途中の猫のようにぼんやりとしています。その姿を見た途端、私はふいに、お腹の底が温かくなる気がしました。まるで空気のように軽い小さな猫をお腹にのせて、草原に寝転んでいるような気持ちです
朝日をドミノに例えるって何!!!!
気持ちよすぎる!
Posted by ブクログ
有頂天家族よりも不可解さ強め。でも、学生時代の頭の中はこれくらい無軌道で摩訶不思議だったかもしれない。訳わからないのに、あったかい気持ちにさせる不思議な物語。程よく下品なのも好み。
Posted by ブクログ
先輩とおかっぱ黒髪の彼女のお話。
「そうして彼はパンツ総番長の称号を手にしたのだ。じつに良い話だ。男の中の男だな」「人間として、力の入れどころを激しく間違っているよね」
「パンツを穿き換えなかった頃は風邪なんか引かなかったけれども。そのかわり下半身の病気になった。どっちもどっちだな」紀子さんは胸に達磨を抱えて、「わざわざ免なさい」と言いました。
「いいんだ。いいんだ。これで君の風邪も治るだろ」
そうやって彼らがお互いにいたわりあっている様子を見ていると、なんだか私は幸せな気持ちになってしまうのでした。仲良きことは美しきかな!と思いました。
ちょこっとしたツッコミが可愛面白い。
風の神様の嫌うほどの彼女の天然具合。
正直よく分からん世界観ではじめは掴めなかったが、独特な言い回しなどが面白くて読破。特に杏仁豆腐やラムネ、綿菓子などを使った描写が好き。
頭を使わずに読む方が良い本かと思った。
読破後に表紙と羽海野チカ先生の後書に変えてを読むと、あのシーンね!と楽しい。
最後の章で2人ともが、「あの時相手はどんな時間を過ごしていたのかを知りたいな」と思いながら会いに行っているシーンが可愛い。
Posted by ブクログ
黒髪の乙女ちゃんが愛くるしすぎる
あまり読書経験のない私には文章でコメディを味わえるのがとっても新鮮で、ついクスッとしちゃう場面が沢山あって大満足
なむなむ!
京都が好きな人なら笑える
森見先生の作品は次元が交錯しているから、「これは!」と感じる点が多く、他の作品も読まれると奥深さを得られると思う。文章表現もおもしろおかしく、思わず声を上げて笑ってしまった。アニメ化された他作品とも並行してご覧になると一層面白味が増すことでしょう。
読みはじめは、文章の古風さと主人公の過ぎた天然さに辟易し、話に入り込める気がしなかった。
しかし読み進めるにつれ、生きたことのない時代の空気を感じるとともに、主人公の豪運さや彼女を取り巻く登場人物の生き様に惹かれていった。
欲しかった結末は書かれていなかったけど、それもまたいいかと思えた。
おもちろい。
面白かった
レトロな雰囲気を醸し出す文体と、黒髪の乙女の相性が良く、とても魅力的なお話。
ファンタジーのようでファンタジーでは無い、なんとも不思議かつステキなお話。
この本に巡り会えたのも、きっと本の神様のおかげなのでしょうね。なむなむ!
一つの些細な出来事が連鎖して起こる、一人一人のキャラが生きている。
読後はお腹の底が暖かくなるような感覚になりました。
いつか偽電気ブラン、飲んでみたいものです。
これを呼んだ皆さん、夜は短し。どんどん歩いていって下さいね。
文章でしか伝わらない面白さ
本作品は漫画化もされているようですが、文章でしか伝わらない面白さもあります。
古風でモダンな京都を舞台に繰り広げられる、古典的で斬新な恋愛喜劇。
古都京都に巣食う天狗やら古本の神様やら風邪の神様やらを巻き込みつつ、主人公は意中の乙女を射止めるべくがむしゃらに無駄な努力を重ね、遂には地に足が着かずに京都の冬空へ飛び立ちます。
恋愛街道全力逆走の彼に微笑むのは、恋の神か笑いの神か?
猥褻で爽やかな五ツ星の現代浪漫譚です。
Posted by 読むコレ
はぁ、と寂寥感の詰まった溜息をひとつ。
読了後に感じるこの感覚こそ、自分にとっての嘘偽りない良書との出会いの証なのでしょう。
あんなにも大騒ぎして遊んだ友人達が帰宅し、ポツンと残されて見回した自分の部屋が広く感じられた様な。
夏休みの帰省先から帰る車中の様な。
この本が何故面白かったなど後から考えればいい事。
まずはソファに深々と体を沈め、この気怠げな余韻を味わう所から始めようと思います。
とはいえ感想を少し。
とにかく楽しい本。
文章が、構成が、人物が、読み手を楽しませようと一生懸命な一冊。
素晴らしい出会いに感謝です。
Posted by ブクログ
初めての森見登美彦作品。
濃いキャラクター達と不思議な世界観が癖になる。
ユーモア溢れる文体で、最後にはほっこりさせてくれました。
ビスコってパンだったのか…
Posted by ブクログ
「成瀬は都を駆け抜ける」で出てきたので読んでみた。独特の世界観で描かれている恋愛ファンタジー。読みにくいところもあるが個性豊かな登場人物が良い。なむなむ!
Posted by ブクログ
これは奇想天外でありながら、どこまでも純粋な京都の夜のパレードです。
森見登美彦先生の描く世界はいつもファンタジーな色彩に満ちていて、読んでいると自分まで伝説の「偽電気ブラン」を飲んだような気分になります。黒髪の乙女の軽快な足取りについていき、古本市や大学祭の喧騒の中を駆け抜けるような感覚。
「先輩」の不器用で必死な「ナカメ作戦」はいつも空回りですが、青春の最も真摯なときめきを感じさせてくれます。この本は終わらない華麗な夢のようで、世界はこんなにも広くて面白いのだから、立ち止まらず、恐れずに恋をして、体験しようと教えてくれます。
夜は短し歩けよ乙女!??
Posted by ブクログ
独特な文体や世界観は読み手を選ぶかもしれない。また、時代的な背景に置いてかれそうにもなった。そして、そういった点を自分の頭で咀嚼するのはまさに読書という感じがして、読後は充実感があった。
主人公(先輩)には個人的にかなり感情移入し、心から応援した。登場人物全員の掛け合いは軽快で楽しい。
京都の地理に明るくなくても問題なく楽しめると思います。
Posted by ブクログ
ユーモアを交えながら膨大な情報量をテンポよく詰め込んでくる、独特の語り口が印象的な作品。その癖のある文章は好みが分かれそうだが、個人的にはかなり好きな文体だった。
物語は、偽電気ブランを追い求める騒動や古本市での掘り出し物探し、学園祭、そして風邪が流行する街での出来事など、さまざまなエピソードで構成されている。一見すると独立した出来事のようでありながら、それぞれが巧みに繋がり、独特の世界観を形作っている。
終盤では、黒髪の乙女が先輩に好意を抱いていることが改めて描かれ、二人がデートの約束をする場面で締めくくられる。賑やかでコミカルな物語でありながら、最後には温かい読後感を味わえる作品だった。
Posted by ブクログ
森見登美彦、ファンタジー作家の中だったら一番好きかも
正直、文章だけじゃ理解するのは難しい作品
読み終わった後アニメも見た方がいい
世界観といい、黒髪の乙女といいなんとも可愛いキラキラした描写が惹かれる
実際にコラボバーで偽電気ブランを飲んでみたがエナジードリンクみたいな味でした
Posted by ブクログ
audible。ドタバタ劇で気軽に聴いて楽しめた。
主人公が黒髪の乙女に恋して、でもなかなか直球勝負ができずに外堀を埋めることに尽力してるのがおかしかった。
独特の語り口が、この小説の語り手2人にしっくり合っていた。
黒髪の乙女のように、好奇心旺盛に新しいものを楽しめたらいいな。
Posted by ブクログ
森見作品はお初にお目にかかったため、森見節なのかこの作品が異形なのか独特な世界観であった。第一章は独自性ゆえあまり馴染めなかったが、読み進めて第二章以降はこの作品の虜になっていった。
序盤から現実的ではない描写が見られて後半には幻想的な世界にもなり、現実的な非現実作品と言えばいいだろうか。文学的ロマンティックなドラマである。世界観は未成年にもおすすめしたくなるが、豊富な語彙に少々振り回される危険があるため取り扱い注意。
厳しい日常に疲れたときには、この一冊なんていかがでしょう。
Posted by ブクログ
黒髪の乙女と、彼女に恋をする“先輩”を描いた物語。乙女は自由奔放に京都の街を歩き回り、さまざまな出来事に巻き込まれていく。一方の先輩は、なんとか乙女との距離を縮めようと奔走するが、なかなか思いは伝わらない。
奇遇を装って何度も出会いながらも、すれ違い続ける二人の関係がもどかしくも微笑ましかった。先輩の不器用な奮闘ぶりには思わず応援したくなる。次々と起こる不思議な出来事も楽しく、独特の世界観に引き込まれた。
さまざまな出来事を経て少しずつ距離が近づいていく様子に心を動かされ、読後はとても爽やかな気持ちになれた。外堀ばかり埋めていた先輩の想いが報われて、本当に良かったと思える作品だった。
Posted by ブクログ
やっと読むことができた。積読10年超。
成瀬は〜を読み、私も確か積んでるはず、と存在を思いだし、金曜日の本屋さんでまたもや作中に出てきたので、これは「何かの御縁」と読み始め、本作最後の一文が「何かの御縁」で締めくくられているあたり…感慨深い。
作品はとにかく黒髪の乙女が可愛らしく、嬉々として京都をねり歩く様子が、まさに作名どおりで楽しい作品でした。20年くらい前の作品なのに古さが全くなくいつどんな世代の人が読んでも面白いと思いました。
Posted by ブクログ
『夜は短し歩けよ乙女』を読み終えてまず感じたのは、これは恋愛小説でありながら、恋愛そのものを描いた小説ではないということだった。
物語の軸には、「黒髪の乙女」に恋をする先輩がいる。普通なら、どうやって距離を縮めるのか、どうやって告白するのかが中心になるはずだ。しかし本作は違う。先輩は乙女を追いかけているのに、なかなか想いは届かない。その間に京都の街では古本市が開かれ、学園祭が始まり、怪しげな人物たちが現れ、現実と幻想の境界がどんどん曖昧になっていく。読んでいるうちに、「恋愛の行方」よりも、「次はどんな出来事が起こるのか」が気になってくる。
この作品の魅力は、何よりも森見登美彦らしい独特の世界観にあると思う。舞台は京都なのに、どこか異世界のようでもある。古本市の神様がいたり、学園祭がとんでもない規模になったり、登場人物たちは皆どこかおかしい。それなのに不思議と違和感がない。読み進めるうちに、「京都ではこういうことも起こるのかもしれない」と思わされてしまう。この現実と幻想が自然につながっている感覚は、他の小説ではなかなか味わえない。
また、本作は登場人物が本当に魅力的だ。黒髪の乙女は好奇心のかたまりのような存在で、どんな場所にも飛び込んでいく。その行動力と前向きさを見ているだけで楽しい。一方の先輩は、遠回しな作戦ばかり考えてなかなか前に進めない。その不器用さが滑稽でありながら、どこか応援したくなる。二人の対比が物語全体を面白くしている。
読んでいて特に印象に残ったのは、「縁」というテーマだった。この作品では偶然の出会いが何度も繰り返される。夜の飲み屋街で出会った人、古本市で出会った人、学園祭で出会った人。その一つ一つが後になってつながっていく。人生は計画通りに進むものではなく、思いがけない出会いによって大きく変わる。そんな当たり前のことを、これほど楽しく描いた作品は珍しい。
一方で、正直なところ好き嫌いは分かれる作品だとも思う。ストーリーを一直線に追いたい人には少し読みにくいかもしれない。独特の文体や大げさな言い回しも癖がある。しかし、その癖こそがこの作品の魅力でもある。慣れてくると、先輩の回りくどい独白や、次々に飛び出す奇妙な出来事がどんどん心地良くなってくる。
読み終えたあとに残ったのは、「もっと早く読めばよかった」という気持ちだった。恋愛小説としても読めるし、青春小説としても読める。しかし本質はもっと自由だ。京都という街を舞台に、人と人との縁や若さそのものの輝きを詰め込んだ物語と言ったほうが近い。
『夜は短し歩けよ乙女』は、恋愛の成就を描く小説ではない。若い頃にしか味わえない高揚感や、世界が少しだけ不思議に見えていた頃の感覚を閉じ込めた小説だ。読み終えたあと、普段歩いている街も少し違って見える。そんな不思議な力を持った一冊だった。
#2026年18冊目
Posted by ブクログ
初めての森見登美彦さん
独特な言い回しに戸惑いながらも読み進めるうちにユニークな表現に笑ってしまう自分が居た
終盤は人が町から居なくなる程の風邪が大流行し、状況がコロナと重なり過ぎて少々怖くなった
アジカンも中村さんの絵も好きで原画まで見に行ったのになぜ今まで読んでこなかったのか…
次の森見作品は何にしようか楽しみ
Posted by ブクログ
まだ読んでる途中。
言い回し的に古い時代背景なのかな?と思ってたらまさかの現代!
内容はリアルなんだけど、そのギャップがなかなか癖になって面白い。
舞台は京都。実在する知ってるお店も出てきたり。
まさかの下ネタ展開なのも斬新…
昔の京都を知ってる人に喋ってたら、団体客に入ってお酒飲んでる人が本当にいたというの衝撃だった笑
細かいところだけど、だるまが転がってくる伏線回収も良かった。
ロマンチック•エンジン、なむなむ、オモチロイとか言葉がかわいい笑
ずっと何言ってんねんとツッコミたくなる作品。
学園祭、鼻毛が1メートル伸びた男性が仕事も恋人も失って転落していくドキュメンタリー気になりすぎる
最後、先輩と会った時の表現が最高すぎた。『まるで空気のように軽い小さな猫をお腹にのせて、草原に寝転んでいるような気持ちです』
Posted by 読むコレ
「夜は短し歩けよ乙女」って素晴らしくリズムが良いし、言い尽くせない魅力を備えたタイトルだと思う。
メインの登場人物としては、私と彼女。先輩と私。この2人。大学のクラブで籍を同じくする先輩と後輩、二人の男女の物語である。なお、私にも彼女にも、先輩にも私にも名前はない。名前が出てこない。
4つの連作短編となっていてが、ちょっと古風な文体で綴られる。それはファンタジーであるし、コメディでもあるし、なかなかに不思議なストーリーなのだけれども、舞台が京都なので、それもまた善き哉。なむなむ。
主役組の他にもたくさんのキャラクターが出てくる。ちなみに主役組以外には名前がちゃんとある。名前がないとさすがに混乱するからだろう。そんな脇役の彼らが実に魅力にあふれている。彼らだけでもスピンアウトでいくらでも本が書けそうなくらい。
この本を読んでいて、なんとなく連想したのが高橋留美子の「めぞん一刻」である。どことなくキャラクターの適当っぷりというか、配置、構成に似たものを感じたので、「めぞん一刻」が好きな人は愉しく読めると思う。たぶん。
古風な文体と書いたけれども、本当に古めかしい、懐かしいような文体で書かれているので、そこが受け付けない人もいるかもしれない。読点がほとんど打たれないので、文章のリズムに乗っていくのが難しいのだけれども、慣れてしまえば味わいのある文章だし、結局最後まで読めば爽やかな読後感を得られるので、まぁ読んでみなさいよってことで。
読まないと、おともだちパンチだ!
Posted by ブクログ
-涙を堪える先輩を見上げながら、「この人はたいへん良い人だなあ」と私は思いました。-
色々な作品に触れていると、それこそ色々なことがわかってきます。まずその一つに、世間のニュースの解像度が上がるということがあります。それこそ今、伊坂幸太郎がスポットライトを浴びているそうです。5月24日に開催されたオークスG1を制覇した馬の名前が「ジュウリョクピエロ」といい、伊坂幸太郎の代表作「重力ピエロ」からとった名前なのです。その影響で本屋からは文庫本が次々と売り切れ、6月11日から重版が大幅にかかったそうです。これはつい先週「ゴールデンスランバー」を読み終えた私にとって喜ばしいニュースでした。
次に、必ずしも世間一般の評価と自分自身の評価は一致するわけではないということです。例えば昔、ニューシネマパラダイス」というイタリア映画を見た時のこと。さすが名作、見終わった後の満足感は非常に高かったですのですが、私が見たそれが実は完全版といって、劇場公開版に監督がなくなくカットしたシーンを加えたものだったのです。世間一般で評価されているのはいわゆる劇場公開版であって、完全版はむしろ蛇足という意見もネットでは散見されます。しかし、私にとってのニューシネマパラダイスは完全版をもって名作なのです。これは世間一般の評価とのズレだと自覚しています。今お伝えした内容は世間よりも自分の評価が高い例。今回は逆に「そんな世間持ち上げるほど?」となってしまった森見登美彦『夜は短し、歩けよ乙女』について、正直にひとりごとをつぶやきたいと思います。あくまでも私の感じたことを交えながら、こういう人は好きそう!というのも併せてお伝えできればと思います。
私は本作をいわゆるジャケ買いしました。本作は表紙をバンドASIAN KUNG-FU GENARATIONのジャケットデザインも手掛けるイラストレーターの中村佑介さんの絵が飾っています。画像がそれです。そもそも森見登美彦の小説はずっと読んでみたくて、もう一つ名作と名高い「四畳半神話大系」と迷った末に、表紙が好みな本作を手に取りました。あらすじというあらすじはなく、雰囲気を楽しむ作品だと感じました。強いて言えば、主人公である先輩は大学で一つ後輩の黒髪の乙女に一目惚れします。一方黒髪の乙女は彼の存在は認識していないに等しく、自由奔放に振る舞います。そんな彼女に先輩が振り回されるエピソードが、四つ収録された短編集です。青春小説とも呼べるし、恋愛小説とも呼べるし、はたまたファンタジー小説とも呼べそうな、要は森見登美彦の世界観がごった煮になった作品です。あ、ちなみにごった煮といえば、短編の一つに「彼女が欲しいといっていた本を手に入れるため、先輩が他のライバルとこたつで火鍋をつつく我慢大会をする」というものがあります。もう訳がわかりません。この世界観にピンときたら本屋へ買いに行きましょう。
さて、この作品の何が私の中での評価を下げてしまったのか、それは作中使われる独特の言葉遣いといえるでしょう。基本先輩と黒髪の乙女の一人称視点で描かれるため、素っ頓狂な2人の心の声もまた独特なのです。私はこれまでその独特な言葉遣いがどうも肌に合わず読むのを諦めた本がいくつかあります。実際、私はそういった理由で宇佐見りん『かか』を中途半端に読んで積読状態です。同作者の『推し、燃ゆ』は最後まで読めたので、きっと作者が合わなかったというよりは、『かか』の終始方言かつ口語体の文が合わなかったのだと思います。本作もそれに似たような理由で最後まで読み切るのに時間を要しました。
たとえば、『夜は短し〜』で私が気になった言葉を挙げると、
「忘れがたいのは、ト書通りに先輩に抱かれた時の不思議な感覚です。思い出すたびに私は何やらボーッとしてしまうのでした。もちろん私は普段から精神を研ぎ澄ましているような人間ではありませんが、その「ボーッ」は、「ボーッ」の中の「ボーッ」、「世界ボーッとする選手権」というものがあれば日本代表の座も間違いなしと思われるほどに筋金入りのボーッであったのです。」
終始この調子です。私は正直、なげーと思いました(笑)逆にこのセンスあふるる文にピンときたら、本屋へ買いに行きましょう。(2回目)
色々言いましたが、読んだことを後悔しているかと聞かれれば、それは100%否定します。物語は後半にかけてかなり恋愛小説らしく変わっていき、中でも終わり方がとっても好きでした。あとは独特の言葉遣いから生み出される名言も多いです。例えば、
「今日は冬至ですよ。一年で一番、長い夜です。」
「しかしな、たとえどんなに長い夜でも、きっと夜明けは来るであろう」
このようにセンスある言葉で織りなされる会話劇が特長の作品です。ジブリ作品で言えば、「耳をすませばのような現実的な恋愛」ではなく、「千と千尋の神隠しのようなファンタジーな恋愛」がお好みの方に本作はおすすめです。
そうそう、ニューシネマパラダイスの話に戻りますが、あの話から得られる教訓はもう一つあります。作品はふれる順番も大切ということです。私は今では本作よりも先に「四畳半神話大系」を読んでおくべきだったと思っています。なぜなら、「四畳半神話大系」の方が刊行が早く、調べると「夜は短し〜」につながる要素もあるというからです。刊行順で読むべきか、先に聞いたことある方を選ぶべきか、本屋の棚の前で悩んだときは、刊行順で読むのがベターなのかもしれません。実は今、四畳半神話大系のアニメ版を見始めています。「夜は短し〜」を良さ100%で読み終われなかったのがなんだか悔しかったのです。そんな私の反省も含めて、個人的には森見登美彦代表2作で迷われている方がいれば、「四畳半神話大系」で世界観を掴んでから「夜は短し〜」を読むのがベストかと思われます。
最後になりますが、伊坂幸太郎さながらに森見登美彦もスポットライトを浴びています。代表作「四畳半神話大系」が舞台化しているのです。(主演:伊野尾慧)そうやって舞台が話題になっている今、あえてアニメを追っている私であったり、書店で同作者の作品が売り切れている本棚から、あえて別作品を選ぶ私であったり、毎度無意識のうちに少しズレた本選びをしている私です。今は流行ド真ん中の、吉田修一「タイムアフタータイム」を読んでいます。うまくまとめられれば、また読み終わった頃にお目にかかりたいと思います。今日も私のひとりごとに付き合って読んでいただき、ありがとうございました。
Posted by ブクログ
あれだけ有名なのだしひとまず読んでおくかと思って読んだのだけど、
キャラも文体もストーリーもそこまで好みではなかったのに、高校時代に読んでいたら京都に憧れただろうし、すごく楽しい読後感を得られていて、なるほどなと思った
Posted by ブクログ
京都、京都大学が舞台。黒髪の乙女。なかなかクセがありますが、京都の街並みが思い浮かんでまあまあ面白かったです。独創的というか個性的な印象でした。
夜は短し、歩けよ乙女!
物語の舞台は京都
「黒髪の乙女」に密かに思いを寄せる先輩
二人を待ち受ける珍事件と個性溢れる曲者たち。
果たしてその恋の行方は…
ファンタジーとレトロな浮世離れした世界観と
個性的な文体と表現の使い分けで面白い作品でした。
映画の方も面白かったのですが
本の方がより癖が強く、展開も好みでした。
誰もが通る青春に想いを馳せる
森見登美彦さんの独特の文体を楽しめる作品。
自分の大学生活を思い返して、あの頃の焦がれるようなもどかしい記憶の断片がちくり、と。
ファンタジー要素も満載ながら、甘酸っぱい青春に想いを馳せずにはいられない。
この物語の登場人物全員に会いたくなった。
よくわからない
好き嫌いは分かれるのだろうが、以前読んだペンギンハイウェイがなにが言いたいのかよくわからず。あれは作風も異端であるとどこかで読んだので、人気もあるらしいこちらにチャレンジしてみた。
冒頭のお友達パンチあたりはおもしろく読んだが、読み進むに連れ荒唐無稽ぶりついて行けなくなった。
ファンタジーなの?
頭がかたい私向けではなかったです。