• 一緒に絶望いたしましょうか
    購入済み

    心の奥底からじんわりと

    著者の本は初めてだったがタイトルに惹かれて購入。
    とても読みやすいが決して薄っぺらくなく、登場人物たちの情景がありありと目に浮かんで、どんどん読み進めたくなる。
    恋人と夫婦の関係性の決定的な違いを言語化された文章で、これほどハッとさせられた言葉はない。
    自分にとってこの先の人生の指針になるだろう。
    心の奥底からじんわりと温かくなる物語。

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    2022年01月16日
  • 海になみだはいらない
    購入済み

    全編が優しさで溢れている

    大人になって改めて触れた灰谷健次郎さんのことばはどれも美しく、心が洗われる物語ばかり。
    表題作はもちろん、先生と子どもたちの関係性が素敵な「きみはダックス先生がきらいか」、「ひとりぼっちの動物園」の最後の「三ちゃんかえしてんか」が特に心に沁みた。
    いつの時代も子どもの健やかな心の成長を狭い視野で妨げているのは大人たちなのだろう。

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    2021年12月19日
  • 恋する日本語
    購入済み

    日本語の美しい響き

    半分以上、初めて知ることばたちでした。
    そしてのそのことばは、あらゆる想像を掻き立ててくれる、淡くて切なくて、そして美しいことばたちでした。
    年齢を重ねたとき、そのことばたちの味わいもきっと変わるでしょう。時おり、またそのことばたちを味わうために捲りたい本です。

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    2021年12月04日
  • 不浄を拭うひと (2)
    購入済み

    人は死ぬ場所を選べない

    1巻で少し免疫がついたものの、やはり特殊清掃の現場の実態は想像を絶するものだと思い知らされる。
    人は死ぬ場所を選べないし、どんな病気になるかも分からない。人が生きていく限り、特殊清掃の仕事が無くなることはない。自分の死に様は誰にも分からないという、その避けられない現実を受け止めて、たいせつな人に少しでも寄り添って生きていきたいと願うばかりだ。

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    2021年11月08日
  • 不浄を拭うひと (1)
    購入済み

    人生のしまい方と生きざま

    孤独死すると思って孤独死した人はいない、だからその人たちの人生も後から他人が思うほど悪くなかった。
    特殊清掃の現場の実態を知ると、そこで亡くなった人たちの人生すべてが凄惨であったかのように感じてしまうが、決してそうではないことを気づかせてもらった気がする。

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    2021年11月07日
  • スティル・ライフ
    購入済み

    佐々井と僕

    バイト先で出会った佐々井という男。
    世の中をどこか達観したような不思議な空気をまとった佐々井と僕の3ヶ月。

    実体を伴わないような佐々井の存在感に不思議な魅力が宿っている。登場人物はほぼ二人だけだが、ほどよい距離感の二人の会話と、洗練された文体が心地よい。

    短いので一日でさらっと読める。

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    2021年11月03日
  • 夜は短し歩けよ乙女
    購入済み

    誰もが通る青春に想いを馳せる

    森見登美彦さんの独特の文体を楽しめる作品。
    自分の大学生活を思い返して、あの頃の焦がれるようなもどかしい記憶の断片がちくり、と。
    ファンタジー要素も満載ながら、甘酸っぱい青春に想いを馳せずにはいられない。
    この物語の登場人物全員に会いたくなった。

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    2021年10月25日
  • そして、バトンは渡された 無料試し読み版
    購入済み

    悩みを見つけたい、それが悩みだ

    本屋に行くたびに目にするものの、なかなか手に取る機会のなかった本書。
    試し読み版があると知り、これはいい機会とばかりに読んでみた。
    色々な事情により実の両親とは暮らしていない女の子の一番の悩みは、その複雑な家庭環境から周りが想像するような悩みそのものが思い当たらないこと。

    実の親以上に娘として大切にしてくれる継父との関わりがこの先どう描かれるのだろう。
    続きが気になるので製品版も読んでみたい。

    #ほのぼの

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    2021年09月24日
  • 鉄道デザインの心 世にないものをつくる闘い
    ネタバレ 購入済み

    常に時代を先読みしている人

    以前、九州に住んでいたので、水戸岡鋭治さんとお名前は馴染みがあった。
    JR九州の様々なアイデア列車のデザイナーというイメージだったが、列車の製造に関わる数多くの職人や専門業者との交渉をなど、プロデューサーのような役割も兼ねた仕事をしてきた方なのだということがよく分かった。そしてそれは、サラリーマンとして働く立場にも大いに共感する部分が多い。

    顧客は依頼主ではなくあくまでお客様である、という一貫したブレない姿勢が強く伝わる。

    そして、人間は勘が全てではないか、というくだりに大いに勇気づけられた。何事にも興味を持って取り組む姿勢を大事にしていきたい。

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    2021年09月18日