あらすじ
大らかな性格で孫に優しい偉大な人間国宝の祖父。氷のように冷たく息子に無関心な轆轤の名手の父。物心つく前に母親を亡くした少年・城は、陽と陰のような二者の間で育ち、悩み、苦しんでいた。父に認められたいがゆえに歪んでいく心。それは宿痾のように精神を蝕んでいき・・・・・・。備前市伊部を舞台に、備前焼窯元父子三世代の心の闇に斬り込み、愛と憎しみの狭間でもがく人間たちを描いた家族史。
【著者略歴】
遠田潤子(とおだ・じゅんこ)
1966年大阪府生まれ。大阪府在住。関西大学文学部卒。2009年、第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した『月桃夜』でデビュー。『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」で第1位、『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」で第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞、『銀花の蔵』が第一六三回直木賞候補に。他の著書に『アンチェルの蝶』『ドライブインまほろば』『廃墟の白墨』『紅蓮の雪』『人でなしの櫻』『邂逅の滝』『ミナミの春』ほか。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ブクトモの皆さんの高評価&オススメのお陰でめぐり逢えた小説です。素晴らしかったです。個人的には久方ぶりの衝撃。大好きなヒューマンドラマでした。
洗練されていながら、どこか無骨。
その絶妙なコントラストが終始心地良く、場面ごとに移り変わる熱を帯びた文章に強く惹き込まれました。
『人間国宝』『陶芸家』という、自分とは決して近い世界の物語ではないはずなのに、人生とは一本の線だけで形作られるものではなく、散りばめられた点と点を、自ら選び取りながら繋いでいくものなのだと、作中の人物たちを通して深く感じさせられました。
以前、仕事柄、備前焼の人間国宝の方とお会いする機会があり、一度だけ手を握らせていただいたことがあります。その手は驚くほど柔らかく、温かく、包み込まれるような感触でした。
本作を読みながら、ふとその時の記憶が蘇りました。
長い歳月をかけ、ひとつの道を愚直に積み重ねてきた人だけが纏う熱を、この作品から確かに受けとりました。
Posted by ブクログ
息の詰まるような読書だった
ぐいぐい引き込まれ 終章に入ると
瀬戸内の穏やかな海が見えてきた
備前の窯を受け継ぐ三世代
祖父は人間国宝の 深田路傍
父は轆轤の名手である 深田天河
物心つく前に母を亡くした城は
可愛がってくれる祖父に甘えて育つが
冷徹な父を理解できず苦悩する少年時代を送る
備前焼には親しみがある
良質な土で練り上げ
釉薬をかけない
窯の熱風で睫毛が焦げるほど
高温でニ週間かけて焼き締める
窯出しされた器には
胡麻、桟切り…そして
緋襷の赤が鮮やかに浮かび上がる
本物の備前焼は硬くて割れにくい
人間の"業"は燃え立つ焔!
己の餓鬼に喰い尽くされぬよう
落ちる一歩手前で踏み留まる
人間の成長していく姿と作陶が
物語の中で見事に重なって見えた
Posted by ブクログ
備前焼の名家に生まれ、歪んだ家族の中で揺れ動きながら成長していく主人公。
人間国宝の祖父と父親の関係に翻弄されながらも、やがて辿り着いた真実は、哀しみを含んだ深い愛情の物語でした。
Posted by ブクログ
遠田潤子さん初読み
序章を読んだだけで、これは好きなやつだと確信し、読むのを中断したくなくないと思った。
備前焼をよく知らない私はまず画像検索して、作品の特徴などを頭に入れる。
あとは一気読み
──読むのが遅い私は一日では無理だけど(;´д`)
人間国宝の祖父、深田路傍
轆轤の名手、父・深田天河
作風も性格もまるで違う二人の間には何があるのだろうか。
常にピリピリした空気が漂っている。
そして主人公の深田城は、おおらかで優しい祖父から沢山の愛情を注がれて育った。
もちろん大のおじいちゃんっ子だ。
一方、冷たい氷のような存在の父親からは愛情を感じたことはない。
そんな父子三代の葛藤が渦巻く熱い熱い物語
城はいつまでたっても、ぐにゃぐにゃで頼りない男だが、決して腐ることなく踏ん張り続ける。
だから目が離せない。
この物語はいったいどこに着地するのだろう
少々不安に思っていると終盤、父の天河がようやく過去を語り始める。
しかし彼の抱えている哀しみがあまりにも大きく、涙なしでは読み進められない。
〝見えない海を一三〇〇度の鬼火を灯した孤独な舟が進んで行く〟
天河を表したこの一文から見える風景がなんとも切ない。
もうひとつ印象に残るのは、作中に何度も出てくる【餓鬼】
〝「もっと」に飢える【餓鬼】を私たちは腹の中に飼っている〟
という。人間はなんと欲深い生き物なんだろう。
Posted by ブクログ
父子三世代の歪んだ愛情に感情が揺さぶられた。
天上火窯の炎、物原の燃えるような夕焼け、胸に宿る作陶への熱、様々な赤が目に浮かぶような素晴らしい文章だった。
どれだけこの人たちは苦しんできてしまったのだろうか。
それ故に、後半は大事に大事に親子の会話を読んだ。
兵藤さんが城に伝えてくれる話がとてもよかった。
「大事なことは大声で言わない」P.94
たくさんの人に向けて喋れば自分にそのつもりがなくても周りに同情を強要する。
心から思っていることは心から信じている人にだけ聞こえるように言えばいい。
「本当に大切にすべきなのは、君が理解できないもの、受け入れられないもの、齟齬を感じたものだ。たとえば君のお父さんのようにな。」P.173
人を成長させるのは優しく染み込んでくる言葉じゃなくて、疑問を持った言葉、違和感を覚えた言葉、君を不快にし、苛立たせる言葉。
Posted by ブクログ
父との葛藤、子との葛藤、普遍的なテーマだけど、備前の窯元という極めつけの伝統職人の成長の世界を描きながら、その葛藤を赤裸々に語る。親父っていうのはずるいなと思いつつ、そう思う自分もずるい親父になるからなぁと、どうしても自分にも重ねてしまう。とても読ませる物語です。
Posted by ブクログ
プロローグ
芸術は爆発だ!の一冊
爆発と言っても、ベクトルは内から外ではなく
外から内にだ
窯の中の温度と己の脳内の温度が共にある種の
到達点に達しようとしている
予測のできない未来に只々静観を決め込んだ己と
対峙した!
本章
『天上の火焔』★5
これまたブク友さん高評価の一冊
そして、これまたお初の遠田さん♪
いゃ〰素晴らしいの一言
親、子、孫、(ひ孫)に渡る歪な家族の物語
飛び抜けた芸術家は、ある意味人間としては
欠落している
欠落している箇所が多ければ多いいほど、それは
突出するのかもしれない、、、
ただ、それらが瓦解した時、本当の“家族”
本当の“愛”を知りそして、“人”として逝くのだろう
遠田作品、また何か手に取ってみよう
そう思った!
エピローグ
ということで、どういうことで!?
MRIの結果、くも膜下出血及び脳梗塞のダブルの
危険性があるということで、大事を取って
1週間の入院を余儀なくされた
痺れや、目眩とかないんだけどね、、、(-_-;)
お見舞いは、虎の門病院までよろしくです_(._.)_
まぁ、時間もあるので沢山本を読むぞー
最後にそう思った(¯―¯٥)8v♪
完
Posted by ブクログ
備前焼窯元一家の再生と継承を描いた物語。
伊部の町の天上火窯の窯元で祖父は、人間国宝・深田路傍として名を馳せている。
祖父の器は遊びとゆとりがあり、気持ち良くて心が浮き立つ。
父・深田天河の器は、綺麗だけど哀しいと感じてしまう。
城は祖父に可愛がられいたが、父は冷たく話すらしてくれなかったことに悩み苦しんでいた。
陽と陰のような祖父と父の間で悩み苦しんでいた城は、祖父が亡くなり、祖母も亡くなって父も病に侵されていることを知り、高校卒業後京都の大学へ行ったままだったが、卒業後に伊部へ帰る。
やがて、身体の動きがままならなくなった父からこれまでのことを聞き…。
なんとも不器用な男たちだ…と。
特に天河の実の親…のことを聞くと彼は身の置きどころがなかったのではと勝手に想像してしまう。
妻の死がいちばん辛かったのかもしれないが、城が路傍に懐いたというのも苦しかったのかもしれない。
そんななかで路傍とは違う己の器を造るというのは大変なことだったと思う。
息子と向かい合うことの出来ない歯痒さにも自分自身を追い詰めていく。
もっと早く気持ちを吐露していれば…と。
父子三代の心の闇に哀しくなりながら再生を祈った。
最後は幾度となく涙が溢れて仕方なかった。
Posted by ブクログ
感動しました❢
「優しい言葉、温かい言葉、泣かせる言葉、無責任に褒めたり励ましたりする言葉には気を付けろ。大きな声で大きなことを言ったり、人を安心させたり気持ち良くさせたりすることを言うやつは胡散臭いんだ。君という人間に向けてではなく、たくさんの人間に向けて喋るやつは信用するな」
「人を成長させてくれるのは気持ちのいい言葉じゃない。いつまでもそこにとどまっていたい、浸っていたいと感じる優しい世界じゃない。君を成長させてくれるのは優しく染み込んでくる言葉じゃなくて、疑問を持った言葉、違和感を言って憶えた言葉、もっと言うと君を不快にし、苛立たせる言葉だよ」
Posted by ブクログ
期待を裏切らない重厚な遠田劇場。
舞台は岡山県備前市・伊部。
包容力があり温厚な人間国宝の祖父・路傍。
冷徹で体温を感じさせない轆轤の名手、父・天河。
正反対の二人の狭間で育った城の視点から愛憎と葛藤が描き出されていく。
1300度の炎がうねる窯とは裏腹に親子の関係は凍りついたまま。
天河が一人息子に向ける非情な言動には、思わず怒りすら込み上げた。
だが終盤で明かされる真実に心を揺さぶられ胸が締めつけられる。
求めていたものは皆同じで何一つ違わないのに。
静謐な筆致の奥に情念が静かに燃え続ける。
熱と余韻が長く心に残る一冊。
Posted by ブクログ
備前焼の窯元一家の物語。人間国宝の祖父、轆轤の名人の父は陽と陰。子どもながらに確執を感じながら、その狭間で苦しむ息子の城。
三世代の対照的な男の人生が、焼き物を通してドラマティックに描かれていて、その世界にぐんぐん引き込まれていった。
三人の中で一番興味をひかれたのは父の天河。家庭内でほとんど口もきかず、一人を好む。それなのに、外では意外と気遣いも出来ていて…
次第に明らかになる彼の境遇を知るにつれ、冷酷さの裏にある苦悩が伝わってきて切なかった。
また、城を形容する言葉が、幼い頃の「ぐにゃぐにゃ」から「ふにゃふにゃ」に変わっていく表現が印象的だった。
こんな抽象的な言葉が、作中のその場面ではすごくマッチしていたのが不思議。
その城の中に一本の芯が通っていく感じが頼もしかった。
遠田潤子さんの小説は実は初読みだったのだけど、他の作品も読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
大満足の☆5です〜それ以上♪
何作か前から作風変わった?と感じていた遠田さん
変わらないのは登場人物、主人公の置かれた状況や苦悩、悲しみが中盤までこれでもかと謎なんです
遠田ワールド全開なんですよ〜
この作品は備前焼の人間国宝の祖父を持ち、父親も陶芸家。主人公は祖父の愛を一身に受け父親からは拒絶されるという少年です。
何故?何故そんなに父親に拒絶されるの?
その理由が明かされるまでが焦ったい!
そんな焦ったさに中毒性があるのよ笑
だがしか〜し!
この理由が分かるともう感動(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
お父さん!あなたが主人公でしたか!!
深田天河最高です。゚(゚´Д`゚)゚。
ラストに向けて感動の連続です!
遠田ワールドなのにクズな奴は出てこないのよ笑
もうこれは遠田潤子が進化したとしか思えない!!
この作品が初めての遠田さんで感動した方が過去作品を読んだらダメージが半端ないと思う( ̄▽ ̄)
でも以前までの遠田ワールドも好き♡
年末の疲れのせいで壊れた1Qさんが大変素晴らしいレビューを上げていますので内容に関してはそちらをご覧になってください(・◇・)/
Posted by ブクログ
はぁぁぁぁぁ…
ふぁぁぁぁぁ…
すごいぃぃぃ…
心が揺さぶられる作品に出逢ってしまった
日本六古窯の一つに数えられ、備前焼の町で知られる岡山県備前市伊部
備前焼の窯元を舞台にした、父子三世代の家族の愛憎と葛藤を描いた物語──
城は偉大な人間国宝の祖父・路傍に可愛がられて育つ
だが、孤高の轆轤名人である父・天河からは氷のように冷たく無関心な態度をとられ、その間で悩み苦しみ続ける
なぜ、そのような歪な親子関係になってしまったのか?
親と子の関係は天命なのです
たとえ、それがどのような関係であっても
天河は城を愛していないわけではなかったのだ
天河自身も苦しんでいたのだ
その苦しみが、過去が明らかになったとき、そして父と子の心が通じ合ったとき、きっと一筋の涙があなたの頬を伝わるだろう
天上の火は1300度
地上の火を軽々と超えていく
だがこの物語は、その天上の火を遥かに超えてあなたの胸に残るだろう
Posted by ブクログ
備前焼の窯元を舞台に、陶芸に身を捧げる三世代の親子を描いた長編。
生後すぐに母親を亡くし、人間国宝の祖父に愛されながら育った主人公は、冷徹な父親との関係に幼い頃から悩み苦しむ。が、その父親もまた、長年苦悩を抱えていた。
父親や恋人との関係や、陶芸への思いなど、主人公の青臭く屈折した感情が、陶芸の窯の熱とともにひしひしと胸に迫ってくる。
作者の作品は、これでもかと悲惨な境遇に置かれ苦しむ主人公が多いが、今回はそれを乗り越えて成長していく喜びもあって、重いながらも胸を打たれる読み応えのある1冊だった。
Posted by ブクログ
弱さで傷つけられるのは強さで傷つけられるよりずっと辛い。だからこれ以上弱さで人を傷つけないで。弱さという武器を振りかざす人間にはならないで。でも弱さを失わないで。それは城の強さだから
大切なことは小さい声で信頼できる人へ
Posted by ブクログ
感想になってない気がしますが、
読み終わった直後の今書きたくなりました。
私事ですが、一昨年ALSで義兄を亡くしました。
病名が判明してあっという間に病状が進み、わずか4ヶ月でした。
大河さん最後まで頑張りました。
そのこととも相まって、涙なしでは読めませんでした。
家族間の愛情って本当に難しいですね。
一気読みしてしまったくらい面白かったです。
香月さんが撮った写真が見えるようでした。
読み終わった後、城さんの心情を思うと、自分も夕焼けを見てるように心が温まった気がしています。
Posted by ブクログ
備前焼の人間国宝である深田路傍の孫に生まれた深田城。城の父深田天河。
城の母の七瀬は阪神淡路大震災に遭い城を出産後すぐに亡くなっています。
城の住む伊部の町に小学6年生のとき、東京から浜本香月が転校してきます。
城と香月は陸上とゲームを通して親しくなり同じ中学、高校へと進みます。
城は祖父に大変可愛がられて育ち、「お祖父ちゃんみたいになりたい」と言って粘土をこねます。
しかし祖父はくも膜下出血で城が中学の時に亡くなります。
父の大河は城が幼いころから全く城に構ってくれませんが城に大学に行くお金は出してくれます。
一方とあることをきっかけに香月は城の前から姿を消します。
そして城はなぜ今まで全く父親としての愛情を大河が自分に注いでくれないのか疑問に思いながらも大河から陶芸を学びたいとかけあいます。
ある出来事をきっかけに天河は自分の過去を語り始めます。
三代に渡る父子の物語です。
天才だった深田路傍。
そして大河、城。
私はめったに小説を読んで泣きませんが、この小説のラストシーンは私も亡き父を思い出して本当に涙が出ました。
遠田潤子さんの作品は数えてみたら、19冊目でした。
たぶんほとんど全部の作品を拝読していますが、今までの遠田さんとはちょっと違う気がしました。
Posted by ブクログ
備前焼の窯の温度は約1200度。
この温度になるまでの大変さと、時間をかけて焼いたものでも少しでも気に入らない点があるとその場で割ってしまうということに、焼き物の世界の厳しさを感じました。
天上火窯の人間国宝の祖父、深田路傍に優しくのびのびと育てられた深田城。轆轤名人の父、深田天河の冷たさに、幼い頃から悩み続け、いつの間にか憎しみさえ持つようになります。彼は備前焼の天上火窯を受け継ぐことへの葛藤と父への疑問を抱えながら成長していきます。
なぜ父は自分に冷たいのか?
その事をずっと疑問に持ちつつ、怒りに変わりそれでも父のことが気になってしまうのは、やはり親子だからなんでしょうね。
深田城が父親の深田天河から聞いた真実は、祖父の代からの複雑にもつれた事情で、震災の不幸も重なっていました。
幼い頃たくさん傷ついた深田城が、焼き物のようにじっくりと自分の信念を固めていく様子が印象的でした。今後は表向きは華やかな世界の厳しさと、複雑な家庭での不幸を乗り越えて、新しい時代を築いていくような気がしました。
約15年間の物語は、深田城の成長と共に「許す」ということと向き合うものでした。
Posted by ブクログ
備前焼窯元父子三世代の物語。
それぞれの葛藤、嫉妬、愛憎がぐるぐる回る。
(それにしても全員不器用過ぎないか…?)
備前焼の発する熱量が伝わってくるようだった。
Posted by ブクログ
備前の伊部が舞台と聞いて、それだけで紐解いた。備前焼のことに詳しくもなければ、伊部の場所は知っているけど、あまり詳しくもない。遠田潤子さんは初読み。けれども、なんとも懐かしい景色と世界だった。
父子の確執は、漫画「美味しんぼ」や多くの小説で描かれた永遠のテーマである。まさか、ここまでストレートに描いているとは思わなかった。もっとどろどろとしたり、陰湿な作風かと思っていた。3代に渡る父親と息子の愛憎。それを見守るおばあちゃん、死に別れた母親、付き合い成長してゆく同級生、という3人の女性。物語は土と火の芸術、作陶が形を作ってゆく。
伊部(いんべ)を歩き回ったことはないが、親戚家があったこともあり、だいたいの土地勘はある。でも大窯跡や物原、忌部神社などは知らなかった。今行きたくてたまらない。伊部は山ひとつ南に行けば、牛窓に続く海がある。備前焼の器で肴を食いたい。
Posted by ブクログ
苦しい親子がたどり着いたのがこんな形で良かった!代々なになに、の地獄や恍惚は並みの家庭に育った者には到底分からない。この人の書くものは面白いなあ
Posted by ブクログ
あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いしますm(_ _)m
新年1冊目は、まことさんのレビューで気になり、一休さんのレビューでノックアウトされたこの作品。みんみんさんも高く評価されており期待大で読みました*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*
この作品は備前焼の里・岡山県の伊部を舞台にした父子三代の家族の物語です。
物語は、主人公の城(じょう)が、大らかで優しい祖父 路傍(ろぼう)と、冷たく無関心な父 天河(てんが)という対極的な家族の中で育っていくところから始まります。
幼い頃に母を亡くしていた城は、愛情を渇望しながら、父への想い、認められたいと言う思いに悩み苦しみ、それでももがき自分が進むべき道を探していきます。
遠田さんらしい部分、父と息子の関係に、何らかの秘密があるのですが、最後までその秘密は引っ張られます。何かあるのだけど、それが何かわからない。この辺りは遠田さんの手法ですよね(*´꒳`*)
どんな秘密があるのか、気になって、気になって。
みなさんの評価は最高に高かったのですが、何故か私は誰にも感情移入出来ず(ー ー;)
感情移入などせずに、第三者的な立場で読めば良いはずなのに、自分にはなかなかそういう読み方が出来ずお星様一つ減らしてしまいました。
めちゃくちゃ良い作品なのにごめんなさいm(_ _)m
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さて今年の目標ですが、
体重を年内に2キロ落としたいっ!!
年始に兄に会ったのですが、12キロも体重を落としたそうで。羨ましい!!
私も今年は頑張るぞー!o(^▽^)o
12キロはとても無理なので、何とか2キロ落とすぞぉ!!
Posted by ブクログ
最近、ファンタジーやミステリをよく読んできたので、無駄な装飾のない美しい文章でするすると読んでしまいます。
初めて読んだ作家さんでしたが素晴らしかったです。わかりやすい言葉わかりやすい物語で焼物の世界に引き込まれました。
食器にこだわりがなく100均の食器しか買ったことがないのですが、何かお気に入りのひとつを探してみたくなります。
Posted by ブクログ
父が偉大すぎて距離ができてしまったのだろうか? 祖父も父も同じ道を進んでいるとなると、自分にも相当なプレシャーがかかりそう。それでも同じ道をいくというのはすごい決心だ。
Posted by ブクログ
懐かしい。煉瓦の煙突が立ち並ぶ伊部の町。「おえん、おえん」あんなに使っていた言葉なのに忘れていた。三代の物語だけど、親子関係、そんなに深く自省したことない身には、あまり共感出来ず残念。親子の愛情に疑問持たないでこれたのは幸せだったのかなぁ。
Posted by ブクログ
「備前焼」の窯元の一家の話、ということで。
人間国宝の祖父、父、そして孫。
物語の第一部〜第四部までは主人公の孫の、幼少期からの父、祖父との歪な関係性への、内面の葛藤が中心に物語は展開していく。
そして恋愛、進学、身内の死、見えない将来など、普遍的な問題も現れるも、人間国宝の窯元の孫という立場、そして負けず偉大な父の存在、窯元の後継問題が常に主人公の前に大きく立ちはだかっている。
第四部の終わりに大きな物語の転換点があり、それには非常に驚かされた。そして第五部からは主人公の父の独白が入り、一気に過去の真相が明らかとなっていく。
最期の作品を焼き上げる場面は、読んでいてかなりの熱量、迫力があった。
ただ個人的には三点、気になった。
非常にテンポよく物語は進む。逆に、そのテンポが早すぎて、物語自体がぶつ切りの連続のように感じた。主人公の初体験、えらいあっさり終わったな、などと余計な事を考えてしまった。
次に、ラストがファンタジーのように感じたこと。これは著者の経歴を最後に読み、なるほど、と。良い意味で納得できた。
この二点は、初読みの著者作品なので、個人的な好みにはなるが「人間国宝」「備前焼の窯元」などをテーマにした作品で、読む前から重厚さを求めすぎていたのかもしれない。それだけこの作品への期待値が高かった。
最後に、これを言えば無粋になるが、「方言」の問題。
私は岡山県に所縁があり、現在も身内がいる。備前市伊部を訪れたことも当然あるし、備前焼は当たり前に目にしてきた。そういう意味では読む前からやはり、作品の期待値を勝手に天ほど引き上げすぎたのかもしれない。
もちろん岡山弁をそのまま表現すれば、まあ酷いことになるだろう(笑)
著者は上手く、そこを回避していた。
しかし岡山弁を知る者、いや、あくまで私個人は会話文に小さな違和感を常に覚え、それが最後まで抜けなかった。
こんなことは知らない土地の方言なら、私も何も気にせずふんふんと読んでいるはずだ。些末なことに引っかかる自分の器の小ささを覚えるも恥を忍んで、素直な感想を。
ストーリーはとにかく面白かったし、私にとっては懐かしい風景が随所に浮かび、望郷の念を強く感じた。
読めばきっと誰もが伊部を訪れたくなるだろうし、備前焼を手にしたくなるだろう。
Posted by ブクログ
うーん、なんだろう。私には刺さらなかったなぁ。むしろ疑問の方が大きく頭を占めている。
備前焼の窯元一家、親子三代に亘る物語。天真爛漫で人間国宝の祖父、路傍と轆轤の名人で冷徹な父、天河の元、歪な家庭環境で育つ城。
城は路傍には可愛がられて育てられたが、天河には全く可愛がられることがなかった。
路傍が亡くなり、天河も亡くなり、天河との葛藤も消え去り人間として、窯元として成長していく。
そんな物語なのだが、天河の城に対する態度があまりにも理不尽だし不自然に感じた。路傍と天河の関係もあまりにも歪だ。まあ、世の中にはこういう関係もあるのかもしれないけれど、ストーリーよりも、なんとなくそっちの方が気になった。