あらすじ
――「だってもう、怖くてさ、地獄に落ちるのが」
新進気鋭のホラー作家・梨が描く、地獄絵図。
この本を読み終えても、恐怖は終わらない。
とあるデパートの「屋上遊園地」。峠道に存在した石塔。23分45秒の動画記録。種苗育成のためのガイドライン。幽霊の死体。エレベーターに響く声。
まるで、覗き絡繰のように次々と雪崩れ込む6つの話は、人間が最も根源的に恐れる「死への恐怖」を呼び起こす。
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6つのお話からできているので、寝る前に1話ずつ読み進めてました。
面白い。怖いというよりも。先が気になって仕方なくて、毎回「寝る前に読むもんじゃないよね、もう1話読んじゃおうかな…」ってなってたから、やっぱり面白いが合ってるかも。
1話めのROOFyは掴みどころがなかったから、これはちょっと読み進めるの大変かもって思いましたが、2話めからは読みやすかったです。3話めあたりから、もしかしてお話同士繋がりあるのかも…と思い出してからは、前に戻ったり元のお話に帰ったりと。
どのお話にも共通して、行方不明になったライターさんが絡んでるようだけど、彼はどのタイミングでエレベーターが駄目になったんだろ? 地獄に落ちるのが怖い…ナニを見たんだろ??
そこが気になってます。どこかのお話に出てきたの見落としてるのかな…
個人的には、幽霊として新しく死に直す、ずっとそのまま固定され進みも戻りもしない状態の方が嫌だな。。
あと、育苗ガイドラインの最後のページ、ドキッとした… あの回にはライターさんの影が見当たらなかったから、あれはライターさんが書き込んだのかな…
時間あけて、もっかい楽しみたいです。
Posted by ブクログ
あ〜すごい。救いがない。
ラストになって、今までの章であった話の解説?といいますか、なんといいますか、「これはこういうものでした」とサラサラと触れられていくのですが、これが大層気持ち悪い。
うわ、うわうわうわ…うわ〜…って感じでした。ほんとに。
幽霊とか、呪いとか、そういうものよりも高次元な、世界のシステムという恐怖。
あと、これはこの作品だけの話ではないんですが、著者の梨さんの書く話し手や人物って全員静かな感情しか持ってないんですよね。
やけに落ち着いているというか、怒りとかそういうアクティブな感情があんまりない。だから尚更、諦念のこもった、救いはない、という形式との相性が良かったんだと思います。
私も釈迦のようにバグ技使うしかないんでしょうか。
やだな〜!!!!
Posted by ブクログ
天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道
それぞれに世界に必ず苦しみが待っており永遠に繰り返す救いのないお話。
色々な考察が出来そうで個人的には好きな作品です。
6章の5階(人間道)に住んでいる主人公が落ちた後、どこかの階(六道の6種の世界)の住人になると言っていたので永遠にぐるぐるとそれぞれの世界の苦しみを味わい続けるのかな?
本当に救いがなさすぎる…
だから5章の幽霊は苦しみから逃れるために輪廻から外れた?
目次の意味
1章→ ROOFy(屋根付き)天道?
2章→ FIVE by five(はっきりと聞こえる、順調な)人間道?
3章→FOURierists(フーリエ主義?)修羅道?
4章→ Three times three(三度三度)畜生道?
5章→TWOnk(愚かで思慮のない人)餓鬼道?
6章→ONE(1つ)地獄道?
六道
天道:享楽のうちに生涯を過ごすが死を迎えるときは5つの変化と苦しみが襲い体が腐っていく。
人間道: 人間が住む世界。四苦八苦に悩まされる。
修羅道:阿修羅が住み、終始戦い争うために苦しみと怒りが絶えない世界。
畜生道:鳥・獣・虫など畜生の世界。種類は約34億種で、苦しみを受けて死ぬ。
餓鬼道:餓鬼の世界。腹が膨れた姿の鬼になる。
地獄道:罪を償わせるための世界。
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怖いというより気持ちが悪いという表現の方が自分にはしっくりきた。読んでいて吐き気が込み上げてくる気持ち悪さ……を最初の章でぶち込んでくる。最後まで胃がムカムカするような心地の悪さを味わえる。絡まった毛糸やネックレスを一本一本解いていく作業のように、読み進めていくうちに少しずつ疲労が蓄積する。
かなり良かったけどもう読み返したくない(褒め言葉)
Posted by ブクログ
文体が読みづらいと評価してる人がいますが、それは章によります。語り手が章によって違うからです。作者の文体は至って平易です。
で、この作品は六道輪廻をテーマとしたホラー作品なので、その手の宗教的な概念に興味が持てない人はしんどいのかも。
自分はカルト含めて仏教も神道も割と興味はある方なので、すごく楽しめました。
なによりも最終章で描かれている映像の「ありそうな悪夢」さ。
タワーオブテラーのホラー版でUSJとかで作ってくれないかな。めちゃくちゃ怖いと思う。
Posted by ブクログ
1話目からビジュアルイメージの描写が素晴らしく、大変気持ちが悪い。そこから次は違う話か?と思いきや同僚の失踪というミステリー的な話が入る。よく分からないまま読み進め、一気読みするつもりは無かったがもやもやと嫌な感じがずっとあって、むしろ戻れない、止められない、と思いながら読み進めた。なんなの、、?ってのが結構あるのでもう一度元気になったら読みたいと思う。いやだなあ、、
あと、以前梨さんが手がけてる映像作品を見たので映像が頭に思い浮かんだ。そういうの好きだよねー、って。そして個人的な話、村田沙耶香と今村夏子好きな人は好き。似たような要素が多いので。(地球星人、星の子など)
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6をテーマにしたホラー短編集という体裁の、何か嫌な気分にさせるもの。作者お得意の「読者を読者の立場で終わらせない」感が伝わってきており、その中で読み進めていくと「ホラー映画にありがちな絶対悪い方向に進むと分かっているのに引き返さないモブ(そして痛い目にあう)」になったような読書体験になり、誰かに笑われてるような感覚になる。怖いかどうかは人によると思うが、とにかくとても嫌な気分になる本
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・6月28日から読み終え、7月2日に読み終えました。
・や~なの。
・前作の『かわいそ笑』同様、書籍という媒体を活用しててすごい。すごい嫌。怖いというより"嫌"が勝つなー梨の話って…… キモくて嫌。キモ嫌です。
・どれもこれも嫌であんまり書くことないかも(なんなんだ)。怖さで言ったら4話が一番怖かったかな~。動画の文字起こしって普通の文章より想像がしやすいから…… 緩急で言うならやっぱり3話だな。今回画像だったりテキストでの怖がらせ?がないなと思ってたけどしっかり仕込んでてよかった(嫌)。1P前でもう透けてたのもだいぶ嫌でよかったな。
・テキストのギミックは組版で大きく使われてるよね。上が不自然に空いたレイアウトってたぶんサブタイトルに「six」がないこととかかってるよなあ。
・あと珍しく、答え合わせがあったな~と思った。梨さんはじめ、最近の怪談(?)の流行りって「なんだかわかんない」って要素が大きいと思ってたから新鮮だった。まあ全部を明かすような感じじゃなくて、話の流れに合った上品な明かし方だと感じたな。
・それもあって、(散々嫌だのキモいだの言っておいてこれ言うのもおかしいかなと思うんだけど)なんだかきれいにまとまってるな~って思った。種苗のガイドラインが顕著なんだけど、言葉の選び方が丁寧というか、言葉遣いがやさしい。相手に対して丁寧に教示するときの綺麗さ……
・いやー、でもよかったな、おもしろかった。画像やギミックに怯えるため、ネット上で長文の怪談読むの向いてないから、こうやって書籍で出してくれるのはシンプルに助かる。また新作出たら読みたいのう。
Posted by ブクログ
特に前半の文体に慣れず、これは私の嫌いなタイプの本かと思った…後半はあまり気にならなかったけど。
オーディブルで聞いたけど、これは目で読んだ方が良さそう。つなぎめに間がなくて、次の話に移っている事に直ぐに気がつけない。
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モキュメンタリーっぽい3話目が面白かったがあとはあまり。怖さも感じなかった。
幽霊の自殺なんて、設定としてちょっと無理があるような。
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デパートの屋上遊園地から峠道の石塔と奇妙な集団 宗教の勧誘らしき風景と続き
古びた屋敷の惨劇を生き残り死後の世界を垣間見る 最後は自死を繰り返す自分を俯瞰する奇妙な終わり方 文章が上手なので読ませられたが~全体的に怖そうでそこまで恐怖で震え上げるほどでもない
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一見つながりの無さそうなエピソードが続いて最後に全部がつながってくる、っていう構成らしいけど、最後まで読んで結局(え、どういう意味?)ってなった むず
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一体何を読んでいるんだ。何を読まされているんだ。が最後まで続き、その先に待ち受けているのは生き地獄。いや、死に地獄。えっ、どういうこと?ひょっとして、そういうこと?100%理解できていない自信があるのに、生理的にゾクゾクさせられてしまう、この作者特有の筆致がクセになる。
Posted by ブクログ
5篇の短編が最後の一編で繋がる短編集。
不条理ホラー?
六道輪廻の棚の中で、気づいてしまったことによるもがきというか、仮定と妄想の上に成り立った救いを求める行動が何の意味もなく只々首だけを絞めていくという、答え合わせを一気に見せられるという恐怖。
人って勝手な生き物ね。が大元なのか、悪ってなんだろうが大元なのか、であるならば、今自分がいるここはどこで、何をしたら良いのだろうか。
死を救いとしたことで救いで亡くなり、それを諦めても死を選ぶ。
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何ともじめっとする恐怖が続き、自分は今どこにいるのか彷徨うような感覚の中、行き着く先は地獄だった。という不思議な作品。直接的な恐怖はなくても終始嫌な震えに悩まされる。
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ひとつずつの話は怖い、かつとても厭な話。そして通して読むとさらにさらに厭な話。すべての意味がきちんとわかるわけではない、理不尽さが個人的に好きです。
Posted by ブクログ
すごく怖いというわけではないのだが、ふと思い出して不気味に感じるお話が多かった。
特に最初の屋上遊園地の話は、最近好きなアーティストさんが屋上遊園地に関する曲を出してそれを聞く度に思い出すようになってしまって、良くも悪くも記憶に残る物だなと思った。
カルトじみたマルチの勧誘方法を載せている話の最後、突然現れた手書きの赤文字は昼間に読んでいたのに普通にドキッとした。