【感想・ネタバレ】襲大鳳(下)――羽州ぼろ鳶組のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年01月22日

内容(「BOOK」データベースより)

強く澄んだ眼差しは、火消のそれだった―。新庄藩火消頭“火喰鳥”松永源吾は、尾張藩中屋敷を襲う猛火の中、もう一人の鳳と邂逅を果たす。火事が特定の人物を狙った謀殺と看破した源吾だったが、背後には巨悪の影がちらつく。ぼろ鳶組の面々、同期の火消たち、そして妻深雪と子平...続きを読む志郎との絆が、源吾を一個の火消たらしめる。技を、想いを、火消の意志を繋げ!

令和6年1月19日~21日

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Posted by ブクログ 2023年11月15日

珍しく筆者のあとがきがあり、これでシーズン1完結とのこと。なるほど、それでオールスター勢揃いだったのね。まあ、誰が誰かを思い出すのが大変。でも、ムチャ読み応えあり。シリーズ後半に登場した若手の活躍も見逃せないね。ああ、面白かった!

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Posted by ブクログ 2023年09月07日

数々の火消が勢揃いで、頭の中で人間関係図を思い浮かべるのが大変だったけど。
伝説の伊神甚兵衛との再会、真相、火消らとの絆、熱い熱い物語に、胸が熱くなった。

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Posted by ブクログ 2023年06月20日

羽州ぼろ鳶組シーズン1完結!
ここまで続いた物語の全てが一糸乱れぬ美しさでひとつに纏まり一橋屋敷に大集結。
その描写に思わず感動の涙が溢れます。
素晴らしい以外の言葉が出てこない。
羽州ぼろ鳶組は火消し達の群像劇であり、見事なまでに腹黒い一橋卿に立ち向かう勧善懲悪な展開が読者を引き付けていると思いま...続きを読むすが、最後の最後で一橋がお咎めなしで終わらすところがシーズン2への期待値を更に高めてくれます。
羽州ぼろ鳶組、いや、今村翔吾さんに出会えたことを感謝します。

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Posted by ブクログ 2023年05月01日

間違いなく、シリーズ最高傑作。

これでもうシリーズ最終話じゃないかと思うぐらい豪華メンバーの共演。
火消しの藩を超えて、さらに世代をも超えてストーリーが展開していく。

同じく火消しであった、主人公である源吾の父親の最期が明らかになるのも今回の読みどころ。

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Posted by ブクログ 2023年03月25日

第一部・完!?
みたいな大作です!!
若い世代に受け継がれていく……すごくいい話でした!!!
新之助と彦弥が個人的に推しですが、
辰一と内記もめちゃくちゃいい感じです^_^
正義の形って一つじゃないんですね。

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Posted by ブクログ 2023年01月27日

今回もあっぱれ。
火消し連合の活躍は、いつ見ても心踊るオールスター戦のよう。
ぼろ鳶の面々が少し影薄い?そこだけ少し残念。

そしてついにあいつだよあいつが出てきた。
まったく小憎らしい。下々の人を人とも思わない冷酷さには読んでいてこちらでも腹が立って腹が立って仕方がない。
ことの顛末も、まああの野...続きを読む郎ほんとに酷い!権力者なんてあんなもの?許せないなあ!と読みながら怒り心頭。
文句ばかり垂れているが、こんなに腹が立つほど感情移入させてもらえて、読者としては幸せなんだよ、という結論。
また続きが楽しみ。

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Posted by ブクログ 2022年12月16日

さて、下巻。「羽州ぼろ鳶組」の12冊目。

上巻の終盤、尾張藩中屋敷の火事場に現れた伝説の火消・伊神甚兵衛の残像も冷めやらぬ中、火事の手口は星十郎の知見を内記(色々と複雑な男だね)の言葉が裏付けてからくりが解けていく一方、伊神の探索は新庄藩=源吾に託される。
伊神への憧憬と亡き父が伊神を火消に戻せた...続きを読むかを確かめるべく腹を括る源吾。『親父は幸せだったのかな』、その父を思う姿に、比ぶべくもないが我が身のことを重ねて咽ぶ。

そして今度は尾張藩下屋敷が爆ぜ、再びまみえた二人は一緒に逃走し、そこから伊神の18年間の経緯が知れていく。本当にひどい奴だな、一橋治済。
その一橋の奸計に引き出され、町中が敵となった中を中央突破。己を頼みにする人たちに応えて駆け付けた辰一の大技。
『敵ではないが友でもない。ただこの18年、己の信じた道を走り続け、今回がたまたま同じ方向に走っているというだけである』という火消の姿が美しい。
御城を取り囲む黄金の世代を頭にいただく府下の火消の面々に加え、打たれても打たれても自らの信じることに突き進む慎太郎らの若い鳶が間一髪を演出し、一橋に与するかと見えた(そんな訳ないよね)内記の心模様に胸のつかえが取れる。

遂に対峙した源吾vs.一橋治済は、その後の歴史を見ればああ収めるしかなかろうが、胸のすく思いとはいかず。
しかし、最後の最後、『雛共が偉そうに』と弾んだ声で蔵に向かって真一文字に突貫する伊神甚兵衛の姿はそれを補って余りある。もはや感涙と胸の震えなしには読めず。いや、なんて格好いいんだ!

『安永三年、幕府に弓引く凶人あり。尾張藩の者の屋敷を立て続けに焼き、遂には御曲輪内の一橋家をも焼かんと窺う。
 しかし、ここに二十一年前に死んだと思われていた火消現れて大いに奮戦す。その名、伊神甚兵衛なり。かつて炎聖と呼ばれし伝説の火消に候。
 伊神甚兵衛、その命を懸けて民を救って斃れるも、かつて黄金の世代と呼ばれし火消たち、十八年の時を経て一堂に会し、奮起して焔に立ち向かう。火消の意志は斯くして受け継がれ、御府内の安寧が守られていることを改めて想う。
 江戸火消天晴也。』

5つでは★が足らないぞ。

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Posted by ブクログ 2022年12月08日

感動(´;ω;`)
小説を読んでこんなに長く鳥肌が立ったことがあるかな。映像が浮かんできて、映画を見ているようだった。

火消頭、若鳶、最高でした!
18年の時を経て築き上げた頭たちの熱い絆。みんながカッコよかった♪
もう文章には表せない気持ち( *´艸`)
12冊読んで推しはコロコロ変わったけれど...続きを読む、やっぱり最後の推しは今村先生(笑)
続編楽しみにしてます♪

次は恋大蛇(*´ω`*)

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Posted by ブクログ 2022年11月30日

作者のコメントにある通り、第1シーズンは終わりとのことで、ラストに相応しいオールスターの総力戦で、ファンとしては大満足。

上巻で慎太郎、藍助という新米鳶に興味を持ったが、そこに慶司も加わり、過去の源吾や勘九郎を彷彿とさせるあたりは流石の一言。黄金世代や新米にスポットが当たっているが、第2シーズンで...続きを読むはその間の世代、与市、銀治、燐丞にも活躍の場を与えてほしい。

今回の話でつくづく思ったのは、例えば警察は守りながらも敵を殲滅するために攻めに転じることができるが、火消は守りであり、決して攻めることはない辛い職業だということ。だからこそ、より感動が高まるのだと思う。

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Posted by ブクログ 2022年07月31日

出るたび最高傑作かよ!

とっておきの「★5じゃ足りない」タグ連発です
こんなに安売りするつもりないのに!

そしてまずみなさんにお伝えしなければならないのは今作を読む前には絶対にシリーズ零の『黄金雛』を読んで下さいということです
絶対です(凄く大事なことなので2回言いました)
読まずに今作を読んで...続きを読むしまった場合その感動度は75分の1(当社比)にまで下がってしまいます
もし間違って本作の方を先に入手してしまった場合は適当な大きさの電子ジャーに入れて蓋をしっかり閉めて御札を貼って保管しておいて下さい
詳しいやり方は『ドラゴンボール』13巻を読んで下さい

前置きが長いのはいつものことなので特に謝罪もなく本編です

今作もウルトラ面白かったです!

実は18年前の「大学火事」で見つかった遺体は源吾の父重内のものだけだった!「炎聖」伊神甚兵衛は生きている?というところから物語はスタートします
そして18年前の続きかのような尾張藩を狙った火付けが起こり源吾たち火消し一同が江戸の町を守るために動き出します

火付けの下手人を探す過程、源吾はまだまだ父を超えられない自分に気付き悶々としつつも、非常に危険な火付けに父たちと同じ若き火消したちの関りの禁止を決定します

もちろんどの世代にも跳ねっ返りはいて、慎太郎、藍助、慶司の3人は独自の活動を開始します
この3人のやり取りがもう微笑ましいやら熱いやらでズルい!
あの人が昔の熱い想いを取り戻したり、あの人が源吾の絶対絶命のピンチに現れたりでもうズルいズルい!

二羽の鳳が火事場に降りたち炎を喰らう!
一羽の鳳が天に昇り18年の時を越えて黄金の世代が遂に並び立ち炎を喰らい尽くすとき真の意味での親世代からの魂の引き継ぎが完了したのではないでしょうか!!
もうズルすぎる展開が感動の渦となり炎を包み込みます!

もうずっと続いてほしいわー
もっとたくさんの人に読んでほしいわー

そしてそしてシリーズ最大の伏線、自称黄金の世代最後の一人あ組の晴太郎の登場は果たしていつ?!

楽しみすぎて火の用心!(意味不明)

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Posted by ブクログ 2022年06月30日

これで一区切りだと思うと読むのがもったいなくて…
もう激アツの展開に涙(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

素晴らしい!
自分の語彙力のなさに腹が立つ笑

オールスター総出演で挑む一橋御屋敷突破!
内記vs一橋!そして18年前のやり直しの如く門を突破してくる仲間達…その先頭には2人の鳳凰...続きを読む
もう最高です(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

しばらくぼろ鳶ロスになりそう…

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Posted by ブクログ 2022年06月06日

にっこり に組!
時代を超えて繋がってるし、ひとりじゃない。
この巻で、わだかまっていたものが落ち着いたのかな。

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Posted by ブクログ 2022年05月10日

火喰鳥から襲大鳳までの12巻の一区切り。面白かった。
時代小説というと身構えるものもあるかもしれないけれど、何よりとても読みやすかった。
登場人物がいきいきとしていて、ジャンプ漫画のように、無条件で主人公を応援したくなるし、名作で得たのと同じ高揚感があった。
個人的にもっと若い世代に読んでほしい作品...続きを読むだなと思った。

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Posted by ブクログ 2021年10月05日

10月-03。5.0点。
羽州ぼろ鳶、第一シーズン最終巻。
連続火付けは、伊神甚兵衛なのか。。。

終盤150頁は、泣きっぱなし。。
一橋の卑怯さに怒り、伊神の火消しとしての矜持に泣き、現役世代オールスターに歓喜し、新人世代の成長に楽しみを覚え。
喜怒哀楽がすべて詰まった、素晴らしい作品だった。

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Posted by ブクログ 2021年06月20日

第1部完。
各々の思惑が錯綜していたが一応の決着を見せた。一橋と田沼のパワーバランスは変わらなかったが、火消連合が一橋の狙いを火事ごと打ち消したことに溜飲が下がる思いをした。
個人的には菩薩花でぼろ鳶組とやりあった新藤内記を推せるようになった話だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年02月27日

今回の話は泣かずにすみそうだなって思ってたのに、
最後にやられた。
みんな散り際がかっこよすぎる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年01月31日

202101/上下巻まとめて。絶対面白いぼろ鳶シリーズ、しかも今回は上下巻でたっぷり楽しめる!なのに上巻読む速度がのろのろペース…というのも、登場人物が多すぎて、忘れてしまった人となりや過去作での細かいエピソードを思い出しつつだったので。くどくない程度のさりげない按配で人柄や当時の経緯もちゃんと書か...続きを読むれているし、あくまで自分の記憶の衰え故に、読み進めるのに時間がかかってしまったってことです笑。この世界に戻れてからは、胸も目頭も熱くなりながら没頭。キャラクター達が良いのは勿論のこと、場景が映像で目に浮かぶ描写が毎度ながらほんとお見事。今回も、慎太郎達が門を開けようと頑張る場面とか、源吾と甚兵衛の半纏の向かい合せ鳳凰とか、辰一と登場したとことか、数々の名シーン、読んでてすっと浮かんでくる今村先生の文章はすごい。下手人や理由の謎だけではなく、源吾が父の死と向き合うところ、甚兵衛ら先達世代・源吾ら黄金世代・慎太郎ら次世代、それぞれの葛藤・世代交代・熱さが織り交じっているところ、要人や内記の心情や変化、などなど今作も盛り沢山の名作だった。今回で一区切りということであとがきがあるのも嬉しいが、早くまた次の作品にひたりたい。

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購入済み

揃い踏み

2020年12月23日

いやいや、また泣かされましたよ。
みなさーん、ご自宅でゆっくり読んでくださいね
出先で読むと涙堪えるの🥲大変ですよー

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Posted by ブクログ 2020年12月20日

 江戸の火消したちが18年前の大火の悪夢と対峙する羽州ぼろ鳶組シリーズ第12弾。

 今回は、シリーズ初の上下2巻の大作でしたが、さすがはぼろ鳶シリーズ、一気に読まされてしまいました。

 主人公の源吾が運命の人物との邂逅を果たす今回のエピソードは、この物語にとって大きな転換点となったことを感じ取り...続きを読むました。

 また、背後にうごめく巨悪の影との対決も鮮明となり、ますます展開に目が離せなくなりました。

 その中で多くの魅力ある火消したちが活躍する場面が楽しめるのもこの物語のもつ大きな力だと思いました。

 熱い仲間たちと温かい家族のつながりも、今の世の中と照らし合わせながら考えさせられました。

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Posted by ブクログ 2020年12月19日

2020.12.19
これまでの総決算のような内容、大満足です!
ぼろ鳶の活躍はそこまで目立たなかったものの、辰一様の活躍も、火消しの伝承も、人生の繋がりも詰まってました。
初めて?あとがきがあったのも嬉しかったです。
しばらく続きが出なそうな感じがあったのですが、それはこの先も楽しみがあると思って...続きを読む諦めます。
いや〜あっぱれ!

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Posted by ブクログ 2020年12月15日

長編の下巻。
将軍の座を狙う野望を持ち続けているのは一橋。

今回の騒動は裏で動かしていたのは一橋だった。

真相を探る源吾たち。
町火消しも加わる江戸の花たち。

感動のスペクタルな物語構成。
読み応えも感動も!!

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Posted by ブクログ 2020年12月06日

前作が過去編だったので何故かなと思っていたところ、全てが今作に結実するとは。
納得のプロットでした。

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Posted by ブクログ 2023年09月19日

火喰鳥シリーズも一旦落ち着いた感じ。
町火消の共闘とか、真犯人とのやり取りは、もはやお約束の展開。

いつの時代も、常に炎と対峙する火消しの人には感謝する。

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Posted by ブクログ 2022年11月02日

1巻から本巻のあとがきまで最高だった。
一応、これが1部の終わりのような立ち位置らしい。それはそうだろう。まだ解決していないことが残っている。
次が気になるのに、まだ出ていないことに絶望して、理不尽だとは思いつつも星を1つ減らしてしまった。早く新刊を出して欲しい。
江戸の火消しも松永源吾もこの目で見...続きを読むることは出来ないけれど、火消しの面白い話を読める、今村翔吾の本を読めるこの時代に生まれて良かった。

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Posted by ブクログ 2022年01月14日

上下巻で少し長さを感じたものの、
クライマックスが近づくにつれ
熱い思いが伝わって来てうるうる。
内記、今回良かったなぁ!
泣けた。

作者はこれでシーズン1が終わったと
表現されていたけど、
一橋がこてんぱんにされるのは
まだまだ先になりそうだ。
残念…!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月21日

面白かった。悪人が全くの悪人。火消は、生きる意味を、人を火事から助ける、消す事にあると信じている。火消たちの年代を超えたその意志が悪人の思惑を砕いていく。カッコいい。
壊滅した火消隊の生き残りが、改心し命を賭して人助けをしている最中、自分は今一人じゃない、かつての同僚の名を一人一人挙げる、、、涙が溢...続きを読むれる。すごくいいエンタメ。

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Posted by ブクログ 2021年09月10日

もうそろそろ飽きるかと思っていたけど、やっぱし惹きこまれた。上下巻一気読みしてしまった。火喰鳥の時は単発のつもりで書きはったんやと思うのに、10巻が連続した大きな一つの物語になってるって凄いな。しかも短期間で書いてはるし。作家の熱量がそのまま源吾で表現されていて、なんか勇気をもらってる。シーズン1は...続きを読むこれで終わりらしいけど、新刊がでたらきっと僕も読み続けていくやろうな。

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Posted by ブクログ 2021年02月27日

巻末に「シーズン1の最終回のつもり」と書かれているように、既刊に描かれていた人々の繋がり、火消しそれぞれの人生などが全て結集されたものとなっていた。

読み進めるほどに周りの火消しに魅力を感じ、主役の源吾がまっすぐすぎて物足りなく感じるほど。

甚兵衛が18年の苦しみから解放され、炎聖と呼ばれし伝説...続きを読むの火消しに戻れて涙。

シーズン2の再開の際には、ぼろ鳶の仲間たちの恋も実られてあげて欲しい。

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Posted by ブクログ 2021年02月26日

源吾達が、何だか伝説みたいになってしまって寂しい私。後進が育つことは大事だし、源吾達も大活躍してるんだけど、大御所みたいになって、それはそれで嬉しいけれど、キレキレの第一線の人達であってほしい、と思うのも確か。自分へ父親への思いや過去の因縁にもある程度区切りを付けられたようですド、良い終わりでした。...続きを読む私の中で心情がどんどん変わっていった内記も、火消しのあるべき姿に落ち着いてほっとしました。でも、皆仲良し、も面白くないので今の関係性が良いな。ドラマ化されそうな気もしてきました。

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Posted by ブクログ 2021年02月18日

尾張藩上屋敷、中屋敷と続いて下巻では下屋敷まで襲われる。
そこに再び現れた伊神甚兵衛。やはり彼は生きていた!
源吾は考えあって甚兵衛を連れ去り共に逃亡してしまう。
一方、新人火消の慎太郎・藍助コンビもまた失踪。
八重洲河岸定火消頭取の進藤内記には何やら怪しい人物が近づいて来て良からぬ企みを強制しよう...続きを読むとしている。

あとがきによると、シーズン1最終回のつもりで書かれたとのこと。一度書いたものを書き直すほどの力の入れようだけあって、これまでのシリーズ作品の要素がここに注ぎ込まれている感があった。

これまでの数々の事件の裏にいたあの大物がついに姿を現す。イメージと違ってまだ若いのに驚き。
今回の事件の裏にもやはりこの人がいた。何というシナリオ。そのために振り回され人生を狂わされ命まで奪われた者たちがどれほどいるのか。甚兵衛もその一人。
しかもその揉み消しのために自分のところの屋敷内を焼くとは恐れ入る。
見事な悪巧みと手のひら返し、振り回される周囲は可哀想だが実際どういう人だったのだろう。調べると77歳で亡くなるまで権勢を振るったというから、このシリーズでの確執もまだまだ続くということなのか。

終盤の火事の現場ではオールスター集結で豪華絢爛。
個人的には進藤内記の言動を追っていたのでそちらが気になって仕方なかった。
彼は十八年前のあの苦い記憶を繰り返すのか、はたまた新たなものに書き換えられるのか。
そしてまるで十八年前の若鳶たちのような威勢のいい慎太郎と彼に協力する慶司、そして藍助は火消たちの窮地を救う希望の一石になれるのか。
加賀鳶はもちろん、辰一はじめ町火消たちも集結。
そして源吾と甚兵衛も満を持して登場。
更には長谷川平蔵も。

最後は火消たちの泥臭いまでの意地と根性とプライドとがぶつかり合って協力しあって読み応えがあった。
甚兵衛は一時は怒りにかられて道を踏み外したが、やはり最後まで火消だった。
鳳凰は新しい鳳凰へ引き継がれる。十八年前に生意気だった若鳶たちはそれぞれ自分たちの組を率いる責任ある立場になり、慎太郎たちのような新たな生意気な若鳶たちに叱り飛ばされる。なんとも嬉しく切ないループだ。

源吾がこの事件を機に亡き父に対する想いが変わったのかどうか、はっきりは書かれていない。しかしやがて息子・平四郎を育てながら、かつての父の思いも分かっていくのかも知れない。

あとがきによると、シーズン2では加賀鳶の大音勘九郎とその父の話を書く構想があるらしい。いつになるのか分からないが楽しみだ。
今回の作品を踏まえてシリーズを読み返すと、また新たな発見があるかも知れない。シーズン2が始まるまでに読み返してみよう。

※シリーズ作品一覧
(★はレビュー登録あり)
①「火喰鳥」★
②「夜哭烏」★
③「九紋龍」★
④「鬼煙管」★
⑤「菩薩花」★
⑥「夢胡蝶」★
⑦「狐花火」★
⑧「玉麒麟」★
⑨「双風神」★
⑩「黄金雛(シリーズ0)」★
⑪ 本作 上下巻 ★

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