【感想・ネタバレ】火喰鳥――羽州ぼろ鳶組のレビュー

あらすじ

かつて、江戸随一と呼ばれた武家火消がいた。その名は、松永源吾。別名、「火喰鳥」――。しかし、五年前の火事が原因で、今は妻の深雪と貧乏浪人暮らし。そんな彼の元に出羽新庄藩から突然仕官の誘いが。壊滅した藩の火消組織を再建してほしいという。「ぼろ鳶」と揶揄される火消たちを率い、源吾は昔の輝きを取り戻すことができるのか。興奮必至、迫力の時代小説。

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ネタバレ

「真っ当な武士が星なら、火消はさしずめ花火と同じ。一時輝きを放ち消えていく」
「それでも人の心に残るのは案外その花火であったりするものです」
「忘れてくれればいいさ。嫌な想いもひとくくりに溶かし込んで消えればいい」
読書においてここまであからさまに息を呑んだり心を躍らせたりしたのは初めてでした✨️
今村翔吾先生が好きになったきっかけの一冊です

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2025年12月08日

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今村翔吾デビュー作、面白すぎる。(途中インフルに罹患して止まってしまったが、、)ページを捲る手が止まらなかった。何と言っても、登場人物みんなが魅力的で、特に源吾の妻・深雪最高だった。前半のメインストーリーはぼろ鳶組の仲間集めで、麦わらの一味が仲間になる話と同等レベルで面白かったし、後半のvs狐火は緊迫したシーンが堪らなく、終始面白い作品だった。続編沢山ある様なのでどんどん読んでいきたいと思う。

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2025年11月24日

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読み終わってから知ったのだが、これがデビュー作⁉︎完成されすぎでしょ…と引いてしまうくらい、エンタメとしての満足感が高い。

ある理由から天職だった火消しを辞めて燻っていた主人公が、少ない予算の中、火消メンバーを集めてチームを再建するというあらすじ。
これだけ聞くと池井戸潤作品かな?(偏ったイメージですみません)と思うかもしれないが、舞台は江戸。
宵越しの金は持たず、焼ける前に使えと言われるほど火事が多かったそうで、源吾たち「ぼろ鳶衆」はそんな江戸の街を火の魔の手から守るために奔走する。

普段時代小説はあまり読まないのだが、前述した通り、盛り上がりが約束されているような王道ストーリーで、かつ一瞬登場するだけの町人ですら活き活きとしており、すらすらページが進む。
(「お互いまた臍繰りを貯めましょうね」は粋な返しすぎるよ奥さん)
魅力的な人物ばかりだが、源吾の妻・深雪さんが芯の通った女性で最後まで頼もしかった。

この時代にはまだ一般的に馴染みのない化学的な現象が真相に近付くヒントになったり、連続放火魔を追うストーリーラインも読み応えがあった。

とどのつまりは、難しいところは一切なく面白いよ‼︎ってことです。

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2025年11月23日

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かつて江戸随一と呼ばれた武家火消、松永源吾。別名、「火喰鳥」のもとにひとり、またひとりとクセ者が集ってくる展開が熱かった。江戸火消アベンジャーズ。日本は昔から災害大国で
地震や火事などに何度も見舞われてきた、でもその時々で諦めずに日常を取り戻す戦いをした人達が居たからこそ今があるんだなとぼろ鳶組の活躍を追いながら気づかされる。今村先生は"人の力”を信じているのだなと思った。

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2025年10月13日

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江戸の火消しの物語り
シリーズ一巻にあたる本作は落ちた頭の源吾をはじめとして、仲間が集まってくる様子が描かれている
仲間集めってワクワクしますよね
そしてメインストリートの火付けを最後追い詰めるのですが…
ワクワクや勢いのある火消しの場面、そして切ないラスト、世界観にどっぷりとハマりました!

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2025年10月10日

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これも何回読んでも面白い。

舞台は江戸時代明和、花のお江戸。人がひしめくこの都市では、頻繁に火事が起こる。その火事に対抗するのが、物語の主役「火消」だ。
この火消、今までは「暴れん坊将軍」で北島三郎さんが演じた町火消しかイメージなかったけど、大名や旗本などの武士にも火消がいて、元々はこちらが先だった、ということをこの本で知った。
明和は、暴れん坊将軍の吉宗公の時代から下がって、田沼意次卿の治世だ。

主人公は、その武家火消。
過去の失態により浪人していた元火消、松永源吾が、ある大名家の火消頭取に取り立てられて、数々の苦難を乗り越えながら活躍する物語である。
これが実に熱い!
出てくる仲間がみんなキャラが立っていて、とにかくかっこいい!特に奥さんの深雪さんが素敵なのだ!チャキチャキ江戸っ子の雰囲気からなのか、どいつもこいつも格好つけてて、セリフもいちいち極まっていて、クァ〜って言いながら手のひらの親指の付け根で鼻を擦りたくなる。お江戸の雰囲気に乗ってか、お話の疾走感も爽快。
武士のみなさんもまた良くて、その覚悟の決め方や、熱い想いに、武士の強さというものを見直せた。

源吾が士官したのと前後して、江戸では狐火という連続火付けが猛威を振るう。源吾は頻発する火事から江戸の街を救うために立ち向かうが…!

鬼平の親父さんや田沼卿も出てきて、歴史と重なったり、源吾たちがスーパーな活躍をしたりと、これは歴史ファンタジーと言うんじゃないかと思う。FF好きな自分にはたまらないw
これも実写ドラマ化して欲しい!ぜひ!

今も昔も火事はとても怖い災害。江戸時代の道具で立ち向かう危険は想像以上だと思うが、当時の火消の矜持を存分に味わえる逸品だと思う。

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2025年09月28日

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2025年の1月から8月上旬までに東京都内で発生した火災は3,034件。2024年1年間では4,518件ったので、少し増加傾向にあるようだ。また、ここ最近で増加傾向にあるのがモバイルバッテリーや電動キックボード、ノートPCのバッテリーから出火するケース。先日もモバイルバッテリーの発火でJR山手線が一時運休になるという事件があったが、今までのように「ガスレンジやたばこの火に気をつけよう」ということでは防火対策としては若干不足しているということだろう。

東京消防庁が火災で1年間に出動する回数は約4,500件。1日あたり12件前後の計算になるので、2時間に一件の火災が発生している計算だ。東京消防庁は世界的にも規模の大きい消防組織だが、日頃から高層ビルでの脱出訓練や実際に火を使った消火訓練、化学防護服での特殊対応訓練や地震・津波など大規模災害時のシミュレーションを行うなど、火災対応のプロとしての訓練が日夜行われている。
時代を遡って、江戸時代の消火組織と言えば「火消し」。火消し鳶(とび)と呼ばれる面々が防火・消火活動に当たっていたが、「家事と喧嘩は江戸の花」と呼ばれるほど多くの火災が発生していたので、火消しに対する期待はかなり大きかったのだろうと思われる。

今村翔吾さんが書かれた「火喰鳥――羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)」は、そんな江戸時代の火消しが主人公となっている物語だ。
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かつて、江戸随一と呼ばれた武家火消がいた。その名は、松永源吾。別名、「火喰鳥」。しかし、五年前の火事が原因で、今は妻の深雪と貧乏浪人暮らし。そんな彼の元に出羽新庄藩から突然仕官の誘いが。壊滅した藩の火消組織を再建してほしいという。「ぼろ鳶」と揶揄される火消たちを率い、源吾は昔の輝きを取り戻すことができるのか。
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炎を喰いつくすように消火することから主人公の源吾につけられた別名だが、火災が多かった江戸時代だからこそ炎をものともせず立ち向かっていく火消したちは無くてはならない存在だったことが窺える。現在13巻まで出されているが、どの巻も一冊ごとに一話完結という構成になっていて、単に火災に関することが書かれているだけではなく、火災を題材としたミステリーになっている。時代小説でありミステリー小説でもあるこの物語を読んで、火災に立ち向かっていく勇敢な火消しの姿に元気をもらえる心の栄養剤のような物語でもあった。

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2025年08月07日

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凄く良いシリーズものの一巻目だった。
しっかりキャラのたった人達が、1人ずつ仲間に加わってくるワクワク感。そして、それぞれが力を発揮できる場所があって、敵(火)をやっつける。
ワンピースの公式非公認のYouTubeで今村さんがワンピースファンかも?って話が出てたのが納得!って感じにワンピースだった。
奥様が一番好きかも。
早く次読みたい!

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2025年08月02日

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とっても面白かったです。疲れていても今村翔吾さんを読むと頑張ろうと思えるのがすごい。人情味溢れる登場人物がとてもよかった。江戸時代の火消しのシーンはドラマで垣間見るけれど詳しく知らなくて、この本でどうやって火災に立ち向っていたのかを思い描くことができて勉強になりました!1人の死人も出さないで民衆を火から守るボロ蔦組の心意気に胸が熱くなりました!

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2025年07月19日

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かつて武家火消の頭領として活躍し、『火喰鳥』の異名を冠した松永源吾。
ある火事をきっかけに火消を引退し、二度と戻らぬと決めていたが、新庄藩主の命により再度火消頭領として腕を振うことになる。
初めこそまとまりが無く、青瓢箪揃いの『ぼろ鳶』であったが、壊し屋の寅次郎・纏の彦弥・風読みの星十郎・どこか惚けた頭取並の新之助と信頼できる仲間を集い、数々の現場を乗り越え町人に愛される火消組へと復興していく。

主要人物たちの葛藤、『狐火』と呼ばれる謎の火付け集団、断片的な情報で変化する町人からの評価、政権争い、源吾の妻・深雪とのすれ違いと絆。
古典的なストーリー展開だったけれど兎に角熱く、グッとくる台詞が多く、あっという間に読み終わった。

今作が著者のデビュー作との事で、他作品も是非読んでみたい。

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2025年07月05日

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ボロ鳶とバカにされながらも命をかけて火消しをする姿最高だった。
偶然にも最近読んだ天地明察に出てきた人物に再会して感動。
新之助の二つ名には思わず笑ってしまったが、いい意味で似合っていた。

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2025年06月01日

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読みやすい時代小説ということで手に取った本書。
時代小説に疎いが、読めない文字は検索すればすぐわかる現代。なるほどこれは読みやすい。
胸が熱くなるシーンを多く、私によく刺さる。
アニメ化が決まっているというので、楽しみにしています。

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2025年05月31日

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みんみんさんがおすすめ下さいました。

ひま師匠のレビューを参考にすると良いとのことで、直ぐにレビューを読みに行き、これは良さそうだと思ったので、メルカリで11冊一気に購入しました(*´꒳`*)

一冊目読んでから考えても良かったのですが、
今村さんと言えば「イクサガミ」ですよね?
イクサガミが滅茶苦茶面白かったので、信頼感、期待度は抜群です(*´∇`*)


時代は1770年。江戸中期の物語。

かつて、江戸随一の火消し「火喰鳥」と呼ばれた松永源吾は、ある火事を境に火消しの仕事を辞し浪人生活を送っていた。

そんな折、羽州新庄藩の左門が訪ねてくる。
少額の予算の中で、藩の火消しを命じられ、人材を求めながら放火犯に立ち向かう。



これはワンピースですよ!私の大好物なヤツです。
先ずは仲間探しからです。

ゾロやサンジやナミさんが必要なように、火消しには火消しの能力者が必要なのです!!

三人寄れば文殊の知恵と言いますけど、人が集まった時、それぞれの得意分野が相乗効果を発揮して、大仕事を成し遂げるみたいな。
そういうお話大好きです!

読んでみて本当に良かったです!!
みんみんさん、ひま師匠、ありがとうございます♪

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2025年05月22日

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2017年に発表された本作は、今村翔吾のデビュー作という。
以降の活躍を知っている読者からすれば、平常運転の今村翔吾の一作なのだろうが、当時初めてこの作品を目にした読者からすれば、とんでもない作家が世に出たものだと感じたのではないだろうか。
まさに恐れ入る。

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2025年05月10日

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『火喰鳥』がアニメ化されると、今村さんのXで流れてきたこともあり
読んでみたいと。

火消=現代で言うと消防士。
物語の主人公である松永源吾が、火消組織の再建して欲しいと折下左門から依頼を受け、5年前の己のトラウマと向き合いながら、火消組織を再建・成長をする物語。

源吾が共にする、妻・深雪、新之助、寅次郎、彦弥そして星十郎。それぞれが特技を持ってて個性がひきたっている。江戸を火事の恐怖を抑え、火消としての役割・責任を担いながら任務を行う。彼らの強かさが情熱的でカッコ良い。
これは日本人ならではの逞しさと力強さ、そして人々を救う正義感を表現しており、現代でもしっかり引き継がれているんだろうなと。

また知らなかったことが結構たくさんあり、例えば町名の場合、その場所に何があったところなのかと町名から想像できるが、意外と紐づいていなかったことが多いと学びが大きかった。
そして火に関する知識、火消にとって恐ろしいという『朱土竜』(バックドラフト)は読後にYouTubeで拝見し、実際に巻き込まれたら悍ましいと恐怖を覚えた。

まだまだ学びが多い、江戸の火消。
次回は彼らがどう成長していくのか、とても楽しみなシリーズです。

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2025年05月05日

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んわああ、最高、最高〜!どんどん胸が熱くなって、ページをめくる手が止められなくなって、おかげで食事や睡眠がおろそかになりかける。火消したちのなんと粋でかっこいいことか。深雪さんも、あまりにもいい女でぎゅんってなった。真に強い人たちを見たような気がしたよ。時代は違えど、前線に立つお仕事に改めて敬意を抱いた。
それにしても、ほんとうに面白い物語を読ませてくれる。ほんとうに楽しい読書をさせてくれる。ありがとう、今村翔吾〜…!

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2025年04月19日

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火消したちの勇姿が光る、粋でいなせな物語。
まるでヒーローアニメのような熱さと臨場感。
続編が十冊以上あると知りつつも、きっと読まずにはいられない。

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2025年04月04日

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時に笑い、時に泣き、感情が揺さぶられまくる時間だった。

主人公の源吾はじめ、仲間たちの過去も含めて魅力にあふれている!もちろん深雪さんも。

田沼様や鬼平など、実在の偉人たちとの絡みにも大興奮!

最後の最後までページをめくる手が止まらない!!

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2025年04月02日

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なんとなく手に取ったら既刊11冊もある〜!でも間違いなく面白い!

過去に挫折した火消し屋源吾。過去を乗り越え、仲間を集め、江戸の街を、人々の生活を火から守る。
魅力的なキャラクター達に予想通りの熱き展開。こんなの面白くないわけない!
続編も読まねば〜

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2025年03月31日

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ここで少し前から積読にしていた今村翔吾さんのデビュー作に行ってみる。

かつて江戸随一の火消と呼ばれながら5年前の火事が原因で今は浪人に身をやつしている源吾が出羽新庄藩から誘われて再び火消の頭取となるところから始まるお話。
そこから、まずは頭取並の新之助を従え、纏持ち、壊し手、風読みに頼りとする人集めに入る前半。「七人の侍」を思い出すが、訳ありの3人の経緯が描かれる章はそれぞれに江戸の噺の情緒あり。
私のお気に入りは壊し手の寅。優しい心根の元関取はその巨駆と怪力をもって、宙に投げ出された人をしっかと受け止めたり、十貫はあろうかという瓦礫を放り投げ屋根瓦を壊したり、見せ場十分。

源吾とその女房・深雪との馴れ初めや5年前の火事の経過が描かれる章と、長谷川平蔵や田沼意次まで登場して火付け盗賊・狐火の因縁が明らかになる章を挟む中盤。
勿論、挟まれるだけの章の筈もなく、ここでもジンときたり驚いたり。平蔵に啖呵を切る深雪さん、かっこいい。(他にもあるが、きりがないので細かくは割愛)
火災を全て根絶すれば己の存在理由がなくなるのではないかという矛盾に怯えながらも、それでも源吾が火消に走る最終章へとなだれ込む。

火の勢いには多勢に無勢の大火の中、それでも際立つ<ぼろ鳶>の八面六臂の活躍。
その中で描かれる、源吾の火への恐怖に対する己との闘い。町衆を奮い立たせ素人だけで火消に挑む深雪の気丈さ。その二人の縁と絆の深さ。亡き父を超えんとする新之助の葛藤と活躍。狐火を追い詰める大捕り物。
これだけのことをこのページ数の中でよくぞ収めたというくらい、様々なエピソードが縦横に語られ、一冊の本の中で色んな味わいの話が楽しめる。
作中で二度あがる花火の場面が、それぞれにとても美しい。

既に10巻以上続いているシリーズものと分かっていたので、最初の巻を読んで嵌ってしまうと追いかけるのが大変かもと思っていたが、しまったなぁ、やっぱり続きも読みたくなっちゃったよ。

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

まきさんのシリーズ感想で読みたくなりました。

江戸随一の武家火消しだった主人公、松永源吾。
ある火事のせいで今は浪人。そこに火消し組織再建の依頼。その組織は金もやる気のある人もいない駄目組織。まずは人材確保に走り、元幕内力士、軽業師、天文博士と異色のタレントを入れ、徐々に組織としてまとまっていく。

このストーリーコテコテの連ドラの
王道パターン!!
これを時代小説で行う事が画期的なんですかね。

そのためストーリーはある程度予測できましたが、
今村さんの筆の力なのか、個性的なキャラクターなのかで作品はとても面白い!!!

特にクライマックスの深雪と新之助の行動は感情移入してしまいました。

とにかく、キャラがいい。次も期待したいです♪

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

表紙の後ろ姿が、なんとも言えず大好きでして‼︎
何度見ても惹かれる‼︎
そして、何度も読み返した『序』

火喰鳥と呼ばれた武家火消し〜炭をも呑み込む鳥〜

出羽新庄藩戸沢家の家臣へとの話からはじまり。
仲間とのそれぞれの出逢いのお話。
最初の出逢いは折下左門さまだ、よね。
そして、遅刻してきた火消し方頭取並 鳥越新之助
〜朱土竜〜
力士荒神山 寅次郎 〜達ヶ関 森右エ門〜
山城座 彦弥 〜待乳山の聖天さんの大銀杏〜
加持孫一 加持星十郎 〜小諸夜の蕎麦〜

そして、そして松永源吾とその妻深雪との縁。

〜人は何度でも立ち直れる〜
〜お帰りなさいませ〜

西の大関「火喰鳥」松永源吾久哥
東の前頭筆頭「赤舵」加持星十郎光春
西の前頭七枚目「谺」彦弥
東の前頭八枚目「荒神山」寅次郎
東の前頭十三枚目「襤褸鳶」鳥越新之助正勝

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

6/9〜6/16

デビュー作とは思えないくらい面白かった!
他の方のコメントでもあったけど、先日読み終えたばかりの「天地明察」と少し内容がかぶる場面があり、
「時代小説って面白いな〜〜!」と改めて思った。
次作も読みます!

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2025年06月16日

Posted by ブクログ

 かつて江戸随一の火消『火喰鳥』と呼ばれた松永源吾を筆頭に個性豊かな面々が集まった出羽新庄藩の火消組織・通称『ぼろ鳶』の活躍を描いた時代小説で、序盤の仲間集めや臨場感溢れる火消しの描写、謎の放火魔『狐火』との攻防など最後まで夢中になる展開の連続で面白かった。

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2025年05月17日

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江戸の街を舞台に火消しを主役にするとは考えたものである。
テンポの良い展開は頁をめくる手を止めさせないし、キャラクターの個性が豊かだ。
大火を前にして啖呵を切る姿にも現代人のなよっとした情けなさはなく、愚直なまでのまっすぐさがある。
結末は正直肩透かしでもう少し盛り上げてほしいところだったが、この男たちの姿には何度も目頭が熱くなった。

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2025年05月10日

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ネタバレ

数年前まで読むジャンルから歴史小説を外していたのに、今村翔吾「童の神」で見事に沼り、以来いろんな作家さんの歴史小説を読むように。

シリーズ物には手をださない主義だったはずなのに、どうやら漫画されていて映像化もするらしいと知り、じゃあ本作1巻だけ読んでみよっかなーと手に取る。

まず最初に始まる仲間探しにわくわくが止まらない。
江戸の火消しは鳶職人の仕事ということだけど、仲間になるのは元力士に軽業師、天文学の学者…と、バラエティー豊かで、個性的で、粋で、魅力的なキャラクターばかり。最初はみんな自分の居場所や生きがいを見失って過去を背負ってもがいているところに、主人公・源吾と出会う。

火消し、と一口に言っても、いろんな役割と必要能力があるらしい。
延焼を防ぐために建物を破壊する(重機なんて無いから人力で!)壊し手、屋根に登って旗印を掲げ先陣を切る纒(まとい)、風を読み軍師となって鎮火の方針を考える風読み…。ここに個性的な新メンバーがピタリとはまって、イキイキと活躍する姿にウルウルしてしまう。

ツギハギだらけの半纏を羽織る彼らは、まさに身も心もぼろぼろの「ぼろ鳶組」。
なのに、だんだん仲間たちにとってかけがえのない拠り所となっていく。
時にはお上の命令にも背き、お城よりも人命を最優先に救出する彼らのプライド、かっこよ。

江戸の粋な火消し職人の物語でありながら、義理人情のお話であり、人生の再生のストーリーでもある。
疾走感あって、感動が駆け巡る。

「怪我のせいで夢にもがく力士、恋のために身を滅ぼした軽業師、世を拗ねて引き籠る学者、父を拒み無気力な火消……人は何度でも立ち直れる。そう教えたのは誰だ!!火喰鳥!」

江戸中を走り回る彼らの背中を追うような視点で描かれた表紙のデザインもたまらない。

…うん、2巻も読もう、と思う。

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2025年04月22日

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「火事と喧嘩は江戸の華」と謳われるとおり、火消し職たちの鯔背な心意気は江戸庶民の注目の的だった。
そんな火消し職人を主人公にした小説が面白くないわけがない。しかも作者が、今村翔吾なら。
主人公松永源吾が咆哮する言葉がまさに彼そのものと感じ書き留めていたら、解説にも書かれていた。
「世には多くの天災がある。神には何かご意志があるのかもしれねえが、人にとってはただの理不尽でしかない・・・・その全てに指を咥えて黙っていられるほど、俺は人が出来ちゃいねえのさ。いい加減にしろって横っ面殴ってやる。いくぞ!俺に続け・・・・」

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2025年03月24日

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想像力 時代ものを読むこともあるのですが、そんなに違和感なく入り込めます。もちろん、作者の文才がそうさせているのだと思いますが、読み手側も微力ながら小説の世界に入る手伝いが出来ているのではないかと思います。私はこれまでに見た時代劇や、時代小説から勝手な想像を膨らませながら作品を読んでいます。想像力が豊かだと小説に没頭しやすいのではないかと思います。

私の想像力では毎回同じ街並み、同じ川、同じ柳になってしまいますが(笑)また、作品の設定に親近感があるときも小説に入り込みやすいと思います。江戸時代に親近感はあまりありませんが、仲間や仕事、家族というものはどの時代でも似ているもので、そういった部分が合っていたのだと思います。面白い作品でした。

江戸が舞台の小説ですが、個性ある仲間が集まり、悪に立ち向かう姿は良くある設定、ストーリーですが、飽きずに最後まであっという間に読むことが出来ました。続編も読みたいと思います。

「相撲の格付けに始まった番付であるが、ある時を境に諸事様々なものに格付けする番付遊びが庶民の中で流行し、観光名所や温泉地、食い物にまで番付が組まれ発刊されている。」番付を筆で書いているのを見て驚いた記憶があります。横綱や大関は名前が大きいから手書きでも分かりますが、幕下の力士となると細くてよく書けるな、米粒写経みたいで凄いと思いました。そんな、番付ですが今も昔もランキングは流行っていたんだなあと思いました。ランキングは偏った常識を作り出すので怖い面もありますが、初心者には役に立つことが多いです。私の読書では西の横綱は西加奈子さん、東の横綱は町田その子さんでしょうか。あっ、西加奈子さんはカナダで、町田その子さんは福岡でした。。。因みに横綱は昔はなかったそうです。

「宝永年間に開発されたという蕎麦切り」歴史物、時代小説を読んでいるとこういう情報を得ることが多々あります。この頃より前は、蕎麦団子のような食べ物を食べていたのでしょうね。まさか、ガレットが主流であったとは思えませんが、それなら面白いなとも空想して楽しめました。

「日は人々の暗い今日を消すために沈み、人々の輝く明日を彩るために登る」素敵な表現です。止まない雨はない、時は止まらない、世の中は常に変化する。終わりなどないのだと思います。

「耳朶」みみたぶと読みます。小説を読んでいると分からない漢字がたびたび出てきますが、何となくわかる場合は何となく読み飛ばし、どうしても気になる時はアプリで調べて読み進めます。これも読書の楽しみの一つです。

「鍵屋は稲荷明神の眷属様が咥えておられる鍵に由来する。清吉が独立した折には対の眷属様が咥えられている玉から名を頂き、玉屋としてはどうだ」鍵屋と玉屋の由来は知りませんでした。屋号の由来、素敵ですね。

「夫婦というものは不思議なものであると思う。日常の中ではあれほど誤解を生み合うものなのに、危機に直面すれば阿吽の呼吸で伝わる。」そうであって欲しいと思います。

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2025年12月03日

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今村翔吾のデビュー作。時代小説ではありながらフィクション多めのエンタメに仕上げる作風はイクサガミとも地続き。
前半は主人公源吾が一人ずつ仲間を集めるという、七人の侍やワンピース方式でまったりした展開だったが、放火魔を追い詰める後半は面白かったので一気に読み進んだ。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

本当は『イクサガミ』の方を読みたかったけど、時代小説だし読み切れる自信もなく、先にデビュー作から読んでみた

読み切れるもなにも、めちゃくちゃTHEエンタメ小説やん!てなりました
しかもベタ中のベタ!
とにかく火消しの羽州ぼろ鳶組が粋でいなせ
映像が目に浮かぶのでこちらもNetflixでドラマ化してほしいくらい面白かったです

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2025年10月07日

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